JPS6137551B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、溶融炉内の気密性を保持しながら炉
内に副原料を装入する装置に関する。

例えば、製鉄所の高炉から多量に副生する高温
溶融状スラグは、これを水で急冷破砕して水砕ス
ラグに加工したものが、高炉セメント、セメント
混合材、地盤改良材、コンクリート骨材等に利用
されている。また、これを広大な敷地に放流し、
冷却してスラグ砕石（徐冷スラグ）に加工したも
のが路盤材、骨材、埋立資材等の他にロツクウー
ル原料として利用されている。

ところで、従来のロツクウールの製造は、スラ
グ砕石に必要に応じて成分調整材を添加して電気
炉、キユプラ等で再溶融し、溶融物を遠心力及
び／又は圧力空気、スチーム等の流対圧力で繊維
化する方法がとられている。

しかし、上記方法はスラグ砕石の再溶融に多大
のエネルギーを費やすため、最近では省エネルギ
ーの観点から、高炉よ副生する高温溶融スラグ
（主原料）を溶融炉例えば電気炉内に直接装入
し、電気炉で成分調整した後、製綿機に供給する
方法が注目されている。この方法では、溶融状の
スラグを電気炉でわずかに加熱し、またこれに添
加する成分調整材（副原料）を溶解させるだけの
エネルギーですむので、従来の製造方法に比較し
て投入エネルギーを極めて少なくすることができ
る。

ここで、副原料の装入に伴なつて問題になるの
は、主原料がすでに装入されている電気炉内の気
密性の保持及び電気炉の炉内温度の低下防止を図
につつ、主原料に対し所定量の副原料を定量的に
供給する点にある。

本発明は、このような問題を解決した溶融炉の
副原料装入装置を提供することを目的としてい
る。そして、本発明の要旨とするところは、主原
料を溶融する炉であつて、周期的に炉全体が傾動
する密閉溶融炉内に、主原料に対し所定量の副原
料を装入する装置において、上記溶融炉に該溶融
炉の傾動に追随して屈曲し得る耐熱性屈曲機能を
備えた供給導管を介して副原料の乾燥予熱器と２
段階の秤量手段よりなる定量供給器とを密に連接
したことにある。

本発明の対象である溶融炉は、高炉からの溶融
スラグを装入後、そのスラグ成分をロツクウール
の製造に適した成分に調整するため、粉状珪石を
添加混合し、炉体を定まつた割合で傾動させて排
出ノズルから製綿材へ一定量づつ供給する傾動溶
融炉である。炉内は耐スラグ侵蝕性を高める点よ
り黒鉛質耐火物が使用されるのが常であり、酸素
従つて空気の侵入は耐火物の損耗に通ずる。従つ
て炉内は不活性ガス特に窒素ガス等により気密に
保持されている。このように主原料が装入されて
いる溶融炉の気密性の保持及び炉内温度の低下防
止を図りつつ溶融炉を傾動し、この傾動しつつあ
る炉に主原料に対し一定量の副原料を炉内温度変
化を最小にするよう予熱した上で定量装入するこ
とが目的である。一方、副原料供給装置からはあ
る割合で供給されるが、供給装置の大きさを大き
くして高価な設備にしないため、また炉内での温
度変化を大きくさせないためには、連続に近い供
給装置が好ましいことはいうまでもない。この連
続に近い供給を受け、燃焼ガスと向流接触させて
予熱し、これを第１段の秤量を行なうサージホツ
パー（これはシユート径を大きくしたもので代替
してもよい）へ貯留して第１段の秤量を行なう
が、このホツパー又は大径シユートへは廃ガス集
塵装置よりの微粉末ダストも流れ込み、予熱器か
らのロータリーバルブの開度調整、下方秤量ホツ
パーへのワンダー弁の開閉時期も関係し、１段で
秤量するには精度が不十分である。そこで更に下
方に秤量ホツパーを設けて副原料の装入をより正
確になるようにしている。

