JPS6137628Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は箱本体と蓋体とを備える段ボール箱に
関し、蓋体が箱本体から不測に外れないようにし
たものである。

段ボール箱は例えば引越しの際等に使用される
が、従来は箱本体の上端開口側に単に蓋体を着脱
自在に外嵌していたので、運搬途中等に蓋体が不
測に外れ、箱本体内部の収納物が飛出す等の問題
があつた。

本考案は上記問題点を解消したもので、その特
徴とするところは、箱本体と、該箱本体の上端開
口側に着脱自在に外嵌する蓋体とを備えた段ボー
ル箱において、蓋体の対向する側壁を、外壁部と
その外壁部の下端から該外壁部に重合するように
屈曲した内壁部とを有する２重構造に形成し、そ
の対応する内壁部に、上方側が内方突出するよう
に傾斜する係合片を切起し形成し、その係合片と
外壁部との間に、該係合片を前記傾斜状態に保持
するように弾性材を設け、箱本体の側壁に、前記
係合片が係脱自在に係合する係止孔を設けた点に
ある。

以下、本考案を図示の実施例に従つて説明する
と、第１図乃至第３図において、１は箱本体で、
底壁２と前後側壁３，４と左右側壁５，６とを有
する方形に形成されている。この箱本体１は第４
図に示す如く前側壁３と右側壁６と係止片７，８
と接続片９とを一体に備える第１型紙１ａと、後
側壁４と左側壁５と係止片１１，１２と接続片１
３とを有する第２型紙１ｂとを、夫々折曲線１
４，１５，１６，１７及び折曲線１８，１９，２
０，２１で折曲すると共に、接続片９，１３を左
右側壁５，４の外端に夫々接着して第２図に示す
如く箱形に形成したものであり、その底壁２は係
止片７，８，１１，１２を板状に保持すべく互い
に係合させて成る。底壁２及び側壁３，４，５，
６は第５図に示す如くボール紙ａとその外面に貼
着した化粧紙ｂを備える。２３は前後側壁３，４
の上端部中央に設けた係止孔である。２５は前壁
３に開口した覗き孔で、第５図に示す如く前壁３
の内面には覗き孔２５を塞ぐようにビニールシー
ト等により構成した透明体２６が接着剤２７等に
より貼着されると共に、第５図及び第６図に示す
如く透明体２６の内面には紙やビニールシート等
により構成した不透明体２８が取外し自在に重合
接着されている。３１は箱本体１の上端開口を開
閉自在に塞ぐ蓋体で、天壁３２と前後側壁３３，
３４と左右側壁３５，３６とを有する方形に形成
され、箱本体１の側壁３，４，５，６の上端部に
着脱自在に外嵌されている。側壁３３，３４，３
５，３６は夫々外壁部３３ａ，３４ａ，３５ａ，
３６ａと内壁部３３ｂ，３４ｂ，３５ｂ，３６ｂ
とから成り、また天壁３２及び側壁３３，３４，
３５，３６は箱本体１の場合と同様に段ボール箱
とその外面に貼着した化粧紙とを備えて成る。こ
の蓋体３１は第７図に示す如く天壁３２と側壁３
３，３４，３５，３６と連結片３７，３８，３
９，４０とを有する型紙３１ａを点線で示す折曲
線に沿つて折曲して、左右側壁３５，３６の外壁
部３５ａ，３６ａと内壁部３５ｂ，３６ｂとを重
合させると共に、前後側壁３３，３４の外壁部３
３ａ，３４ａと内壁部３３ｂ，３４ｂとをその両
者間に連結片３７，３８，３９，４０を挾んだ状
態で重合させて形成したものである。４１は係合
片で、前後側壁３３，３４の内壁部３３ｂ，３４
ｂの中央部に箱本体１の係止孔２３に対応して切
起し形成され、上方側が内方突出するように傾斜
している。この係合片４１と外壁部３３ａ，３４
ａとの間には第８図に示す如く係合片４１を上方
側が内方突出する傾斜状態に保持するようにスポ
ンジやゴム等の弾性材４２が設けられており、蓋
体３１を箱本体１の上端部に外嵌したとき係合片
４１が係止孔２３に係脱自在に係合するようにな
つている。なお、弾性材４２は係合片に接着され
ている。

