JPS6120586A - 人工毛皮製品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は人工毛皮製品に関するものであり、さらに詳し
くは人工毛皮製の着用、洗濯において特に力の集中する
縫い合せ部分、例えば、肩合せ縫い、袖付は縫い、衿付
は縫いおよび脇合せ縫い上部等の縫い代部の織糸スリッ
プによる縫い目パンクを防止するとともに生地表面毛羽
（刺毛、綿毛）がある一定の方向へ若干例れている（以
下これを毛並みと言う）毛並みの異なるパーツが縫い合
わされた縫い目を中心に毛羽が左右に別れることとを防
止した縫製品に関するものである。

［従来技術］ 従来の人工毛皮や有毛生地（以下生地と言う）或いはこ
れらの生地からなる縫製台パーツの縫い合わせは巻き縫
いによって縫製されている。この縫い目は通常縫い代幅
が２〜３ｍと小さく、現在数多くある人工毛皮は織物を
ベースとしているため織糸スリップによる生地端（縫製
では縫い代に相当する）ホツレ（縫製では縫い目のバン
ク）が生じゃすいく着用や洗濯によって縫い合せ部分に
応力が集中する部位、例えば肩合せ縫い、袖付は縫い、
衿付は縫い等は縫い目がパンクしやすい。

また、縫い目の縫糸綿りが弱く縫い目笑いが生じやすい
と言う問題があり、特に毛並み方向の異なるパーツが縫
い合された場合生地が付き合せ状態になり縫い合せ部分
で毛割れの発生の原因となる。

これらを防止する従来法として、巻き縫いよりも縫い代
幅の広いオーバーロック縫いゃインターロック縫いを使
用する方法がある。この縫い口型式は縫い桟幅が５〜８
１Ｉｌと広く縫い目強力を向上させ、縫い目のバンクを
防止することは可能である。また毛並みの方向が異なる
生地を縫い合せた時、縫い合せ部で発生する毛割れも防
ぐことが可能である。

しかしながら、新たな問題として人工毛皮のような有毛
生地では縫いズレが非常に多く縫い目のパッカリングや
縫製品の型くずれが発生する。また、生地縫い合せ時に
おいて正確な縫い代合せが困難であり作業能率が低下す
る。さらに縫い桟幅が広いと毛羽が縫い目に巻き込まれ
て縫われやすく、この毛羽を後で引き出すことが困難で
あり、これも作業能率低下や縫製品外観品位低下を招く
。

さらに他の問題としてインターロック縫いを使用した場
合、生地の毛羽が同時に縫われるためにミシン針の生地
貫通抵抗が大きくなり縫い目の目飛びが発生しやすく、
この目飛び部分から縫い目が簡単にホラして行くと言う
重大欠点がある。

したがってこれらの方式は必ずしも現実的な対策とは言
えない。

［発明が解決しようとする問題点Ｊ 本発明の第１の目的は前記従来法による問題点を解決し
着用や洗濯により力の集中する縫い目に応力が加わって
も織糸スリップを止め縫い目のバンクすることのない縫
い目強力の向上した人工毛皮製品を得ることにある。

また、第２の目的は従来製品でのもう一つの問題点であ
る毛並みの方向の異なるパーツを縫い合せた際に発生す
る毛割れを防止することにある。

さらに縫製作業中に縫いズレを防ぐためや縫い合せを困
難のために作業能率低下を防止すること等、縫製品の品
位の高い商品を能率的に生産し提供することを他の目的
としている。

［問題点を解決するための手段〕 かかる本発明の目的は人工毛皮生地又は有毛生地からな
る縫製品であって、該縫製品は５１０１１１ｇ、上の縫
い代をもつ縫い目を有し、かつ該縫い代部分の表面毛羽
はカットされていることを特徴と覆る人工毛皮製品によ
り達成される。

