JPS6113980Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は三相誘導電動機の一次重畳負荷法によ
る温度試験装置に関する。

三相誘導電動機の温度上昇を試験をする方法の
一つとして、１次巻線に定格電圧、定格周波数の
電圧と、異なつた周波数の定格電流を重畳して供
給して運転し、定格負荷に相当する鉄損、銅損、
風損等を発生させて温度試験を行なう方法があ
る。

このような温度試験を行なう従来の装置を第１
図に示す。第１図において、１は電源装置、１ａ
は3.3KV−50Hzの主電源、１ｂは3.3KV／50Hzの
重畳電源、２，６，１０，１１，１６はしや断
器、３，５は三相誘導電動機、４は直列挿入変圧
器、７ａは3.3KV−60Hzの主電源、7bは3.3KV−
60Hzの重畳電源、８，９，１５は開閉器、１２は
3.3KV−50Hz／60Hzの被試験三相誘導電動機、１
３は3.3KV／440Vの降圧用変圧器、１４は440V
−50Hz／60Hzの被試験三相誘導電動機、１７は
3.3KV／6.6KVの昇圧用変圧器、１８は6.6KV−
50Hz／60Hzの被試験三相誘導電動機である。

この様な装置において温度試験を行なう場合
は、三相誘導電動機１２，１４，１８のいずれか
に対して、その定格により以下の選択を行なう。

定格周波数による選択 定格周波数が50Hzの場合、主電源は”50Hz用
の１ａ、重畳電源は60Hz用の７ｂを選択する。
定格周波数が60Hzの場合、主電源は60Hz用の７
ａ、重畳電源は50Hz用の１ｂを選択する。

定格電圧による選択 定格電圧が3.3KVの場合、開閉器８、しや断
器１０を選択する。

定格電圧が440Vの場合、開閉器９、しや断
器１１を選択する。

定格電圧が6.6KVの場合、開閉器１５、しや
断器１６を選択する。

以上の選択において定格電圧が一割程度異なつ
ていても構わない。そして、この選択後、しや断
器２を投入、しや断器６を投入して、三相誘導電
動機３により、被試験三相誘導電動機例えば１２
の定格電圧に調整し、三相誘導電動機５により、
被試験三相誘導電動機１２の定格電流に調整す
る。

この従来の装置には下記の様な欠点があつた。

三相誘導電動機１２，１４，１８のインピー
ダンス電圧が非常に小さい場合、あるいは非常
に高い場合には、直列挿入変圧器４の巻数比及
び三相誘導電動機５の電圧調整範囲により、試
験が不可能となることがある。

周波数の異なる電圧を重畳させる為、主電源
１ａ又は７ａの電圧波形が歪み、他の受電設備
に悪影響を及ぼす。

三相誘導電動機１２，１４，１８の定格周波
数により、主電源１ａ，７ａと重畳電源１ｂ，
７ｂの周波数を選択しなければならない。

定格電圧が6.6KVの三相誘導電動機１８を試
験する場合は、昇圧用変圧器１７が必要であ
る。

本考案は下記の項目を満足させた温度試験装置
を提供することを目的とする。

三相誘導電動機のインピーダンス電圧に関係
なく試験できる。

電圧波形の歪みは他の受電設備に全く影響を
及ぼさない。

主電源及び重畳電源の選択を必要としない。

以下、本考案の一実施例について第２図及び第
３図を参照して説明する。これらの図において、
１は電源装置、１９，２１，２３，２５は軸受、
２０は3.3KV／6.6KV−50Hz−10極の同期発電
機、２２は3.3KV−50Hz−10極の同期電動機、２
４は3.3KV／6.6KV−60Hz−12極の同期発電機で
あつて、２台の同期発電機２０，２４は同期発動
機２２と直結し、両者の図示しない電機子巻線は
後述の被試験三相誘導電動機の一次巻線と直列に
接続できるようにしている。２６，２７は開閉
器、２８，２９はしや断器、３０は3.3KV／
6.6KV−50Hz／60Hzの三相誘導電動機、３１は
3.3KV／440Vの降圧用変圧器、３２は440V−50
Hz／60Hzの三相誘導電動機、３３，３４は励磁装
置である。これらの機器において定格電圧が一割
程度異なつても構わないことは従来と同様であ
る。

