JPS6134358Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は例えば屋内貯炭用の貯蔵設備に関する
ものである。

従来、貯炭設備には、円形貯蔵庫の中央に設け
られた円筒状の支柱の上部に該支柱を中心として
旋回可能なスタツカを設けると共に、前記支柱の
下部に該支柱を中心として旋回可能でかつ起伏可
能なリクレーマを設けたものがあるが、この従来
の貯炭設備では、リクレーマがスタツカより下
部に位置するリクレーマ旋回及び起伏装置により
懸吊されており、その最大起仰角度が該装置との
関係から制限されている。リクレーマは支柱を
中心として旋回しながら石炭を支柱側へ掻き寄せ
て円筒状支柱の下部まわりのホツパーへ払い出す
ため、仮に円形貯蔵庫の中央部にまで支柱を埋め
るように石炭の積み付けを行なおうとしても、石
炭でリクレーマを埋めることになるから、スタツ
カによる積付け位置は円形貯蔵庫の周部に限定さ
れている。従つて、前記，の理由で円形貯蔵
庫のほぼ逆截頭円錐状の中央部空間は貯炭に利用
できず、貯炭能力が低いという不具合を免れなつ
た。

本考案は前記従来の問題点を解決するために創
案されたもので、円形貯蔵庫の中央部に設けられ
た支柱をその周りから貯蔵物が流入できる中空の
ものとなして該支柱内を払出ホツパー内を臨んだ
貯蔵スペースにし、払出ホツパーの開口面積を支
柱内に開口した分だけ拡大して貯蔵物の自重によ
る払出しを目詰まりなく確実にできるようにする
と共に、払出機を貯蔵物掻き寄せのための払出ス
クレーパとなし、その旋回及び下降により貯蔵物
を上部から順次支柱側へ掻き寄せることができる
ようにし、かくして積付機によりほぼ円形貯蔵庫
内全面に亘り積み付け可能として貯蔵能力の大巾
な向上を図つた貯蔵設備を提供することを目的と
するものである。

即ち、本考案の特徴は円形貯蔵庫の中央部に、
内部に貯蔵物を積み付け可能な上部開口部を有
し、下部が払出ホツパー内を臨んだ中央の支柱を
設け、前記円形貯蔵庫の上部に該円形貯蔵庫内全
面に亘り貯蔵物を積み付け可能な積付機を設ける
と共に、前記支柱に沿い昇降可能でかつ該支柱を
中心として旋回可能な貯蔵物掻き寄せのための払
出スクレーパを設けたことにある。

以下本考案の第１実施例を貯炭用貯蔵設備を示
す第１図〜第７図により説明する。

図中１は円形貯蔵庫、２は該円形貯蔵庫１の中
央底部に設けられた払出ホツパー、３は該払出ホ
ツパー２の下部に設けられた貯蔵庫払出機、４は
該貯蔵物払出機３により払出ホツパー２から落下
した石炭をバンカー（図示せず）に移動するため
の地下コンベアである。

５は前記円形貯蔵庫１の中央部に設けられた支
柱で、該支柱５は払出ホツパー２の開口を囲む正
方形の各コーナーに位置する４本の単位柱６の各
上端をリング状の天端フレーム７により連結して
なり、各単位柱６間を、支柱５の周りから該支柱
内へ石炭を積み付け可能な上部開口部８としてい
る。

９は積付機で、前記支柱５の天端フレーム７と
円形貯蔵庫１とに敷設された円形のレール１０、
１１上に積付機ガーダ１２を該支柱５を中心とし
て水平旋回可能にそれぞれ車輪１３，１４を介し
て支持し、該積付機ガーダ１２内にその旋回中心
部にて受入れシユート１５を介して石炭を受入れ
可能なコンベア１６と該コンベア１６から受渡し
ホツパー１７を介して石炭を移截可能なシヤツト
ル可逆コンベア１８とを設けると共に、受入シユ
ート１５から分岐して積付機ガーダ１２を貫き支
柱５内を臨んだ受入シユート１９を設け、両シユ
ート１５，１９間に石炭を分配可能なダンパー２
０を設けたものである。

