JPS6130709B2 - - Google Patents

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JPS6130709B2
JPS6130709B2 JP54019178A JP1917879A JPS6130709B2 JP S6130709 B2 JPS6130709 B2 JP S6130709B2 JP 54019178 A JP54019178 A JP 54019178A JP 1917879 A JP1917879 A JP 1917879A JP S6130709 B2 JPS6130709 B2 JP S6130709B2
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dropping
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JP54019178A
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Mitsuru Saito
Wataru Sakurai
Kenichi Shinoda
Juji Etani
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication of JPS6130709B2 publication Critical patent/JPS6130709B2/ja
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    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R31/00Arrangements for testing electric properties; Arrangements for locating electric faults; Arrangements for electrical testing characterised by what is being tested not provided for elsewhere
    • G01R31/12Testing dielectric strength or breakdown voltage ; Testing or monitoring effectiveness or level of insulation, e.g. of a cable or of an apparatus, for example using partial discharge measurements; Electrostatic testing
    • G01R31/18Subjecting similar articles in turn to test, e.g. go/no-go tests in mass production
    • GPHYSICS
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    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
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    • G01R31/1227Testing dielectric strength or breakdown voltage ; Testing or monitoring effectiveness or level of insulation, e.g. of a cable or of an apparatus, for example using partial discharge measurements; Electrostatic testing of components, parts or materials
    • G01R31/1245Testing dielectric strength or breakdown voltage ; Testing or monitoring effectiveness or level of insulation, e.g. of a cable or of an apparatus, for example using partial discharge measurements; Electrostatic testing of components, parts or materials of line insulators or spacers, e.g. ceramic overhead line cap insulators; of insulators in HV bushings

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Testing Relating To Insulation (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は多現象耐トラツキング性試験装置に関
するものである。
一般に電力が供給された電極間に塵埃が堆積
し、さらに空気中の水分が露結すると、湿潤した
塵埃に電流が流れ、かつジユール熱で湿気が蒸発
する。この時電路の切れ目に電界が集中し、微小
