JPS6116835Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はテーブルと食器棚を一体に組み合わせ
て形成するテーブル付き食器棚に関するものであ
つて、テーブル板を食器棚内に収納可能に設ける
事により、限られたダイニングキツチンのスペー
スを有効に利用する事が出来る様にした事をその
目的とするものである。

一般に台所及び食堂は夫々使い勝手の良い様に
充分に広いスペースを有している事が望ましいの
であるが、近来、住宅事情の悪化等に伴なつて次
第に狭くなる傾向にあり、特にマンシヨン、アパ
ート等にあつては必要最小限のスペースを存して
台所と食堂をワンルームにまとめたダイニングキ
ツチンが普及するに至つている。しかしてこの様
なダイニングキツチンに配置される家具にはテー
ブル及び食器棚が含まれるのであるが、このテー
ブル及び食器棚はダイニングキツチンに配置され
る家具の内でもかなりの床面積を占めるものであ
り、しかもこれらは一旦配置されるとその移動が
困難である為、以後そのままの位置で使用される
のが普通である。一方この様なテーブルの使用態
様としては食事、喫茶或は一時的に物を載せる台
として使用される場合等が考えられるのである
が、家族揃つての夕食時等に於いてはテーブルの
ほぼ全面が利用される事が多いのに対して、個々
に食事をする朝食、昼食時或は喫茶時に於いては
それ程広い面積は必要とされないのである。即ち
この様にテーブルの使用態様によつて利用される
面積が異なるにも拘わらず、上記の様に一旦配置
されるとそのままの位置で使用されるテーブルに
あつては使用態様に対応する事が出来ず、その結
果限られたダイニングキツチンのスペースを有効
に利用する事が出来ないという不具合を生じてい
るのが実情である。

本考案は上記の様な従来の実情に鑑みてその改
善を試みたものであつて、必要に応じてテーブル
板を食器棚内に収納させる事が出来るとともに、
テーブル板を展開させた状態にあつては同テーブ
ル板を食器棚の横幅方向に沿つて任意にスライド
調整させる事が出来る様に設ける事により、上記
の様なテーブルの使用態様に対応させてテーブル
板の位置及びその使用面積を変える事が出来る様
にした事をその特徴とするものである。

即ち本考案は適宜の間隔を存して横設する上下
二枚の仕切り板間に収納室を設け、下側に位置す
る仕切り板にはその前縁寄りに位置させてレール
杆を固着させ、上記収納室にその後半部分を収納
可能なテーブル板を形成し、同テーブル板の底面
にはその一端に支脚を固着させる一方、同テーブ
ル板底面の他端には連結金具を構成する固定板を
固着させ、同固定板には回転板を回転自在に枢結
させ、同回転板には係合片を設け、同係合片を上
記レール杆にスライド自在に係合させる様に構成
した事をその要旨とするものである。

以下に本考案の具体的な実施例を例示の図面に
ついて説明する。図面に於いて１は本考案に係る
テーブル付き食器棚を示す。同食器棚１の任意の
高さ位置には上下二枚の仕切り板２ａ，２ｂが上
下方向に適宜の間隔を存して横設され、同仕切り
板２ａ，２ｂ間に後述するテーブル板３の収納室
４が形成される。同収納室４はその左右両端の後
方部分及び後背部を夫々食器棚１の左右側板５，
５及び背板６によつて囲繞される一方、同収納室
４の前面及び左右両端の前方部分は開放状に設け
られ、同部にテーブル板３の挿入口４′が形成さ
れる。又上記仕切り板２ａ，２ｂの内で下側に位
置する仕切り板２ａにはその上端面の前縁寄りに
位置させて断面チヤンネル型を呈する前後一対の
レール杆７，７が食器棚１の横幅方向に沿つて相
平行状に固着される一方、収納室４内の後方位置
には断面コ字型を呈するテーブル板３の保持具８
が設けられる。同テーブル板３は上記収納室４内
にその後半部分を収納させる事が可能な広さ寸法
を存して短形の平板状に形成され、その底面側で
長手方向の一端寄り位置には連結金具９が、又同
長手方向の他端寄り位置には支脚１２が夫々装着
される。同連結金具９は固定板９ａと回転板９ｂ
を上下一対に設け、その間に介装させたベアリン
グ１０を介して相互に回転自在に枢結されるもの
であつて、回転板９ａには前記レール杆７，７に
夫々係合可能な前後一対の係合片１１，１１がそ
の前後両端縁に沿つて形成される。そして同連結
金具９は固定板９ｂをテーブル板３側に固着させ
る一方、回転板９ｂの係合片１１，１１を前記レ
ール杆７，７にスライド自在に係合させる事によ
り、同連結金具９を介してテーブル板３は食器棚
１に対して回動自在で且つスライド自在に連結さ
れる。又上記支脚１２はテーブル板３を水平状に
支承可能な長さ寸法を存して形成される二本の脚
杆１２ａ，１２ｂより構成され、同脚杆１２ａ，
１２ｂは蝶番１３を介して二ツ折り可能に枢結さ
れるとともに、その一方の脚杆１２ａはテーブル
板３の前半部分に偏寄させて固着される。又テー
ブル板３の底面には同テーブル板３の展開状態を
固定するストツパー１４が設けられる。同ストツ
パー１４は上記連結金具９に相対応する位置に支
軸１５を介して回動自在に軸支されるとともに、
その前端縁に固着するゴム等の弾性体１６，１６
を介して食器棚１の前縁部１′に圧接可能に設け
られる。又同ストツパー１４の後端縁にはピン１
７が抜き差し自在に装着される一方、テーブル板
３には同ピン１７の嵌合孔１８が上記の圧接位置
に相対させて穿設される。又同ストツパー１４は
その略90度後方向の回動位置でテーブル板３に固
着させた磁石１９の励磁作用を介してその解放状
態が保持される様に設けられる。

