JPS61192281A - 海洋深層水利用による植物プランクトン培養方法 - Google Patents

海洋深層水利用による植物プランクトン培養方法

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JPS61192281A
JPS61192281A JP2940185A JP2940185A JPS61192281A JP S61192281 A JPS61192281 A JP S61192281A JP 2940185 A JP2940185 A JP 2940185A JP 2940185 A JP2940185 A JP 2940185A JP S61192281 A JPS61192281 A JP S61192281A
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deep
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、海洋深層水を利用して植物プランクトンを培
養する方法、さらに詳しくは、海洋深層水を利用し連続
培養手法により植物プランクトンの収量と細胞粒径を制
御しつつ植物プランクトンを培養する方法に関する。
〔従来技術〕     ゛ 植物プランクトンの生産培養は、主に水産分野での飼料
生産として実施されており、主要な飼料植物プランクト
ンである海洋珪藻の大量培養技術を例にとると、従来は
、沿岸の海洋表層水を取水して濾過し、硝酸塩、燐酸塩
、珪酸塩、アンモニウム塩等の無機栄養塩類およびその
他の微量栄養素を添加、滅菌処理を施した後、植物プラ
ンクトンを接種し、静置培養を行っていた。このため、
無機栄養塩類と微量栄養素の添加および濾過処理と滅菌
処理に多大な労力と経費を投入する必要があり、加えて
静置培養のため能率が低いという欠点があった。
〔発明の目的〕
本発明は、これらの欠点を解決するためのもので、無機
栄養塩類に冨み、病原菌や人工汚染物が少ないという特
性を有する海洋深層水を植物プランクトンの培養に利用
し、連続培養手法に基づいて、植物プランクトンの収量
と細胞粒径を制御できる省力化かつ能率化された植物プ
ランクトンの培養方法を提供することを目的としている
〔発明の構成および作用〕
本発明は、無機栄養塩類に冨み、病原菌や人工汚染物等
が少ないという特性を有する海洋深層水に水溶性キレー
ト剤または海洋表層水を添加したものを植物プランクト
ンの培養液とし、かつ連続培養手法を用い、連続培養の
培養液の希釈速度と無機栄養塩類濃度を操作することに
より、植物プランクトンの収量と細胞粒径を制御しつつ
植物プランクトンを培養することを特徴とする海洋深層
水利用による植物プランクトンの培養方法である。
以下、本発明の構成および作用を比較実験例、実施例を
示す図面、表等の資料に基づいてさらに詳細に説明する
まず、第1図〜第4図と表−1を用いて、海洋深層水の
富栄養特性について説明する。第1図に表した日本周辺
海域の各採水点において採水した深層水(深度約500
 m )と表層水(深度0〜3m>に含まれる無機栄養
塩類(硝酸態窒素、亜硝酸態窒素、アンモニア熊窒素、
燐酸熊燐、珪酸態珪素)の測定結果を表−1に示す。
(本頁以下余白) 表において、N03−N 、 N0x−N 、 Nt1
4−N 、PO4−PおよびSiO□−3i はそれぞ
れ硝酸態窒素、亜硝酸態窒素、アンモニア態窒素、燐酸
B燐および珪酸前珪素を表わす。そして、硝酸態窒素は
、表層水中では平均1.43μgat−ρ−1であり、
深層水中では平均28.25μg at −1,−’で
あるので、深層水中の方が濃度が約20倍高い。亜硝酸
態窒素は、表層水中では平均0.22μg at−12
−’、深層水中では平均0,15μgain’であり、
両者共に低濃度である。アンモニア態窒素は、表層水中
では平均1゜2μgaij!−’、深層水中では平均0
.8μgat−j!−’であり、両者ともに低濃度であ
る。燐酸66は、表層水中では平均0.21メtg a
t−j!−’であり、深層水中では平均2.15μga
t−4!−’であるので、深層水中の方が濃度が約10
倍高い。珪酸前珪素は、表層水中では平均6.3μga
t−β−1であり、深層水中では平均76.4μgat
−β−1であるので、深層水中の方が濃度が約12倍高
い。以上述べたように、硝酸態窒素、燐酸煎焼、珪酸前
珪素は深層水中には豊富であり、表層水中には稀少であ
る。また、亜硝酸態窒素、アンモニア態窒素は、深層水
中および表層水中には共に低濃度である。この特性は、
第1図に表したいずれの採水点についても共通している
深層水中で豊富な硝酸態窒素、燐酸煎焼、および珪酸前
珪素の海洋における鉛直分布を第2図〜第4図に示す。
第2図の横軸は硝酸態窒素濃度を示し、縦軸は採水深度
を示す。図中に示した7例の硝酸態窒素濃度の鉛直分布
をみると、表層では低濃度であり、下層に行くに従って
高濃度となっている。第3図および第4図は、それぞれ
燐酸煎焼および珪酸前珪素についての鉛直分布を示して
いるが、同様に表層では低濃度であり、下層に行くに従
って高濃度となっている。これらの無機栄養塩類の鉛直
分布の特徴は、従来から知られていたことである。
また植物プランクトンの培養に関連して、深層水と表層
水の性質の違いを第9図と第10図を用いて説明する。
第9図は、深層水にエチレンジアミン四酢酸を添加した
ものを培養液として用いて植物プランクトンの静置培養
を行った際の、植物プランクトンの増殖に対するエチレ
ンジアミン四酢酸添加の効果を調べた実験結果である。
第9図の横軸は深層水へのエチレンジアミン四酢酸の添
加濃度(μg、4−1)、縦軸は静置培養における植物
プランクー・ン細胞数(mβ−1)を示ず。第9図をみ
ると、エチレンジアミン四酢酸を添加しないとき、すな
わち深層水のみのときには、植物プランクトンの増殖は
緩慢であるが、エチレンジアミン四酢酸を100〜60
0μg・#−’(1,4〜8.4μ当量)添加したとき
には、植物プランクトンの増殖が促進されたことがわか
る。このことは、深層水は無機栄養塩類には冨むが、植
物プランクトンの培養液としては十分ではなく、水溶性
キレート剤の一種であるエチレンジアミン四酢酸を添加
することにより、植物プランクトンの増殖にとって十分
なものとなったことを示す。第10図は、深層水に表層
水を混合したものを培養液として用いて植物プランクト
ンの静置培養を行った際の植物プランクトンの増殖に対
する表層水混合の効果を調べた実験結果である。第10
図の横軸は深層水への表層水の混合率(%)、縦軸は静
置培養における植物プランクトン細胞数(mβ−1)を
示す。図を見ると、表層水100%および深層水100