この予熱秤量副原料を炉内に導くのに、炉体は
常時傾動しているので、溶融炉の傾動に追随して
屈曲し得る屈曲機能を有し、しかも300℃以上の
予熱物に耐える構造でなければならない。このた
め数個の導管を３個以上のスイベルジヨイントで
連結した装置とか、金属製屈曲管等の耐熱性屈曲
装置よりなる供給導管を介して炉内に導入するこ
とが必要である。

以下、添付図面に示す実施例に基づき本発明を
詳細に説明する。

添付図面に示す実施例において、密閉溶融炉と
しての電気炉１の上部には副原料装入装置２を設
置する架台３が組まれ、この架台３に副原料装入
装置２の主要部を構成する乾燥予熱器４及び定量
供給器５が夫々設置されている他、定量供給器５
と電気炉１とは供給導管６によつて連結されてい
る。

上記乾燥予熱器４の上部に開設された副原料投
入口７には、フローコンベア８の一端が近接配置
され、貯溜ホツパ９からバケツトコンベア１０を
介してフローコンベア８の他端側に持ち上げられ
た副原料としての粉状珪石（約１〜５mm粒径）が
フローコンベア８上を移動して上記副原料投入口
７から供給される。乾燥予熱器４内に投入された
粉状珪石は、乾燥予熱器４の下部に接続された熱
風発生炉１１から吹き込まれる約450〜500℃の熱
ガスによつて乾燥され同時に約300℃付近まで予
熱される。この実施例において、乾燥予熱器４
は、例えば固気向流方式の充填層タイプのものが
用いられ、また、乾燥予熱器４内に導入した粉末
珪石の充填量は、乾燥予熱器４の上部に設けたレ
ベル計などにより測定され、必要に応じて貯溜ホ
ツパ９とバケツトコンベア１０との間に設けられ
るロータリバルブ１２の開度や、バケツトコンベ
ア１０およびフローコンベア８などのスピードを
変えて、粉状珪石の投入量を調整することができ
る。

乾燥予熱器４内において粉状珪石と熱交換した
後の排ガスは、微粉状珪石の一部を含んだまま乾
燥予熱器４に接続される集塵機１３内に運ばれ、
該集塵機１３内で微粉状珪石の捕集除去が行なわ
れた後、大気に放出される。また、集塵機１３内
で捕集された微粉状珪石は、集塵機１３の下部に
設けられたワンダー弁１４ａを経てダストチヤン
バー１５内に排出貯溜される。

一方、乾燥予熱器４で約300℃に予熱された予
熱粉状珪石は、該乾燥予熱器４の下端部に設けら
れたロータリバルブ１６を経て、定量供給器５の
一部を構成する密閉容器としてのサージホツパー
１７内に供給される。サージホツパ１７内の予熱
粉状珪石の貯溜量は、ダストチヤンバー１５から
ワンダー弁１４ｂを介してサージホツパ１７内に
送り込まれる排ガス中の微粉状珪石も含めてサー
ジホツパ１７に取り付けられたロードセルによつ
て測定され、所定の貯溜量を得るため、その測定
値に応じてロータリバルブ１６の開度調整が可能
となつている。そしてサージホツパ１７内に所定
量貯溜された予熱粉状珪石は、タイムスケジユー
ルに合せてサージホツパ１７の下部に設けられた
ワンダー弁１８を介して、一定量ずつ秤量ホツパ
１９内に供給される。そして、この供給量は、サ
ージホツパ１７の場合と同様、秤量ホツパ１９に
取り付けられたロードセルによつて電気炉１内へ
の装入量が正確に測定され、送り出し側のワンダ
ー弁２０を介して下部に接続される供給導管６内
に送り込まれる。上記実施例において、定量供給
器５は、装入量測定機能を夫々有するサージホツ
パ１７と秤量ホツパ１９とで構成されているた
め、より正確な秤量値を得ることができる。

上記供給導管６は、中間に設けた３個のスイベ
ルジヨイント２１ａ，２１ｂ，２１ｃによつて連
結され、各スイベルジヨイント２１ａ，２１ｂ，
２１ｃを節として自在に屈曲し得る構造となつて
いる。そして、供給導管６の下端部は電気炉１の
上面中央部に開設した装入孔の周縁部に溶接され
ており、上記秤量ホツパ１９から送り込まれる所
定量の予熱粉状珪石を、電気炉１内の気密性を保
持しつつ装入することができる。