な発光放電が生じ、この放電熱により絶縁材料表
面の微小局部が徐々に炭化する。このような状態
が繰り返されると、やがて電極間に囲まれた絶縁
材料の表面全域が炭化して電極間に炭化導電路
(トラツク)が形成され、絶縁破壊が生ずる。こ
の現象をトラツキングと称し、このトラツキング
による絶縁材料の寿命の加速評価試験方法が国際
電気技術標準規格IEC−112で暫定的に規定され
ている。
このIEC−112による試験方法は、規格化の段
階からデータのバラツキが著しいこと、また結果
の適用性に問題があることなどの理由から他の
IEC規格と異なり推奨法として暫定的に定め、
IECの技術委員会TC15で毎年改訂することを決
定しているが、湿潤した塵埃堆積による絶縁材料
表面の絶縁劣化現象を評価する上で唯一の基本規
格として極めて重要視されている。特に漏電事故
などでよく知られている電気火災の原因はこのト
ラツキング現象による場合が多く、したがつて電
気エネルギーによる製品火災を防止するために、
トラツキング現象究明とその高精度評価が急務と
なつている。
上記IEC−112の耐トラツキング性試験方法
は、第1図に示すように対向電極41,41′と
試料42を配置し、前記電極41,41′間に一
定電力を供給した状態で対向電極41,41′間
の中央部に、塵埃シユミレート試験液43
(NH4Cl 0.1wt%水溶液、導電率395±5Ωcm/25
℃)を滴下ノズル44で容積0.02c.c.の滴下粒にし
て30±5秒に一滴の割合で滴下させ、対向電極4
1,41′間の試料42表面が絶縁破壊を生ずる
までの試験液43の滴下数を、一定電力を供給す
る条件下のトラツク破壊寿命としてる。なお、絶
縁破壊条件とは0.5A以上の電流が2秒間以上継
続して流れる条件である。このようにIEC−112
の耐トラツキング性試験方法では、種々の供給電
力条件下でトラツク破壊滴数を求め、第2図に示
すトラツク破壊寿命曲線(CTI曲線)を導き、か
つトラツク破壊滴数が50滴の時の印加電圧、すな
わち一定電流:短絡電流1A、遮断電流0.5Aをも
つて、被試験試料42の耐トラツキング性指数
(Comparatiue Tracking Index:以下CTI値と称
す)とする。前記トラツク破壊寿命曲線は、実際
に各種絶縁材料を評価すると、第2図に示すよう
なきれいな指数曲線になることは極めてまれで、
現在市販されている耐トラツキング性試験装置の
測定例では、第3図に示すようにデータ(トラツ
ク破壊滴数)のバラツキが著しく、平均値による
トラツク破壊寿命曲線がV字を示す場合が多い。
このデータのバラツキの原因は、従来行なつた
約千種の材料試験の結果、以下の3種に分類でき
ることがわかつた。
() 試験中における試験液の滴下条件の変動 これはある電力条件でトラツク破壊滴数が50
滴であつたとすると、試験中、すなわち試験液
の滴下1滴目から試料がトラツク破壊を生ずる
50滴目までの時間において、従来装置では第1
図のように、試料42の表面の対向電極41,
41′で囲まれた部分の直上に、試験液43を
滴下させる滴下ノズル44が位置しているた
め、トラツキング過程で試料42から発生する
ガス・煙・温度上昇気流などが試験液43、滴
下ノズル44および対向電極41,41′に影
響を及ぼすものである。すなわち、 (イ) トラツキング過程で発生するガス・煙・温
度上昇気流などにより滴下ノズル44の外周
が汚れ、かつそれらが試験液43の表面張力
により滴下ノズル44の先端外周に付着し、
滴下量、滴下頻度および滴下位置が変化す
る。
(ロ) 試験液43にススなどが混入して汚れ、そ
の結果試験液43の個有抵抗が規格条件より
低下する。
(ハ) 滴下ノズル44の先端部における試験液4
3の汚れと、その温度上昇により試験液43
の腐食成分と滴下ノズル44の材料との反応
が促進されて滴下ノズル44の目づまりを生
じ、その結果試験液の滴下量や滴下頻度が変
動する。
(ニ) 試験液43の自然滴下路が乱れて、その滴
下位置が対向電極41,41′の中央部より
外れ、対向電極41,41′のいずれかに滴
下される。この結果試験液43による正常な
対向電極41,41′間の短絡が妨げられ
る。すなわち、短絡ミスが生じ、さらに次の
滴下で試験液が重なると滴下量が変動する。
またこの過程で電極温度が変動するため、デ
ータが変化する場合もある。
(ホ) 対向電極41,41′が汚れて試験液43
が付着しやすくなり、その結果前記短絡ミス
を助長する。
など試験中における試験液の滴下条件が規格条
件から著しく変動し、かつこれらの変動原因の
再現性も悪く。この結果これらが繰り返し行な
われる試験データのバラツキの原因となつてい
た。
() 試験中における電極の接触条件の変動 これは()と同様の試験中において、試験
液43の蒸発と微小発光放電の発生の繰り返し
により試料42が変形するため、対向電極4
1,41′と試料42との接触条件が変動する
ものである。すなわち、 (ヘ) 試料42が変形すると、一定の規格条件で
ある対向電極41,41′の接触荷重、すな
わち垂直方向に100gの荷重が、試料42と
対向電極41,41′との接触角度に応じた
非垂直方向に働き、その結果試料42の変形
をさらに助長する。この結果、対向電極4
1,41′との接触条件が不平衡となつて試
料42と対向電極41,41′間に間隙を形
成するため、トラツキングの微小発光放電が
この間隙部に集中して試料42の局部や対向
