JPS6133522B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、作業装置牽引用連結具を両端側に取
付けるためのバーを、機体左右方向に向かわせた
状態でかつ左右２箇所で軸受けを介して弾性撓み
変形自在に支持する支持部を配設すると共に、前
記バーの中央部の撓み変形による変位量検出に基
づいて前記作業装置の牽引負荷を検出する装置を
設けたトラクターに関する。

この種のものでは、バーが設定以上の撓み変形
に起因して変形破損する虞があり、従来一般に、
バーの中央部において作用させるべくストツパー
を設け、バーの撓み変形を設定範囲に規制するよ
うにしている。この場合、ストツパーが作用すれ
ば、その作用部においてバーに局部的残留歪を生
じ、又、それに伴い永久変形を生じ、その結果と
して、処期設定における牽引負荷と検出装置によ
る検出値その相対関係に狂いを生じて検出精度を
低下する問題があつた。

また、特開昭48−61201号公報には、ハウジン
グ内の左右の軸受部で支持され、かつその両外側
に作業装置牽引連結具を取付けるためのバーを備
え、このバーの外方の延設部が、昇降用ピストン
ロツドの機体固定端の支持部材に設けた短軸のく
ぼみ内に挿嵌され、前記バーの最大撓みによつて
短軸のくぼみ壁面に接当してストツパーとして作
用するものが開示されている。

この構成は、バーの最外方端部、すなわち、ハ
ウジングの軸受から牽引連結具の取付け位置を通
つての延設部が、前記軸受のハウジングとは別体
に構成されるピストンロツドの支持部材のストツ
パー用短軸のくぼみに挿嵌するものであるから、
このバーとストツパーとしての短軸のくぼみ内壁
面とのクリヤランスを設定するのに、軸受から外
の延設部までの長さに対応するバーの相当大きな
撓みを補償しなければならず、また、少なくとも
この箇所ではハウジングとピストンロツド支持部
材が別体であるから、関係のない別体間で軸線方
向でないそれに直交する方向の前記クリヤランス
の補償値を確保するように寸法合わせして製作す
ることは極めて困難であり従つてストツパーとし
てのクリヤランス設定が不確実となる欠点があつ
た。

本発明が解決しようとする技術的課題は、バー
の撓み変形を設定範囲に規制するストツパーを、
簡単な構造改良により、ストツパー作用の後にお
いてもバーの検出精度を低下させることなく、か
つ前記バーの撓み変形を設定範囲に規制するため
の設定取付作業が極めて容易なものにする点にあ
る。

上記技術的課題を解決するために講じた技術的
手段は、バーの中央部の変位を設定範囲に規制す
るストツパーを、両支持部それぞれの軸受よりも
外側でかつ両連結具それぞれよりも内側において
作用するように位置させて前記支持部に取付ける
ことである。

上記技術的手段は、次のように作用する。

ストツパーを支持部の軸受よりも外側でかつ連
結具よりも内側に設けたから、バーの中央部の変
位に応じて前記軸受より外で前記連結具の内側と
の間の短いバー長さが小さな撓み変位を受けバー
がストツパーに接当してバーの中央部の変位を設
定範囲に規制する。

従つて、本発明は次の効果を奏する。

上述の作用により、バーがストツパーに接当し
てバーの中央部の変位を設定範囲に規制するか
ら、両ストツパーに起因して残留歪、あるいは、
それに伴う永久変形を生じたとしても、単に、支
持部と連結具との間の相対位置関係に変動を生じ
るだけでバーの両ストツパー間における部分すな
わち中央部に対して影響を及ぼす事が無く、初期
設定における、牽引負荷と検出装置による検出値
との相対関係に狂いを生じるのを回避でき、牽引
負荷の検出を長期にわたつて精度良く行えるに至
つた。

また、ストツパーを設けた位置は、バーを直接
支持する支持具の近くで、バーが小さい撓み変位
を受ける位置であるから、設定範囲を規制するに
必要なバーとストツパーとのクリヤランスは小さ
く、かつ、設定し易い。それは例えば実際に両連
結具に牽引荷重を掛けてバーの中央部の撓み変位
量が設定値になつたことを検出した状態で両スト
ツパーを位置設定するだけで済む。即ち、ストツ
パー取付の工業作業が極めて容易にできるに至つ
た。

次に、本発明の実施例を図面に基いて詳述す
る。

トラクター１の後部に左右一対の連結具２，２
とトツプリンク３を介してプラウ４を連結すると
共にトラクター１に油圧シリンダ５を介して駆動
揺動自在に設けた左右一対のリフトアーム６，６
と前記連結具２，２を連結ロツド７，７を介して
連結し、前記プラウ４を対地的に昇降するべく構
成してあり、もつて、走行に伴い圃場を掘り起し
ていくべく農用作業車を構成してある。

