JPS6117718Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、刃先の突出、収納各位置における
ロツク止めカツタ−ナイフに関し、とくにブレー
ドの交換を容易にしまたロツク止め操作を簡便に
しかも確実に実現するように工夫をこらしたもの
である。

一般に握り柄兼用の収納シース内で一端に切刃
をもつブレードを進退摺動可能に納め、使用の都
度、ブレードの切刃を進出させる型式の、ブレー
ド交換式カツターナイフは、研ぎすまされたブレ
ードの供給が確保され得るので切れ味が殊のほか
良好であり、多方面に広く利用されつゝあるが、
ブレードを突出させた位置での固定をねじ止めて
行うを通例としているので、操作性に難があり、
とくにブレードの収納位置におけるねじ止めがえ
てして疎かになり勝ちなため、不所望な刃先の突
出による危険のおそれもあつた。

このほかブレードに付した折割線刻みにより刃
先の折取り更新を行うこの種のナイフでは、ブレ
ードを係止するスライダを、ばね舌片によりクリ
ツプ止めする型式もあるが、ブレード幅が大きい
場合に、その拘束が不確実なきらいがあつて、一
般に狭幅のブレードにしか適用され得ない。

そこでこの考案は、ブレードが広幅であるよう
な場合に有利に適合して、ブレードの突出、収納
各位置で確実な抑止を、簡便な操作で実現できる
ロツク止めの新規な創案を提供しようとするもの
である。

この考案は一端に切刃を有し他端に係止孔をも
つブレードと、このブレードの係止孔にはまり合
う突起をもつスライダと、ブレードをスライダと
ともに進退摺動可能に保持するガイド溝をそなえ
た握り柄兼用の収納シース、および該スライダを
その進退各位置でブレードと一緒に収納シースに
対しロツクする抑止ノブとを有するカツタ−ナイ
フにおいて、抑止ノブをその一端で横軸によりス
ライダに枢着し、この横軸のまわりにおける抑止
ノブの反転姿勢をスライダの進退両ストローク端
において拘束する十字形窓孔を収納シースの片面
に開口させて成ることを特徴とする刃先の突出、
収納各位置におけるロツク止めカツタ−ナイフで
ある。

次にこの考案を、切出しナイフに適用した実施
例について説明する。

第１図ａ，ｂ，ｃに切先を収納シース内に引込
めたカツタ−ナイフのたて断面と片面および横断
面を示し、図中１はブレード、２はその切刃、３
は係止孔であり、４はスライダ、５はブレード１
の係止孔にはまり合う突起である。

６は、収納シースであつて、ブレード１および
スライダをそれらの係止状態で、一緒に進退摺動
可能に保持するガイド溝７を有し、８は切先の保
持ガイドである。

スライダ４は、第２図に示すように一端で横軸
９により枢着した抑止ノブ１０を有し、抑止ノブ
１０は、第１図に示した折畳み姿勢で収納シース
６の片面に開口させた十字形窓孔１１の拡幅部１
２中に緊密に納まる中間段部１３と、前端で引起
し爪かけに供する突起１４および十字形窓孔１１
の端縁と係合するクリツプ片１５を有する。

従つて第１図ａ，ｂに示したブレード１の引込
め位置は、抑止ノブ１０が、収納シース６の十字
形窓孔１１内に納まることにより確保されてスラ
イダ４に妄動を生じるうれいがないので、切刃２
の不所望な突出を起す危険がない。

次に使用に当つては抑止ノブ１０をその突起１
４に爪をかけて横軸９のまわり第３図に示すよう
に引起して180゜近くまで反転させつゝここに抑
止ノブ１０による上記拘束を解放してスライダ４
を、これに係止したブレード１とともに、収納シ
ース６の前端の保持ガイド８を通してブレード１
が突出する図の右向きに進出させ、ついでこうし
て裏返しになつた抑止ノブ１０の中間段部１３
を、再び収納シース６の十字形窓孔１１の拡幅部
１２に、第４図に示すようにして納めることによ
り、スライダ４を、ブレード１とともに、その突
出位置に拘束する。このとき抑止ノブ１０の突起
１４を収容すべく収納シース６の尾端側に受孔１
６を設けておく。なお図中１７はこのブレード１
の突出位置からその再収納を行うときに抑止ノブ
１０を引起すための爪かけ用の突起であり、さら
に１８は収納シースの尾端キヤツプでありその外
観を示す第１図ｄに１９で示したスナツプ脚を、
第１図ｃに２０をもつて示した係止みぞ内にはめ
て保持させるのである。またこの考案においてブ
レードは第５図ａ，ｂおよびｃに示すような鋸
刃、スクレーパあるいはプラスチツクシートの引
き切りカツタなどと交代使用することができる。

上にのべたようにこの考案によれば、収納シー
ス内で、ブレードとともに進退摺動可能に保持し
たスライダを、その摺動行程の両端で裏返し反転
して収納シースの十字形窓孔に緊密に納まる抑止
ノブの中間段部により拘束することでもつて刃先
の突出、収納各位置における確実なロツクを、ね
じ止めによるような操作上の不便や不たしかさを
伴うことなく実現でき、とくに抑止ノブの引起し
が容易なので操作し易い利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ａはこの考案のカツタのたて断面図、同
図ｂは平面図、同図ｃは横断面図、同図ｄは尾端
キヤツプの斜視図、第２図はスライダおよび抑止
ノブの斜視図であり、第３図ａ，ｂはロツクを解
除した状態におけるたて断面図と平面図、第４図
ａ，ｂは刃先の突出位置でのたて断面図と平面
図、第５図ａ，ｂ，ｃはブレードの各別平面図で
ある。 １……ブレード、２……切刃、３……係止孔、
４……スライダ、５……突起、６……収納シー
ス、７……ガイド溝、９……横軸、１０……抑止
ノブ、１１……窓孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端に切刃２を有し他端に係止孔３をもつブレ
   ード１と、このブレード１の係止孔３にはまり合
   う突起５をもつスライダ４と、ブレード１をスラ
   イダ４とともに進退摺動可能に保持するガイド溝
   ７をそなえた握り柄兼用の収納シース６、および
   該スライダ４をその進退各位置でブレード１と一
   緒に収納シース６に対しロツクする抑止ノブ１０
   とを有するカツタ−ナイフにおいて、抑止ノブ１
   ０をその一端で横軸９によりスライダ４に枢着
   し、この横軸９のまわりにおける抑止ノブ１０の
   反転姿勢をスライダ４の進退両ストローク端にお
   いて拘束する十字形窓孔１１を収納シース６の片
   面に開口させて、抑止ノブ１０の中間段部１３と
   係脱可能として成ることを特徴とする刃先の突
   出、収納各位置におけるロツク止めカツタ−ナイ
   フ。