電極41,41′が著しく破損することにな
り、その結果正常なトラツクの進行を妨げる
結果をもたらす。
(ト) 試料42が変形すると、一定の規格条件で
ある対向電極41,41′の間隔4mmが従来
の装置では狭くなり、特に試料42の表面に
おける電極間隔より試料42の真上の空間に
おける電極間隔が狭くなるため、場合によつ
ては、トラツキング過程の放電が試料42の
表面より気中で発生する。このような対向電
極41,41′間隔の変動や気中放電が判う
と、データは著しく変化する。また特に前記
気中放電は、試験中にガス発生が著しい材料
や溶融しやすい材料においては著しくなる傾
向がある。
(チ) 試験条件の設定段階で、この試料42と対
向電極41,41′との接触条件を規格条件
とするのは極めて困難であり、また接触荷
重、接触線、接触角度、接触間隔などの調整
精度の向上には著しい手間または熟練を要
し、その結果試験データの個人差を生ずる原
因となる。この試験前の条件設定が高精度に
行なわれない場合は、試験中の条件変動を助
長させる原因となる。
等の現象や伴い、かつ規格条件の再現性も悪
く、その結果これらが繰り返し行なわれる試験
データのバラツキを増加させる原因となる。
() 試験中における放電や発火現象 これは前述した()()と同様の試験中
において、前記()()の諸原因を取り除
いても、なお試験データのバラツキを発生させ
ているもので、これらのバラツキは、材料の劣
化がトラツキング現象など、未だ学問的に究明
されていない諸現象によるものと考えられる
が、現在までの実験の結果、次に示すような
種々の現象をつかんでいる。
(1) 試験液蒸発時の微小発光放電現象、これは
試験液の蒸発直後の電流波形の微小な高周波
的歪みにより記録できる。
(2) 材料表面の炭化現象、これは試料表面と試
験液よりなる電路に流れる電流波形のピーク
値の経時増加成分で評価できる。
(3) 材料表面のトラツクの破断現象、これは上
記(2)の電流波形のピーク値の経時減少成分で
評価できる。
(4) 材料表面の絶縁破壊現象、これは0.5A以
上の電流が2秒間以上継続して流れる絶縁破
壊条件のもとで、電流の急激な増加により評
価する。
(5) 材料の自己発熱現象、これは材料表面の絶
縁破壊前後に生ずる表面電流の比較的ゆつく
りした増加現象により評価される。
(6) 材料の発火現象、これは材料の絶縁破壊エ
ネルギーによる発火現象で、電流波形の急激
な1回の増加波形で観測できる。
(7) 材料の着火現象、これは材料の自己発熱に
よるトラツクの赤熱により周囲の材料が着火
する現象で、この場合、上記(5)のゆつくりし
た電流増加過程に立ち上がりの急な電流増が
伴う。
(8) 材料の引火現象、これは後述する気中放電
の高温により材料の可燃性ガスが引火する現
象で、この場合は、後述する(9)の波形に立ち
上がりの急な指数関数的電流増が伴う。
(9) 電極間の気中放電現象、これは前記(1)の微
小発光放電が前記(2)のトラツクの形成ととも
に、材料表面から生成するガスと試験液の蒸
発に伴う水蒸気とが励起されて発生する放電
現象で、この場合は、不規則で、かつ高電流
の電流波形が生ずる。またガス発生が著しい
材料では水蒸気がなくても生ずる場合があ
る。
(10) トラツク抵抗体のオーム特性、これは絶縁
破壊や発火後に供給電力を遮断した後の試料
に、再び電圧を印加し、その電圧をゆつくり
増加させた時に流れる電流変化で、電圧が増
加すれば電流も増加するオームの法則に従う
トラツク抵抗体と、オームの法則に従わない
トラツク抵抗体がある。なお、絶縁破壊前に
発火が気中放電が伴い、この熱衝撃で対向電
極間に形成されたトラツクが破断した材料は
オームの法則に従わない場合が多い。
これらは試料の材質、供給電力、電極材料、
電極間隔により著しく異なり、またデータのバ
ラツキとも以下に述べる点で相関傾向がみられ
る。
(リ) トラツクの破断によるバラツキ、これは一
定炭化速度の電路が熱衝撃や局部的な熱収縮
などで機械的に割れやすい材料に多い。
(ヌ) 発火によるバラツキ、これは対向電極間
に形成されたトラツクが絶縁破壊エネルギー
で発火する時、0.5A以上の電流を2秒間継
続して流し得ないような細いトラツクしか形
成できない材料に多い。
(ル) 気中放電によるバラツキ、これは微小発
光放電で徐々に形成されるトラツクと気中放
電の高温で急激に形成されるトラツクの抵抗
体が異なる材料に多い。
これらのバラツキ傾向から上記3種のデータ
のバラツキ原因は、試料の材質や試験条件個有
のトラツキング現象を把握する有力な手がかり
となる。またこれらのバラツキ原因は、耐トラ
ツキング性試験後のトラツク抵抗体のオーム特
性を測ることにより測定することができると共
に、耐トラツキング性試験過程において対向電
極間に流れる電流波形で分離評価できる前記(1)
〜(10)の10現象を高精度に測定記録することによ
り、データのバラツキ原因や材料個有のトラツ
キング現象を直接評価することができる。
今までに示したデータのバラツキ原因()
()()を総合的に検討すると、原因()
()は試験条件の高精度管理により取り除く
べき要因であるのに対し、原因()はデータ
のバラツキをむしろデータの一部として正確に
把握すべき要因とみなすことができる。したが
つて上記原因()()を除去することが可
能な試験装置が必要である。
以上の実験結果に対し、現在市販されている試
験装置は、滴下条件の変動を取り除くために、(1)
