JPS6122829Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は菰冠化粧樽に用いる酒樽に関するもの
である。菰冠化粧樽は、小さいものは贈答品等と
して、大きいものは祝事やパーテイ等に用いるも
のとして日本古来の清酒の包装によく用いられて
いるものである。

従来この菰冠化粧樽は、杉木の柾目の材料によ
り構成した樽体の周囲を箍で巻いて酒樽を作成
し、この酒樽に藁等の菰を巻き表面に酒の銘柄を
印刷して仕上げているものであつた。従来この菰
冠化粧樽に用いている酒樽においては、杉木の柾
目の材料を用いる点、箍を用いる点において材料
的にその手配がかなり困難な状況となりつつあ
る。また、内容量との関係で外形が決つてしまう
ため菰巻き作業がし難いなどの欠点を有してお
り、さらに菰冠化粧樽の特長である鏡割りの際に
は、その構造上予め鏡周辺の箍を脱しておくかま
たは緩めておく必要があつた。

本考案は、これら従来の菰冠用酒樽の欠点を改
良し、菰巻作業が容易にでき、また菰冠化粧樽と
して仕上つた状態でその鏡割り時に極めて便利に
使用し得る構造の酒樽を提供するものである。以
下図面に示す実施例により本考案を説明する。

本考案は、底下面に脚体４を有する有底筒体１
と、内面上方に鏡受段３を形成し上端に外方折曲
部６を形成した内容器２と鏡５よりなり、有底筒
体１上縁に内容器２の折曲部６を載置し、内容器
２の鏡受段３に鏡５を載せて構成される菰冠用酒
樽である。

本考案をさらに詳細に説明すれば次の如くであ
る。

有底筒体１の下面に形成する脚体４は、菰を巻
上げた時に化粧樽としての形状を整えるためのも
のであつて、有底筒体下面に有底筒体と同心円上
に筒体を固着して設ける。有底筒体１と内容器２
及び鏡５は、鏡面の適宜箇所又は有底筒体１の上
端部周辺部の適宜箇所において止着具８により三
者一体に止着する。鏡５は、内容器２の鏡受段３
に載置する如く位置させる。また、内容器２はそ
の底面において有底筒体１の底部と固定具７によ
り有底筒体１内で揺動することのないように固定
されている。

尚、図中９は栓であり、ここから酒を入れるも
のである。

本考案は以上の如き構成よりなるものであるか
ら従来の酒樽に比し次の如き大きな効果を有する
ものである。

先ず箍などを用いて締めつけてなるものでな
く、鏡を鏡受段によりしつかりと受ける構造にし
ているため鏡割りに際して鏡が割れ易く、従つて
中の酒が飛び散るようなことがない。また、酒樽
の外形として箍などの不用な筒体を用いているた
め菰巻時の外形の調整が容易で菰巻作業が極めて
容易にできしかも美しい菰冠化粧樽を得ることが
できる。そして内容器の大きさを筒体の大きさの
範囲内で適当に選択することによつて酒容量の調
整が可能なため、従来の如く各容量に応じた酒樽
を必要としない。

さらに近時不足な状況となりつつある杉柾目材
料や箍を用いるものでないためその製作も材料面
からも容易となる。

本考案は以上の如く従来にない新規な酒樽を提
供するものであり、その効果も実用上誠に大なる
点を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案酒樽の斜視図、第２図は第１図
のＡ−Ａ線断面図、第３図は菰を巻いて菰冠化粧
樽とした状態の斜視図である。 １有底筒体、２内容器、３鏡受段、４脚体、５
鏡、６折曲部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底下面に脚体４を有する有底筒体１と、内面上
   方に鏡受段３を形成し上端に外方折曲部６を形成
   した内容器２と鏡５よりなり、有底筒体１上縁に
   内容器２の折曲部６を載置し、内容器２の鏡受段
   ３に鏡５を載せて構成される菰冠用酒樽。