%の場合には植物プランクトンの増殖は緩慢であり、表
層水の混合率が30〜80%の場合には植物プランクト
ンの増殖が促進された。表層水100%の場合には無機
栄養塩類の不足によって植物プランクトンの増殖が頭打
ちになっている。深層水100%の場合には、水溶性キ
レート剤と同様の機能を持つ物質が不足しているために
植物プランクトンの増殖が緩慢になっていることは第9
図によって説明した。深層水に表層水を混合した場合に
植物プランクトンが活発に増殖したことは、表層水中に
水溶性キレート剤と同様の機能を持つ物質が含有されて
いることを意味する。
以上をまとめると、深層水は無機栄養塩類に富むが水溶
性キレート剤と同様の機能を持つ物質をほとんど含まな
いのに対して、表層水は無機栄養塩類をほとんど含まな
いが水溶性キレート剤と同様の機能を持つ物質を豊富に
含んでいる。
ここでは、海洋で太陽光が到達して光合成が行われる有
光層を表層と定義し、それ以深を深層と定義している。
本実験で用いた試水の採水点である三宅島海域では、表
層は約80m以浅、深層は約80m以深である。また三
宅島海域から南下するほど太陽高度が高くなるために太
陽光の到達深度が深くなっており、例えば赤道海域では
通常表層は約150m以浅、深層はそれ以深となってい
る。
次に第5図を用いて、深層水利用により植物プランクト
ンを培養する深層水連続流水式植物プランクトン培養装
置について説明する。この装置は、本発明の実施例に用
いたものであり、通常の植物プランクトン連続培養手法
に基づくものである。作動方法は、採水した深層水を深
層水貯蔵庫1(実施例では容量が約300β)に入れ、
流水速度制御部2のポンプによって植物ブランクトン増
殖制御水槽3 (実施例では容量が各々1.57りに深
層水を導いて満たし、最初は止水状態にして試験種の植
物プランクトン(実施例ではChaetoceros 
 ceratosporum)を植物プランクトン増殖
制御水槽3に接種して、光制御部4から光を供給しく実
施例では8000ルツクス)、かつ水温制御部5によっ
て植物プランクトン増殖制御水槽3の水温を一定に保ち
(実施例では25°C)、3の植物ブランク[・ン増殖
制御水槽中の植物プランクトンを高濃度に増殖させたの
ち、2の流水速度制御部を作動させて1の深層水貯蔵部
から3の植物プランクトン増殖制御水槽に深層水を連続
的に供給しく実施例では希釈速度を0.25〜1.5日
刊の範囲に設定)、同時にエアレーション制御部6より
3の植物プランクトン増殖制御水槽中に送気し、植物プ
ランクトン増殖制御水槽3から試水がオーバーフローし
て7のオーバーフロー・サンプルビン中に入る。このオ
ーバーフローした試水中に生産された植物プランクトン
が含まれている。
このような装置を用いて植物プランクトンの連続培養を
行う場合に、植物プランクトンの増殖を式で説明すると
次のようになる。第5図中3の植物プランクトンの増殖
制御水槽中の植物プランクトン細胞数をN (mβ−1
)、植物プランクトンの増殖速度をμ、植物プランクト
ン増殖制御水槽中の容量をV (mjり 、深層水連続
流水供給速度をv(m7!・日−I)、希釈速度をD(
日−′)、経過時間をt(日)とすると、静置培養(止
水系)では d (IloN) −μ   (1) t と表されるが、連続培養(流水系)ではd (n??、
N) −μmD(2) t と表される。ただし希釈速度りは D =−(31 ■ と定義される。(2)式において左辺がOとなればμ−
りとなる。すなわち、連続培養においては、希釈速度り
を設定した後に植物プランクトン細胞数が一定の値に落
ち着いたとすれば、このとき植物プランクトンの増殖速
度71は希釈速度りに等しくなっている。従って、この
状態によって安定した連続培養の成立を判定することが
できる。
本実験に用いた深層水は、1984年6月28日に三宅
島沖北緯33°42.9 ’東経139 ’ 24.0
 ’において採水したもので、各層の試水の無機栄養塩
類測定結果を表−2に示す。
(本頁以下余白) 深層水を植物プランクトンの培養液として利用する場合
に水溶性キレート剤の添加を必要とする理由について、
第6図〜第8e図を用いて説明する。第6図は深層水連
続流水系における植物プランクトン細胞数の経口変化を
示したものであり、横軸は経過時間(日)、縦軸は植物
プランクトン細胞数(XIO’・mA−I)を示す。図
中の破線は静置培養、実線は連続培養を示す。
第5図に示した5系統の流水系の深層水供給速度を5通
りに設定し、希釈速度としてはそれぞれ0.51.0.
77.0.99.1.22.1.47 (日″′)であ
った。まず最初は、600m深層水に水溶性キレート剤
を添加しない試水について連続培養を行ったところ、当
初(3白目)、植物プランクトンの細胞数は10.4X
10’ m7!−’であったものが、いずれの希釈速度
でも植物プランクトン細胞数が減少の一途をたどり、安
定した連続培養は成立しなかった。これに比較して、次
には600m深層水に水溶性キレート剤の一種であるエ
チレンジアミン四酢酸二ナトリムを深層水中で500μ
g−β−(5,4μ当量)になるように添加した試水に
ついて、他の条件は前者と同様にして連続培養を行った
ところ、当初(11〜12日目)、白目プランクトンの
細胞数は13.3 X 10’〜18.5 X 10’
mj!−’であったものが、希釈速度力月、47(日−
′)の場合を除いて植物プランクトン細胞数が一定の値
に落ち着き(例えば希釈速度が0.51日4では31.
lX10’ mI!−’、希釈速度が0.77日−1で
は26.2XIO’m 7!−’、希釈速度が0.99
日−1では18.6xio’ mn−1、希釈速度が1
.22日−1では14.4 X10’mj!−’)安定
した連続培養が成立した。なお、希釈速度力月、47(
4伺)の場合は植物プランクトン細胞数が減少し続け、
この理由として(2)式から植物プランクトンの増殖速
度μが希釈速度りより小さいためであると考えられたの
で、第6図中の15日日目希釈速度を0.25 (日−
′)に変更したところ植物プランクトン細胞数が一定の
値に落ち着き(36,1xlO’ mA−’) 、安定
した連続培養が成立した。
本連続培養実験において、第5図中の7の第一バーフロ
ー・サンプルビン中に流出した試水に残留していた硝酸
態窒素と燐酸煎焼の濃度を測定し、希釈速度が0.51
 (日−1)のものをそれぞれ第7a図と第8a図に、
希釈速度が0.77(日−′)のものをそれぞれ第7b
図と第8b図に、希釈速度がO;99 (日−′)のも
のをそれぞれ第7C図と第8C図に、希釈速度が1.2
2 (日−1)のものをそれぞれ第7d図と第8d図に
、希釈速度が当初1.47(日−1)であり途中で0.
