JPS6115748Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動ニギリズシ製造機に係り、その
目的は極めて簡易な構成でしかも、あたかも人手
でスシ米を握つてニギリズシとしたかのような材
質感を与えることができる自動ニギリズシ製造機
の提供にある。

従来、ニギリズシを自動で握り出す製造機械は
比較的多数知られているが、いずれも装置が大掛
りで大量生産の外食食品工場には適しているが比
較的小規模の通常店舗には装置が大きすぎて不向
きで、しかもこれら機械で握られたニギリズシが
固く圧縮成型されているため、ニギリズシという
よりも押しズシ状となり易く人手で職人が握つた
ニギリズシとは材質感や臨場感が大きく異なり、
伝統的食品としてのニギリズシの風味がいまひと
つ欠けるという欠点があつた。

尚、ここでニギリズシの材質感とはニギリズシ
の一端部を片手で持ち上げればニギリズシの中程
で折れるような（かたさの）保形性でいう。これ
に対し押しズシは相当固く保形されているから決
つして一端部を片手で持ち上げても中程で折れる
ことはない。

この考案はこのような従来の欠点を解消せんと
してなされたもので、以下図面に基づいてこの考
案の一実施例を説明する。

第１図Ａはこの考案の一実施例に係る自動ニギ
リズシ製造機の正面図、同図Ｂは同じく平面図で
ある。

この図面において、１はスシ米ホツパーで、こ
のスシ米ホツパー１はハウジング２の上部１ａと
側部１ｂに、この実施例では設けられているが、
スシ米ホツパー１の位置はこの実施例に限定され
ない。

３は中空ドラム４と受型５及び内面にガイド材
６を突設した蓋板７からなるニギリ機構である。

尚、中空ドラム４、受型５及び蓋板７の詳細は
第２図乃至第４図に図示するとともに後述する。

８はニギリズシ搬出装置で、立ち上げローラ９
と駆動ローラ１０間に無端帯ベルト１１が懸架さ
れている。

立ち上げローラ９の詳細は第５図Ａ，Ｂに図示
するとともに後述の作用説明中で詳述する。

１２は加湿装置で、中空ドラムにもつける。こ
の加湿装置１２は必要に応じて設けるものである
が少なくとも２本の吸湿ローラ１３，１４と水槽
１５からなり、水槽１５中の水分を加湿ローラ１
３，１４で吸い上げて、この加湿ローラ１３，１
４から中空ドラム４及び中空ドラム４のニギリ孔
１２内壁に塗湿し、中空ドラム４及びニギリ孔１
２内壁、更には受型５表面上にスシ米が付着硬化
しないように作用させる。（第１図Ａ仮想線参
照） 第２図Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ，Ｅ及び第３図Ａ，Ｂに
示す如く、中空ドラム４には放射方向に均等間隔
で所要数ニギリ孔１２が貫通穿設されている。

尚、第３図Ａ示の如くニギリ孔１２の平面形状
は角取り長方形状である。

５は受型で、この受型５は台座１６とこの台座
１６の中心軸長方向でいずれかの端面から突設さ
れたダボ１７と、台座１６上の型材１８とが一体
化されてなる。

尚、型材１８の上面はこの実施例では手のヒラ
状に内方へ曲湾している。

この受型５は中空ドラム４のスシ孔１２内で中
空ドラム４の回転に自動で揺動して上下動する様
に中空ドラム４の内方からスシ孔１２内に型材１
８方向側から遊嵌されている。

又、受型５は型材１８の頂面までの型材１８自
身の高さは、スシ孔１２の深さと略同一に設定し
てなる。

７は蓋板で、この蓋板７の内面壁にはガイド材
６が設けられ台座１６に突設されたダボ１７に当
接して、受型５の運動軌跡を、第２図Ｂの鎖線矢
示のような変形円状とする。

尚、第２図Ｂは蓋板７を裏面から見た運動軌跡
であるから 尚、このガイド材６は第４図Ｅ示の如く、中空
ドラム４内で、上面に位置するスシ孔１２の内部
での受型５頂面との間隙が大きくなり、かつ下面
に位置するスシ孔１２の内部での受型５頂面との
間隙が小さくなるように設定されている。

勿論、このような受型５の中空ドラム４内での
運動は、受型５自身の自重と中空ドラム４の回転
により行なわれるものであるが、ガイド材６によ
つて受型５のこのような運動を強制的に行なわし
めてニギリ工程を完遂させるものである。

