JPS6110961Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は携帯用電動工具、例えばルータやトリ
マによつて被加工材に長孔等を穿設加工（例え
ば、ほぞ穴）するためのガイド装置に係り、その
目的は該ガイド装置を被加工材に載置することに
よつて同一の穴加工を連続して能率よく行い得る
ガイド装置を提供することにある。

以下、本考案の一実施例を携帯用ルータによつ
てほぞ穴加工をする場合について図面にしたがつ
て詳述すると、図中１はガイド装置の全体を示
し、基板２は断面〓状の挾持板３と、同挾持板３
の両端部から直角水平方向に突設された平板状の
跨ぎ板４，４とから平面状に構成されており、
挾持板３の上片ほぼ中央部に所定幅の切欠が形成
されて図示左右の上片３ａ，３ｂに区画され、ま
た、両跨ぎ板４，４にはほぼ先端部に所定長さの
長孔５，５が貫設され、さらに、一方（図示左
側）の跨ぎ板４には平板状の足乗板６が一体状に
突出されている。前記挾持板３と同様に形成され
た挾持板７はその両端が前記跨ぎ板４，４の長孔
５，５内に遊嵌された蝶ねじ８，８によつて跨ぎ
板４，４に対し移動可能に締付け固止されてい
る。しかして、基板２はその跨ぎ板４，４が被加
工材Ｗの上面に載置され、対向した両挾持板３，
７が被加工材Ｗの両側面を挾持した状態で被加工
材Ｗに対し定置される。なお、両挾持板３，７の
左の上片３ａ，７ａの一端は同一線上に位置され
て第１基準部Ａ１となしており、該第１基準部Ａ
１の位置は後述する第１の調節板９が載置された
状態において該調節板９の縦片１０の内縁１０ａ
からの長さが後述するベースＭの半径より刃物体
Ｓの半径を引いた長さと等しく設定してある。

平面Ｌ状の第１調節板９はその一方の片（以
後、縦片という。）１０が前記両挾持板３，７上
に載置されるとともに取付片１１が突設されてい
て、この取付片１１に貫設された長孔１２を介し
て蝶ねじ１３，１３にて前記一方の跨ぎ板４に突
設された固定片４ａに対して図示Ｐ矢印方向（材
幅方向）へ移動可能に締付け固止されており、ま
た他方の片（以後、横片という。）１４には２本
の長孔１５ａ，１５ｂが貫設されている。しかし
て、縦片１０の表面には横片１４の内縁１４ａか
らの長さが該縦片１０の内縁１０ａから前記１基
準部Ａ１までの長さと等しい部所に指標１６が付
されて第２基準部Ａ２となしている。

平面Ｌ状の第２の調節板１７はその一方の片
（以後、縦片という。）１８が前記第１の調節板９
の縦片１０上に対して該縦片１８に貫通された長
孔１９を介して蝶ねじ２０にて図示Ｐ矢印方向へ
移動可能に締付け固定されており、また他方の片
（以後、横片という。）２１は前記第１の調節板９
の横片１４と対向されていて長孔２２が貫設され
ている。ただし、第２の調節板１７の折曲部に設
けたガイドピン２３は第１の調節板９の縦片１０
の長孔２４内に遊嵌され、第２の調節板１７の移
動を案内する。また、第２の調節板１７の縦片１
８には、横片２１の内縁２１ａからの長さが、前
記横片１４の内縁１４ａから第２基準部Ａ２まで
の長さと等しい部所に指標２５が付されて第３基
準部Ａ３となしている。

平面Ｌ状の第３の調節板２６はその一方の片
（以後、縦片という。）２７が前記基板２の挾持板
３，７上に位置されるとともに長孔２８を貫設し
たほぼ端部が前記第２の調節板１７の横片２１の
下面に直交状に位置されていて、該長孔２８内と
前記第２の調節板１７の横片２１の長孔２２内に
にはガイドピン２９が遊嵌されそれぞれの移動を
案内する。また、第３の調節板２６の他方の片
（以後、横片という。）３６は前記第１の調節板９
の横片１４下面に対し、該横片１４の一方の長孔
１５ａ内に遊嵌された蝶ねじ３１によつて図示Ｑ
矢印方向（材長方向）へ移動可能に締付け固止さ
れており、さらに第３の調節板２６の折曲部に設
けたガイドピン３２は第１の調節板９の横片１４
の他方の長孔１５ｂ内に遊嵌されて、その移動を
案内している。また、第３の調節板２６の縦片２
７上面にはほぼ中央部に第４の調節板３３が反転
可能に蝶着３３ａされ、その端面３４は該縦片２
７の内縁２７ａからの長さが前記縦片１０の内縁
１０ａから前記１基準部Ａ１までの長さと等しく
設定されて第４基準部Ａ４となしている。

