JPS6123753Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は回転継手に関する。

回転継手は、固体導管系と加熱ドラム又は冷却
ドラムのような回転部材とを連通させるに利用さ
れる。回転継手はハウジングを含み、ハウジング
内に形成される室は固定導管系と連通する口を備
え、スリーブ又はニツプルのような回転部材は前
記ハウジング内に設けられ、軸受によつてハウジ
ングで支持される。シール装置はハウジングと回
転スリーブの間に液密シールを形成するものであ
り、このスリーブは使用さるべき回転部材と同軸
に心合せされている。このような回転継手では、
その寿命と効率は効率よく運転を持続するシール
能力に関係し、各種のシール装置が回転継手に使
用されている。

回転継手は減摩軸受と摩擦軸受の両方を利用し
ているけれども、多くの場合減摩軸受を使用する
のが極めて望ましい。このような回転継手では、
通常は、１対の玉軸受を管状スリーブ上に互に軸
方向に間隔をへだてて設けて、継手の運転中スリ
ーブと軸受及びハウジングとの同心性を確保して
いる。１対の玉軸受の使用は高くつくが、軸方向
の剛性を達成し、従来の回転継手シール組立体に
よつてもたらされるようなシール性に悪影響を及
ほす不整列を阻止するため軸受を対にして使用す
るが普通である。

経費の観点から、単一の減摩軸受のみを回転継
手に使用するのが好ましい。しかしながら、回転
部分と静止部分との間の心合せを維持することに
関して遭遇する困難性とシールの完全性を維持す
る問題は単一の減摩軸受を用いる回転継手を比較
的少ない応用にしか使用できなくしている。又、
時々自動心合せ能力をもつ浮動シールが使用され
る。

本考案の目的は静止部品と回転部品との間に単
一の減摩軸受を利用する回転継手を提供すること
にあり、同継手には、経済的な構造のものでかつ
たやすく装着しうる自動心合せシール装置が使用
される。

本考案の他の目的は、回転軸線に対する不整列
を自動的に調整する浮動の、自動補償シール組立
体が用いられ、そのシールリングが摩耗すると、
摩耗の程度に拘らず、ばねがシールリングの係合
を常に維持して、摩耗を自動的に補償するよう
な、単一の減摩軸受を使用する回転継手を提供す
ることにある。

本考案の更に別の目的は、軸受が軸受の内レー
ス内に受入れた回転スリーブを支持し、スリーブ
に着脱自在に固定されたアダプタが軸受の内レー
スにその側面で係合してスリーブを内レース内に
位置決めしかつ確実に保持するような、単一の減
摩軸受を使用する回転継手を提供することにあ
る。

本考案の実施に当つて、ハウジングには室が形
成され、該室は流体供給導管または排出管と関連
する少なくとも１つの口と連通する。単一の減摩
玉軸受がハウジングの室の中に設けられ、管状ス
リーブが軸受の内レース中に位置決せされ、しか
もこのスリーブは、同スリーブに取付けられ、か
つ軸受の内レースの側面に係合するねじ付きアダ
プタにより、軸受の内レースと確実に結合され
る。

シール組立体がスリーブとハウジングとの間に
介在し、スリーブの回転軸線と略々直角な平面内
に横たわるシール面を有する。このシール組立体
は環状シール面を有し、このシール面に、環状シ
ールリングが圧縮ばねによつて押しつけられる。
シールリングは、ハウジング内に摺動自在に支持
されている弾性エラストマの支持リングにより所
定位置に維持され、この弾性支持リングによりシ
ールリングはシール面の真の回転軸線からのずれ
を補償し、支持リングの材料であるエラストマに
よりシールリングはスリーブ上に形成されている
シール面と密封関係を維持し、前述のばねは、ス
リーブの回転が正しいかどうかに拘らずシールリ
ングとシール面との間に効率的なシールを確保す
る。

弾性支持リングは、前記室内に回転軸線と同軸
に形成された円筒面に密封係合する第１リツプを
有し、前記環状シールリングは前記回転軸線と同
軸に形成された円筒面を有し、支持リングは環状
シールリングの円筒面に係合する第２リツプを有
し、ハウジング内の流体圧力はシールリングを押
圧してシール面と係合させ、かつ前記第１及び第
２のリツプを押圧して夫々それらと関連した円筒
面と密封係合させる。これにより流体圧力が高く
なればなる程、リツプによる密封がより効果的に
なる。

軸受の内レースの側端面に係合するようになつ
た半径方向に延びる肩がスリーブに形成され、ま
たスリーブに螺着される導管用アダプタが軸受の
内レースの反対側の側端面に係合し、これによつ
て、アダプタをスリーブに螺着することにより、
スリーブは軸受の内レースに対して確実に固定さ
れかつ位置決めされる。アダプタは雄ねじ、雌ね
じなどの所望の形態をとることができ、全体の回
転継手装置は経済的な構造をもち、高い生産技術
により容易に製作することができる。

