JPS6131945Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、容易に単離可能な積重ね容器の改良
に関する。

運搬、貯蔵等使用していない状態において、通
常、積重ねられるテーパ側面を有する容器は、重
合する部分が大きいことから使用に際して個別分
離するとき、真空作用により容器が密着し１箇ず
つ分離しずらく、特に自動充填する場合に問題が
ある。

そこで従来より多くの密着防止手段が提案さ
れ、実施されているが、従来の密着防止手段の多
くは、実公昭48−727号公報、実開昭49−3939号
公報、実公昭49−8655号公報、実公昭51−38575
号公報、特公昭54−5349号公報、特公昭54−
35531号公報、実公昭54−40315号公報等にみられ
るように、容器の口部付近に密着防止のための工
夫を施していたので、口部付近に印刷ができな
い。従て空白地帯が発生し、このため商品の展示
効果が著しく損なわれていた。

また例えば実公昭37−22897号公報には底板に
偏心的に凸平面を設け、もつて単離可能な容器が
示されている。しかしながらかかる技術では、積
重ねに際して周方向にずれる位置に各容器を配置
させねばならず、また偏心量が異なる容器を例え
ばプレス加工で作るためには複数の型を準備しな
ければならない。

したがつて本考案の目的は単一の型を用いて製
造でき、かつ周方向の位置決めを必要としない容
易に単離可能な積重ね容器を提供するにある。

本考案によれば、テーパ側面を有し相互に重ね
られる積重ね容器において、容器底部に截頭円錐
形状の底上げ部を設け、その底上げ部の側面を少
なくとも１か所に、底上げ部の側面とは逆のテー
パ面を有し、底上げ部内に底上げ部の頂面よりも
内方に突出した突出部を設け、その突出部は容器
を積重ねた際に下方の容器の底上げ部の頂面と係
合するようになつている。

したがつて、底上げ部内の突出部は逆テーパ面
によつて内方に突出しているので、その突出部は
積重ねの際に下方の容器の底上げ部の頂面と必ず
係合し、したがつて上下の容器が密着して単離不
可能となることがない。

このように逆テーパの突出部が下方の容器の底
上げ部の頂面と係合するので、容器の積重ねに対
して周方向の位置決めが必要でなく、また単一の
型を用いて加工することができる。それ故に生産
性の高い容器を得ることができる。

また容器の口部付近が密着しないので口部付近
に印刷することができる。

以下図面を参照し本考案の実施例を説明する。

第１図，および第２図において、全体を１
で示す容器は、合成樹脂を原料として圧縮成形法
により成形され、テーパ側面２、底面３、つば４
を設けた口部５とからなつている。容器底面３に
は裁頭円錐形状の底上げ部６が形成されており、
テーパ側面７、頂面８、開口部９とからなつてい
る。そして底上げ部の側面７に、底上げ部のテー
パ側面７とは逆のテーパ面を有し、底上げ部内に
底上げ部の頂面８よりも内方に突出した突出部１
０が形成されている。すなわち突出部１０はテー
パ面１１、水平面１２、垂直面１３，１３からな
つており、左右対称に設けられている。この突出
部１０と底上げ部の頂面８とにより、容器を第１
図に示すように積重ねた際、容器どうしが密着
する部分の発生を防止する。

第３図，に寸法関係の一例を示し、ａは底
上げ部６の頂面８の直径長さ、ｂは突出部１０，
１０間の間隔長さで、ｂ寸法をａ寸法より短かく
して、容器底部３が底上げ部６の頂面８でストツ
プしてそれ以上落ち込まないようにしている。

突出部１０の高さｃは、特別の制約はないが、
容器の成形加工性、充填機上での容器の取り出し
適性、中身食品の食機能性等を考慮して５〜10mm
が実用範囲である。また突出部１０の突出長さ、
すなわちテーパ面１１の角度も特に制限はなく、
要は容器の落ち込みを阻止する機能をはたせばよ
いが、容器成形加工のしやすさから３度〜７度程
度が適当である。たとえば高さＣが７mmに対して
0.7mmのテーパ、すなわち角度は約5.7度とする。
さらに突出部１０の幅ｄも任意でよいが、成形加
工上長さを約５mm以上とすることが望ましい。

突出部１０の数は２個に限らず、第４図，
に示すように３個、第５図，に示すように４
個、さらには第６図に示すように全周に設けても
よく、要は少なくとも１個の突出部を設けるよう
にする。

以上説明したように本考案によれば、容器底部
に設けた底上げ部と底上げ部の側面に設けた突出
部とにより積重ね位置を特定することなく容器ど
うしが密着する部分の発生を防止して、重ねられ
た容器の単離を容易にし、またそのための密着防
止手段は容器の底部に設けられているので、容器
の側面全周に印刷を施すことができ、商品の展示
効果を高めることができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図，は
第１実施例の縦断面図および容器内部よりみた底
部の平面図、第２図は容器底部に設けた底上げ部
および突出部の斜視図、第３図，第４図，
および第５図，は第２実施例、第３実施例
および第４実施例の縦断面図および容器内部より
みた底部の平面図、第６図および第７図は第５実
施例および第６実施例の容器底部の平面図であ
る。 １……容器、２……側面、３……底面、５……
口部、６……底上げ部、７……側面、８……頂
面、１０……突出部、１１……テーパ面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. テーパ側面を有し相互に重ねられる積重ね容器
   において、容器底部に截頭円錐形状の底上げ部を
   設け、その底上げ部の側面の少なくとも１か所
   に、底上げ部の側面とは逆のテーパ面を有し、底
   上げ部内に底上げ部の頂面よりも内方に突出した
   突出部を設け、その突出部は容器を積重ねた際に
   下方の容器の底上げ部の頂面と係合することを特
   徴とする容易に単離可能な積重ね容器。