しかして、第１〜第３の調節板９，１７，２６
を拡縮可能な方形枠状に組付けて枠体を形成し、
第１の調節板９の縦横片１０，１４の内縁１０
ａ，１４ａと第２の調節板１７の横片２１の内縁
２１ａと、第３の調節板２６の縦片２７の内縁２
７ａとで形成される四角形内に携帯用ルータの円
形状ベースＭが位置され、ベースＭの外周がそれ
ぞれの内縁１０ａ，１４ａ，２１ａ，２７ａに接
するようにして該ベースＭの中心部に装設された
刃物体Ｓによつてほぞ穴加工を行う。

なお、前記基板２の挾持板３の右の上片３ｂ表
面には１基準部Ａ１と第４基準部Ａ４とが同一線
上に合致した状態において、第３の調節板２６の
縦片２７の内縁２７ａが該右の上片３ｂに位置し
た部位を０として等間隔に所定の第１の目盛３５
が付され、また第１の調節板９の縦片１０表面に
は第２基準部Ａ２と第３基準部Ａ３とが合致した
状態において、第２の調節板１７の縦片１８の端
部１８ａが該縦片１０上に位置した部所位を０と
して等間隔に所定の第２の目盛３６が付されてい
る。

引続いて、上述のように構成したガイド装置１
を使用して携帯用ルータによるほぞ穴加工につい
て説明する。

さて、第１図に示すように、被加工材Ｗの上面
に加工すべきほぞ穴Ｈ寸法にケガキ線Ｌ１〜Ｌ４
をけがく。そして、基板２の跨ぎ板４，４を被加
工材Ｗの上面に載置し、その挾持板３の左の上片
３ａの１基準部Ａ１をケガキ線Ｌ１に一致させる
とともに他方の挾持板７を跨ぎ板４，４に対し移
動して被加工材Ｗの側部に当接させ蝶ねじ８，８
によつて固止する。すなわち、両挾持板３，７に
よつて基板２全体を被加工材Ｗに対して固止す
る。次に、第１の調節板９を基板２に対し矢印Ｐ
方向へ移動してその指標１６の第２基準部Ａ２を
ケガキ線Ｌ２に一致させたのち蝶ねじ１３，１３
を締付けて第１の調節板９を基板２に対して固止
する。そして、第２の調節板１７を第１の調節板
９と第３の調節板２６に対し矢印Ｐ方向へ移動し
てその指標２５の第３基準部Ａ３をケガキ線Ｌ３
に一致させたのち、蝶ねじ２０を締付けて第２の
調節板１７を第１の調節板９に対して固止する。
同様に第４の調節板３３を図示左側に回動した状
態の第３の調節板２６を矢印Ｑ方向へ移動して第
４の調節板３３の端面３４の第４基準部Ａ４をケ
ガキ線Ｌ４に一致させたのち、蝶ねじ３１を締付
けて第３の調節板２６を第１の調節板９に対して
固止するとともに、第４の調節板３３を図示右側
に反転（第１図仮想線参照）する。