本発明について以下図面をもってさらに詳細に説明する
。

第６図は従来最もよく使用されている巻き縫いによる縫
い合せ技術を説明する断面概略図で、１は人工毛皮生地
、２は刺毛、３は綿毛、４は巻き縫い目であり、このよ
うに縫い合された場合、巻き縫い目の縫い代は２〜３Ｉ
ＩＩＩｌと非常に狭く織物をベースにした人工毛皮等で
は簡単にＩＩＮがスリップし巻き縫い目４が縫い代７か
ら抜けて行って縫い目バンクを発生する。さらに詳しく
これを見ると第７図に示すように巻き縫い目４の縫い代
２〜３ｍｍで容易ではないが完全にこの縫い桟幅で縫わ
れたとしてもその中に含まれる織糸５は３〜６本程度で
あり、その縫い目強力は１．５〜１５１ｑ／吋程度でバ
ラツキも大きく着用、洗濯において応力の集中する場所
では簡単に織糸スリップを起し縫い目のバンクが発生す
る。また第８図に示すよう毛並み方向の異なる生地１．
１′を巻き縫い４で縫い合せると縫い目の縫糸締りが弱
く縫い目笑いを生じる。しかし縫い代が２〜３ｍｍと狭
いために生地１，１′が付き合せて縫ったようになり縫
い目部分の生地の曲率Ｒ１が大きく毛羽の刺毛２゜２′
、綿毛３．３′は生地の折れ曲れ曲率Ｒ１の接線にそっ
て出るため左右に別れ毛割れが発生する。

第１図は本発明に係る人工毛皮製品を説明覆るもので、
着用又は洗濯などにより応力が集中してかかる部位にお
いて縫い合される生地１，１′の縫い目を本縫い６で縫
い合せ、その他の部位は従来の巻き縫いで縫製されてい
る。この時車縫い６の縫いｄ門は使用する人工毛皮生地
の縫い桟幅と縫い目強力（Ｈ糸スリップによる縫い目バ
ンク応力）と商品アイテム別線い目強力の関係から決定
されるが、本発明の目的を達成するためには少なくと６
５ｍｍ１ｍ以上の縫い代となすことが重要であり、これ
により人工毛皮の必要縫い目強力２０〜４０１／吋を容
易に得ることができる。５ＩＩＩ１１以上の縫い代を持
つ縫い型式としては本縫いが好適であるが、他の方式、
例えばオーバーロック縫いも使用可能である。又、縫い
桟幅は５ｍｍＩＩ１以上の範囲で自由に設定することが
可能である。

第２図に示すように毛並みの方向の異なる生地１．１′
の縫い合せにおいて本縫い６で縫い、しかも縫い代７の
幅も巻き縫いより広く出来る。したがって本縫いは縫い
目の縫糸の糸線りが強く縫い目笑いが発生せず、また巻
き縫いのように縫い合せ部が突き合せ状にならず縫い合
せ部の生地１゜１′の折れ曲り曲率Ｒ２が小さい。この
ために毛羽の刺毛２，２’　、綿毛３，３′はその折れ
曲りカーブの接線にそってほぼ直立状に立ち上り毛割れ
の発生はない。

また、従来法の問題点として上げた縫い桟幅が広くする
ことによって発生する有毛生地特有の縫いズレによる縫
い目パッカリングや縫い代合せ時における縫い残端ズレ
の発生や毛羽の縫い目への巻き込みの問題点は第３図、
第４図に示すように、縫い代７をバリカンやカッターに
よって刺毛２、綿毛３をごくわずか残してカットするこ
とにより通常の布帛と同様特別な送り機構を持つミシン
でなくても能率よく、しかも縫いズレ等の問題もなく縫
製できる。

さらに、縫い代７の一１毛２、綿毛３をカットすること
によって本縫いの場合は縫い代７を割る処理がアイロン
等で可能になり、従来品のように縫い代が割れなかった
り、縫い代部の厚味が増加して縫い合せ近辺がごろつき
風合やドレープを損なうと言う縫製品での重大欠点を発
生することはなくなる。

本発明において５ＩｌｌＩＩｌ以上の縫い代を持つ縫い
目部分は縫製品のすべての縫い合せ部位に使用する必要
はない。すなわち、第５図に示づように婦人ハーフコー
トの場合、着用および洗濯中に応力が集中してかかる縫
い目、例えば肩合せ縫い目９、袖付は縫い目１０、衿付
は縫い目１２、脇縫い目上部１３、ぎらに毛並みの異な
るパーツを縫い合せる肩合せ縫い目９、袖（＝Ｊけ縫い
目１０、衿付は縫い目１２、衿中央縫い目１１、衿合せ
縫い目１４等に使用するとよい。その他にデザインによ
って毛並みの方向の異なるパーツを組み合セてデザイン
効果を与えるために使う場合がありこの縫い合せにも適
用できる。