上記実施例の構成によれば、箱本体１に物を収
納する場合、透明体２６を取外しておくことによ
り、蓋体３１を開放しないでも、収納した物を外
部から覗き孔２５を利用して見ることができ、ま
た外部から収納した物を見えないようにしたいと
きには、不透明体２８を透明体２６に接着したま
まにしておけば、覗き孔２５から箱本体１内部が
見ないようにすることもでき、非常に便利であ
る。しかも透明体２６があるため、覗き孔２５か
ら箱本体１内部にゴミやほこりが侵入する惧れも
ない。また、蓋体３１を箱本体１の上端部に外嵌
して閉塞すれば、係合片４１が第８図に示す如く
係止孔２３に係合し、蓋体３１を箱本体１から不
測に外れないようにでき、また蓋体３１を取外す
場合には、蓋体３１の前後側壁３３，３４と箱本
体１の前後側壁３，４との間に指を挿入して、ス
ポンジ４２を圧縮するように係合片４１を外方に
押圧すればよく、係合片４１が係止孔２３から外
れ、蓋体３１を簡単に取外すことができる。

なお、前記実施例では弾性材４２は断面長方形
状であるが、第９図に示す如く断面三角形状にし
てもよく、また弾性材４２は係合片４１に接着し
てもよくし、外壁部３５ｂ，３６ｂに接着するよ
うにしてもよく、さらに係合片４１と外壁部３５
ｂ，３６ｂとの両者に接着してもよい。また、前
記実施例では係合片４１及び係止孔２３を箱本体
１の前後側壁３，４及び蓋体３１の前後側壁３
３，３４に設けているが、これに代え箱本体１の
左右側壁５，６及び蓋体３１の左右側壁３５，３
６に設けるようにしてもよい。さらに箱本体１及
び蓋体３１の形状は方形に限定されず、円筒形そ
の他の形状であつてもよい。

本考案によれば、蓋体の二重構造に形成した対
向する側壁の内壁部に、係合片を切起し形成し、
この係合片と外壁部との間に、該係合片を上方が
内方突出する傾斜状態に保持するように弾性材を
設け、箱本体の側壁に前記係合片が係脱自在に係
合する係止孔を設けているので、箱本体に蓋体を
外嵌すると、蓋体が自動的に箱本体に係合し、こ
のため蓋体が箱本体から不測に外れる惧れがなく
なる。しかも蓋体の着脱は従来と略同様に非常に
簡単であり、また係合片や係止孔で段ボール箱の
外観を損なうようなこともなく、その実用的効果
は著大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例をす正面図、第２図
は同箱本体の斜視図、第３図は同蓋体の斜視図、
第４図は同箱本体の展開正面図、第５図は第１図
のＡ−Ａ線断面図、第６図は箱本体の展開背面
図、第７図は蓋体の展開正面図、第８図は第１図
のＢ−Ｂ線断面図、第９図は他の実施例を示す側
断面である。 １……箱本体、３……前側壁、４……後側壁、
２３……係止孔、３１……蓋体、３３……前側
壁、３４……後側壁、３３ａ，３４ａ……外壁
部、３３ｂ，３６ｂ……内壁部、４１……係合
片、４２……弾性材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 箱本体と、該箱本体の上端開口側に着脱自在に
   外嵌する蓋体とを備えた段ボール箱において、蓋
   体の対向する側壁を、外壁部とその外壁部の下端
   から該外壁部に重合するように屈曲した内壁部と
   を有する２重構造に形成し、その対応する内壁部
   に、上方側が内方突出するように傾斜する係合片
   を切起し形成し、その係合片と外壁部との間に、
   該係合片を前記傾斜状態に保持するように弾性材
   を設け、箱本体の側壁に、前記係合片が係脱自在
   に係合する係止孔を設けたことを特徴とする段ボ
   ール箱。