デイスペンサー(ポンプ)を使用して、定容積、
定頻度の滴下液を流出させる、(2)滴下ノズルから
流出する定容積の滴下粒を補助ノズルを使用して
定頻度で滴下させる、などがある。しかしこれら
はいずれも、試験中において、第1図に示すよう
に試料42の真上に、試験液43を滴下させる滴
下ノズル44を配置しているため、前述したデー
タのバラツキ原因(イ)に対してのみ効果があり、(ロ)
〜(ト)のバラツキ原因に対しては効果がない。また
上記(2)の試験装置においては、滴下頻度を調節す
る補助ノズルの駆動制御部で、複数個の滴下ノズ
ルの滴下条件を並列的に制御することによつて、
同時に複数個の試験を行なうことを可能にしてい
る。しかし、この並列試験方法では、一つの試料
に対し、一つの滴下ノズルが対向しているため、
前述したバラツキ原因()の気中放電が生ずる
ような試料では、各滴下ノズルに対する試料から
の温度上昇気流、煙、ガスの発生状態が試料毎に
変化するため、複数個の滴下ノズルの滴下条件の
変動を一つの共通制御装置で制御するのは極めて
困難となり、また結果的にはバラツキ原因()
の(9)に対しても効果が期待されないため、結果的
に煙やガス発生の少ない材料試験に限定されるこ
とになる。
また現在市販されている試験装置は、現時点で
はトラツキング現象そのものに不明点が多く、結
果的にバラツキ原因が不明瞭であることもあつ
て、前述したバラツキ原因()と()を完全
に除去できるものがなく、ましてやバラツキ原因
()については評価できる装置はない。このた
め、耐トラツキング性がよいといわれている材料
を使用した電気機器のトラツキング不良事故が頻
発しており、したがつてこの耐トラツキング性試
験方法そのものの改訂を促す一因となつているの
が実情である。
そこで本発明はIEC−112法による耐トラツキ
ング性試験を高精度で、かつ高効率的に行なうと
ともに、この規格試験と並行してトラツキングの
発生過程に伴う諸現象を並列的に測定記録するこ
とにより、材料個有のトラツキング現象やデータ
のバラツキ原因を求め、それと同時に電気火災を
避ける許容条件を評価することができる多現象耐
トラツキング性試験装置を提供しようとするもの
である。
以下、本発明の各実施例を図面とともに説明す
るが、まず試験液滴下の基本動作について説明す
る。試験中における試験液の滴下条件の変動は、
試験中において試料から発生するガス・煙・温度
上昇気流が、滴下ノズルと、この滴下ノズルを通
過する試験液および電極などに影響を及ぼすこと
が原因している。このガス・煙・温度上昇気流の
発生はトラツキング現象個有のもので、これを除
くことはできないが、滴下ノズルは試料上に試験
液を滴下させる時だけ、すなわち30秒に1回の瞬
時滴下、例えば1秒間だけ必要で他の29秒間は不
必要である。また電極について検討すると、電極
は試験中に一定電力を継続して供給するため移動
できないが、電極は汚染しても電力条件変化はほ
とんどないため、試験液が汚染電極に付着しない
ように滴下させればよい。さらに試験液の汚染や
温度上昇気流による腐食反応の加速作用も、滴下
ノズル内で試験液を流す頻度を30秒間隔から減少
させ、頻繁に流すようにすれば汚染は無視できる
ようになる。
この考え方に基づいて、試験液の滴下を第4図
に示す動作手順で行なえば、試験液の滴下条件の
変動を最少限にとどめることができる。試験液の
滴下時の動作は、まず第4図aに示すように、試
料1の対向電極2,2′間に位置する中央部が滴
下ノズル3の直下に来るように試料台4を移動さ
せ、それと同時に第4図bに示すように、滴下ノ
ズル3を降下させ、そして第4図cに示すよう
に、滴下ノズル3の先端部が対向電極2,2′の
先端上部に来た時、滴下ノズル3の降下運動を急
停止させ、試験液5を滴下させ。次に試験液5が
滴下した後の動作は、まず第4図dに示すよう
に、滴下ノズル3を上昇させ、それと同時に第4
図eに示すように試料台4を、対向電極2,2′
に電圧が印加された状態で、かつ試料1と対向電
極2との接触条件などが変動しない状態で、滴下
ノズル3の直下位置から矢印方向に移動させる。
その後第4図fに示すように、タンク5a内の試
験液5を次々と流すことにより滴下ノズル3の内
部を試験液5で洗浄する。その洗浄液5bは容器
5cにより受ける。またこの時試験液5の滴下粒
の容積を規格試験条件で一定として上記洗浄効果
を低下させず、かつ試料台4の移動中に試験液5
が対向電極2,2′や試料1の端部に滴下しない
ように試験液滴下制御デイスペンサー6を動作さ
せる。そして30秒後の滴下直前に試料台4を第4
図gに示すように、滴下ノズル3の直下に戻す。
これらの動作は試料1と滴下ノズル3との位置
を水平方向と垂直方向に相対的に移動させる方法
で、これを試験液滴下の基本動作と称する。
また試験中において試料1から発生するガスや
温度上昇気流から滴下ノズル3を保護するために
は、試料1と滴下ノズル3との間に遮蔽板を設け
る方式も可能で、その遮蔽方式の構成例を第5図
に示す。すなわち第5図aに示すように、試験液
5の滴下直後に、試料1と滴下ノズル3との間に
遮蔽板7を挿入し、滴下ノズル3の保護と余分な
試験液5を受ける受皿の役目をさせる。また試験
液5が滴下する直前には、第5図b,cに示すよ
うに、遮蔽板移動部8により遮蔽板7を滴下ノズ
ル3の直下より矢印イで示す水平方向に移動さ
せ、その後滴下ノズル3を矢印ロで示す垂直方向