25(日−′)に変更したものをそれぞれ第7e図と第
8e図に示した。第7a図〜第7e図の横軸は第6図と
同様に時間(日)、縦軸は硝酸態窒素の濃度を示す。第
8a図〜第8e図の横軸は第6図と同様に時間(日)、
縦軸は燐酸煎焼の濃度を示す。第7a図〜第8e図に共
通して、破線は植物プランクトン増殖制御水槽へ流入す
る試水中の無機栄養塩類濃度、実線は植物プランクトン
増殖制御水槽から流出する試水中の無機栄養塩類濃度を
示す。第7a図〜第8e図を見ると、無添加の600 
m深層水を培養液として用いた場合には、流入試水中の
硝酸態窒素の19〜37%および燐酸煎焼の17〜71
%が使用されずに流出試水中に残留したが、水溶性キレ
ート剤を添加した600m深層水を培養液として用いた
場合には、流入試水中の硝酸態窒素の平均1%および燐
酸態燐の2%しか残留せず、高い歩留まりで植物プラン
クトン体に転換したことがわかる。
以上の説明で明らかなように、無添加の深層水は植物プ
ランクトンの連続培養に利用できないが、本発明の深層
水に水溶性キレート剤を添加したものを培養液とするこ
とにより、無機栄養塩類に富む海洋深層水を植物プラン
クトンの連続培養に利用することが可能となる。
この結論を得るために、以上に説明した本発明の実施例
の他に合計15例の植物プランクトン連続培養実験を行
い、本発明の深層水に水溶性キレート剤を添加すること
の効果を再確認した。
これらの実験結果について、第6図〜第8e図を用いて
説明する。第6図に示したように、600m深層水に水
溶性キレート剤を添加したものを培養液として用いた植
物プランクトン連続培養実験に引き続き、400m深層
水に水溶性キレート剤を同濃度で添加した実験、200
m深層水に水溶性キレート剤を同濃度で添加した実験、
および100m深層水に水溶性キレート剤を同濃度で添
加した実験を連続して行った結果、いずれの希釈速度の
場合にも植物プランクトン細胞数が一定の値に落ち着き
、安定した連続培養が成立した。各層試水の無機栄養塩
類および各希釈速度の条件下で得られた植物プランクト
ンの培養液1 m ll当たりの細胞数(収量という)
を第11図に示し、個々の数値については後で述べる。
また、第7a[iJ〜第8e図に示したように、無機栄
養塩類については、400m深層水に水溶性キレート剤
を添加した実験、200m深層水に水溶性キレート剤を
添加した実験、およびLoom深層水に水溶性キレート
剤を添加した実験のいずれの希釈速度の場合にも、流入
試水中の硝酸態窒素の平均2%および燐酸煎焼の平均1
%しか流出試水中に残留せず、高い歩留まりで植物プラ
ンクトン体に転換されたことがわかる。このように、深
層水中の無機栄養塩類濃度および希釈速度の変化に関係
なく、本発明の深層水に水溶性キレート剤を添加したも
のを培養液とすることにより、無機栄養塩類に富む海洋
深層水を植物プランクトンの連続培養に利用可能である
ことが再確認された。
第9図を用いて、本発明の深層水に水溶性キレート剤を
添加したものを植物プランクトンの培養液とすることに
関して、添加する水溶性キレート剤の有効濃度範囲につ
いて説明する。第9図の横軸は深層水に添加したエチレ
ンジアミン四酢酸の濃度(μg−42−’) 、縦軸は
静置培養における植物プランクトン(Skeleton
emacostatum)の細胞数(XIO’  ・m
 #−’)を示す。
接種した後4日目には、エチレンジアミン四酢酸の濃度
が100〜600μg −I!−’(1,4〜8.4μ
当量)の範囲で植物プランクトンの増殖が活発になって
いることから、エチレンジアミン四酢酸添加の有効濃度
範囲は1.4〜8.4 μ当量であると結論づけられる
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムまたはエチレンジ
アミン四酢酸は、それ自体が植物プランクトンの増殖を
促す栄養素として作用するものではなく、エチレンジア
ミン四酢酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸等の
持つ水溶性キレート剤としての作用が微量金属類の細胞
内への取り込みに関連して植物プランクトンの増殖を活
発化させるものである。従って、エチレンジアミン四酢
酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸に限らず、エ
チレンジアミン四酢酸の金属塩、ニトリロ三酢酸の金属
塩等の水溶性キレート剤は、海洋深層水を植物プランク
トンの培養液として利用する場合に植物プランクトン増
殖促進効果を持つものである。このような機能を持つ水
溶性キレートとしては、グリコール酸、シクロへキシル
ニニトリロ四酢酸金属塩、イミノニ酢酸、ジエチレン三
アミン五酢酸、エチレンジアミン・ジ(0−ヒドロキシ
フェニル酢酸)、8−ビトロキシキノリン、グリシン、
アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ロイシン、
グリシルグリシン、グリシルグリシルグリジン等があげ
られる。
また、海洋表層水を深層水に添加した場合も、植物プラ
ンクトンの増殖を促進させることができたので、表層水
中にも天然のキレート物質がふくまれていると考えられ
る。第10図は表層水の植物プランクトン増殖促進効果
についての実験結果である。図中の横軸は深層水に表層
水を添加混合した割合(%)、縦軸は静置培養における
植物プランクトン(Skeletonema  cos
tat++m)細胞数(XIO’  ・mA!−’)を
示す。深層水のみでは植物プランクトンの増殖は遅いが
、表層水を30〜80%混合することにより植物プラン
クトンの増殖が促進された。このことから、深層水を植
物プランクトンの培養液として使用するに当り、植物プ
ランクトンの増殖を促進するための表層水の有効混合率
範囲は30〜80%であることがわかった。
第11図は植物プランクトンの連続培養における植物プ
ランクトンの収量に与える流入試水中の無機栄養塩類濃
度と希釈速度の影響を表したもので、第6図に示した植
物プランクトン連続培養実験結果に・ついて、水溶性キ
レート剤を添加した場合の各層状水の最終実験日におけ
る植物プランクトン細胞数(X 10’・ml1−’)
をZ軸に、各層流水拭水中の硝酸態窒素濃度(μgat
・7!−1)をY軸に、希釈速度(日−1)をX軸にと
った図である。第11図を見ると、流入試水中の硝酸態
窒素濃度が高いほど、また希釈速度が小さいほど植物プ
ランクトンの収量が高くなることがわかる。各実験条件
に対応する植物プランクトンの収量は、次表−3の通り
である。
(本頁以下余白) ただし100m深層水を用いた実験の内希釈速度が0.