この装置において温度試験を行なうには次のよ
うにする。

被試験三相誘導電動機３０の定格が50Hz、
3.3KV／6.6KVの場合50Hz用の同期発電機２０
を励磁装置３３により三相誘導電動機３０の定
格電圧に調整し、開閉器２６、しや断器２８を
投入し、次に60Hz用の同期発電機２４を励磁装
置３４により、三相誘導電動機３０の定格電流
に調整する。

被試験三相誘導電動機３２の定格が50Hz、
440Vの場合上記の開閉器２６、しや断器２
８の代りに開閉器２７、しや断器２９を投入
し、降圧用変圧器３１を使用する。

被試験三相誘導電動機３２の定格が60Hz、
3.3KV／6.6KVの場合60Hz用の同期発電機２４
を励磁装置３４により三相誘導電動機３０の定
格電圧に調整し、開閉器２６、しや断器２８を
投入し、次に50Hz用の同期発電機２０を励磁装
置３３により、三相誘導電動機３０の定格電流
に調整する。

被試験三相誘導電動機３２の定格が60Hz、
440Vの場合上記の開閉器２６、しや断器２
８の代りに開閉器２７、しや断器２９を投入
し、降圧用変圧器３１を使用する。

このようにすれば6.6KV級以下の50Hzおよび60
Hz用の三相誘導電動機はすべて、昇圧用変圧を必
要とせずに２台の同期発電機により電圧負荷と電
流負荷を供給されて、一次重畳負荷法による温度
試験を行なうことができる。その他、次のような
効果がある。

同期発電機２０，２４の励磁電流を調整する
ことにより、被試験三相誘導電動機３０又は３
２のインピーダンス電圧に関係なく試験ができ
る。

主電源、重畳電源共、同期発電機を使用し、
同期発電機で重畳させる為、電圧波形の歪みは
他の受電設備に全く影響を及ぼさない。

被試験三相誘導電動機３０又は３２の定格周
波数により、主電源及び重畳電源の選択をする
煩雑さがない。

尚、本考案は上記し、かつ図面に示した実施例
のみに限定されるものではなく、例えば各同期発
電機をそれぞれ別の電動機で駆動してもよい等、
その要旨を変更しない範囲で、種々変形して実施
できることは勿論である。

以上説明したように、本考案によれば、事業家
の受電設備を直接主電源としない為、電圧波形の
歪みの影響を電源系統に与えることが全くなく、
又同期発電機の励磁を調整することにより、広範
囲の電圧調整が可能で、被試験三相誘導電動機の
定格電圧やインピーダンス電圧に制約されない広
範囲のものの試験に適し、試験の段取りも簡単で
容易な三相誘導電動機の温度試験装置が提供でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の温度試験装置を示す回路図、第
２図は本考案の温度試験装置の一実施例の電源側
回転機の配置図、第３図はその実施例を示す回路
図である。 ２０……50Hz用同期発電機、２４……60Hz用同
期発電機、３０，３２……被試験三相誘導電動
機、３３，３４……励磁装置。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 三相誘導電動機の一次重畳等価負荷法による
   温度試験装置において、電圧負荷供給用の同期
   発電機と、それと周波数を異ならせた電流負荷
   供給用の同期発電機とを備え、その両発電機の
   電機子巻線を直列に被試験三相誘導電動機の一
   次巻線に接続し、電圧負荷と電流負荷を重畳供
   給するようにしたことを特徴とする三相誘導電
   動機の温度試験装置。 (2) １台の同期発電機は3.3KV／6.6KV級50Hz用
   とし、他の１台の同期発電機は3.3KV／6.6KV
   級60Hz用とし、低圧電動機の試験用として降下
   変圧器を備えたことを特徴とする実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の三相誘導電動機の温度
   試験装置。