に移動させて、試験液5を試料1表面の対向電極
2,2′に囲まれた部分に滴下させる。その後再
び第5図aの状態に戻す。
このようにすることにより、遮蔽板7の挿入動
作が、試料1と滴下ノズル3との水平方向相対位
置の移動動作と同様の作用効果を果たすことがで
きる。
第6図は試験液滴下の基本動作を行なうための
滴下ノズルの構造を示したもので、この滴下ノズ
ル3は、試験液5を定容積の滴下粒に変換し、か
つ滴下ノズル3の先端内部を洗浄するための滴下
粒を次々に滴下ノズル3の先端に送るデイスペン
サー6と、滴下ノズル3と試料1との垂直方向の
相対的位置を変化させる垂直運動制御部9と、滴
下ノズル3と試料1との水平方向の相対的位置を
変化させる水平運動制御部10とにより構成して
いる。さらに滴下ノズル3は一端に規格形状の先
端部3′を有し、かつ他端には前記デイスペンサ
ー6を途中に設けた可撓性を有する導液管11の
一端を接続し、この導液管11の他端は試験液5
を貯蔵するタンク12に臨ませている。
第7図a,b,cは対向電極2,2′の支持構
造を示したもので、13は対向電極2,2′を支
持する電極支持体で、この電極支持体13は、電
極ヘツド14に取り付けたスライド軸15と電極
支持体13との摩擦抵抗を小さくするためのスラ
イドベアリング16と、対向電極2,2′の接触
角度を規定の条件に保持する電極固定治具17
と、この固定治具17の取付位置を長孔17aを
介して変えることにより対向電極2,2′間の距
離を調整する電極間隔調整ネジ18と、前記電極
固定治具17の端部に電源リード19を接続する
コネクタ20を備えている。
また試験液滴下の基本動作において、滴下ノズ
ル3と試料1との水平方向の相対的位置を、滴下
ノズル3を固定した状態で試料1を移動させると
により変化させる場合、試料1には対向電極2,
2′を介して一定電力を供給したまま移動させる
ため、可動端子が必要となる。第8図はこの可動
端子の構造を示したもので、21は円板状の可動
端子板で、この可動端子板21は6対の対向電極
2,2′を配置した電極ヘツド14を6個、各々
中心点が60度間隔となるように等間隔に円周上に
並設し、かつこれを駆動機構22により期格条件
に従つて30秒間に1回転の動作速度で、可動端子
板21の中心を軸として水平方向に回転させる。
23は固定端子板で、この固定端子板23には対
向電極2,2′に電力を連続して供給するため、
前記可動端子板21の各対向電極2,2′に接続
された電路刷子24が可動端子板21の回転によ
り接触する電路レール25を、対向電極2,2′
の各接続端子数と同数、すなわち第8図では7本
〜12本設置している。そして前記回転端子板21
の回転により、各対向電極2,2′には各々別個
の電力が連続して供給される。なお、電路刷子2
4と電路レール25は、上記とは逆に電路刷子2
4を固定端子板23に、電路レール25を可動端
子板21に設けてもよい。
試験液滴下の基本動作を高精度に再現するため
には、試料1と滴下ノズル3との相対的な水平お
よび垂直方向の位置関係を正確に動作させる運動
機構が必要である。第9図はこの連動機構の構造
を示したもので、6個の試料1を水平方向に移動
させるために、水平運動制御部10を各試料1を
配列した可動端子板21に取り付け、かつ滴下ノ
ズル3にはその垂直運動を行なわせるため、垂直
運動制御部9を取り付けている。また可動端子板
21は第9図aに示すような位置に配置され、か
つ水平運動制御部10により、試験液の滴下頻度
30秒の規格条件に従つて30秒間に1回転の割合
で、試料数に対応した配置角度θ(第9図bでは
θ=60度)毎に一時的に停止する間欠回転を行な
わせる。この水平運動制御部10には、第9図a
に示すように連動ギヤ26が取り付けられてお
り、この連動ギヤ26を介して垂直運動制御部
9、デイスペンサー6は駆動される。滴下ノズル
3の垂直運動は可動端子板21の間欠回転におけ
る一時停止中、すなわち各試料1が滴下ノズル3
の直下に位置している間に行なう。このようにし
て間欠回転における一時停止時に次々と滴下ノズ
ル3の垂直運動が繰り返されるが、可動端子板2
1の水平回転運動速度が30秒間に1回転の場合、
等間隔に配列された各試料1の任意の1個に対す
る試験液の滴下は30秒間に1回の割合で制御さ
れ、さらに他の5個の試料1に次々と滴下されて
いる間はその1個の試料1は滴下ノズル3の直下
から移動させた状態となる。なお、デイスペンサ
ー6は滴下ノズル3の垂直運動に同期して滴下粒
を形成させるようにすれば、試料1の数が6個の
場合、30秒/6、すなわち5秒間に1滴の割合で
試験液5を滴下ノズル3から放出させることにな
り、その結果滴下ノズル3の内部の洗浄効果も充
分に保たれる。
第10図a,bは数個の試料1を固定端子板2
3に円周上で等間隔に配置し、かつ滴下ノズル3
の水平間欠回転台27により滴下ノズル3を間欠
回転させ、その停止時に滴下ノズル3の垂直運動
を行なわせる場合の構造を示したもので、試料1
と滴下ノズル3の基本動作は第9図と同様であ
る。
第11図は一対の対向電極に対する電源と信号
の制御測定回路例を示したもので、まず電源は対
向電極2,2′の印加電圧を制御する電圧調整器
28と、対向電極2,2′を短絡させた時の短絡
電流ISを制する可変抵抗器29とにより構成す
る。この場合、電源容量は対向電極2,2′間を
スイツチ30で短絡した時の電圧VSと開放した