25 (日″1)のときの植物プランクトン収量は、上
で述べた傾向から予測される値よりかなり小さいので、
このときの硝酸態窒素濃度と希釈速度の組合わせは、植
物プランクトンの収量を制御できる範囲外であると考え
られる。また、第6図の600m深層水に水溶性キレー
ト剤を加えたものを培養液として用いた実験において、
希釈速度を1.47 (日−′)に設定した場合に植物
プランクトン細胞数が減少しつづけたが、この例から希
釈速度を植物プランクトンの最大増殖速度以下に設定す
る必要があることがわかる。希釈速度の設定は、第5図
の2の流水速度制御部において容易に行うことができる
。また深層水中に含まれる無機栄養塩類濃度の操作は、
海洋における無機栄養塩類が表層には少なく深層に行く
ほど多いという特徴的な鉛直分布を利用して、本実施例
と同様に取水深度を変えることによる方法、および深層
水と貧栄養表層水との混合割合を変えることによる方法
の2通りが現実的である。
第12図は植物プランクトンの連続培養における細胞粒
径分布に与える流入試水中の無機栄養塩類濃度と希釈速
度の影響を表わしたもので、第6図に示した植物プラン
クトン連続培養実験の際に、水溶性キレート剤を添加し
た場合の各層状水の最終実験日において、収穫植物プラ
ンクトンの細胞粒径分布を測定した例である。細胞粒径
を3.17〜4.00のグループ、4.00〜5.04
のグループ、5.04〜6.35のグループ、6.35
〜8.00のグループ、および8.00〜10.08の
グループに分類して表し、第12図の最上段は600m
深層水、2段目は400m深層水、3段目は200m深
層水、最下段は100m深層水における場合であり、最
左列は希釈速度が0.25日−1、左から2番目の列は
希釈速度が0.51日−1,3番目の列は希釈速度が0
.77日−1,4番目の列は希釈速度が0.99日−1
、最古列は希釈速度が1.22日1の場合である。第1
2図を見ると、流入試水の採水深度が深くなるほど、す
なわち流入試水中の無機栄養塩類濃度が高いほど、また
希釈速度が大きいほど植物プランクトンの細胞粒径分布
のピークが大きい方に移行することがわかる。植物プラ
ンクトンの細胞粒径を制御するための培養液の希釈速度
と無機栄養塩類濃度を操作する方法は、植物プランクト
ンの収量の制御に用いた方法と同様である。
〔発明の効果〕
海洋深層水は、無機栄養塩類に冨み、病原菌や人工汚染
物等が少なく、また自然界で再生産が可能という特性を
有する将来有望な資源と考えられる。この深層水を、本
発明の深層水に水溶性キレート剤を添加することによっ
て植物プランクトンの培養液として利用することが可能
となった。さらに植物プランクトンの連続培養において
、細胞収量と細胞粒径の制御が可能となったばかりでな
く、従来の静置培養に比較して省力化および能率化を図
ることが可能となった。そして、植物プランクトンの収
量と細胞粒径の制御が必要とされる一例としては、水産
種苗生産において、濾過食性の貝類、ウニ類等の幼生の
生長段階により飼料要求量が異なり、また幼生の口の大
きさに′より摂餌可能な餌の大きさが制限されるため、
これに対応した植物プランクトンの細胞数と細胞粒径が
必要となることがあげられ、本発明は、この要求を満た
すことができる。本発明の応用分野としては、有用水産
動物飼育のための飼料生産、食料、医薬品製造のための
工業原料生産等があげられる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は、海洋深層水の特性を説明するもので
、第1図は深層水と表層水の採水点、第2図は海洋にお
ける硝酸態窒素の鉛直分布、第3図は同様に燐酸煎焼の
鉛直分布、第4図は同様に珪酸態珪素の鉛直分布を示す
ものである。 第5図は、深層水連続流水式植物プランクトン培養装置
の概要図である。第6図〜第8e図は、深層水連続流水
系による植物プランクトン培養実験結果の説明図で、第
6図は連続培養における植物プランクトン細胞数の経口
変化、第7a図〜第7e図および第8a図〜第8e図は
流入試水中と流出試水中の硝酸態窒素濃度および燐酸態
fi?1度を示したものであり、第7a図と第8a図は
希釈速度が0.51日−1、第7b図と第8b図は希釈
速度が0.77日−5、第7C図と第8C図は希釈速度
が0.99日−1、第7d図と第8d図は希釈速度が1
.22日1、第7e図と第8e図は希釈速度が当初1.
42日−1であって途中で0.25日−1に変更したも
のを示す。第9図は深層水に添加する水溶性キレート剤
の有効濃度範囲に関する実験結果を示し、第10は深層
水に添加する海洋表層水の有効混合率範囲に関する実験
結果を示す。第11図は植物プランクトンの収量に与え
る流入試水中の硝酸態窒素濃度と試水の希釈速度の影響
に関する実験結果を示し、第12図は植物プランクトン
の細胞粒径に与える流入試水中の無機栄養塩類濃度(採
水深度)と試水の希釈速度の影響に関する実験結果を示
す。第5図中1は深層水貯蔵庫、2は流水速度制御部、
3は植物プランクトン増殖制御水槽、4は光制御部、5
は水温制御部、6はエアレーション制御部、7はオーバ
ーフロー・サンプルビンである。 代理人 弁理士 平 木 祐 輔 面頂 135°     136°     +37’Eの浄
書(内容に変更なし) 昏11!I 危穴              −8−7一第21刀 594 !l誕’@、 t 4ミf1.1g  a言−
I力¥3):21 ’4@東祷[lJg all−’1 区         殴         区痘   
         二             Uト
        ト        ト瞭      
  声         声1N開昭6l−19228
1(14) ヨ     宕 奔        怜 区      区      区 Ou            Q の         の         ω瞥   
     刈       稔1N開昭6l−1922
81(15) 区        区 ℃            ■ ■の 一 茅11図 浄魅達度(日−1) ¥121] 4耘it  (?灼■  存払訪  4獣徨准  4七
朗手続補正書 昭和60年3月28日 特許庁長官  志 賀  学  殿 1、事件の表示  特願昭60−29401号2、発明
の名称  海洋深層水利用による植物プランクトン培養
方法 3、補正をする者 事件との関係  特許出願人 住   所   神奈川県横須賀市夏島町2−15名 
  称   海洋科学技術センター代表者 梅澤邦臣 4、代理人 住   所   東京都港区西新橋三丁目19番12号
6、補正の対象    明細書の発明の詳細な説明の欄
明細書 1、発明の名称 海洋深層水利用による植物プランクトン培養方法 2、特許請求の範囲 (1)無機栄養塩類に富み、病原菌や人工汚染物等が少
ないという特性を有する海洋深層水に水溶性キレート剤
または海洋表層水を添加したものを植物プランクトンの
培養液とし、かつ連続培養手法を用い、連続培養の培養
液の希釈速度と無機栄養塩類濃度を操作することにより
、植物プランクトンの収量と細胞粒径を制御しつつ植物
プランクトンを培養することを特徴とする海洋深層水利
用による植物プランクトンの培養方法。 (2)水溶性キレート剤の濃度が、培養液中で1.4〜
8.4μ当量である特許請求の範囲第1項記載の方法 (3)水溶性キレート剤がエチレンジアミン四酢酸金属
塩またはニトリロ三酢酸金属塩である特許請求の範囲第
1項または第2項記載の方法。 (4)海洋表層水の添加混合比が30〜80%である特