上記以外の縫い合せには従来から使用されている巻き縫
いで１ｊなっても実用上問題はない。

［実施例１］ ポリエスラル繊維を使用し、織物をベース基布とした刺
毛、綿毛からなる人工毛皮生地で第１表に示す条例で婦
人ハーフコートをＮｌ１ｌシた。

第１表 い合される場所によって本縫いと巻き縫いとに使い分け
た。その使い分けは着用、洗濯によって応力の集中する
部位、ザなりち肩合せ縫い目、袖イ４け縫い目、衿付は
縫い目、脇縫い上部縫い目には縫い代７ｍ１ｌｌによる
本縫いを、さらに毛並みの異なるパーツが縫い合される
縫い目、すなわち十に縫い合せ部の他に衿中央縫い目、
衿合ｌ！縫い目についても本縫いを行なった。その他の
縫い目には従来法どうり巻き縫いを使用した。

さらに詳しく縫製手順を述べると、ます型入れ、裁断の
終った各縫製ピース（前身、後身頃、袖、衿など）の上
記５ＩＩ１ｍ以上の縫い代を持つ縫い目に縫製すべき部
位の縫い代を７ｍ１ｌ１幅でバリカンで２ＩｌｌＩＩｌ
の刈り上げ長さで刺毛、綿毛をカットする。その他の縫
い合せ部は従来法どうり巻き縫いで縫製して行くので縫
い代の毛羽カットはしない。こうして準備された各縫製
ピースを通常の縫製１ノ法にしたがって縫い合せて行く
わＧノであるが、縫い合された縫い目部分でこぐくわず
かであるが刺王、綿毛が縫い目に巻き込まれて縫われた
ているために針や目打針を使用して縫い目から抜き出し
、さらに毛羽を整えるためにブラシでブラッシングした
。

次に本縫いで縫い合されている部分の縫い代をアイロン
で縫い代割りを行なう。縫い代部弁の毛羽がカットされ
ているので簡単に処理することが出来た。

この０品をおよそ３０日間着用し、外観、特に縫い合せ
部分を調べたところ各部位とも全く縫い目のパンクや、
毛割れの発生は見られなかつｌＣ０また着用後の縫製品
をドライクリーニングを行ない、外観を調べたところ上
記同様全く問題点は発生していなかった。

［比較例］ 実施例と同じ人工毛皮生地で同じく婦人ハーフコートを
第２表に示す条件で縫製した６第２表二Ｎ製条件 この縫製条件で各縫い合せ部を縫製した後、毛並みの方
向の異なる縫い合せ部、すなわち肩合せ縫い目、袖付は
縫い目、衿付は縫い目、衿中央縫い目、衿合せ縫い目を
調べたところ巻き縫い目の縫い目の縫糸綿りが弱く、生
地が突き合せ状態になり刺毛、綿毛とも左右、上下に別
れ毛割れが著しく発生し、また、縫い目部分の縫糸が表
面に見え著しく外観が悪く商品価値が低いものであった
。

そこでその縫い目部分をブラッシングすると毛割れは若
干修正することが出来たが本発明によるものに比べると
その差は歴然としていた。

この縫製品をおよそ２０日間着用し特に縫い合せ部を調
べたところ応力の集中する肩合せ縫い目と衿付は縫い目
の一部に縫い目のパンクが発生していた。また、縫い合
せ部の毛割れについても縫製直接ブラッシング前の状態
に戻り著しい発生であった。

この着用後の婦人ハーフコートをドライクリーニングし
たところ、肩合せ縫い目、衿付は縫い目、袖付は縫い目
がほぼ完全に縫い目パンクが発生していた。

［実施例２］ 実施例１と同じ人工毛皮を使用し、第３表に示す条件で
婦人ハーフコートを縫製した。

第３表 婦人ハーフコートの縫製において、各パーツが縫い合さ
れる場所によってオーバーロック縫いと巻き縫いとに使
い分けた。その使い分番ブは実施例１と同様、着用、洗
濯によって応力の集中（る部位および毛並みの方向の異
なるパーツが縫い合される部位には本発明法を満たすオ
ーバーロック縫いと、その他の縫い目には従来法どうり
巻き縫いを使用した。

また詳細な縫製手順は実施例１と同様、オーバーロック
縫いで縫い合わす各パーツの縫い代５ｎｏｅをバリカン
で２偏■の刈り上げ長さで刺毛、綿毛をカットした。従
来法どうり巻き縫いで縫製する部位は縫い代毛羽ｈット
はしない。こうして準備された各縫製ピースを通常の縫
製方法にしたがって行くね番プであるが縫い合わされた
縫い目部分でごくわずかであるが刺毛、綿毛が縫い目に
巻き込まれているために針や目打ち針を使用して縫い目
から抜き出し、さらに毛羽を整えるためにブラッシング
した。

