JPS6111271Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案の目的は丸メリヤス編機に送られる複数
本のゴム糸を一定した状態に保つて送ることによ
り編成された生地に伸縮むらの出来るのを防止し
ようとするものである。

ゴム入り丸メリヤス生地を編成する丸メリヤス
編機には複数本のゴム糸が同時に供給されている
が、このゴム糸は通常略４倍の引張り力を加えら
れてボビンに巻回されている。そして従来ではこ
の張力を加えられたゴム糸をそのまま繰り出し、
編機に送り、編針に送られる直前で必要な張力
（これは生地の目的、編幅などによる）を掛けて
編成していたものである。

しかしながら、このように張力が掛かつた状態
でボビンから直接ゴム糸を送り込むと、複数本の
ゴム糸の各々のボビンの保存状態、製造年月日な
どの差によりゴム糸の張力および縮むまでの戻り
時間に差がある為、編成された後に生地に伸縮む
らが出来、編み上がりの状態が悪くなる欠点があ
つた。本考案は、このような欠点を除き複数本の
ゴム糸を均等な状態とした後に編成することによ
り出来上つた生地が常に良好な状態となるように
する機構を加えたもので、以下その一実施例を図
面に例示した一実施例について説明する。なおゴ
ム糸とは主として、ゴム（合成ゴムを含む）にナ
イロン等の細に糸を巻回した所謂カバーリング糸
を指すが、ゴムのみを材料とする糸をも含むもの
である。

１はゴム糸を巻回したボビン、２は加温装置で
あり、ボビン１はゴム糸に引つ張り力を加えない
で巻回したものであり、通常はゴム糸に４倍程度
の張力を掛けてあるボビンから巻き直して、張力
が殆んど掛からない状態としてある。加温装置は
約20℃程度にゴム糸を加温する為の装置であり、
本実施例では密閉した箱３内に加温用の電球４を
入れているが、温風ヒータ、その他適宜の熱源に
代替出来、要するに供給される複数本のゴム糸が
巻かれたボビン１が同様に加温されれば足りるも
のである。５はゴム糸に一定の張力を与える機構
であつて、案内部６と引張り部７との間でゴム糸
を引き伸ばすもので、案内部６は一つの駆動ロー
ラ８と二つの補助ローラ９、１０とから成り、駆
動ローラ８は図示しない丸メリヤス編機のドラム
の回転力を介して回転され、チエン１１により一
方の補助ローラ１０を同時に回転し補助ローラ９
はそれらと接触して回転するものである。引張り
部７は前記駆動ローラ８に設けた大ギヤ１２とチ
エン１３を介して連動する小ギヤ１４を備えた主
ローラ１５と、主ローラと接触して回転する補助
ローラ１６とから成り、望ましくはメリヤス編機
のドラムの上部に設けられるものである。ゴム糸
１７はボビン１から解かれて加温装置２内で20℃
程度に加温されるが、この場合本実施例では前記
した電球４に接触させて箱３から送り出され、案
内部６に至り、駆動ローラ８と補助ローラ９との
接触面、および補助ローラ９、１０との接触面を
通つて吊下げローラ１８を介して引張り部７に至
り、主ローラ１５と補助ローラ１６との間を通つ
て編針に至るもので、引張り部７からは公知のよ
うにさらに強い力で張力が掛けられ編針に供給さ
れるものである。なお引張り部７の主ローラ１５
の回転は案内部６の駆動ローラ８により行われる
が、駆動ローラ８には大ギヤ１２、主ローラ１５
には小ギヤ１４が存する為主ローラ１５の回転数
がより大となり、その回転数の差により、ゴム糸
に略３倍程度の張力を与えるようにしてある。な
お引張り部７から編針に至る張力は通常3.5倍程
度である。

本考案は以上のような構造より成るので、張力
が掛からない状態で加温されたゴム糸は、張力を
掛けて巻回されていた状態で有した各々のゴム糸
の伸縮率およびその戻り時間のむらがなくなり、
より均一化された状態となり、さらに、これを一
定の張力を与える機構を通すことにより各々のゴ
ム糸に同様の張力を与えることが出来、そのよう
な状態で編成することにより、編成された生地に
伸縮むらが出来ることがなく安定した製品を得る
ことが出来るものであり、簡単な機構を付するこ
とにより優れたゴム糸入り丸メリヤス編機を得る
ことが出来るものである。

【図面の簡単な説明】

添付図面は、本考案の一実施例の略図的説明図
である。 １……ボビン、２……加温装置、５……一定の
張力を与える機構、６……案内部、７……引張り
部、１７……ゴム糸。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 張力を与えないで巻回されたボビンから送ら
   れるゴム糸を、加温装置と、一定の張力を与え
   る機構とをして編針に送るようにしたゴム糸入
   り丸メリヤス編機。 (2) 密閉された箱内に熱源を持ち、この箱内に複
   数個のボビンを入れた加温装置を備えた実用新
   案登録請求の範囲第１項記載のゴム糸入り丸メ
   リヤス編機。 (3) 一定の張力を与える機構が、複数個のローラ
   から成る案内部と同じく複数個のローラから成
   る引張り部とから成り、引張り部の回転数を大
   とすることにより、両者間を通るゴム糸に所定
   の張力を与えるようにした実用新案登録請求の
   範囲第１項記載のゴム糸入り丸メリヤス編機。