許請求の範囲第1項記載の方法。 (5)連続培養の培養液の希釈速度を収穫を目的とする
植物プランクトンの最大増殖速度以下に設定する特許請
求の範囲第1項記載の方法。 (6)連続培養の培養液の無機栄養塩類濃度を海洋深層
水の取水深度の選択または貧栄養の海洋表層水との混合
割合により設定する特許請求の範囲第1項記載の方法。 (7)植物プランクトンが海産珪藻である特許請求の範
囲第1項記載の方法。 (8)海産珪藻がChaetoceros  cera
tos orum又はSkeletonema  co
statumである特許請求の範囲第7項記載の方法。 3、発明の詳細な説明 〔産業上の利用分野〕 本発明は、海洋深層水を利用して植物プランクトンを培
養する方法、さらに詳しくは、海洋深層水を利用し連続
培養手法により植物プランクトンの収量と細胞粒径を制
御しつつ植物プランクトンを培養する方法に関する。 〔従来技術〕 植物プランクトンの生産培養は、主に水産分野での飼料
生産として実施されており、主要な飼料植物プランクト
ンである海洋珪藻の大量培養技術を例にとると、従来は
、沿岸の海洋表層水を取水して濾過し、硝酸塩、燐酸塩
、珪酸塩、アンモニウム塩等の無機栄養塩類およびその
他の微量栄養素を添加、滅菌処理を施した後、植物プラ
ンクトンを接種し、静置培養を行っていた。このため、
無機栄養塩類と微量栄養素の添加および濾過処理と滅菌
処理に多大な労力と経費を投入する必要があり、加えて
静置培養のため能率が低いという欠点があった。 〔発明の目的〕 本発明は、これらの欠点を解決するためのもので、無機
栄養塩類に冨み、病原菌や人工汚染物が少ないという特
性を有する海洋深層水を植物プランクトンの培養に利用
し、連続培養手法に基づいて、植物プランクトンの収量
と細胞粒径を制御できる省力化かつ能率化された植物プ
ランクトンの培養方法を提供することを目的としている
。 〔発明の構成および作用〕 本発明は、無機栄養塩類に冨み、病原菌や人工汚染物等
が少ないという特性を有する海洋深層水に水溶性キレー
ト剤または海洋表層水を添加したものを植物プランクト
ンの培養液とし、かつ連続培養手法を用い、連続培養の
培養液の希釈速度と無機栄養塩類濃度を操作することに
より、植物プランクトンの収量と細胞粒径を制御しつつ
植物プランクトンを培養することを特徴とする海洋深層
水利用による植物プランクトンの培養方法である。 まず、第1図〜第4図と表−1を用いて、海洋深層水の
特性、特に富栄養特性について説明する。第1図に表し
た日本周辺海域の各採水点において採水した深層水(深
度約500m)と表層水(深度0〜3m)に含まれる無
機栄養塩類(硝酸態窒素、亜硝酸態窒素、アンモニア態
窒素、燐酸煎焼、珪酸前珪素)の測定結果を表−1に示
す。 (本頁以下余白) 表において、N03−N 、、N0z−N 、 NHt
−N 、POt−Pおよび5i02−3i はそれぞれ
硝酸態窒素、亜硝酸態窒素、アンモニア態窒素、燐酸B
燐および珪酸前珪素を表わす。そして、硝酸態窒素は、
表層水中では平均1.43μgat−4!’であり、深
層水中では平均28.25 、ljg at −II−
’であるので、深層水中の方が濃度が約20倍高い。亜
硝酸態窒素は、表層水中では平均0−22+’g at
−Il−’、深層水中では平均0.15μgat−1−
’であり、両者共に低濃度である。アンモニア態窒素は
、表層水中では平均1.2μgat−A−’、深層水中
では平均0.8μgatl!−’であり、両者ともに低
濃度である。燐酸他項は、表層水中では平均0.21μ
gat・1−1であり、深層水中では平均2.15μg
at−j!柵であるので、深層水中の方が濃度が、約1
0倍高い。 珪酸前珪素は、表層水中では平均6.3μg’atl!
−’あり、深層水中では平均7G、4μgat−11−
’であるので、深層水中の方が濃度が約12倍高い。以
上述べたように、硝酸態窒素、燐酸B燐、珪酸前珪素は
深層水中には豊富であり、表層水中には稀少である。ま
た、亜硝酸態窒素、アンモニア態窒素は、深層水中およ
び表層水中には共に低濃度である。この特性は、第1図
に表したいずれの採水点についても共通している。 深層水中で豊富な硝酸態窒素、燐酸他項、および珪酸前
珪素の海洋における鉛直分布を第2図〜第4図に示す。 第2図の横軸は硝酸態窒素濃度を示し、縦軸は採水深度
を示す。図中に示した7例の硝酸態窒素濃度の鉛直分布
をみると、表層では低濃度であり、下層に行くに従って
高濃度となっている。第3図および第4図は、それぞれ
燐酸他項および珪酸前珪素についての鉛直分布を示して
いるが、同様に表層では低濃度であり、下層に行くに従
って高濃度となっている。これらの無機栄養塩類の鉛直
分布の特徴は、従来から知られていたことである。 また植物プランクトンの培養に関連して、深層水と表層
水の性質の違いを第9図と第10図を用いて説明する。 第9図は、深層水にエチレンジアミン四酢酸を添加した
ものを培養液とじて用いて植物プランクトンの静置培養
を行った際の、植物プランクトンの増殖に対するエチレ
ンジアミン四酢酸添加の効果を調べた実験結果である。 第9図の横軸は深層水へのエチレンジアミン四酢酸の添
加濃度(μg−4−’)、縦軸は静置培養における植物
プランクトン(Skeletonemacostatu
m)細胞数(XIO’−mn−’)を示す。 第9図をみると、エチレンジアミン四酢酸を添加しない
とき、すなわち深層水のみのときには、植物プランクト
ンの増殖は緩慢であるが、エチレンジアミン四酢酸を1
00〜600.crg−A −’ (1,4〜8.4μ
当量)添加したときには、植物プランクトンの増殖が促
進されたことがわかる。このことは、深層水は無機栄養
塩類には冨むが、植物プランクトンの培養液としては十
分ではなく、水溶性キレート剤の一種であるエチレンジ
アミ、ン四酢酸を添加することにより、植物プランクト
ンの増殖にとって十分なものとなったことを示す。第1
0図は、深層水に表層水を混合したちのを培養液として
用いて植物プランクトンの静置培養を行った際の植物プ
ランクトンの増殖に対する表層水混合の効果を調べた実
験結果である。第10図の横軸は深層−水への表層水の
混合率(%)、縦軸は静置培養における植物プランクト
ン(Skeletonema costatum)細胞
数(XIO’・mA’−’)を示す。図を見ると、表層
水100%および深層水100%の場合には植物プラン
クトンの増殖は緩慢であり、表層水の混合率が30〜8
0%の場合には植物プランクトンの増殖が促進された。 表層水100%の場合には無機栄養塩類の不足によって
植物プランクトンの増殖が頭打ちになっている。深層水
100%の場合には、水溶性キレート剤と同様の機能を
持つ物質が不足しているために植物プランクトンの増殖
が緩慢になっていることは第9図によって説明した。 深層水に表層水を混合した場合に植物プランクトンが活
発に増殖したことは、表層水中に水溶性キレート剖と同
様の機能を持つ物質が含有されていることを意味する。 以上をまとめると、深層水は無機栄養塩類に富むが水溶
性キレート剤と同様の機能を持つ物質をほとんど含まな
いのに対して、表層水は無機栄養塩類をほとんど含まな
いが水溶性キレート剤と同様の機能を持つ物質を豊富に
含んでいる。 本発明で使用する植物プランクトンは海産珪藻類であっ
て、例えばChaetoceros ceratosp
orum。 である。 本発明で使用する水溶性キレート化合物としてはエチレ
ンジアミン四酢酸二すトリウムのようなエチレンジアミ
