JPS6139206Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の技術分野 本考案は、被調理物（食物）を加熱調理する高
周波加熱調理装置に係り、特にオーブン内の被調
理物を載置する棚板の出し入れによるオーブン枠
体の内壁に塗装された合成樹脂材による塗料の損
傷を防止する高周波加熱調理装置に関する。

考案の技術的背景 従来の高周波加熱調理装置は、第１図乃至第４
図に示されるように、開閉扉１を備えた箱形をな
すケース本体２内に、オーブン３及び機械室４を
オーブン枠体５で区分して形成し、このオーブン
枠体５の天板５ａに励振口６を有する導波管７を
添設し、この導波管７の一端部にマグネトロン８
を付設し、他方、上記オーブン枠体５の底面５ｂ
に被調理物９を載せる棚板１０の棚受部材１１を
設けたものである。

特に、上記オーブン枠体５は、鉄板を折曲げて
成形し、この鉄板の内壁面に、例えば、アクリル
樹脂による合成樹脂材を塗布している関係上、上
記棚板１０を出し入れする時に、オーブン枠体５
の内壁面に塗布されたアクリル樹脂が損傷するの
を防止するために、例えば、ポリプロピレンによ
る樹脂材で成形した棚受部材１１が挿着されてい
る。又、この棚板部材１１の形状は、第３図及び
第４図に示されるように、前側から奥端部まで扁
平な受板体１１ａとし、この受板体１１ａの前側
にゆるい傾斜面１１ｂを施したものである。

背景技術の問題点 しかしながら、上述した高周波加熱調理装置の
棚受部材１１は、被調理物９を載せた棚板１０の
出し入れ時、或は、高周波加熱調理装置のケース
本体２全体が前がわに低く、後がわが高めに設置
されたとき、上記棚板１０がオーブン３から前方
へせり出たり、又は、オーブン３から落下するお
それもあり、さらに、上記棚板１０をオーブン３
内に挿入して設置する場合、不完全な状態で設置
すると、開閉扉１の閉扉時、開閉扉１の一部が棚
板１０に衝突して損傷するおそれもある。

又一方、第５図及び第６図に示されるように、
オーブン枠体５の底面５ｂに棚板１０を載せる段
部１２ａを有する中間凹部１２を形成し、この段
弊１２ａの前側に棚板１０を取出すための手掛け
凹部１３を形成した高周波加熱調理装置は、本出
願人によつて提案されている（実公昭55−22415
号）。

しかし、上述した構成を備えた高周波加熱調理
装置は、製造上の加工が複雑であり、安価に提供
することが困難である。

考案の目的 本考案は、上述した事情に鑑みてなされたもの
であつて、棚板をオーブン内に円滑に挿脱できる
ようにすると共に、オーブン枠体の内周壁に塗布
された塗装膜を損傷しないようにして、併せて、
構成を簡素化して量産による省力化を図ることを
目的とする高周波加熱調理装置を提供するもので
ある。

考案の概要 本考案は、オーブンを形成するオーブン枠体の
底面に、合成樹脂材による棚受部材を設け、この
棚受部材の前側に上方へ僅かに突出した条堤を形
成し、この条堤の前方に傾斜面を形成した構成の
ものである。

考案の実施例 以下、本考案を図示の一実施例について説明す
る。

なお、本考案は上述した具体例と同一構成部材
には同じ符号を附して説明する。

第７図乃至第９図において、符号２は、開閉扉
１を備えた箱形のケース本体であつて、このケー
ス本体２内にはオーブン９及び機械室（第２図参
照）４がオーブン枠体５によつて区分して形成さ
れており、このオーブン枠体５の底面５ｂには被
調理物９を載せる棚板１０の棚受部材１４が設け
られている。

即ち、上記棚受部材１４は、例えば、ポリプロ
ピレンのような合成樹脂材で成形されており、前
側から奥端部まで扁平な受板部１４ａで形成され
ている。又、この棚受部材１４の前側には上方へ
僅かに突出した条堤１４ｂが形成されており、こ
の条堤１４ｂの前方には傾斜面１４ｃが形成され
ている。

なお、上記棚受部材１４の条堤１４ｂの高さｈ
は約1.5〜３mm程度が望ましい。又、上記棚受部
材１４の奥端部に形成された立上り片１４ｄはス
トツパの機能を有するものであり、棚板１０の挿
着時、オーブン枠体５の内周壁面に塗布された塗
装膜を損傷しないようになつている。

従つて、本考案は、棚受部材１４の前側に上方
へ僅かに突出した条堤１４ｂを形成し、この条堤
１４ｂの前方に傾斜面１４ｃを形成しているか
ら、加工も容易であり、しかも、棚板１０をオー
ブン３内に円滑に挿脱することができる。

考案の効果 以上述べたように本考案によれば、被調理物９
を載せた棚板１０を棚受部材１４の受板部１４ａ
上に確実に挿着したことが、上記条堤１４ｂによ
つて判別し易くなり、不充分な棚板１０の挿入に
よつて、開閉扉１やオーブン枠体５の内周壁面を
損傷するおそれはなくなり、電波洩れによる事故
もなく、安全性を向上することができる。さらに
又、本考案は、棚受部材１４の前側に傾斜面１４
ｃを形成してあるから、棚板１０の挿入も円滑と
なり、挿脱時の騒音や振動もなくなる等の実用的
な効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第６図は従来の高周波加熱調理装置
を説明するための各図、第７図は本考案による高
周波加熱調理装置の一部を破載して示す斜視図、
第８図は本考案の要部を示す断面図、第９図は、
第８図中の鎖円Ａ部を拡大して示す断面図であ
る。 １……開閉扉、２……ケース本体、３……オー
ブン、５……オーブン枠体、１０……棚板、１４
……受部材、１４ａ……受板部、１４ｂ……条
堤、１４ｃ……傾斜面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. オーブンを形成するオーブン枠体の底面に合成
   樹脂材による棚受部材を設け、この棚受部材の前
   側から奥端部まで扁平な受板部を形成し、この棚
   受部材の前側に上方へ僅かに突出した条堤を形成
   し、この条堤の前方に傾斜面を形成し、上記奥端
   部に立上り片を形成したことを特徴とする高周波
   加熱調理装置。