すなわち、上述のようにして各基準部Ａ１〜Ａ
４をケガキ線Ｌ１〜Ｌ４に一致させると、第１〜
第３の調節板９，１７，２６で所定の四角形が形
成され、第１の調節板９の縦横片１０，１４の内
縁１０ａ，１４ａと、第２の調節板１７の横片２
１の内縁２１ａと、第３の調節板２６の縦片２７
の内縁２７ａとで形成された四角形Ｄ内の中心部
に加工すべきほぞ穴Ｈが位置される。（第１図参
照） そこで、上記の四角形Ｄ内に携帯用ルータの円
形状ベースＭが位置するように被加工材Ｗ上面に
載置し、今携帯用ルータの刃物体Ｓを加工すべき
ほぞ穴Ｈの中心部に位置させると、該刃物体Ｓ外
周とケガキ線Ｌ１〜Ｌ４及び円形状ベースＭ外周
と前記四角形Ｄを形成する各内縁１０ａ，１４
ａ，２１ａ，２７ａの関係は、刃物体Ｓ外周から
ケガキ線Ｌ１までの長さと円形状ベースＭ外周か
ら内縁１０ａまでの長さが等しく、これと対向す
る側においても等しく、また刃物体Ｓ外周からケ
ガキ線Ｌ２までの長さと円形状ベースＭ外周から
内縁１４ａまでの長さが等しく、これと対向する
側においても等しい関係になるため、円形状ベー
スＭを四角形Ｄ内において数回繰返し移動して刃
物体Ｓによつて切削を行い、最終的には円形状ベ
ースＭを第１の調節板９の縦横片１０，１４の内
縁１０ａ，１４ａと第２の調節板１７の横片２１
の内縁２１ａと、第３の調節板２６の縦片２７の
内縁２７ａに沿つて移動することによつてケガキ
線Ｌ１〜Ｌ４のとおりにほぞ穴Ｈ加工することが
できる。

なお、ほぞ穴加工中は、作業者等の足を足乗せ
台６に乗せてガイド装置１を被加工材Ｗに固止す
るものである。

以上のようにして一本の被加工材Ｗに対しほぞ
穴加工を終了したら、ガイド装置１全体を被加工
材Ｗから外すものであり、多数本の被加工材Ｗに
対し同一寸法の前述と同様のほぞ穴Ｈを加工する
場合は前述と同様に設定した第１〜第４調節板
９，１７，２６，３３をそのままの状態にして、
第１基準部Ａ１をケガキ線Ｌ１に一致させる動作
のみで、その後は前述と同様にして同一寸法のほ
ぞ穴加工を行うことができる。

また、寸法が相異する複数の被加工材Ｗに同一
寸法のほぞ穴Ｈを加工する場合には第１基準部Ａ
１をケガキ線Ｌ１に合致させかつ第２基準部Ａ２
をケガキ線Ｌ２に合致させるだけでよい。

さらに、目盛３５，３６を用いてほぞ穴Ｈを加
工する場合には、まず、第１基準部Ａ１をケガキ
線Ｌ１に合致させ、また第２基準部Ａ２をケガキ
線Ｌ２に合致させてから、第３の調節板２６を、
その縦片２７の内縁２７ａで指示される第１の目
盛３５の数値が両ケガキ線Ｌ１，Ｌ４の間隔と一
致するようにＱ方向へ移動調節し、また、第２の
調節板１７を、縦片１８の端部１８ａで指示され
る第２の目盛３６の数値が両ケガキ線Ｌ２，Ｌ３
の間隔と一致するようにＰ方向へ移動調節すると
第１〜第３の調節板９，１７，２６をそれぞれ位
置決めすることができ、この場合には直交する２
本のケガキ線Ｌ１，Ｌ２を表示するだけでよく、
また、第４の調節板３３を排除することができ
る。

なお、本例では第６図イ，ロに示すほぞ穴Ｈ
２，Ｈ３を加工することができ、第６図ロに示す
ように一辺が開口されたほぞ穴Ｈ３を加工すると
きに刃物体Ｓの移動が阻害されないように両挾持
体３のほぼ中央部付近を切欠いてある。

また、本考案は上述した実施例の他に次の技術
手段が予測できる。(イ)各板どうしの取付けを螺ね
じ以外の締付手段を用いること、(ロ)ガイド装置１
全体を被加工材Ｗに固定する手段を付加するこ
と、(ハ)携帯用ルータのほかに、他の電動工具、例
えばトリマを使用してほぞ穴を加工すること、(ニ)
携帯用ルータのベースＭを円形以外の形状、例え
ば四角状にすること、(ホ)加工する穴はほぞ穴のほ
かに単純な長孔等の穴も加工できること等であ
る。