ン四酢酸金属塩、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三
酢酸の金属塩が用いられ、更に同様の効果を持つ水溶性
キレート化合物としてグリコール酸、シクロヘキシルニ
ニトリロ四酢酸金属塩、イミノニ酢酸、ジエチレン三ア
ミン五酢酸、エチレンジアミン・ジ(0−ヒドロキシフ
ェニル酸!>、8−ビトロキシキノリン、グリシン、ア
ラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ロイシン、グ
リシルグリジン、グリシルグリシルグリシン等が用いら
れる。 エチレンジアミンジアミン四酢酸二ナトリウムまたはエ
チレンジアミン四酢酸は、それ自体が植物プランクトン
の増殖を促す栄養素として作用するものでなく、エチレ
ンジアミン四酢酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢
酸等の持つ水溶性キレート剤としての作用が微量金属類
の細胞内への取り込みに関連して植物プランクトンの増
殖を活発化させるものである。従って、エチレンジアミ
ン四酢酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸に限ら
ず、エチレンジチミン四酢酸の金属塩、二) IJ口三
酢酸の金属塩等の水溶性キレート剤は、海洋深層水を植
物プランクトンの培養液として利用する場合に植物プラ
ンクトン増殖促進効果を持つものである。 添加する水溶性キレート剤の有効濃度範囲は前記第9図
の試験結果から1.4〜8.4μ当量である。即ち、本
発明の深層水に水溶性キレート剤としてエチレンジアミ
ン四酢酸を添加し植物プランクトンを接種培養した結果
、植物プランクトンを接種した後4日目には、エチレン
ジアミン四酢酸の濃度が100〜600μg、p伺(1
,4〜8.4μ当N)の範囲で植物プランクトンの増殖
が活発になっていることから上記範囲を決定した。 本発明で使用する海洋表層水とは海洋で太陽光が到達し
て光合成が行われる有光層の海水である。なお、これに
対し太陽光の達しない層の海水を深層水とした。 本発明で用いた試水の採水点である三宅島海域では、表
層は約80m以浅、深層は約80m以深である。また、
三宅島海域から南下するほど太陽高度が高くなるために
太陽光の到達深度が深くなっており、例えば赤道海域で
は通常の表層は約150m以浅、深層はそれ以深となっ
ている。 海洋表層水の有効混合率範囲は前記第10図の試験結果
から30〜80%である。即ち、深層水に表層水を添加
し、植物プランクトンを接種して植物プランクトン増殖
促進効果を調べた結果、4日目には表層水の混合率が3
0〜80%の範囲で植物プランクトンの増殖が活発にな
っていることから上記範囲を決定した。 本発明の植物プランクトンの連続培養において培養液の
希釈速度は、第6図の結果(詳細は後記実験例−1参照
)から接種した植物プランクトンの最大増殖速度以下に
設定することが必要である。即ち、第6図の深層水連続
流水系による植物プランクトン培養試験において培養液
の希釈速度を0.51.0.77.0.99.1,22
.1.47(日−′)として連続培養を行った結果、希
釈速度が1.47 (日−1)の場合は植物プランクト
ン細胞数が減少し続けた。この理由として、後述の(2
)式から植物プランクトンの増殖速度μが希釈速度りよ
り小さいためであると考えて、第6図中の155日目希
釈速度を0.25 (日−′)に変更したところ植物プ
ランクトン細胞数が一定の値に落ち着き(36,I X
IO’細胞−mlL−1)、安定した連続培養が行われ
たので上記範囲とした。 本発明の植物プランクトンの連続培養法において、植物
プランクトンの収量及び細胞粒径は、第11図及び第1
2図の結果(詳細は後記実験例−3及び実験例−4参照
)から希釈速度と無機栄養塩類濃度を操作することによ
り制御できることが判った。即ち、植物プランクトンの
収量は第11図から無機栄養塩類濃度が高いほど、また
希釈速度が小さいほど高くなる。細胞粒径は第12図か
ら流水試水の採水深度が深くなるほど、即ち流水試水中
の無機栄養塩類濃度が高いほど、また希釈速度が大きい
ほど試水の細胞粒径分布のピークが大きい方に移行する
。 〈実験例−1〉 深層水を植物プランクトンの培養液として利用する場合
に水溶性キレ−1・剤の添加を必要とする理由について
、第6図〜第8e図に示す実験結果に基づいて説明する
。第6図は深層水連続流水系における植物プランクトン
細胞数の経口変化を示したものであり、横軸は経過時間
(日)、縦軸は植物プランクトン細胞数(XIO’・m
j!−’)を示す。図中の破線は静置培養、実線は連続
培養を示す。後述の第5図に示す5系統の流水系の深層
水供給速度を5通りに設定し、希釈速度としてはそれぞ
れ0.51.’0.77.0.99.1.22.1,4
7(日−っであった。まず最初は、600 m深層水に
水溶性キレート剤を添加しない試水について連続培養を
行ったところ、当初(3日目)、植物プランクトンの細
胞数は10.4 X 10’ mβ−1であったものが
、いずれの希釈速度でも植物プランクトン細胞数が減少
の一途をたどり、安定した連続培養は成立しなかった。 これに比較して、次には600m深層水に水溶性キレー
ト剤の一種であるエチレンジアミン四酢酸二ナトリムを
深層水中で500μg12−’(5,4μ当量)になる
ように添加した試水について、他の条件は前者と同様に
して連続培養を行ったところ、当初(11〜12日目)
、白目ブランクI・ンの細胞数は13.3X】04〜1
B、5X10’ ml!−’であったもツカ、希釈速度
が1.47 (日−′)の場合を除いて植物プランクト
ン細胞数が一定の値に落ち着き(例えば希釈速度が0.
51日日刊は31.lXl0’ m7!−’、希釈速度
が0.77日−1では 26.2X 10’ m j!
−’、希釈速度が0.99日−1では18.6X10’
m j!−’、希釈速度が1.22日ロアは14.4X
10’m !!、−’)安定した連続培養が成立した。 なお、希釈速度が1.47(日刊)の場合は植物プラン
クトン細胞数が減少し続け、この理由として後述の(2
)式から植物プランクトンの増殖速度μが希釈速度りよ
り小さいためであると考えられたので、第6図中の15
5日目希釈速度を0.25 (日刊)に変更したところ
植物プランクトン細胞数が一定の値に落ち着き(36,
1×104細胞・mIV、−’) 、安定した連続培養
が成立した。 本連続培養実験において、第5図中の7のオーバーフロ
ー・サンプルビン中に流出した試水に残留していた硝酸
態窒素と燐酸煎焼の濃度を測定し、希釈速度が0.5H
日−1)のものをそれぞれ第7a図と第8a図に、希釈
速度が0.77(日−1)のものをそれぞれ第7b図と
第8b図に、希釈速度が0.99 (日−1)のものを
それぞれ第7c図と第8C図に、希釈速度力月、22(
日−′)のものをそれぞれ第7d図と第8d図に、希釈
速度が当初1.47 (日−1)であり途中で0.25
(日−1)に変更、しものをそれぞれ第7e図と第8e
図に示した。 第7a図〜第7e図の横軸は第6図と同様に時間(日)
、縦軸は硝酸態窒素の濃度を示す。第8a図〜第8e図
の横軸は第6図と同様に時間(日)、縦軸は燐酸煎焼の
濃度を示す。第7a図〜第8e図に共通して、破線は植
物プランクトン増殖制御水槽へ流入する試水中の無機栄
養塩類濃度、実線は植物プランクトン増殖制御水槽から
流出する試水中の無機栄養塩類濃度を示す。 第7a図〜第8e図を見ると、無添加の600m深層水
