JPS6126958Y2

JPS6126958Y2 -

Info

Publication number: JPS6126958Y2
Application number: JP1980111988U
Authority: JP
Priority date: 1980-08-06
Filing date: 1980-08-06
Publication date: 1986-08-12
Also published as: JPS5735700U

Description

【考案の詳細な説明】この考案は、使用済燃料貯蔵プール等に設置さ
れる使用済料輸送容器の昇降装置に関する。

原子炉で使用済ななつた燃料集合体は、使用済
燃料貯蔵プールの水中に一定期間以上貯蔵される
同時に冷却されたのち、使用済燃料輸送容器（キ
ヤスク）に収納されて、再処理工場または使用済
燃料貯蔵施設に送られる。そして、再処理工場ま
たは貯蔵施設に到着した燃料集合体は、輸送容器
から取出され、その貯蔵プールの水中に貯蔵され
る。上記の原子炉側における核燃料の輸送容器へ
の収納作業、および再処理工場または貯蔵施設側
における核燃料の輸送容器からの取出し作業は、
核燃料の放射能が極めて高いため、貯蔵プールま
たは貯蔵プールと水路等によつて連絡された燃料
収納プールもしくは燃料取出しプールの水中で水
を遮蔽体として行なわれるのが通例である。この
ような使用済燃料の収納、取出し作業において
は、輸送容器の外表面が直接プール水と接触して
プール水中の放射性物質により汚染される可能性
が高い。このため、輸送容器外表面の汚染を高圧
水等により除去したのち、輸送容器を施設外に搬
出する必要があるが、実際には、この除染作業が
困難で、多大の労力と時間を要している。輸送容
器外表面の汚染を防止するため、例えば輸送容器
に袋状のカバーを被せ、輸送容器外表面が直接プ
ール水と接触しないようにすることが行なわれて
いる。ところがこの場合には、輸送容器をクレー
ンで吊下げた状態でカバーを被せる必要があり、
作業に危険が伴う。さらに、カバーの不備による
汚染のおそれがあるばかりでなく、カバー自体が
汚染されるので好ましくない。

この考案は、上記の実情に鑑みてなされたもの
であつて、使用済燃料輸送容器の外表面の汚染を
防止することができ、使用済燃料の収納、取出し
作業を安全、確実かつ迅速に行なうことを可能に
する使用済燃料輸送容器の昇降装置を提供するこ
とを目的とする。

以下この考案を図面に示す実施例により詳細に
説明する。

使用済燃料貯蔵プール、燃料取出しプールまた
は燃料収納プール等のプール１には、プール底か
ら水面上方に至る４本の垂直ガイドレール２が固
定状に設置され、これらのレール２に、車輪３を
介して円筒状の輸送容器収納体４が昇降自在に取
付けられている。収納体４は、例えばステンレス
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鋼のような耐食性材料からなり、上端のみが開口
して、他は水密状に構成されている。また、プー
ル側壁５の上部には、収納体４を挾んで対称な２
箇所にモータ駆動の巻上機６が配置されており、
各巻上機６のステンレスワイヤ７の一端には、収
納体４が対称な２箇所において吊下げられ、同他
端には、プール側壁５の外側の凹部８内に配置さ
れた釣合錘９が吊下げられている。収納体４の下
部にはノズル（図示略）が設けられ、このノズル
に給水ホース１０が接続されている。収納体４の
下方のプール底および凹部８の底には、万一ワイ
ヤ７が切れて収納体４および釣合錘９が落下した
場合でもプール等が損傷しないように、緩衝材１
１が設けられている。収納体４の上端開口の周縁
部に形成されたフランジ４ａには、収納体４内に
収納された輸送容器１２の上端部との間を密閉す
る環状の蓋１３が取付けられる。この蓋１３は、
一般に輸送容器１２の種類によつて異なる形状、
寸法を有し、収納体４および輸送容器１２に対し
て着脱自在となされている。収納体４および輸送
容器１２への蓋１３の取付は、ボルト等の適宜な
手段によればよいが、取付け、取外し作業を迅速
に行なうためには、一挙動開閉式の適宜な止め金
具によるのが望ましい。また、収納体４および輸
送容器１２と蓋１３との間には、これらの間を密
閉するために、Ｏリング等のシール（図示略）が
施される。

上記において、使用済燃料の取出し作業は次の
ように行なわれる。

まず、フランジ４ａが水面の若干上方に出るよ
うに、収納体４を水面に位置させておき、蓋１３
を取外した状態で、クレーンを使用して輸送容器
１２を上端開口から収納体４内に収納する。この
とき、収納体４内に清浄水を入れておいてもよ
い。輸送容器１２を収納したのちに、輸送容器１
２の吊具を取去り、収納体４と輸送容器１２とに
前述のように蓋１３を密閉状に取付け、給水ホー
ス１０から収納体４内に清浄水を給水して、収納
体４と輸送容器１２との間に若干加圧した清浄水
を充満させる。次に巻上機６を駆動して収納体４
をプール底に沈め、従来と同様に、輸送容器１２
から使用済燃料を取出す。燃料の取出しが終わつ
たならば、再び巻上機６を駆動して、フランジ４
ａが水面の若干上方に出るまで収納体４を上昇さ
せ、蓋１３を取外し、輸送容器１２を収納体４か
ら取出す。

燃料の収納作業も上記とほぼ同様である。

上記のように使用済燃料の取出し作業および収
納作業を行なう場合、収納体４と輸送容器１２と
の間に若干加圧された清浄水が充満されているた
め、万一収納体４および輸送容器１２と蓋１３と
の間のシールが不完全な場合であつても、プール
水が収納体４内に入り込むことはなく、輸送容器
１２の外表面の汚染を確実に防止することができ
る。

収納体４および蓋１３の構造は、上記実施例の
ものに限らず、適宜変更可能である。また、収納
体４を昇降させる手段も上記実施例のものに限ら
ない。

この考案の昇降装置によれば、輸送容器収納体
４の上端開口周縁部とこれに収納された使用済燃
料輸送容器１２の上端部との間が環状の蓋１３に
より密閉され、しかも蓋３により密閉された収納
体４と輸送容器１２の間の空間に加圧された清浄
水が充満されるので、輸送容器１２の外表面の汚
染を確実に防止することができる。また、輸送容
器１２をクレーンで収納体４内に収納して蓋１３
を取付けるだけでよく、従来のように袋状のカバ
ーを取付ける場合と違つて、クレーンで吊下げた
輸送容器１２の下で作業をする必要がないため、
極めて安全である。したがつて、この昇降装置に
よれば、使用済燃料の収納、取出し作業を安全、
確実かつ迅速に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示し、第１図は垂直
断面図、第２図は第１図−線の断面図であ
る。１……プール、４……輸送容器収納体、１２…
…輸送容器、１３……蓋。〓〓〓〓〓

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

上端のみが開口し、使用済燃料輸送容器１２を
収納してプール１の水底に沈んだ位置と上端が水
面の上方に出る位置との間を昇降する水密状の輸
送容器収納体４と、収納体４に収納された輸送容
器１２の上端部と収納体４の上端開口周縁部との
間を密閉する環状の蓋１３とを備えており、蓋１
３により密閉された収納体４と輸送容器１２の間
の空間に加圧された清浄水が充満されるようにな
されている使用済燃料輸送容器の昇降装置。