次にその作用及び使用方法について説明する。

第１図，第２図及び第５図はテーブル板３を収
納室４内に収納させた状態を示すものであり、同
図面に示す様に支脚１２は二ツ折り状に折り畳ま
れ、テーブル板３の後半部分は収納室４内に収納
された状態にある。又同テーブル板３の後端縁は
保持具８に嵌合されており、この様にその後端縁
を保持具８に嵌合させる事によつてテーブル板３
のガタ付きを防止する作用が得られる。又テーブ
ル板３の後半部分は食器棚１の前方に突出する状
態にあり、この前半部分を朝食，昼食時或は喫茶
時等の比較的少ない食器類を載せるカウンンター
として使用する事が出来るのである。しかしてこ
の様な収納状態より第２図に示す如く連結金具９
を支点としてテーブル板３を矢印ａ方向に回動さ
せるとともに折畳み状態にある支脚１２を開く事
により第３図及び第４図に示す様にテーブル板３
の展開状態を得る事が出来るのである。そしてこ
の様な展開状態にあるテーブル板３を連結金具９
のスライド機能を介して食器棚１の横幅方向に沿
つてスライドさせる事により、同テーブル板３を
任意の位置に移動させる事が出来るのである。又
この様にテーブル板３を任意の位置に移動させた
状態に於いてストツパー１４を食器棚１の前端部
１′に圧接させるとともにピン１７を嵌合孔１８
に嵌め込む事により、同テーブル板３をその移動
位置で固定させる作用が得られるのである。一方
この様に展開状態にあるテーブル板３は上記スト
ツパー１４のピン１７を嵌合孔１８より引き抜い
てその固定を解除させるとともに、連結金具９を
支点として上記矢印ａの逆方向に向けて回動させ
る事により、第１図及び第２図に示す如く再び収
納室４内に収納させる事が出来るのである。

本考案は以上の構成より成るものであり、上記
の様に構成した事によつてその使用様態に応じて
テーブ板を収納或は展開させる事が可能となり、
その結果限られたダイニングキツチンのスペース
を有効に使う事が出来るに至つたのである。

特に本考案にあつては収納室の前縁寄り位置に
食器棚の横幅方向に沿つてレール杆を固着させる
一方、固定板と回転板を有する連結金具を形成
し、同固定板と回転板は相互に回転自在に枢結さ
せるとともに、同固定板はテーブル板に固着さ
せ、又回転板は同回転板に設けた係合片を上記レ
ール杆にスライド自在に係合させる様にした事に
より、連結金具の回転及びスライド作用を介して
テーブル板の収納及び展開操作、或は食器棚の横
幅方向へのスライド操作を極めて容易に行なう事
が可能となつたのであり、この点に於ける実用的
な効果は極めて大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るテーブル付き食器棚のテ
ーブル板を収納させた状態を示す外観斜視図、第
２図は第１図に於ける収納室部分の横断面図、第
３図はテーブル板を展開させた状態を示す外観斜
視図、第４図は第３図に於ける収納室部分の横断
面図、第５図は収納室部分の拡大縦断面図、第６
図はテーブル板の底面を表わす拡大斜視図であ
る。 １……テーブル付き食器棚、１′……前縁部、
２ａ，２ｂ……仕切り板、３……テーブル板、４
……収納室、４′……挿入口、５……側板、６…
…背板、７……レール杆、８……保持具、９……
連結金具、９ａ……固定板、９ｂ……回転板、１
０……ベアリング、１１……係合片、１２……支
脚、、１２ａ，１２ｂ……脚杆、１３……蝶番、
１４……ストツパー、１５……支軸、１６……弾
性体、１７……ピン、１８……嵌合孔、１９……
磁石。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 適宜の間隔を存して横設する上下二枚の仕切り
   板間に収納室を設け、下側に位置する仕切り板に
   はその前縁寄りに位置させてレール杆を固着さ
   せ、上記収納室にその後半部分を収納可能なテー
   ブル板を形成し、同テーブル板の底面にはその一
   端に支脚を固着させる一方、同テーブル板底面の
   他端には連結金具を構成する固定板を固着させ、
   同固定板には回転板を回転自在に枢結させ、同回
   転板には係合片を設け、同係合片を上記レール杆
   にスライド自在に係合させて成るテーブル付き食
   器棚。