以上述べた本考案の諸目的及び諸利点は添付図
面を参照して以下の説明を読めば明らかになるは
ずである。

第１図及び第２図を参照して説明するに、本考
案の回転継手はハウジング１０を含み、このハウ
ジング１０は金属、合成樹脂のいずれかでつくる
ことがきる。ハウジング１０はねじ付き口１４及
び１６と連通する通路１２を含むが、必要に応じ
て、これらねじ付き口の１つは栓で塞がれても良
いし或は導管と関連させてもよい（図示せず）。

ハウジング１０の内部には室１８が形成されて
いて、同室１８は通気孔２０を介して通気され
る。室１８は円筒面２４と交差する半径方向肩２
２を含み、また半径方向肩２８と交差する円筒面
２６は軸受受入れ凹部を構成し、この凹部の中に
減摩玉軸受３０が設けられている。凹部３２は軸
受の外レース３６の側面に係合する割り保持環３
４を受入れ、これによつてハウジング１０に対す
る軸受の軸方向変位を阻止している。

管状スリーブ３８は軸受の内レース４０内にぴ
つたりと受け入れられた円筒面を有する。スリー
ブ３８は内レース４０の１方の側面に係合する半
径方向肩４２を含む。

スリーブ３８はその１端にシール組立体４６の
１部分を受入れるようになつている凹部４４を含
み、スリーブの他端には雄ねじ４８が形成され、
これにアダプタ５０が螺着される。

アダプタ５０は、スリーブの雄ねじ４８と合う
雌ねじを有する管状形体のものであり、このアダ
プタ５０の端５２は軸受の内レース４０の側面に
係合して同レースをスリーブの肩４２に押しつ
け、これによつてスリーブを内レースにしつかり
と装着する。第１図に示すこのアダプタには５４
のところに雄ねじが切つてあるので、同アダプタ
を、ドラム関連構造体などと結合するため開口又
は管継手（図示せず）にねじ込むことができる。

一般に符号４６で指示されている回転継手のシ
ーレ組立体は、スリーブの凹部４４内に受入れら
れている環状の弾性クツシヨン５６を含む。一方
この環状弾性クツシヨンは環状の円形シール要素
５８を受入れる凹部を備え、シール要素５８には
平担なシール面６０が設けられ、このシール面６
０は、軸受３０及びスリーブ３８の軸線と直角な
平面をなしている。シール要素５８はセラミツ
ク、鉄またはステンレス鋼でつくられる。

合成樹脂またはカーボンでつくられるシールリ
ング６２は環状突出部６４を含み、この突出部６
４はシール要素５８のシール面６０に密封係合す
る平担なシール面６６を形成している。このシー
ルリング６２はその半径方向面７０と交差する、
軸方向に延びた円筒面６８を有し、半径方向面７
０と円筒面６８のこれら２つの面は静止型環状シ
ール支持部材７２を受入れる凹部を形成してい
る。支持部材７２は弾性材料でつくれら、そして
円筒外面７４を含み、この円筒外面７４は軸方向
に摺動可能な摩擦関係をなしてハウジングの円筒
内面２４に厳密に係合している。支持部材７２
は、リツプ７８を形成する傾斜面７６を備え、部
分８０も又リツプを構成し、これによつてハウジ
ング内の圧力は、リツプ７８およびリツプ８０を
夫々ハウジングの円筒内面２４、シールリング６
２の円筒外面に押付けて液密シールを作る。

支持部材７２は半径方向に延びる面８２を備
え、この面８２にばね組立体のカラー８４が係合
する。同じようなカラー８６がハウジングの面２
２に係合している。これら両カラーの間に介入さ
れている圧縮ばね８８が、第１図の右方向に、支
持部材７２およびシールリング６２に作用する偏
倚力を生じ、このばね偏倚力は弾性支持部材７２
の形体のまわりに一様に分布する。

使用に当つて、ドラム又は他の回転部分にアダ
プタ５０をねじ込み、アダプタには加圧流体媒体
が供給され或は取出される。供給又は排出導管が
ハウジング１０の口１４又は１６にねじ込まれ
る。スリーブ３８がハウジング１０に対して回転
すると、シールリング６２は、弾性支持部材７２
によつてなされるシールリング６２の可撓性支持
により、シール要素５８のシール面６０と密封関
係を維持する。加圧流体が回転継手を介して伝達
されているものとすると、支持部材７２に及ぼさ
れる流体圧力により支持部材７２及びシールリン
グ６２はピストンとして機能してシールリング６
２をシール要素５８のシール面６０に密着させ
る。もしスリーブ３８が軸受３０の軸線との整合
から僅かに外れていると、シールリング６２は支
持部材７２の弾性特性によりシール面６０の不正
運動に追従して首振り作用を行う。

ばね８８及びこれと関連したカラーは、回転継
手が圧力状態にないときにも又回転継手内に大気
圧以下の圧力が存在するときにもシールリング６
２とシール面６０との間に密封係合が起ることを
保証している。支持部材７２とハウジング１０の
内面２４との摩擦係合は、両者の相対回転を阻止
するためのピンやキーの必要性を除去し、シール
組立体の構成部品は簡単な形態につくられるので
商業上安価な経費でこれを容易に製作することが
できる。

