JPS6111257Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

本考案は夏物服地に関するものであり、詳しく
は活動力を倍加させる軽量性と通風性に富み、ま
た反発性を維持してしわ回復率、染色堅ろう度を
高め実用性・経済性を保証し、更に染色の鮮明度
を良好にして清涼感・シヤリ感を現出し、該鮮明
度の素晴らしさを持つて外観上の優美さを長く持
続させた今世紀最高の夏物服地を提供せんとする
ものである。 以下に、本考案の一実施例を図面と共に詳述す
る。Ｈは夏物服地の一部であり、毛糸番手72番単
糸を1m間720回左撚りした撚糸１と50デニールの
ポリエステルフイラメント糸２とを合糸して1m
間1450回左撚りした強合撚糸３を経糸Ａとし、毛
糸番手28番単糸を1m間440回左撚りした混紡毛糸
４（スーパーキツドモヘヤ60％、ウール40％）を
緯糸Ｂとする。そして、経糸Ａの縦本数を１cm間
26.8本または緯糸Ｂの打込数は１cm間18.5本とし
て織成した構成よりなる。 次に、上記構成よりなる夏物服地Ｈを目付（見
掛）、しわ回復率、染色堅ろう度汗、ドライクリ
ーニング、摩擦、耐光）の各項目につき、英国の
一流服地メーカーであるJ.F社の高級夏物服地と
比較試験した結果を下表に示す。尚、試験の方法
は、目付…JIS L1096−1979試料10×10cm４枚、
しわ回復率…JIS L1096−1979B法、染色堅ろう
度〔汗〕…JIS L0848−1978A法、同〔ドライク
リーニング〕…JIS L0860−1974、同〔摩擦〕
JIS L0849−1971形、同〔耐光〕JIS L0842−
1971準用、40標準退色時間であり、また表中〔染
色堅ろう度〕は５，４，３，２，１の順であり、
一応４までを良好とする。

【表】

【表】 この試験結果から解る通り、本考案の上記構成
よりなる服地Ｈは目付、しわ回復率、染色堅ろう
度のいずれかの点においてもJ.F社の製品より優
れていることを示す。 このように、上記構成の夏物服地Ｈは、経糸Ａ
が毛糸番手72番単糸を1m間720回左撚りした撚糸
１と50デニールのポリエステルフイラメント糸２
とを合糸して1m間1450回左撚りした強合撚糸よ
りなり、普通の糸に比べ極めて細くしかも撚り回
数を倍加して締まつたものとしたから、糸が丸味
を滞び隙間のない締まつた糸となつて服地として
軽量であるばかりか、別表に示したしわ回復率に
見られるように強度が極めて強く且つ弾性に富み
優れた反発性を保持することができ、服地にほと
んど皺を生ぜしめないものである。また、極めて
細く良く締まつた経糸Ａ，Ａ…間には適当な隙間
が生じ易く、このため空気や汗の透過性にすぐれ
夏物服地Ｈに必要な通風性に富み、しかも丸味を
滞びているから服地の強い張りとも相俟つて手で
触れた触感を極めて良好となすものである。 更に、緯糸Ｂは毛糸番手28番単糸を1m間440回
左撚りした混紡毛糸３（スーパーキツドモヘヤ60
％、ウール40％よりなり、特にスーパーキツドモ
ヘヤを使用したから、染色の鮮明度が極めて素晴
らしく清涼感に溢れ、また染色後の堅ろう度は前
記した別表に示される如く良好であり、外観上の
優美さを長期に亘り保持し続けることができるも
のである。 以上述べ如く、本考案の夏物服地は軽量優美に
して活動力を倍加することができ、また夏物服地
に要求される通風性を具備すると共に染色の鮮明
度が素晴らしいことから清涼感・シヤリ感を呈
し、夏物服地としての風合を充分満喫し得るもの
である。 更に、軽量にして反発性をも具備させたもので
あつて、経済性と実用性を保証すると共にフアツ
シヨン性が高められ、引いては健康快活な社会を
演出でき、人類の希求を満足させる等顕著な効果
を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案に係わるもので、第１図は夏物服地
の一部を示す拡大平面図、第２図は同拡大断面図
を示す。 １……撚糸、２……ポリエステルフイラメン
ト、３……強合撚糸、４……混紡毛糸、Ｈ……夏
物服地、Ａ……経糸、Ｂ……緯糸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 毛糸番手72番単糸を1m間720回左撚りした撚糸
   と50デニールのポリエステルフイラメント糸とを
   合糸して1m間1450回左撚りした強合撚糸を経糸
   とし、毛糸番手28番単糸を1m間440回左撚りした
   混紡毛糸（スーパーキツドモヘヤ60％、ウール40
   ％）を緯糸として織成したことを特徴とする夏物
   服地。