JPS6136040Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は油圧スイツチに関する。

例えば、パワステアリング装置の油ポンプなど
において、操舵時に作動油圧が急昇したときに、
それを感知してエンジンのアイドリング回転を高
めてエンストの防止をはかつたものがある。この
ために、第１図に示すような油圧スイツチを油圧
回路に取付け、このスイツチの信号によりエンジ
ンアイドル吸気量を増加させている。

ところでこの油圧スイツチは、導電性材料の円
筒状ケース本体１の一方の端部に結合ネジ部２を
有し、その内部にはシリンダ３が形成される。

シリンダ３は、一方の端部をバルブ本体１に螺
合するプラグ４により閉塞され、他方の端部は油
圧導入孔５が油ポンプの図示しない油圧室と連通
する油路６に連通する。

油圧導入孔５にはプランジヤ８がＯリング９を
介して摺動自由に収装され、シリンダ３には導電
性のピストン１０が遊嵌されている。

軸部１１の先端がプラグ４を絶縁リング４ａを
介して貫通するターミナル１２と接離自由なピス
トン１０は、スプリング１３に付勢され常時プラ
ンジヤ８に圧接している。なおピストン１０の周
囲には通孔７を介して大気が導かれている。

したがつて、プランジヤ８にかかる作動油圧と
大気圧との差が、スプリング１３の設定圧を越え
ると、プランジヤ８が変位してピストン１０の軸
部１１をターミナル１２に接触され、スイツチを
電気的にオンにする。

これにより、例えば図示しないキヤブレータの
バイパス流路の電磁バルブを開弁し、吸気流量を
増してアイドリング回転の低下を防止してエンス
トを防止しているものである。

ところが、このような油圧スイツチは、その構
造上、Ｏリングにより油圧導入孔５の油圧をシー
ルしてシリンダ３へのリークを防止しており、ま
た、シリンダ３は大気に開放されているため、Ｏ
リング９の受ける差圧力は大きくなつている。

したがつて、Ｏリング９の締代は上記差圧力に
耐え得るように大きく設定しなければならない。
この結果、プランジヤ８の摺動抵抗が大きくな
り、ヒステリシスも生じてスイツチの作動性が悪
くなるという問題があつた。

本考案は上記した問題を解決するために、シリ
ンダの内部を低圧ドレン側に開放しプランジヤの
シールを不要とすることにより、作動性、感知特
性の向上をはかつた油圧バルブを提供することを
目的とする。

以下、本考案の実施例を図面にもとづいて説明
する。なお、第１図と実質的に同一の部位につい
ては同一符号を使用する。

第２図に示すように、油圧導入孔５にはプラン
ジヤ８が軽く摺動し得るように収装され、また、
シリンダ３にはピストン１０が摺動自由に収装さ
れている。この場合、プランジヤ８の周囲には、
Ｏリングなどのシールリングは嵌めてない。

シリンダ３は、ピストン１０により前室１４と
後室１５に画成される。この前室１４はドレン孔
１６により油圧ポンプに設けられたドレン通路１
７を介して図示しないドレンタンクに連通し、ま
た後室１５はピストン１０に穿設された連絡孔１
８を介して前室１４に連通している。なおターミ
ナル１２を挿入したプラグ４は全て絶縁材で形成
してあるので、従来の絶縁リング４ａは不要とな
る。

以上のように構成され、次にその作用について
説明する。

油圧導入孔５の作動油圧が上昇するとプランジ
ヤ８がピストン１０を押してスイツチをオンにす
る。このとき作動油の一部は油圧導入孔５とプラ
ンジヤ８との摺動部をリークするが、シリンダ３
の前室１４及びこれとピストン１０の連絡孔１８
を介して連通する後室１５はドレン孔１６，１７
を介して低圧側に開放されているので、ピストン
１０の作動に関してとくにこのリークにより支障
は生じない。

また、シリンダ３の前室１４と後室１５の圧力
が等しいためピストン１０は前後に受ける力が相
殺されて軽く摺動でき、また、プランジヤ８と油
圧導入孔５との間はシールの必要がないので、Ｏ
リング等は不要で摺動性はきわめてよい。

このため、プランジヤ８とピストン１０の変位
はスムーズに行われ、従つて油圧スイツチの作動
性と感知特性を大巾に向上できる。

また、スプリング１３はシリンダ３内の低油圧
分だけその付勢力を減ずることができるので、コ
ンパクト化される。

第３図は本考案の別の実施例を示すもので、ピ
ストン１０とシリンダ３との間にクリアランスを
形成し、ピストン１０は単にシリンダ３にガイド
されて変位するようにし、また前室１４と後室１
５は上記クリアランスで連通されるようにしたも
のである。

前記二つの実施例では、プランジヤ８とピスト
ン１０は別体に構成されているが、これに限られ
るものではなく、両者を一体に形成してもよ
い。。

いずれにせよ、本考案ではシリンダ内を低圧ド
レン側に開放しプランジヤのシールを不要とする
ようにしたので、プランジヤの変位がスムーズと
なつて油圧スイツチの作動性，感知特性が大巾に
向上するという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の油圧スイツチの縦断面図、第２
図および第３図はそれぞれ本考案の実施例を示す
縦断面図である。 １……ケース本体、３……シリンダ、４……プ
ラグ、５……油圧導入孔、７……通孔、８……プ
ランジヤ、９……Ｏリング、１０……ピストン、
１１……軸部、１２……ターミナル、１３……ス
プリング、１４……シリンダの前室、１５……シ
リンダの後室、１６……ドレン孔１、１８……連
絡孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 接地されるケース本体のシリンダに導電性ピス
   トンを摺動自由に収装するとともに、シリンダ端
   部の油圧導入孔にプランジヤを摺動自由に収め、
   このプランジヤにピストンが当接するようにスプ
   リングを介してピストンを付勢し、ピストンの両
   側シリンダ室を互に連通するとともに低圧側に開
   放するドレン孔をケース本体に設け、さらにシリ
   ンダの端部を閉塞する絶縁プラグに設けられたタ
   ーミナルに前記ピストンの他端を対峙させたこと
   を特徴とする油圧スイツチ。