時の電圧VS′が少なくともIS=0.1〜1.0Aの範囲
で一定値となるように高容量を必要とする。次に
試料1を介して対向電極2,2′間に流れる電流
Rに対し、この電流の変化を測定制御用信号に
変換するトランスデユーサー31と、測定記録系
32、過電流検出器33、遮断電流ICと遮断時
間を調整する遮断調整器34、試料1を介して対
向電極2,2′間に流れる電流IRを遮断電流IC
を比較して電路の遮断を行なう遮断制御器35を
配置し、過電流を測定制御する。さらに電路の遮
断に応じて可動端子板21に連動して回転するカ
ム36の信号を切つて、電源が遮断された対向電
極2,2′の位置に対応する滴下ノズル3の動作
を停止させる滴下自動制御部37を配置し、電源
供給終了後に試料1へ試験液滴下を防止するとと
もに、滴下数カウンター38を自動的に停止させ
る。なお、複数個の対向電極による並列試験を行
なう場合は、第11図の電源容量を複数倍させ、
かつ複数個の各々独立した測定制御部が必要とな
るが、滴下制御機構は時間的にずらすことができ
るため、1個のもので共用できる。
次に試験手順と表示いついて説明する。まず主
電源スイツチ39を投入するとともに、電圧調整
器28を調整して試験電圧を設定する。次に対向
電極2,2′をスイツチ30で短絡し、かつ短絡
電流制御用の可変抵抗器29を調整して短絡電流
を設定し、スイツチ30を開放にする。そして遮
断調整器34を調整して遮断電流ICを遮断時間
を設定した後、主電源スイツチ39を開放する。
次に電極間隔調整ネジ18で対向電極2,2′
の間隔を規定の長さに調整し、試料1を対向電極
2,2′の下に挿入する。
このように条件設定をした後、主電源スイツチ
39を投入すると、カムが動作し、試験が開始さ
れる。まず滴下ノズル3から試料1に試験液が滴
下されると、試験液を通して対向電極2,2′間
に電流が流れる。この電流の変化はトランスデユ
ーサー31で測定され、かつ制御用信号に変化さ
れ、さらに測定記録系32に送られて記録され
る。試験液の滴下がさらに進むと、試料1の表面
絶縁性が劣化し、対向電極2,2′間に微小発光
放電が生ずる。この放電電流および放電による試
料1の発火に伴う電流の変化も前記測定記録系3
2に同様に記録される。さらに表面絶縁性が劣化
すると、対向電極2,2′間に流れる電流が増大
し、あらかじめ遮断調整器34で設定された遮断
条件以上の電流が流れると、過電流検出器33が
動作して遮断制御器35、滴下自動制御部37お
よび滴下数カウンター38を制御し、対向電極
2,2′間への電力供給、試験液の滴下および滴
下数のカウントを自動停止させる。これにより一
般的な耐トラツキング性試験は終了する。
次にトラツク破壊直後の試料に再び電圧を印加
し、その電圧をゆつくり増加させた時に流れる電
流の変化を測定記録系32で記録し、前記電圧増
に対し、電流も増加するかどうかのトラツクのオ
ーム特性を調べる。
以上のような試験手順で、試験中における電圧
の印加や回路の遮断などの作業安全に必要な状態
の表示を、種々の表示灯、計測器、スイツチ調整
器のダイヤル等の表示操作部により行なう。
試験液滴下条件の制御は、試料1と滴下ノズル
3との相対的位置を変化させるために発明した前
述の滴下ノズル、可動端子板および連動機構によ
り次のような効果が得られる。
(1) 試料1を滴下ノズル3の直下から移動させる
ようにしているため、滴下ノズル3の汚染防止
がはかれる。
(2) 対向電極2,2′間中央部への試験液の噴霧
滴下による短絡ミスや短絡条件の変動防止がは
かれる。
(3) 滴下ノズル3内部の洗浄と試験液の浄化が行
なえる。
例えば、第12図は本発明の装置により第3図
と同じ試料を同じ電力条件で評価したもので、
200Vの印加電圧におけるデータのバラツキ率CV
(標準偏差√/平均値、繰り返し数n=5)
を比較すると、約1/3に低下しており、どの電圧
条件でも一様に小さくなつている。
また試料1と対向電極2,2′との接触条件の
変動は、試料1の材質が、加熱による変形・溶融
やガス発生が著しい場合に限られる。一方、これ
らの材料のトラツキング現象には、ガス発生が励
起されて生ずる気中放電が激しく、さらにこの気
中放電による二次加熱や材料の発火、引火が生じ
易い。従つて、現時点では、対向電極2,2′と
試料1との接触条件の変動現象は、試験の初期段
階に観測される対向電極2,2′と試料1の接触
点付近での放電の発生頻度、すなわち試験液の蒸
発直後の放電位置に認められるだけで、観察によ
らざるを得ない。この観察結果では、第7図に示
す構成の対向電極2,2′にる試験では、従来品
に比べ、電極間中央部で発生する頻度が多い傾向
にあるが明瞭はない。その反面、試験前の条件設
定時において、第1図に示した試料42と対向電
極41,41′との接触条件、すなわち垂直方向
に100g一定、接触角90度一定および対向電極4
1,41′の先端間隔4mm一定の設定が極めて手
間を要し、データの個人差の原因となつていた
が、本発明の試験装置では、これらの条件設定に
かかる手間が不要であるとともに、高精度である
ため、データの個人差はなくなる。
滴下ノズル3の外径1mmの規格条件で容積0.02
c.c.の試験液の滴下粒を自然滴下条件で作るために
は、実験の結果約2秒間必要とする。また滴下ノ
ズル3が気中放電や試料1の燃焼炎などで一時的
に数百度に加熱された場合でも、5秒間に1滴の
割合で0.02c.c.の試験液を流した場合に、100滴以