第３図に示す管状アダプタ９０の変形実施例は
前に述べたようにスリーブ３８に螺合するための
雌ねじを有する。しかし、カツプリングの必要を
除くため、アダプタ９０には雌ねじ９２が切られ
ている。

第４図はシーリ組立体の別の変形実施例を示
し、これは回転継手を介して非常に高圧を伝達す
るような場合に特に適している。第４図におい
て、シール表面９６を形成する環状シール要素９
４は弾性クツシヨン内に装着されていないが、Ｏ
−リング９８を使用して流体が要素のまわりから
逃出するのを阻止している。これに加えて、金属
などでつくられた鋼性座金１００が図示のような
位置にあつて、支持部材７２中に埋込まれるが、
支持部材７２に凹部を設けてその中にこの座金が
収容されるようにする。座金１００を設けること
により、支持部材の弾性材料がシールリング６２
を越えて押出されないようにしている。

本考案によれば、シールリングを弾性シール支
持装置によつて支持したから、シールリングはシ
ール要素のシール面と効果的な密封関係を維持す
る。換言すれば弾性シール支持装置の可撓性によ
りシールリングとシール要素との接触を維持する
ことができる。さらに本考案によれば、弾性シー
ル支持装置にハウジングの円筒面およびシールリ
ングの円筒面に係合するリツプを設けたから、ハ
ウジング内の流体圧力がこれらのリツプに作用し
てリツプを上記円筒面と密封係合させることがで
きる。この流体圧力が高ければ高い程、リツプに
よる密封がより効果的になる。

以上の説明から分かるように、本考案は単一の
減摩軸受を使用することができ、しかも信頼性に
富む密封効率を長く維持することのできる。構造
簡単で低価格の回転継手をもたらす。

本考案の概念に対して種々の変更修正が本考案
の精神や範囲から逸脱することなく当業者にとつ
て明らかなことが分る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による回転継手の正面断面図で
ある。第２図はシール組立体の拡大、詳細、正面
断面図である。第３図は回転継手の詳細な正面断
面図であつて、アダプタの別の実施例を示す。第
４図は高圧装置中で使用されるシール組立体の１
変形実施例の拡大、詳細、正面断面図である。 １０……ハウジング、１４，１６……第１の
口、１８……室、２４……円筒面、３０……軸
受、３８……スリーブ、４０……内レース、４２
……肩、４８……ねじ、５０……アダプタ、５４
……ねじ、５６……シール面、５８……環状シー
ル、６２……リング、７２……リング、７８，８
０……リツプ、８８……ばね、１００……剛性リ
ング。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 第１の口と連通する室を形成した環状ハウジ
   ングと、前記室内で前記ハウジングに装着され
   た単一の環状減摩軸受と、前記室内で軸線の周
   りに回転可能に前記軸受内に設けられた管状ス
   リーブと、前記スリーブによつて形成され、前
   記室と連通している第２の口と、前記第２の口
   と隣接して前記スリーブに設けられた環状の弾
   性クツシヨンと、前記クツシヨンで支持され、
   前記軸線と同心の環状シール面を形成する環状
   の剛性シール要素と、前記室内に前記軸線と同
   心に配置され、前記シール面に密封かつ摺動自
   在に係合する環状シールリングと、前記ハウジ
   ングに対して密封され、前記環状シールリング
   を可撓的に支持しかつ前記シールリングが前記
   シール面に対して自動的に整列するように、前
   記シールリングの唯一の支持体を構成する環状
   シール支持装置とからなり、円筒面が前記室内
   に前記軸線と同軸に形成され、前記シール支持
   装置は、前記円筒面に密封係合する第１リツプ
   を有するエラストマのリングからなり、前記環
   状シールリングは前記軸線と同軸に形成された
   円筒面を有し、前記エラストマのリングは前記
   環状シールリングの前記円筒面に係合する第２
   リツプを有し、前記シールリングは前記エラス
   トマのリングで支持され、前記ハウジング内の
   流体圧力は前記シールリンングを押圧して前記
   シール面と係合させ、かつ前記リツプを押圧し
   てそれらと関連した円筒面と密封係合させるこ
   とを特徴とする回転継手。 ２ 前記エラストマのリングに係合し、前記室内
   に設けられたばねは前記エラストマのリング及
   びシールリングを前記シール面に向つて軸線方
   向に付勢することを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の回転継手。 ３ 環状アダプタが前記第２の口と連通した前記
   スリーブに取外し自在に固着され、導管取付け
   部がこのアダプタに形成されていることを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の回
   転継手。 ４ 前記スリーブにはねじが形成され、前記軸受
   は、前記スリーブに形成された半径方向の肩に
   係合する内レースを含み、前記スリーブのねじ
   と螺合するねじが前記アダプタに形成され、前
   記アダプタは前記軸受の内レースに係合してこ
   の内レースを前記スリーブに固着する実用新案
   登録請求の範囲第３項記載の回転継手。 ５ 前記ハウジング内の圧力による前記エラスト
   マの押出しを阻止するため、押出し防止用剛性
   リングが前記シールと前記エラストマのリング
   との間に位置決めされていることを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の回転継
   手。