この縫製品をおよそ３０日間着用し、外観、特に縫い合
せ部分を調べたところ各部位とも全く縫い目のパンクや
、毛羽の発生は見られなかった。

また着用後の縫製品をドライクリーニングを行ない外観
を調べたところ上記同様全く問題は発生していなかった
。

［発明の効果］ 我々が鋭意検討して来た本発明は従来法で発生する問題
点を解決することはもちろん種々の効果があり、これら
を以下に記す。

■　縫い目張力が大幅に向上し、特に着用、洗濯により
応力が集中してかかった場合でも十分耐え、縫い目のパ
ンクが発生しない縫い目張力が得られた。

■　本発明による縫い目方式と従来からの巻き縫いを縫
製品の部位別に応じて使い分けることにより、着用、洗
濯を繰り返したにもかかわらず縫い目のパンクを確実に
防止することができる。

■　毛並みの方向の異なる生地の縫い合せにも良好に適
用でき、毛割れの発生も全くなかった。

■　縫製中の縫いズレが発生せヂ縫い目のパッカリング
がない。

■　縫製能率が向上する。

■　縫い合せ部全体が柔らか仕上りドレプ性が良く、シ
ルエットも美しい。

■　各縫い合せ部、特に本発明特有の縫い合せ部が丸く
柔らかく仕上り、あたかも一枚の生地で仕上げたごとく
、リッチな仕上りとなる。これらの効果を具体的にデー
ターなとで示すと第３表に示す通りでありその効果が確
認された。

第１表 ＠：全く問題がない、○：問題がない、Δ：問題が発生
する、Ｘ：非常に問題が発／＋りる測定条件　ＡＭ製条
件 （ａ）使用生地　　織物ベースノ人ＩＬ毛皮【［地（ｂ
）使用ミシン機種　　第１表通り （ｃＨａい桟幅 （ｄ）縫／ｆｓ　　　ｒ”’７−ｒラメント＃５０（ｅ
）針目数　　１２針／３ｃｍ Ｂ縫い目強力測定条件 （ａ）測定ｍｓｒ　　　インストロン型引張試験機（ｂ
）試長　　７．６ｃｍ （Ｃ）引張速度　　１０ＣＩＩＩ／分 （ｄ）つかみ幅　　２．５４ｃｍ、５．０８ＣＩＩｌの
グラブ法

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明における縫い合せ部を例示する概略断面
図、第２図は同じく本発明法にお１ノる縫い合せ部の毛
割れ状態を示す概略断面図、第３図は同じく本発明法に
おける縫い代の毛羽７Ｊツトの状態を説明する外観図、
第４図は第３図のＡ−１３断面図、第５図は本発明によ
り縫製した婦人ハーフコートの外観図、第６図は人工毛
皮の従来の縫製方法を示す縫い合せ部分の概略断面図、
第７図は同じ〈従来法の縫い目部分の平面説明図、第８
図は同じ〈従来法の縫い合セ部の毛割れを示７ｊＲ略断
面図である。 １．１’　　：人工毛皮生地、および毛並みのｈ向が異
なる縫製パーツ（生地） ２．２’　　：刺毛 ３．３’：綿毛 ４：巻き縫い ５：織糸 ６：本縫い ７：縫い代〈かがり代） ８：毛羽がカットされた縫い代 ９：肩合せ縫い目 １０：袖付は縫い目 １１：衿中央縫い目 １２：衿付は縫い目 １３：脇縫い目上部 １４：衿合せ縫い目 Ｒ１，Ｒ２：縫い合せ部の生地折れ曲り曲率 特許出願人　　　　東　　し　　株　　式　　会　　社
引用 茅〕図

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）人工毛皮又は有毛生地からなる縫製品であつて、
   該縫製品は５ｍｍ以上の縫い代をもつ縫い目を有し、か
   つ該縫い代部分の表面毛羽がカットされていることを特
   徴とする人工毛皮製品。
2. （２）毛羽がカットされた縫い代部分の縫い目が本縫い
   によつて形成されてなる特許請求の範囲第（１）項記載
   の人工毛皮製品。