すなわち、本考案は被加工材を挾持した状態で
被加工材に固止するために形成された基板上には
電動工具の円形状のベースの中心部に装設された
刃物体がほぞ穴の輪郭を表示するために被加工材
の材幅方向及び材長方向に沿つてけがかれた４つ
のケガキ線にそれぞれ内接して水平移動するよう
に刃物体の移動を案内するために、前記基板に対
し材幅方向への移動調節可能に締着された第１の
調節板と、この第１の調節板に対し材幅方向への
移動調節可能に締着された第２の調節板と、前記
第１の調節板に対し材長方向への移動調節可能に
締着されかつ前記第２の調節板に対し材幅方向及
び材長方向への移動調節可能に締着された第３の
調節板と、を方形枠状に組付けてなる枠体を設置
し、さらに、被加工材への前記基板の固止位置を
規定するために前記基板に設けた第１基準部と、
前記基板への前記第１の調節板の締着位置を規定
するために前記第１の調節板に設けた第２基準部
と、前記第１の調節板への前記第２の調節板の締
着位置を規定するために前記第２の調節板に設け
た第３基準部と、前記第１及び第２の調節板への
前記第３の調節板の締着位置を規定するために前
記第３の調節板に取着した第４の調節板に設けた
第４基準部とを、前記各基準部がこの各基準部に
それぞれ対応する前記各ケガキ線にそれぞれ合致
したときに前記枠体の４つの内縁からこの各内縁
にそれぞれ対向する前記各ケガキ線までの間隔が
それぞれ等長となつて、前記ベースが前記各内縁
を四辺とする四角形に内接して移動したときの前
記刃物体の外周の移動軌跡が前記各ケガキ線を四
辺とする四角形と合致するようにそれぞれ配置し
たことにより、手のみ或いは角のみ機等を用いて
被加工材に対し加工すべきほぞ穴のケガキ線をい
ちいち見ながら行なつていた従来の加工に比して
きわめて能率よくかつ簡易にしてきれいに加工す
ることができるとともに、特に多数本の被加工材
に対して同一寸法のほぞ穴加工をする場合には各
調節板により所定の四角形が形成された本考案の
装置全体を加工すべき被加工材にそのまま定置す
るのみでよく、上記した効果が顕著に発揮される
ものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図は本装置
を示す平面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線断面
図、第３図は同じくＢ−Ｂ線断面図、第４図は同
じくＣ−Ｃ線断面図、第５図は同じくＤ−Ｄ線断
面図、第６図は加工すべきほぞ穴形状の別例を示
す説明図である。 ２……基板、９……第１の調節板、１７……第
２の調節板、２６……第３の調節板、Ｈ……ほぞ
穴、Ｍ……ベース、Ｗ……被加工材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被加工材を挾持した状態で被加工材に固止する
   ために形成された基板上には電動工具の円形状の
   ベースの中心部に装設された刃物体がほぞ穴の輪
   郭を表示するために被加工材の材幅方向及び材長
   方向に沿つてけがかれた４つのケガキ線にそれぞ
   れ内接して水平移動するように刃物体の移動を案
   内するために、前記基板に対し材幅方向への移動
   調節可能に締着された第１の調節板と、この第１
   の調節板に対し材幅方向への移動調節可能に締着
   された第２の調節板と、前記第１の調節板に対し
   材長方向への移動調節可能に締着されかつ前記第
   ２の調節板に対し材幅方向及び材長方向への移動
   調節可能に締着された第３の調節板と、を方形枠
   状に組付けてなる枠体を設置し、さらに、被加工
   材への前記基板の固止位置を規定するために前記
   基板に設けた第１基準部と、前記基板への前記第
   １の調節板の締着位置を規定するために前記第１
   の調節板に設けた第２基準部と、前記第１の調節
   板への前記第２の調節板の締着位置を規定するた
   めに前記第２の調節板に設けた第３基準部と、前
   記第１及び第２の調節板への前記第３の調節板の
   締着位置を規定するために前記第３の調節板に取
   着した第４の調節板に設けた第４基準部とを、前
   記各基準部がこの各基準部にそれぞれ対応する前
   記各ケガキ線にそれぞれ合致したときに前記枠体
   の４つの内縁からこの各内縁にそれぞれ対向する
   前記各ケガキ線までの間隔がそれぞれ等長となつ
   て、前記ベースが前記各内縁を四辺とする四角形
   に内接して移動したときの前記刃物体の外周の移
   動軌跡が前記各ケガキ線を四辺とする四角形と合
   致するようにそれぞれ配置したこと特徴とする携
   帯用電動工具による穿設加工のためのガイド装
   置。