JPS6118033B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、例えば蒸気使用装置で発生した高温
復水をボイラへ圧送する場合等、高温液の圧送に
用いるターボ形ポンプに関する。

復水の如き高温液はポンプ内で再蒸発する為に
ターボ形ポンプで圧送することが難しく、ポンプ
の吸入口側に水頭差を作るタンクを設け、高温液
を水頭差をもつて押込む場合、あるいはポンプの
吸入口側に高温液を溜めるタンクを設け、該々タ
ンク内で低温液と混合して圧送可能な温度まで冷
却する場合等がある。しかしながら、上記の如く
しても、作ることのできる水頭差には限界があり
且つ多量の低温液を必要とする為に、適用可能な
温度範囲は挟いもので、高温水の圧送には不適で
あつた。

本発明は、水頭差を作るためのタンクの如き設
備や低温液を混合すること必要とせずに、高温液
の圧送が可能なポンプを提供せんとするものであ
る。

上記の目的を達成するために講じた本発明の技
術的手段は、ターボ形ポンプの吸入口側に於て、
被圧送液の一部をバイパスする通路を設け、該通
路に渦流ポンプを配して、被圧送液の一部を加圧
して再び該吸入側に導入した、ものである。

上記の技術的手段の作用は次ぎの通りである。

高温液源からターボ形ポンプの吸入口内に流入
した高温液の一部は、バイパス通路を通り渦流ポ
ンプ内で加圧され、ターボ形ポンプの羽根車の直
前の吸入口に戻される。従つて、ターボ形ポンプ
の羽根車の直前では、バイパス通路を通して導入
された高圧液によりポンプ内での再蒸発を防止す
るに足る押込水頭が確保され、高温液の吸入送が
可能となる。

この様に、本発明によればターボ形ポンプの押
込水頭差を作るタンクの如き設備や低温液の混合
を必要とせずして高温液を圧送することが出来
る。

本発明は下記の特有の効果を生じる。

小容量用ではあるがNPSHが極めて小さく、微
小の押込水頭で高温液を圧送できる性能を有する
過流形ポンプと、大揚量に適するが高温液の圧送
が難しく且つNPSHの必要なターボ形ポンプとを
組み合せることによつて、ターボ形ポンプの吸入
口側に於てそのNPSH以上の押込水頭を過流形ポ
ンプの作用で作り、ターボ形ポンプの特性を生か
して高温液を多量に圧送することが出来る。

次に本発明の一実施例について説明する。第１
図に於て、１は本体で、端部材２，３をボルト・
ナツトの如き結合手段（図示せず）を用いて固着
し、ポンプ筐体を形成する。４はポンプ筐体を支
持する台である。

５はポンプ筐体内に形成された渦形室で、中央
左側に吸入口６が開口し、周縁の接線方向に吐出
口７が開口する。また、吸入口６側には復水を発
生する蒸気使用装置の如き高温液発生側（図示せ
ず）が連結され、吐出口７側には復水を還元する
ボイラの如き高温液圧送側（図示せず）が連結さ
れて用いられる。

８はポンプ筐体内に気密的に突出した回転軸で
電動機側（図示せず）の回転駆動力をポンプ側に
伝達する。９は回転軸８と本体１壁との間に介在
されたパツキング、１０はパツキング押えで、回
転軸８と本体１との間を密封する。

１１は渦形室５内に配されたターボ形ポンプの
羽根車で、回転軸８の端部に結合されて回転し、
吸入口６から吸入した高温液を遠心作用で加圧す
る。

１２は羽根車１１を回転軸８の端部に結合する
結合部材で、左側に回転軸８と共に回転する延長
軸１３を有する。３３は延長軸１３の端部を支持
する軸受である。

１４は端部材３に設けられた孔で、被圧送高温
液の一部をバイパス通路１５側に流す。また、バ
イパス通路１５は羽根車１１直前の吸入口６側に
孔１６（第３図に図示）で連通している。

１７は端部材３の左端に取り付けられた渦流ポ
ンプで、バイパス通路１５を流れる高温液を加圧
する。ここに於て、ターボ形ポンプの羽根車１１
および渦流ポンプの下記羽根車を一回転軸８，１
３上に設けた為、このポンプをそれぞれ別設する
ものに比べ、構造がコンパクトになる。

第２図は渦流ポンプ１７の断面図を示す。第２
図に於て、１８は筒状本体で、Ｏ−リングガスケ
ツト２１を介して両端に固着された端部材１９，
２０と共に渦流ポンプの筐体を形成する。２２は
このポンプ筐体内に形成された羽根車室で、上部
に吸入口２３および吐出口２４が開口する。２５
は吸入口２３と吐出口２４とを仕切る隔壁で、ラ
イナ２６によつて形成される。また、吸入口２３
はバイパス通路１５を通して孔１４側に連通し、
吐出口２４はバイパス通路１５を通して孔１６側
に連通して用いられる。２７は羽根車室２２に配
された渦流ポンプの羽根車で、延長棒１３に連結
され回転軸８と共に回転し、吸入口２３から吸入
した高温液の一部をその回転作用で加圧する。２
８は羽根車２７の周縁部に設けられた歯溝、２９
は羽根車２７の左右側面とライナ２６，３０との
間の部分を連通する貫通孔、３１，３２は羽根車
２７のスライドを防止するスナツプリングであ
る。また、羽根車２７とライナ２６，３０との
間、および端部材２０と延長軸１３との間を通り
吸入口６側に多量の高圧液が漏洩し、渦流ポンプ
１７の加圧作用が損われらる危険がある場合、該
端部材２０と延長軸１３との間に軸封部材を介在
させる。

かくして、高温液源から吸入口６内に流入した
高温液の一部は、バイパス通路１５を通り渦流ポ
ンプ１７内で加圧され孔１６から羽根車１１の直
前の吸入口６側に戻される。従つて、羽根車１１
の直前ではバイパス通路１５を通して導入された
高圧液によりポンプ内での再蒸発を防止するに足
る押込水頭が確保され、高温液の吸入圧送が可能
となる。即ち、小容量用ではあるがNPSHが極め
て小さく、微少の押込水頭で高温液を圧送できる
性能を有する渦流形ポンプと、大容量に適するが
高温液の圧送が難しく且つ大きなNPSHの必要な
ターボ形ポンプとを組み合せることによつて、タ
ーボ形ポンプの吸入口側に於てそのNPSH以上の
押込水頭を渦流形ポンプの作用で作り、ターボ形
ポンプの特性を生かして高温液を多量に圧送し得
るポンプが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一実施例のターボ形ポンプの縦断面
図、第２図は第１図のＡ−Ａ線断面図、第３図は
第１図のＢ−Ｂ線断面図を示す。 １，２，３はポンプ筐体を成す本体と端部材、
５は渦形室、６は吸入口、７は吐出口、８は回転
軸、１１は羽根車、１３は延長軸、１５はバイパ
ス通路、１７は渦流ポンプである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ターボ形ポンプの吸入口側に於いて、被圧送
   液の一部をバイパスする通路を設け、該通路に過
   流形ポンプを配して、被圧送液の一部を加圧して
   再び該吸入口側に導入することを特徴とするター
   ボ形と過流形の組み合せポンプ。