トラクター１の後部に設けたミツシヨンケース
８の下部にケース９を連設すると共に、前記ケー
ス９に、機体横方向に向かわせた状態で、かつ、
球面軸受け１０を介してその左右の２箇所の支持
部１１，１１で弾性撓び変形自在に手持させた状
態でバー１２を貫通架設し、前記バー１２の両端
側夫々に連結具２，２を取付けてあり、プラウ４
の牽引負荷に伴い、バー１２が撓み変形するべく
構成してある。

前記バー１２の中央部近くに、センター１３を
本体１４に機体前後方向に摺動自在に取付けてそ
の変位量を電圧変化により読み取るべく構成した
検出装置１５を設け、前記センサー１３をバー１
２の中央部に常時接当するべく付勢した状態で設
けてあり、そして、前記検出装置１５と前記油圧
シリンダ５の制御バルブを連係させてあり、プラ
ウ４の牽引負荷を、検出装置１５により、バー１
２の撓み変形による変位量に基いて検出し、その
検出負荷と土質や耕深等に応じて設定される設定
負荷との比較に基いて油圧シリンダ５を自動的に
作動し、プラウ４を昇降して牽引負荷を設定範囲
内に維持するべく構成してある。

前記ケース９は、第２図及び第３図に示すよう
に、隔壁１６によつてバー１２を収納する空間Ｓ
と検出装置１５の本体１４を収納する別空間Ｒと
に区画され、検出装置１５のセンサー１３を、隔
壁１６を貫通する状態で摺動自在に、かつ、バー
１２の中央部との接当側に変位するべく常時付勢
して設けてある。

前記ケース９をミツシヨンケース８の横幅より
も大に構成し、その両端部夫々において連結部材
１７を貫通させると共に、その連結部材１７，１
７夫々を、ミツシヨンケース８の横側面にスペー
サ１８を介して取付け、バー１２をミツシヨンケ
ース８の横外側位置において支持させ、両支持部
１１，１１間の距離を大にして、単位量当りの牽
引負荷に対応するバー１２の中央部での撓み変形
量を大にして検出精度を向上できるようにすると
共に、ケース９と連結部材１７の両者を介してバ
ー１２をミツシヨンケース８に支持させるべく構
成してある。

前記スペーサ１８にノツクピン１９を内嵌する
と共にノツクピン１９をミツシヨンケース１８に
内嵌してあり、スペーサ１８をミツシヨンケース
８に強固に一体化し、前記連結部材１７のミツシ
ヨンケース８への取付強度を大にするべく構成し
てある。

前記取付部材１７，１７と連結具２，２間夫々
において、バー１２の撓み変形を許容すべく隙間
を設けた状態で、バー１２の軸芯方向への移動を
規制する規制部材２０をバー１２に外嵌すると共
に連結部材１７，１７夫々の、牽引負荷に伴つて
規制部材２０が移動する側の所定箇所にストツパ
ー２１を設けてあり、牽引負荷に起因するバー１
２の中央部の変位を、規制部材２０のストツパー
２１への接当により設定範囲に規制するべく構成
してある。

尚、前記ストツパー２１としては、少くとも、
バー１２に対しても最も弾性撓み変形力がかかる
連結具２の牽引側に設けてあれば、作業装置４を
上昇支持させた状態での走行時に、不測に振動等
によりバー１２に荷重がかかつてバー１２が設定
範囲以上に変位するのを規制するべく、規制部材
２０の上方側所定箇所にも設けるとか、あるいは
規制部材２０の全周にわたらせるべく環状のもの
を設ける等しても良い。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係るトラクターの実施例を示
し、第１図はプラウを取付けた状態を示す全体側
面図、第２図は要部の一部切欠側面図、第３図は
要部の一部切欠平面図、第４図は第３図の−
線矢視図、第５図は第４図の−線断面図であ
る。 ２……連結具、４……作業装置、１１……支持
部、１２……バー、１５……検出装置、２１……
ストツパー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 作業装置４牽引用連結具２，２を両端側に取
   付けるためのバー１２を、機体左右方向に向かわ
   せた状態でかつ左右２箇所で軸受け１０，１０を
   介して弾性撓み変形自在に支持する支持部１１，
   １１を配設すると共に、前記バー１２の中央部の
   撓み変形による変位量検出に基づいて前記作業装
   置４の牽引負荷を検出する装置１５を設けたトラ
   クターにおいて、前記バー１２の中央部の変位を
   設定範囲に規制するストツパー２１を、前記両支
   持部１１，１１それぞれの軸受け１０よりも外側
   でかつ前記両連結具２，２それぞれよりも内側に
   おいて作用するように位置させて前記支持部１
   １，１１に取付けてあるトラクター。