２１，２２は円形貯蔵庫１の上部に設けられた
貯蔵物受入コンベアと受入シユートで、該受入シ
ユート２２と前記受入シユート１５間はシール状
態で回転可能に接続されている。

２３は払出機で、支柱５に沿い昇降可能な昇降
フレーム２４上に旋回フレーム２５を該支柱５を
中心として旋回可能に支持し、該旋回フレーム２
５の相反側にそれぞれ円形貯蔵庫１の側壁近傍ま
で延びる水平又はほぼ水平な払出スクレーパ２６
とカウントウエイト２７を設けたものである。昇
降フレーム２４は支柱５を囲み各単位柱６の隣合
う２つ外側面にガイドローラ２８を介して該支柱
５の中心方向に支持されると共に、後述する昇降
装置２９を介して鉛直方向に支持され、該装置２
９により支柱５に沿い昇降可能となつている。昇
降装置２９は例えば昇降フレーム２４にウインチ
３０を搭載し、該ウインチ３０に巻き付けられた
ワイヤロープ３１を支柱５上端の天端フレーム７
に元付けしたものである。また、旋回フレーム２
５は昇降フレーム２４に敷設されたレール３２上
に車輪３３を介して支持され、後述する旋回装置
３４により支柱５を中心として旋回可能となつて
いる。払出スクレーパ２６はこの旋回フレーム２
５に支持されており、フレーム３５の両端にそれ
ぞれ同軸に連結された左右一対のスプロケツト３
６、３７を旋回可能に設け、対応するスプロケツ
ト３９，３７間にそれぞれチエーン３８を張架
し、掻板３９をチエーン３８の外周に間隔をおき
該チエーン３８間に架け渡して設けてなり、旋回
フレーム２５側に設けた駆動装置４０によりスプ
ロケツト３６をチエーンドライブして掻板３９を
図示矢印方向に回転可能にしたものである。前記
旋回装置３４は例えば旋回フレーム２５の下部に
駆動装置４１により回転可能に設けられたピニオ
ン４２と、昇降フレーム２４の上部に設けられた
内歯車４３とをかみ合わせたものである。

石炭の積み付けに際しては、貯蔵物受入コンベ
ア２１と受入シユート２２により円形貯蔵庫１内
に受け入れた石炭を受入シユート１５内のダンパ
ー２０によりコンベア１６へ、また受入シユート
１９を経て支柱５内へと任意の方向を送ると共
に、積付機ガーダ１２を図示しない旋回装置によ
り旋回し、支柱５内へ送つた石炭はそのまま受入
シユート２２の旋回により振りまきつつ該支柱５
内に積付け、またコンベア１６へ送つた石炭はま
たは支柱５を中心とする積付平面内の任意の周方
向位置及び径方向位置にそれぞれ積付機ガーダ１
２、及び、該コンベア１６とシヤツトル可逆コン
ベア１８により積み付ける。この場合支柱５には
上部開口部８があり、これを通して該支柱５の内
外に石炭が出入りする。従つて上記積付作業によ
りほぼ円形貯蔵庫１内全面に亘り石炭を確実に積
み付けることができる。