を培養液として用いた場合には、流入試水中の硝酸態窒
素の19〜37%および燐酸態燐の17〜71%が使用
されずに流出試水中に残留したが、水溶性キレート剤を
添加した600m深層水を培養液として用いた場合には
、流入試水中の硝酸態窒素の平均1%および燐酸煎焼の
2%しか残留せず、高い歩留まりで植物プランクトン体
に転換したことがわかる。 以上の説明で明らかなように、無添加の深層水は植物プ
ランクトンの連続培養に利用できないが、本発明の深層
水に水溶性キレート剤を添加したものを培養液とするこ
とにより、無機栄養塩類に冨む海洋深層水を植物プラン
クトンの連続培養に利用することが可能となる。 く実験例−2〉 以上に説明した実験例の他に合計15例の植物プランク
トン連続培養実験を行い、本発明の深層水に水溶性キレ
−1・剤を添加することの効果を再確認した。これらの
実験結果について、第6図〜第8e図を用いて説明する
。第6図に示したように、600 m深層水に水溶性キ
レート剤を添加したものを培養液として用いた植物プラ
ンクトン連続培養実験に引き続き、400m深層水に水
溶性キレート剤を同濃度で添加した実験、200m深層
水に水溶性キレート剤を同濃度で添加した実験、および
100m深層水に水溶性キレート剤を同濃度で添加した
実験を連続して行った結果、いずれの希釈速度の場合に
も植物プランクトン細胞数が一定の値に落ち着き、安定
した連続培養が成立した。各層状水の無機栄養塩類およ
び各希釈速度の条件下で得られた植物プランクトンの培
養液1m7!当たりの細胞数(収量という)を第11図
に示し、個々の数値については後で述べる。また、第7
a図〜第8e図に示したように、無機栄養塩類について
は、400m深層水に水溶性キレート剤を添加した実験
、200m深層水に水溶性キレート剤を添加した実験、
および100m深層水に水溶性キレート剤を添加した実
験のいずれの希釈速度の場合にも、流入試水中の硝酸態
窒素の平均2%および燐酸煎焼の平均1%しか流出試水
中に残留せず、高い歩留まりで植物プランクトン体に転
換されたことがわかる。このように、深層水中の無機栄
養塩類濃度および希釈速度の変化に関係なく、本発明の
深層水に水溶性キレート剤を添加したものを培養液とす
ることにより、無機栄養塩類に富む海洋深層水を植物ブ
ランク!・ンの連続培養に利用可能であることが再確認
された。 く実験例−3〉 植物プランクトンの連続培養における植物プランクトン
の収量に与える流入試水中の無機栄養塩類濃度と希釈速
度の影響を調べ第11図に表した。この図は、第6図に
示した植物プランクトン連続培養実験結果について、水
溶性キレート剤を添加した場合の各層状水の最終実験日
における植物プランクトン細胞数(X 10’・mI!
−’)をZ軸に、各層流水拭水中の硝酸態窒素濃度(μ
galj!す)をY軸に、希釈速度(日−1)をX軸に
とった図である。第11図を見ると、流入試水中の硝酸
態窒素濃度が高いほど、また希釈速度が小さいほど植物
プランクトンの収量が高くなることがわかる。各実験条
件に対応する植物プランクトンの収量は、次表−2の通
りである。 (本頁以下余白) ただし100m深層水を用いた実験の内希釈速度が0.
25 (日−′)のときの植物プランクトン収量は、上
で述べた傾向から予測される値よりかなり小さいので、
このときの硝酸態窒素濃度と希釈速度の組合わせは、植
物プランクトンの収量を制御できる範囲外であると考え
られる。また、第6図の600 m深層水に水溶性キレ
ート剤を加えたものを培養液として用いた実験において
、希釈速度を1.47 (日−1)に設定した場合に植
物プランクトン細胞数が減少しつづけたが、この例から
希釈速度を植物プランクトンの最大増殖速度以下に設定
する必要があることがわかる。希釈速度の設定は、第5
図の2の流水速度制御部において容易に行うことができ
る。また深層水中に含まれる無機栄養塩類濃度の操作は
、海洋における無機栄養塩類が表層には少なく深層に行
くほど多いという特徴的な鉛直分布を利用して、本実験
例と同様に取水深度を変えることによる方法、および深
層水と貧栄養表層水との混合割合を変えることによる方
法の2通りが現実的である。 く実験例−4〉 植物プランクトンの連続培養における細胞粒径分布に与
える流入試水中の無機栄養塩類濃度と希釈速度の影響を
調べ第12図に表した。この図は第6図に示した植物プ
ランクトン連続培養実験の際に、水溶性キレート剤を添
加した場合の各層状水の最終実験日において、収穫植物
プランクトンの細胞粒径分布を測定した例である。 細胞粒径を3.17〜4.00のグループ、4.00〜
5.04のグループ、5.04〜6.35のグループ、
6.35〜8.00のグループ、および8.00〜10
.08のグループに分類して表し、第12図の最上段は
600m深層水、2段目は400m深層水、3段目は2
00m深層水、最下段は100m深層水における場合で
あり、最左列は希釈速度が0.25日−1、左から2番
目の列は希釈速度が0.51日−1,3番目の列は希釈
速度が0.77日−1,4番目の列は希釈速度が0.9
9日−1、最右列は希釈速度が1.22日−1の場合で
ある。第12図を見ると、流入試水の採水深度が深くな
るはど、すなわち流入試水中の無機栄養塩類濃度が高い
ほど、また希釈速度が大きいほど植物プランクトンの細
胞粒径分布のピークが大きい方に移行することがわかる
。植物プランクトンの細胞粒径を制御するための培養液
の希釈速度と無機栄養塩類濃度を操作する方法は、植物
プランクトンの収量の制御に用いた方法と同様である。 次に第5図を用いて、深層水利用により植物プランクト
ンを培養する深層水連続流水式植物プランクトン培養装
置について説明する。この装置は、通常の植物プランク
トン連続培養手法に基づくものである。作動方法は、採
水した深層水を深層水貯蔵庫1 (容量は約300 m
l! )に入れ、流水速度制御部2のポンプによって植
物プランクトン増殖制御水槽3(容量は各々1.!Mり
に深層水を導いて満たし、最初は止水状態にして試験種
の植物プランクトン(Chaetoceros姐組圏且
匹凹)を植物プランクトン増殖制御水槽3に接種して、
光制御部4から光(8000ルソクス)を供給し、かつ
水温制御部5によって植物プランクトン増殖制御水槽3
の水温(25℃)を一定に保ち、3の植物プランクトン
増殖制御水槽中の植物プランクトンを高濃度に増殖させ
たのち、2の流水速度制御部を作動させて1の深層水貯
蔵部から3の植物プランクトン増殖制御水槽に深層水を
連続的に供給し、(希釈速度は0.25〜1.5日−1
の範囲に設定)、同時にエアレーション制御部6より3
の深層水増殖制御水槽中に送気し、植物プランクトン増
殖制御水槽から試水がオーバーフローして7のオーバー
フロー・サンプルビン中に入る。このオーバーフローし
た試水中に生産された植物プランクトンが含まれている
。なお、括弧内は前記培養装置使用の1例を示す。 このような装置を用いて植物プランクトンの連続培養を
行う場合に、植物プランクトンの増殖を式で説明すると
次のようになる。第5図中3の植物プランクトン増殖制
御水槽中の植物プランクトン細胞数をN (m!−1)
、植物プランクトンの増殖速度をμ、植物プランクトン
増殖制御水槽の容量をV(mn)、深層水連続流水供給
速度をv(mff・ロア)、希釈速度をD(日−1)、
経過時間をt(日)とすると、静置培養(止水系)では t と表されるが、連続培養(流水系)では□ −μ=D(
2) t と表される。ただし希釈速度りは D =  −−f3) ■ と定義される。(2)式において左辺が0となればμ−