下の滴下数であるならば、窓滴下量と試験液の体
積個有抵抗は変動しない。これらのデータから、
1個の滴下ノズルに対して2〜5秒間隔で試験液
の滴下粒を流出させるようにしないと、安定した
規格滴下条件を得ることはできない。これに対し
て試験液の規格滴下条件は30秒に1滴の滴下頻度
を規制しているため、一つの試料を試験する場合
は、前述した2〜5秒の滴下頻度に滴下ノズル3
の滴下を制御すると、2秒では15滴中14滴、5秒
では6滴中5滴の滴下粒が余分になる。また滴下
条件を高精度とするために試料1と滴下ノズル3
の水平方向の位置関係を相対的に移動させる必要
もあつた。
本発明の試験装置は試験液滴下条件の変動防止
動作を活用して、1つの滴下ノズルに対し、6〜
15個の試料の試験を並列して行なうようにしてい
るため、試験の効率化がはかれるとともに、滴下
条件の高精度化と、これに伴う試験液の無駄使い
をなくすることができ、さらには詳細は後述する
が諸現象の同時比較が行なえるという効果を有す
る。なお、滴下ノズルの数を増すとさらに多種の
並列試験が可能となる。
また本発明の試験装置による並列試験機能は、
1つの滴下ノズルでn個の試料の試験を次々に順
番に行なうことにより、同時に行なわれるn個の
試料の並列試験間の各滴下条件に差が生じないこ
とに特徴があるため、種々の現象の比較評価が可
能となる。
以下に、本発明により試作した12電極直並列試
験装置による種々の試験により見い出された効果
の一例を示す。この試験装置は、各々独立し、同
り間隔で配列された12個の電極を有するため、条
件数pや繰り返し数nの組み合わせにより、例え
ば、 (A) 相関曲線の測定:p=3〜4/n=4〜3 (B) 諸現象の分離評価:p≧2/n≧6 (C) 境界条件の評価:p=12/n=1 のように異種の現象評価と、各試験中における電
流変化と、各試験後のオーム特性が並列評価でき
る。
相関曲線の測定として、第12図はIEC規格試
験で4種類の電圧/n=3を2回、すなわちn=
6のトラツク破壊寿命(滴数)データを求め、そ
の平均値、標準偏差√と印加電圧の関係を求
めた結果を示したもので、これは第3図と同一試
料、同一条件で行なつている。第3図と第12図
を比較する、第12図の方がデータのバラツキは
少ないが、IEC規格に示された第2図のCTI曲線
とは著しい差異がある。そこで、IEC規格の短絡
電流1A一定との規格条件を、低電圧では高電
流、高電圧では低電流と、印加電圧VSに従つて
短絡電流ISも変化させて、再び第3図、第12
図と同じ試料のデータを求めた。この結果、第1
3図のように第2図のCTI曲線と同傾向の相関曲
線が得られ、かつ第12図に比べ、データのバラ
ツキも少なくなつた。
これは、第12図の試験中に記録した12個の電
極の電流波形変化に、バラツキが増大する低電圧
域では第14図にd波形、高電圧域ではg波形が
伴い、これらの波形に対応する電極濡冷現象とア
ーク放電現象の再現象の電力依存性が著しいこと
に着目し、短絡電流ISを変えて再試験した結果
である。
第14図は諸現象を発生時間経過に従つて分離
評価する方法、すなわち一定電力条件下で一定の
滴下条件の試験を行なう場合の試験液の蒸発時間
Bを測定し、並列試験試料の滴下間隔時間tp
p≧tBとなるような等間隔で試料を並べ試験時
間をずらせた直列印加法により、数10種の材質の
トラツキング現象を調査した結果を整理したもの
で、a波形はトラツク抵抗の低下現象、b波形は
絶縁破壊現象、c波形は自己発熱グロー現象、d
波形は電極間のドライバンドが狭くなつて電極が
濡れ、冷却される電極濡冷現象、e波形は発火現
象、f波形はトラツクの機械的な破断現象、g波
形は気中放電現象、h波形は抵抗回復現象を示し
ている。a波形〜c波形は一般のトラツキング現
象でデータのバラツキは少ないが、d波形〜g波
形ではデータのバラツキが増大する。またh波形
の原因は未だ不明である。
このデータのバラツキは、上記したような種々
のトラツキング現象を知る手がかりになるが、第
14図のd波形〜h波形が発生しないような材質
の試料の場合でも、トラツク破壊を生じ易い、生
じ難い境界条件を知る有効な手がかりとなる。
第15図は試験中に第14図のe波形やg波形
が発生しないでa〜c波形の表面電流が流れてト
ラツク破壊を起こす材質の試料のCTI曲線を示し
たもので、第15図aは規格条件の短絡電流IS
=1.0A一定の場合を示し、第15図bは印加電
圧VS=200V一定の場合を示している。まず第1
5図aでトラツク破壊滴数データの平均値と電
圧VSの関係は、第2図の規格条件と同傾向であ
るが、バラツキ√/はV字曲線となつてお
り、印加電圧VS=200Vの条件で√が急上昇し
ていいる。またこ条件で第15図bではIS
1.0Aの条件でバラツキ√/が最大値とな
る。この結果トラツク破壊を生じ易い、生じ難い
の境界条件は、第15図から印加電圧VS
200V、短絡電流IS=1.0Aにあるとみなすことが
でき、このCTI曲線はIEC規格で求められるCTI
=217とほぼ一致する。
上記の結果から本発明の試験装置は、次のよう
なすぐれた特長を有する。
(1) 滴下件が試料間で差がなく、試験中の条件変
動の少ない試験装置であるため、この試験装置
で相関曲線を得るための条件数と標準偏差を求
め得るための試料数の試験を並列に行なえば、
データのバラツキも有効なデータとなり、トラ
ツク破壊を生じ易い、生じ難いの境界条件を的
確に評価することができる。