尚、ニギリズシ搬出装置８及びニギリ機構３の
駆動装置はいずれも図示していないが、モータ等
の駆動源からの回転力を同期させてニギリズシ搬
送装置８及びニギリ装置３を間欠駆動させる又は
低速で同期連続駆動させる機構の装置であれば全
てよい。

尚、間欠駆動させる理由は、この考案の実施例
に係る自動ニギリズシ製造機は、操作者の動作を
伴う工程があるため、その操作に機械運動を律速
させるためと次工程へのニギリズシ搬出を一定間
隔で行なうためである。

このような構成からなるこの考案の一実施例に
かかる自動ニギリズシ製造機は、まずスシ米ホツ
パ１内に所要量スシ米１９を貯蔵し、しかる後第
４図Ａ示の如く、第４図Ｅで示すＡの位置でスシ
米１９を中空ドラム４のスシ孔１２内であつて受
型５の上部へ人手で供給し、次いで第４図Ｅ示の
Ｂの位置で第４図Ｂの如くこのスシ米１９を上方
から指で押えてスシ米１９を成型してニギリズシ
２０とする。成型されたニギリズシ２０は、第４
図Ｅ示のＣの位置で第４図Ｃの如く受型５の下降
力でスシ孔１２内から押し出されつつ、第４図Ｄ
の如く第４図Ｅ示のＤの位置でスシ孔１２外へ完
全に押し出されニギリズシ搬出装置８へ乗り移
る。

中空ドラム４内での受型５の運動軌跡は前述の
如く、蓋板７のガイド材６がダボ１７の運動を規
制することによつて前記の様なニギリ工程を行な
うように定められている。

中空ドラム４外へ放出されたニギリズシ２０は
ニギリズシ搬出装置８で、装置外の次工程例えば
ワサビ塗り工程および又はネタ乗せ工程へ送られ
る。このワサビ塗り又はネタ乗せは人手で行なう
のがこの考案の実施例では望ましいが、必ずしも
人手で行なうことには限定されない。

又、第５図Ａ，Ｂに示す如く、立ち上げローラ
９の装着によつて、支持ローラ９ａがハウジング
２に固着され端部ローラ９ｂとこの支持ローラ９
ａが連結されているから、第５図Ｂ仮想線の如く
支持ローラ９ａを支点として端部ローラ９ｂを立
ち上げれば、帯ベルト１１の取り付け、取り外し
に至便となる。

以上の如くこの考案に係る自動ニギリズシ製造
機は、少なくともハウジングの上部に設けられた
スシ米ホツパーと、このスシ米ホツパーの下部近
傍に装置されたニギリ機構とハウジング内部に収
納されたこのニギリ機構の駆動装置と、前記ニギ
リ機構の下方から側方へ連出するニギリズシ搬出
装置からなり、このニギリ機構が放射方向に均等
間隔で所要数ニギリ孔が肉厚部内に貫通穿設され
た中空ドラムとこのニギリ孔内にドラム内方から
摺動自在に遊嵌される受型とからなる自動ニギリ
ズシ製造機であるから、極めて小型化することが
できるとともに製造されたニギリズシは敢も人手
で製造されたような、臨場感と風味を備えるとい
う効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面はいずれもこの考案の一実施例に係る自動
ニギリズシ製造機を示し、第１図Ａは正面図、第
１図Ｂは平面図、第２図Ａは中空ドラムの斜視
図、第２図Ｂは蓋板の裏面図、第２図Ｃは中空ド
ラム内に受型を収納した状態の正面図、第２図
Ｄ，Ｅはそれぞれ受型の側面及正面斜視図、第３
図Ａは中空ドラムの縦断面図、第３図Ｂは横断面
図、第４図Ａ乃至Ｅは使用状態説明図、第５図
Ａ，Ｂは立ち上げローラの説明図である。 １……スシ米ホツパー、２……ハウジング、３
……ニギリ機構、４……中空ドラム、５……受
型、６……ガイド材、７……蓋板、８……ニギリ
ズシ搬出装置、１２……スシ孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 少なくともハウジングの上部に設けられたスシ
   米ホツパーと、このスシ米ホツパーの下部近傍に
   装置されたニギリ機構と、ハウジング内部に収納
   されたこのニギリ機構の駆動装置と、前記ニギリ
   機構の下方から側方へ連出するニギリズシ搬出装
   置からなり、このニギリ機構が放射方向に均等間
   隔で所要数ニギリ孔が肉厚部内に貫通穿設された
   中空ドラムとこのニギリ孔内にドラム内方から摺
   動自在に遊嵌される受型とからなる自動ニギリズ
   シ製造機。