JPS60908Y2 - 生理用ナプキン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は生理用ナプキンに関するものであり、詳しくは
、経血吸収能力が大き：く、使用感の良い生理用ナプキ
ンに関するものである。

・近年、自己の重量の数十倍以上の水を吸収する性能を
有する高度吸水性樹脂が開発さ、れ、この高度吸水性樹
脂を経血吸収用材料として１用いることにより、吸血能
力が犬きく、且う全体の重量の減少をはかった生理用ナ
プキンが上書されるに至っている。

高度吸水性樹脂とは、例えば架橋されたナトリウム・カ
ルボキシメチルセルロース、澱粉アクリルニトリルグラ
フト重合物の部分加水分解物、架橋されたポリアクリル
酸塩、架橋されたポリエチレンオキシドなどであり、自
己の重量の数十倍の水を吸収する能力を有するものであ
る。

高度吸水性樹脂の血液吸収能力は、一般に水吸収能力に
比べると小さいが、自己の重量の数倍以上の血液を吸収
するものである。

これらの高度吸水性樹脂の多くはゲル状粒子或いは粉末
の形で生産される。

これらの樹脂は一般に成形加工性に乏しいので、生理ナ
プキンに応用する場合に、その製造時に、綿、パルプな
どに混合しつ）ナプキンの形とすることが考えられるが
、この方法では生産性を高くすることはむっかしい。

従って、綿、パルプなどシート成形性のある素材に対し
比較的高配合率て混合して、取扱いやすいシート状に成
形し、他のシート性材料と積層、裁断等の加工を行い、
ナプキンの形とする方法がとられる。

このような高度吸水性樹脂を含有したシート状の成形体
を、高度吸水性シートと呼ぶことにする。

高度吸水性シートと、綿、紙、パルプ等の材料を積層し
て生理用ナプキンに構成した場合、高度吸水性シートの
位置は、なるべく着用時の人体側に近い方が、その吸収
能力を効果的に発揮てき、生理用ナプキン全体の重量を
有効に小さくすることができる。

しかしながら一般に高度吸水性シートは、吸収性が大き
ければ大きいほど、吸収液体を分散滲透させる性質が小
さく、当初経血と接触した部分がいつまでも経血を含ん
た状態にあり、これが人体に触れると使用感をよくない
ものとする。

本考案はこのような高度吸水性シートを使用した生理用
ナプキンの改良に関するもので、高度吸水性シートのさ
らに人体側に、疎水性繊維集合配列体の層を設けること
により、使用感のすぐれたものとした生理用ナプキンの
構成に関するものである。

−）に疎水性繊維集合配列体とは、例えばポリエステル
、ポリアミド、ポリオレフィンなどの疎水性繊維のトウ
又はスライバーを所要の長さに裁断したものを云うので
あり、生理用ナプキンの長手方向と、繊維方向とが略一
致するように配置することによりその機能を発揮する。

この疎水性繊維集合配列体は、それ自身は経血を吸収す
る能力はないが、経血がまずこの層に供給されると、そ
れを長手方向に関して優勢に分配しつ）その下にある高
度吸水性シートに伝達する役割を果す。

そして経血が完全に高度吸収性シートと、さらにその下
側に位置する綿、紙１．Ｎ６ルプなどからなる層との間
で分配吸収される間には、疎水性繊維層には経血は殆ん
どなくなり、乾いたサラサラした感触を着用者、に与え
るとともに、高度吸水性シートからの逆滲出を防止する
役割を果す。

さらに、これらの繊維はその方向がすべて長手方向に揃
っており、しがも巾方向の拘束性が小さいのて、人体の
着装部位に対するフィツト性が良好であり、クッション
性と相まって、使用感をすぐれたものとしている。

以下に実施例をあげて本考案を説明する。

実施例 １ 高度吸水性シートと疎水性繊維集合配列体を用いた生理
用ナプキンを作製したが、その構成は第１図に示す通り
とした。

即ち、吸収材層としては、人体側からみて、疎水性繊維
集合配列体１、高度吸水性シート２、吸水紙（パルプ紙
１１枚積層）層３の順になるように・し、２及び３の側
面及び底面を、防漏材層としての防水紙（ポリエチレン
ラミネート紙）４で覆い、さらに全体を包装紙（和紙）
５で外包し、長手方向に走る接合部分を貼り合わせた。

全体の外観を第２図に示す。疎水性繊維集合配列体はカ
ット長５．Ｏｃｍ 、繊度３．１ｄのポリエステル短繊
維からなる相当繊度約４５０００ｄのスライバーを、全
体に均一な厚みを形成するように形を整え、所要の大き
さに裁断したもので、ナプキンの長手方向と繊維方向が
一致するように位置させた。

また、高度吸水材シートはナトリウム・カルボキシメチ
ルセルロース架橋物の粒子と粉砕パルプを３対７の割合
で混合してシート状とし、和紙２枚の間にサンドイッチ
状にはさんだものを用いた。

このようにして作製したナプキンの大きさは、シール部
を外した長辺１５０ｍＩｎ、短辺６５耽、総重量は６．
３ｇであった。

この生理用ナプキンについて、昭和３岬厚生省告示第１
４号にもとづく医薬部外品生理用品試験方法に準じて、
１０ｒｒＬＬコンゴーレツド水溶液の滲出性試験を行っ
た。

試験方法は次の通りである。試験方法ニ ガラス板上に拡げた濾紙の上にナプキン試料を使用面（
人体側）を上にしてのせ、その中央部（第１図の矢印の
場所）にコンゴーレッド水溶液を１分間にわたり１０７
７Ｌｔを注下し、１分間静置後、中央部に直径５０ｍｍ
、重量１ｋｐの分銅をのせ、３分以内にコンゴーレッド
水溶液の滲出が認められるかどうかを観察する。

その結果、染料水溶液は高度吸水性シート及び吸水紙の
周縁を除く部分で安定に吸収され、周囲や裏面への滲出
は全くなく、表面への逆滲出も認められなかった。

第１表に、試料ナプキンの構成部分の重量・構成化、染
料水溶液１０ｒｒＬｌの吸収倍率及び各更戊部分による
正味の吸収量を示す。

実施例 ２ 疎水性繊維集合配列体として、フィラメント繊度４．
ＯｄＸ捲縮度２０ケ／インチのポリプロピレン繊維から
なる総繊度約３００００デニールのフィラメントトウを
開繊したものを用いたほかは実施例−１と同様の方法で
ナプキンを作製し、重量６．２ｇの＊＊生理用ナプキン
を得た。

コンゴーレッド水溶液滲出試験の結果は、ナプキンの裏
面、側面への滲出は全くみられず表面への逆滲出もみら
れなかった。

実施例−１と同様の重量測定結果を第２表に示す。

実施例−１及び２において別に作成した試料を着用試験
に付したが、肌されり、クッション性、フィツト性など
すぐれたものであるとの評価を得た。

【図面の簡単な説明】

第１図に本考案の生理用ナプキンの実施例の裁断断面拡
大説明図、第２図は実施例の生理用ナプキンの斜視図で
ある。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自己の重量の１０＠以上の水を吸収しうる高度吸水性樹
   脂を含有しシート状に底形された高度吸水性シートを、
   その構成材料とする生理用ナプキンにおいて、該高度吸
   水性シートよりも人体側に位置するように、疎水性繊維
   のフィラメントトウ又はスライバーからなる疎水性繊維
   集合配列体を、その繊維方向がナプキンの長手方向と略
   一致するようにして配置して戊ることを特徴とする生理
   用ナプキン。