上記電気炉１内への予熱粉状珪石の装入量及び
装入タイミングは、電気炉１上に装備されたスラ
グ装入装置２２を介して、鍋車２３から電気炉１
の気密性を保持しつつ装入される主原料としての
溶融スラグの装入量及び装入時期に合わせて調整
されており、秤量ホツパ１９下部のワンダー弁２
０の開閉時期を調整することにより予熱粉状珪石
の間欠装入が可能となつている。

上記電気炉１は、油圧シリンダ装置２５の伸縮
作動により炉全体が傾動できる構造となつてお
り、側壁に設けられた排出ノズル２８から粉状珪
石によつて成分構成された溶融スラグを連続的に
製綿機２７内へ定量供給するようにしているが、
添付図面に仮想線で示すように、漸次変化する電
気炉１の傾動角度に追随してスイベルジヨイント
２１ａ，２１ｂ，２１ｃが夫々自在に首を振り、
供給導管６は上端部と下端部が秤量ホツパ１９及
び電気炉１に夫々固定された状態で自在に屈曲し
得るため、電気炉１内の気密性及び保温性を保持
した状態で予熱粉状珪石を供給することができ
る。このように、電気炉１の傾動に追随させて供
給導管６を自在に屈曲し得るように構成してある
ため、乾燥予熱器４及び定量供給器５を電気炉１
の動きとは独立させて架台３上に固定した状態で
配置することができ、副原料装入装置の配置上の
困難性及び乾燥予熱機能や秤量機能への悪影響を
完全に避けることができる。

なお、添付図面に示す実施例では、乾燥予熱器
４、定量供給器５及び供給導管６を電気炉１の上
方ほぼ垂直方向に連接配置し、重力よる降下作用
を利用して粉状珪石を電気炉１内に装入できるよ
うにしているが、この配置状態に限定されるもの
ではなく、粉状珪石の移送手段に動力を使用する
場合等には、工場内の配置上の制約等に合せて
種々の配置構成をとることができる。また、上記
実施例では、副原料としての粉状珪石を傾動可能
な電気炉１内に装入する手段について説明した
が、副原料としては上記粉状珪石に限らず例えば
石灰、蛍石、コークス粉など類似の原料を使用す
る場合にも勿論適用できるものである。一方、副
原料を受け入れる炉として、周期的に傾動する電
気炉１について説明したが、上記電気炉１に限ら
ず、例えば、溶融鉄、溶融銅あるいは溶融アルミ
ニウム等の類似の溶融炉で傾動中の原料添加を要
する他の溶融炉についても適用できる。ことは勿
輪である。更に、予熱乾燥器４、定量供給器５に
ついても、上記実施例の場合に限定されるもので
はなく、これら機能を代替し得るものであれば適
用できることは勿輪であり、また、供給導管６も
スイベルジヨイント２１ａ，２１ｂ，２１ｃによ
つて連結することなく、例えば、供給導管自体を
耐熱性の金属可撓管等の材料で屈折可能に構成し
てもよいことは勿輪である。

以上説明したように本発明に係る溶融炉の副原
料装入装置によれば、高温溶融物及び高温ガスを
保有する溶融炉内に、溶融炉内の気密性及び保温
性を保持しながら副原料を定量的に装入すること
が可能となり、溶融炉での使用エネルギーの低減
と溶融物の成分調整とを比較的簡易な手段で達成
することができた。

【図面の簡単な説明】

添付図面は、本発明に係る副原料装入装置を装
備した電気炉のシステム図である。 １……電気炉（溶融炉）、２……副原料装入装
置、４……乾燥予熱器、５……定量供給器、６…
…供給導管。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 主原料を溶融する炉であつて周期的に炉全体
   が傾動する密閉溶融炉内に、主原料に対し所定量
   の副原料を装入する装置において、上記溶融炉に
   該溶融炉の傾動に追随して屈曲し得る耐熱性屈曲
   機能を備えた供給導管を介して、副原料の乾燥予
   熱器と２段階の秤量手段よりなる定量供給器とを
   密に連接してなる溶融炉の副原料装入装置。