JPS6118285Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、デイーゼルエンジン等のエンジンの
潤滑系の圧力を制御するための油圧制御弁に関す
るものである。

第１図は一般的なエンジンの潤滑油回路を示す
もので、ポンプａからの吐出油はクーラｂ、フイ
ルタｃを通つてメインギヤラリｄ、潤滑部ｅに送
られ、またメインギヤラリｄの圧力が所定圧力以
上になつたとき、例えば1.3〜1.7Kg／cm²になると
ピストンクーリングパルプｆが開となつてピスト
ンリングギヤラリｇに潤滑油が送られ、また上記
メインギヤラリｄの圧力がさらに上昇して例えば
３〜４Kg／cm²になるとメインギヤラリｄの手前に
設けたメインギヤラリ調圧弁ｈが開となつてこの
潤滑油がドレンされるようになつている。

このようなエンジンの潤滑油回路にあつては、
エンジンオイルの清浄性維持、並びにオイルのロ
ングドレン化のために最近は図に示すようにバイ
パスフイルタｉを装着することが多くなつてい
る。このバイパスフイルタｉの作用はエンジンオ
イルの一部をその中に循環させることによりオイ
ル中のカーボンその他の非常に細かい粒子を取除
くことにある。通常、バイパスフイルタを通る油
量はオイルポンプ吐出量の約1/10で、その油量制
御はフイルタ入口にオリフスを設けて行なつてい
る。

ところがこのオリフイスはサイズが固定されて
いるため、エンジン低速時でオイルポンプ吐出量
の少ない時にもバイパスフイルタにオイルが流れ
てしまい、油圧低下を招きやすい。勿論その分オ
イルポンプの容量を増すことを考えられるが、コ
ストアツプやロス馬力の増大をもたらしてしまい
好ましいことではない。

本考案は上記のことにかんがみなされたもの
で、メインギヤラリに連通するメイン回路の油圧
が一定値を越えたときにバイパスフイルタへの通
路が開放となつてメイン回路のエンジンオイルの
一部がバイパスフイルタを通つてドレンし、メイ
ン回路の油圧がさらに上昇したときにバイパスフ
イルタへの通路と共にドレン通路が開放となつて
このメイン回路の油圧が一定に保たれるように
し、エンジン回転が低く、メイン回路の油圧が低
い場合にはバイパスフイルタにオイルが循環せ
ず、このときのメイン回路の油圧低下を防止でき
るようにしたエンジンの油圧制御弁を提供しよう
とするものである。

以下本考案の実施例を第２図に基づいて説明す
る。

図中、１は弁体、２はこの弁体１に設けたスプ
ール穴であり、このスプール穴２の一端部にメイ
ン回路に連通したパイロツトポート３が設けてあ
る。またスプール穴２にはメイン回路に連通した
入口ポート４と、バイパスフイルタに連通したバ
イパスポート５と、オイルパンに連通するドレン
ポート６とが軸方向に順次設けてある。７はスプ
ール穴２に嵌合するスプールで、このスプール７
には上記パイロツト圧孔に対向するパイロツト受
圧面を有する第１ランド８と、パイロツト圧にて
移動することにより入口ポート４をバイパスポー
ト５と、またバイパスポート５およびドレンポー
ト６に順次連通する第２ランド９とを有してい
る。そしてこのスプール７の他端とスプール穴２
を閉じる栓体１０との間にスプール７を上記パイ
ロツト圧孔よりのパイロツト圧に対向するばね１
１が介装してある。

上記構成において、メインギヤラリの圧力が低
く、従つてメイン回路の圧力が低いときには、、
スプール７はばね１１の付勢力により閉じ方向に
移動していて、バイパスポート５およびドレンポ
ート６とは閉じられており、バイパスフイルタに
はオイルが循環しない。またもちろんドレン回路
へもオイルはドレンされない。

メイン回路の圧力が上昇してパイロツト圧孔３
よりスプール７のパイロツト受圧面に作用する力
が大きくなり、これがばね１１の付勢力に打ち勝
つと、スプール７はばね１１に抗して移動し、ま
ずバイパスポート５が入口ポート４に連通する。
従つてこの状態ではメイン回路の圧力を所定の圧
力に維持した状態でバイパスフイルタにオイルが
循環する。

さらにメイン回路の圧力が上昇すると、スプー
ル７はさらにばね１１に抗して移動し、上記バイ
パスポート５と共に、ドレンポート６が入口ポー
ト４に連通し、メイン回路の圧力は一定に保たれ
る。

なお上記実施例における入口ポート４は、メイ
ンギヤラリの入口に接続してこのメインギヤラリ
のオイルを導くようにしてもよく、またこれをメ
インオイルフイルタの手前に接続してもよい。

本考案に係るエンジンの油圧制御弁は、上記詳
述したようになり、パイロツトポート３を有する
スプール穴２に、入口ポート４とバイパスポート
５とドレンポート６とを軸方向に順次設け、この
スプール穴２に、パイロツトポート３に対向する
受圧面を有する第１ランド８と、パイロツト圧に
より移動することにより、入口ポート４とパイロ
ツトポート５を、さらに入口ポート４とバイパス
ポート５およびドレンポート６を順次連通する第
２ランド９を有するスプール７を、上記パイロツ
ト圧に対紺向する方向にばね１１にて付勢されて
嵌合し、上記パイロツトポート３および入口ポー
ト４とをメイン回路に接続し、またバイパスポー
ト５をバイパスフイルタに、ドレンポート６をタ
ンクにそれぞれ接続したから、メインギヤラリに
連通するメイン回路の油圧が一定値を越えたとき
にバイパスフイルタへの通路が開放となつてメイ
ン回路のエンジンオイルの一部がバイパスフイイ
ルタを通つてドレンし、メイン回路の油圧がさら
に上昇したときにバイパスフイルタへの通路と共
にドレン通路が開放となつてメイン回路の油圧が
一定に保たれ、従つて、エンジン回転が低く、メ
イン回路の油圧が低い場合にはバイパスフイルタ
にオイルが循環せず、このときのメイン回路の油
圧低下を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はエンジンの潤滑油回路図、第２図は本
考案の実施例を示す断面図である。 ２はスプール穴、３はパイロツトポート、４は
入口ポート、５はバイパスポート、６はドレンポ
ート、７はスプール、８，９はランド、１１はば
ね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パイロツトポート３を有するスプール穴２に、
   入口ポート４とバイパスポート５とドレンポート
   ６とを軸方向に順次設け、このスプール穴２に、
   パイロツトポート３に対向する受圧面を有する第
   １ランド８と、パイロツト圧により移動すること
   により、入口ポート４とバイパスポート５を、さ
   らに入口ポート４とバイパスポート５およびドレ
   ンポート６を順次連通する第２ランド９を有する
   スプール７を、上記パイロツト圧に対向する方向
   にばね１１にて付勢されて嵌合し、上記パイロツ
   トポート３および入口ポート４とをメイン回路に
   接続し、またバイパスポート５をバイパスフイル
   タに、ドレンポート６をタンクにそれぞれ接続し
   たことを特徴とするエンジンの油圧制御弁。