(2) 試験中に、各対向電極間に流れる表面電流の
波形経時変化を高精度に測定記録すれば、材料
個有のデータのバラツキ原因や現象も評価でき
る。
第16図は第14図のc,e,g波形を試験の
終点として、フエノール試料A,B,Cに対し、
絶縁破壊前の発火現象について、電圧、電流を
徐々に上昇させ数滴以下で発火現象が生じるかど
うかにより求めた材料の発火限界電圧−電流特性
図を示したもので、この試験方法は従来の試験装
置に電流波形測定器を接続したものである。そし
てトラツクの発火の有無は試験中監視すれば求め
られるが、境界条件を正確に求る上で数段階以上
の条件設定を必要とするため、かなりの時間と手
間を要し、それに加え、この発火条件ではガス・
煙・温度上昇気流の発生が著しいため、滴下条件
における電極接触条件の変動が生じ易く、かつ繰
り返し試験間の再現性が悪く、その結果試験と試
験との間の滴下ノズルが電極の保守、研磨洗浄に
手間を要する。これの諸問題に対して本発明の試
験装置として試作した「12電極直並列試験装置」
では、次のような従来品にない特長を有してい
る。
(1) 6対の各対向電極間で滴下条件に相違が生ず
る可能性は無く、かつ試験中の条件変動も極め
て少ないため、条件12段階/n=1の同時比較
が可能である。
(2) 試験中に6対の各電極間電流が独立して自己
記録されるため、測定手間は特に不要で、高精
度評価が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は一般の耐トラツキング性試験装置の概
略図、第2図はトラツク破壊寿命曲線図、第3図
は従来の耐トラツキング性試験装置におけるトラ
ツク破壊寿命曲線図、第4図a,b,c,d,
e,f,gは本発明の一実施例を示す耐トラツキ
ング性試験装置の基本動作説明図、第5図a,
b,cは同装置における遮蔽方式の構成例を示す
概略図、第6図は同装置における滴下ノズルの構
造を示す一部断面概略図、第7図は同装置におけ
る対向電極の支持構造を示したもので、aは正面
図、bは一部断面上面図、cは電極ヘツドの縦断
面図、第8図は同装置における可動端子の構造を
示す縦断面図、第9図は試料と滴下ノズルとの連
動機構を示したもので、aは正面図、bは上面
図、第10図は移動式滴下ノズルの構造を示した
もので、aは一部断面上面図、bは一部断面正面
図、第11図は同装置における電気制御回路図、
第12図はIEC規格電力条件によるトラツク破壊
寿命曲線図、第13図は電力条件を変更した時の
トラツク破壊寿命曲線図、第14図は数10種の材
質におけるトラツキング現象の調査結果を示す電
流波形図、第15図は同装置におけるトラツク破
壊寿命曲線を示したもので、aは短絡電流が一定
の場合を示し、bは印加電圧が一定の場合を示
す。第16図は絶縁破壊前の各試料の発火限界電
圧−電流特性図である。 1……試料、2,2′……対向電極、3……滴
下ノズル、4……試料台、6……デイスペンサ
ー、7……遮蔽板、9……垂直運動制御部、10
……水平運動制御部、13……電極支持体、14
……電極ヘツド、17……電極固定治具、18…
…電極間隔調整ネジ、21……可動端子板、23
……固定端子板、28……電圧調整器、29……
可変抵抗器、30……スイツチ、31……トラン
スジユーサー、32……測定記録系、33……過
電流検出器、34……遮断調整器、35……遮断
制御器、36……カム、37……滴下自動制御
部、38……滴下数カウンター、39……主電源
スイツチ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一つの滴下ノズルと、この滴下ノズルに等間
    隔で配置された複数個の試料に各々独立した電力
    を並列的に連続供給する可動端子板と、前記滴下
    ノズルと各試料の相対的位置を水平および垂直方
    向に変化させる連動制御機構と、前記各試料と規
    定された接触条件で接触し、かつ電極支持体によ
    り支持された対向電極と、前記各試料への供給電
    力条件やそのオン、オフ条件、滴下ノズルのオ
    ン、オフ条件を制御する電源制御部と、各試料の
    各種トラツキング現象を別個に分離分割して測定
    記録する多現象測定部と、試験条件・試験手順・
    現象などの表示を行なう表示操作部とを有し、か
    つ単一の絶縁材料で複数条件、または複数材料で
    単一条件もしくは複数条件の耐トラツキング性試
    験を行なうことを特徴とする多現象耐トラツキン
    グ性試験装置。 2 滴下ノズルを通過する試験液を、数秒間以下
    の間隔で断続的に定容積の滴下粒に変換する滴下
    粒制御機構と、前記滴下粒を試料表面の滴下位置
    に滴下する場合に限り前記滴下ノズルの直下に試
    料を直接対向させ、他の状態では滴下ノズルの直
    下に試料を直接対向させないようにする滴下ノズ
    ルまたは試料の移動機構、前記滴下ノズルからの
    試験液の滴下直後に、滴下ノズルから試料への試
    験液滴下を阻止する遮蔽部材と、試料表面の滴下
    位置に試験液を滴下させるために滴下ノズルと試
    料との位置を相対的に変化させる機構とを備えた
    特許請求の範囲第1項記載の多現象耐トラツキン
    グ性試験装置。
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