石炭の払い出しに際しては、地下コンベア４と
貯蔵物払出機３により払出ホツパー２から石炭を
払い出すのであるが、この場合支柱５の内方及び
外側方に向つて払出ホツパー２を第１図に示すよ
うに大きく開口させて形成でき、該払出ホツパー
２には石炭の目詰まりが生じないから、支柱５内
及びその近傍周囲（第１図中の斜線部分Ａ）の石
炭が自重により流下して払出ホツパー２からスム
ーズに排出され、円形貯蔵庫１内の外周部（第１
図中の斜線部分A′）に位置する石炭はその安息
角で流れ出ずに残る。この残つた石炭は後述する
よう払出機２３により支柱５の側へ掻き寄せ、自
重により払出ホツパー２へ自然流下させて該払出
ホツパー２から払い出す。即ち、駆動装置４０に
より払出スクレーパ２６を作動し、支柱５の側へ
移動する多数の掻板３９により石炭を該支柱側へ
掻き寄せながら、旋回装置３４により旋回フレー
ム２５を昇降フレーム２４上で旋回して前記払出
スクレーパ２６を支柱５を中心として旋回し、積
み付けられた石炭の最上部を払い出す。次いでウ
インチ３０からワイヤロープ３１を巻き戻して昇
降フレーム２４を支柱５に沿つて下降して旋回フ
レーム２５を介して払出スクレーパ２６を下降
し、該払出スクレーパ２６により再び石炭の払い
出しを行なう。かくの如く、積み付けられ第１図
中の斜線部分A′に残つた石炭を上部から下部へ
と支柱５の側へ掻き寄せて、自重により払出ホツ
パー２へ自然流下させ、該払出ホツパー２から払
い出すことができる。従つて上記払出作業により
円形貯蔵庫１内の石炭を確実に払い出すことがで
きる。

なお本実施例では支柱５を単位柱６の４本組で
あつたが、例えば第８図及び第９図に示すように
円筒製の支柱５Ａであつてもよい。この場合石炭
が出入り可能な上部開口部８Ａは周方向に例えば
４ケ所、上下方向に所定間隔おいて穿設してお
く。

この第２実施例の構成では第１実施例のものに
比して昇降フレーム２４と支柱５Ａ間のガイド機
構がより簡単となる利点がある。

また前記実施例では積付機９がコンベア１６と
シヤツトル可逆コンベア１８を具備したものであ
つたが、円形貯蔵庫１内にその全周に亘り積み付
け可能なものであればよく、例えば従来公知の積
付機と該積付機により円形貯蔵庫１内の外周部に
積み付けた石炭を内周側（支柱側）に崩し準すレ
ベリング機とを組み合わせたものであつてもよ
い。この場合該レベリング機に払出機２３を利用
できる。

この他本考案の要旨を変更しない範囲内で種々
の変更が可能であることは勿論である。

以上の通り本考案によれば、円形貯蔵庫内全面
に亘り積み付けて従来に比して貯蔵能力の大巾な
向上を図ることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第７図は本考案の第１実施例を示すも
ので、第１図は概略的な正断面図、第２図は積付
機の正面図、第３図は第２図の右側面図、第４図
は払出機の正面図、第５図は第４図の部分拡大
図、第６図、第７図はそれぞれ第４図のＡ〜線、
Ｂ〜線断面図、第８図及び第９図は本考案の第２
実施例を示すもので、第８図は払出機の正面図、
第９図は第８図のＡ〜線断面図である。 １……円形貯蔵庫、２……払出ホツパー、３…
…貯蔵庫払出機、４……地下コンベア、５……支
柱（単位柱６、天端クレーム７、上部開口部
８）、９……積付機（レール１０，１１、積付機
ガーダ１２、車輪１３，１４、受入シユート１
５，１９、コンベア１６、受渡ホツパー１７、シ
ヤツトル可逆コンベア１８、ダンパー２０）、２
１……貯蔵庫受入コンベア、２２……受入シユー
ト、２３……払出機（昇降フレーム２４、旋回フ
レーム２５、払出スクレーパ２６、カウンタウエ
イト２７、ガイドローラ２８、昇降装置２９、レ
ール３２、車輪３３、旋回装置３４、駆動装置４
０）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円形貯蔵庫の中央部に、内部に貯物蔵を積み付
   け可能な上部開口部を有し、下部が払出ホツパー
   内を臨んだ中空の支柱を設け、前記円形貯蔵庫の
   上部に該円形貯蔵庫内全面に亘り貯蔵物を積み付
   け可能な積付機を設けると共に、前記支柱に沿い
   昇降可能でかつ該支柱を中心として旋回可能な貯
   蔵物掻き寄せのための払出スクレーパを設けたこ
   とを特徴とする貯蔵設備。