JPS6139413Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は一眼レフカメラのミラーボツクスのミ
ラー下部からの漏光を防止する遮光装置に関する
ものである。

従来のミラーボツクスは、ミラーの枢着部をミ
ラーの基部とすると、その反対側である末端部に
格別の遮光装置が設けられてなく、この為末端部
から光を侵入し、フオーカルプレーンシヤツタは
この侵入光を遮断する為を講じなくてはならなか
つた。

すなわち、複数のシヤツタブレートを重ね合わ
せて構成してなるブレードタイプのフオーカルプ
レーンシヤツタにおいては、各ブレート相互の重
なり量を大きくして光漏れを防止しなくてはなら
ず、このため各ブレードが大きくなり、大きな質
量を有するため、高速秒時を得ることが困難とな
り、またシヤツタを小型化するための障壁ともな
つている。

本考案は如上従来技術の欠点に鑑みて、ミラー
ダウン時のミラー下部を通過する光を遮断し、ミ
ラーアツプ時にはこの遮断を去つて撮影光の通過
を許すようにしたミラーボツクスの遮光装置を提
供する。

以下本考案を図示した実施例により説明する。

第１図乃至第４図において、１はプリズム、
２，３はシヤツタ基板、４は中間板、５は複数の
シヤツタブレード群からなるフオーカルプレーン
シヤツタの開き羽根、６は同じく閉じ羽根、７は
軸８で基部を枢着され、ピン７ａを植立するミラ
ー、９はミラー上方を遮光する遮光部材、１０は
軸１１によつてミラー７の末端部に枢着され、バ
ネ１２によつて第１図において右旋性を与えら
れ、遮光部１０ａ、アーム１０ｂを有する下部遮
光部材、１３はミラーボツクスの床面で、溝部１
３ａを備えている。１４はミラーボツクス内に設
けられ、アーム１０ｂと係接する反転ピン、１
５，１６はミラー７のストツパーピンである。

次に作動の説明をする。

第１図において、ミラー７はおりていて、溝部
１３ａ内に遮光部１０ａが埋設されている状態が
示されている。この状態から図示していないミラ
ー駆動機構の作動でミラー７が右旋されると、ミ
ラー７は末端部に下部遮光部材１０を取り付けた
まま持ち上げ、その過程でアーム１０ｂが反転ピ
ン１４に係接する。ミラー７は更に続けて右旋し
てストツパーピン１６に抑止され、下部遮光部材
１０はアーム１０ｂを反転ピン１４に抑止された
状態で、軸１１が上昇する事によつて左旋して遮
光部１０ａがミラー７に密着して光路から待避す
る。この状態で開き羽根５，閉じ羽根６が作動し
て撮影が終了すると、前記ミラー駆動機構が作動
してミラー７を左旋させ、これによつて下部遮光
部材１０は反転ピン１４との相対的位置の変動に
伴い、バネ１２によつて右旋してピン７ａに抑止
され、第１図で示した状態となる。ミラー７は更
に左旋してストツパーピン１５に抑止され。図示
の状態に復帰する。

尚、以上において第１図と第２図とにより床面
１３に溝部１３ａを設け、これに下部遮光部材１
０の遮光部１０ａの端部を埋設せしめることによ
つて光を完全に遮断するようにした例について説
明したが、第３図で示したように床面１３に溝部
を設けず逆に床面１３′に塀状突起１３a′を設け
るようにしても、あるいは単に床面１３の平面部
分に溝部１３ａに埋設していた分だけ短かくした
遮光部１０ａを接するようにしただけでも相当の
遮光効果が得られ、このようにしても本考案を実
施できるものである。

本考案によれば、ミラー７の末端部に可動の下
部遮光部材１０を設たことによつて、ミラーアツ
プ時においてミラー７に折込まれるようにしてミ
ラー７本体の長さと等しくなるようにして全長が
ミラーダウン時よりも短縮され、ミラーアツプ時
にレンズ等に接触しないので、ミラーボツクスの
大きさを変えなくてよく、カメラのコンパクト性
を損ねることなく実施できる効果が得られる。

本考案によれば、レンズを太陽に向け、直射日
光がミラーボツクスに入射しても、シヤツタプレ
ードあるいはシヤツタ幕に達する前に遮ぎられる
から、プラスチツクあるいはゴム布などのシヤツ
タを焼損せしめることを未然に防止できる効果が
得られる。

本考案によれば、以上の如く下部遮光部材１０
をミラー７の末端部においてミラーダウン時にお
ける下部漏れを遮断するとともに、ミラーアツプ
時には、ミラーアツプ作動に関連して光路より待
避して撮影の妨げとならないものであり、これに
よつて撮影を行わないミラーダウン時においてフ
オーカルプレーンシヤツタへの光の入射が防止さ
れ、遮光をより向上せしめ得る効果が得られる。

本考案によれば、如上ミラー下部からの光漏れ
が防止され、フオーカルプレーンシヤツタへの光
の入射が防止されることによつて、例えばブレー
ドタイプのフオーカルプレーンシヤツタの場合、
シヤツタブレードの重なり量を小さくでき、ブレ
ード自体を小型化できるため、シヤツタ羽根が軽
量化され、高速秒時が容易に得られる効果を得る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はミラーダウン状態を示す本考案の実施
例を示す断面図、第２図はミラーアツプ状態を示
す本考案の実施例の断面図、第３図は第１図及び
第２図とは異なる本考案の実施例を示す断面図、
第４図は下部遮光部材１０の見取図である。 ７……ミラー、１０……下部遮光部材、１０ａ
……遮光部、１３……床面、１３ａ……溝部、１
３′……床面、１３a′……塀状突起。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ミラーダウン時において、ミラーボツクスの
   床面とミラー７の末端部との間の隙間をカバー
   する遮光部１０ａ及びアーム１０ｂを備え、ミ
   ラー７の末端部にミラー７の軸と平行に作動で
   きる様に枢着される下部遮光部材１０と、 ミラーボツクス内に植立され、ミラーアツプ
   時に前記下部遮光部材１０のアーム１０ｂと係
   接し、ミラーアツプ時における下部遮光部材１
   ０を折りたたませる反転ピンと、 からなるミラーボツクスの漏光防止装置。 (2) 実用新案登録請求の範囲(1)記載のミラーボツ
   クス漏光防止装置において、ミラーボツクスの
   床面１３に溝部１３ａを形成し、ミラーダウン
   時における下部遮光部材１０の遮光部１３ａの
   下部部を埋設せしめてなる ミラーボツクスの漏光防止装置。 (3) 実用新案登録請求の範囲(1)記載のミラーボツ
   クスの漏光防止装置において、ミラーボツクス
   の床面１３′に塀状突起１３a′を形成し、ミラ
   ーダウン時の下部遮光部材１０の遮光部１０ａ
   と前記突起１３a′とを係接せしめてなる ミラーボツクスの漏光防止装置。