りとなる。すなわち、連続培養においては、希釈速度り
を設定した後に植物プランクトン細胞数が一定の値に落
ち着いたとすれば、このとき植物ブランク1ヘンの増殖
速度μは希釈速度りに等しくなっている。従って、この
状態によって安定した連続培養の成立を判定することが
できる。 本実験に用いた深層水は、1984年6月28日に三宅
島沖北緯33°42.9 ’東経139°24.0 ’
において採水したもので、各層の試水の無機栄養塩類測
定結果を表−3に示す。 (本頁以下余白) 〔発明の効果〕 海洋深層水は、無機栄養塩類に冨み、病原菌や人工汚染
物等が少なく、また自然界で再生産が可能という特性を
有する将来有望な資源と考えられる。この深層水を、本
発明の深層水に水溶性キレート剤を添加することによっ
て植物プランクトンの培養液として利用することが可能
となった。さらに植物プランクトンの連続培養において
、細胞収量と細胞粒径の制御が可能となったばかりでな
く、従来の静置培養に比較して省力化および能率化を図
ることが可能となった。そして、植物プランクトンの収
量と細胞粒径の制御が必要とされる一例としては、水産
種苗生産において、濾過食性の貝類、ウニ類等の幼生の
成長段階により飼料要求量が異なり、また幼生の口の大
きさにより摂餌可能な餌の大きさが制限されるため、こ
れに対応した植物プランクトンの細胞数と細胞粒径が必
要となることがあげられ、本発明は、この要求を満たす
ことができる。本発明の応用分野としては、有用水産動
物飼育のための餌料生産、食料、医薬品製造のための工
業原料生産等があげられる。 4、図面の簡単な説明 第1図〜第4図は、海洋深層水の特性を説明するもので
、第1図は深層水と表層水の採水点、第2図は海洋にお
ける硝酸態窒素の鉛直分布、第3図は同様に燐酸煎焼の
鉛直分布、第4図は同様に珪酸態珪素の鉛直分布を示す
ものである。 第5図は、深層水連続流水式植物プランクトン培養装置
の概要図である。第6図〜第8e図は、深層水連続流水
系による植物プランクトン培養実験結果の説明図で、第
6図は連続培養における植物プランクトン細胞数の°経
日変化、第7a図〜第7e図および第8a図〜第8e図
は流入試水中と流出試水中の硝酸態窒素濃度および燐酸
前ei ??A度を示したものであり、第7a図と第8
a図は希釈速度が0.51日−1、第7b図と第8b図
は希釈速度が0.77日−1、第7C図と第8C図は希
釈速度が0.99日−1、第7d図と第8d図は希釈速
度が1.22日−1、第7e図と第8e図は希釈速度が
当初1.42日−1であって途中で0.25日−1に変
更したものを示す。第9図は深層水に添加する水溶性キ
レ−1〜剤の有効濃度範囲に関する実験結果を示し、第
10は深層水に添加する海洋表層水の有効混合率範囲に
関する実験結果を示す。第11図は植物プランクトンの
収量に与える流入試水中の硝酸態窒素濃度と試水の希釈
速度の影響に関する実験結果を示し、第12図は植物プ
ランクトンの細胞粒径に与える流入試水中の無機栄養塩
類濃度(採水深度)と試水の希釈速度の影響に関する実
験結果を示す。第5図中1は深層水貯蔵庫、2ば流水速
度制御部、3は植物プランクトン増殖制御水槽、4は光
制御部、5は水温制御部、6はエアレーション制御部、
7はオーバーフロー・サンプルビンである。 手続補正書 昭和60年5月22日 特許庁長官  志 賀  学  殿 1、事件の表示  特願昭60−29401号2、発明
の名称  海洋深層水利用による植物プランクトン培養
方法 3、補正をする者 事件との関係  特許出願人 住   所   神奈川県横須賀市夏島町2−15名 
  称   海洋科学技術センター代表者 梅澤邦臣 4、代理人 住   所   東京都港区西新橋三丁目19番12号
6、補正の対象    明細書の発明の詳細な説明の欄
4、図面の簡単な説明 7、補正の内容    別紙の通り 7−1  明細書第3頁第5行目に「飼料生産」とある
を「餌料生産」と補正する。 7−2  同書第3頁第6行目に1飼料植物」とあるを
「餌料植物」と補正する。 7−3  同書第12頁第4行目に「エチレンジアミン
ジアミン」とあるを「エチレンジアミン」と補正する。 7−4  同書第15頁第8行目に1流水試水」とある
を「流入試水」と補正する。 7−5  同書第15頁第9行目に「流水試水中」とあ
るを「流入試水中」と補正する。 7−6  同書第21頁第9行目に1流水試水中」とあ
るを「流入試水中」と補正する。 7−7  同書第30頁第15行目に「飼料要求量」と
あるを「餌料要求量」と補正する。 7−8  同書第32頁第4行目に「第10は」とある
を「第10図は」と補正する。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)無機栄養塩類に富み、病原菌や人工汚染物等が少
    ないという特性を有する海洋深層水に水溶性キレート剤
    または海洋表層水を添加したものを植物プランクトンの
    培養液とし、かつ連続培養手法を用い、連続培養の培養
    液の希釈速度と無機栄養塩類濃度を操作することにより
    、植物プランクトンの収量と細胞粒径を制御しつつ植物
    プランクトンを培養することを特徴とする海洋深層水利
    用による植物プランクトンの培養方法。
  2. (2)水溶性キレート剤の濃度が、培養液中で1.4〜
    8.4μ当量である特許請求の範囲第1項記載の方法
  3. (3)水溶性キレート剤がエチレンジアミン四酢酸金属
    塩またはニトリロ三酢酸金属塩である特許請求の範囲第
    1項または第2項記載の方法。
  4. (4)海洋表層水の添加混合比が30〜80%である特
    許請求の範囲第1項記載の方法。
  5. (5)連続培養の培養液の希釈速度を収穫を目的とする
    植物プランクトンの最大増殖速度以下に設定する特許請
    求の範囲第1項記載の方法。
  6. (6)連続培養の培養液の無機栄養塩類濃度を海洋深層
    水の取水深度の選択または貧栄養の海洋表層水との混合
    割合により設定する特許請求の範囲第1項記載の方法。
  7. (7)植物プランクトンが海産珪藻である特許請求の範
    囲第1項記載の方法。
  8. (8)海産珪藻が¥Chaetoceros¥ ¥ce
    ratosporum¥又は¥Skeletonema
    ¥ ¥costatum¥である特許請求の範囲第7項
    記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004048553A1 (ja) * 2002-11-28 2004-06-10 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha 珪藻を含む液体、珪藻および珪藻の培養方法
KR100661833B1 (ko) * 2005-05-16 2006-12-28 삼성전자주식회사 냉장고
US9090881B2 (en) 2008-10-21 2015-07-28 Canadian Pacific Algae Inc. Method for the efficient and continuous growth and harvesting of nutrient-rich phytoplankton and methods of using the same

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