JPS6085503A - 鉄損劣化を抑制したラミネ−ト電磁鋼板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 技　術　分　野 一方向性けい素ｍ薄板の積層接着にょるラミネート電磁
鋼板に関連してこの明細書に述べる技術内容は、該接着
に由来する鉄損劣化の抑制を目指した開発成果に係り、
成層鉄芯の有利な組立に供することができるように改良
した上記電磁鋼板を提案するものである。

背景技術 トランス、モーターなど電気機器の鉄芯材料として使用
される一方向性けい素鋼板は、一般的にその成品板厚が
０゜２ｔｎｔｎ〜０．７闘の薄板とされ、このように成
品板厚を非常に薄くする理由は、成層鉄芯としての使用
の際における鉄損への彩管に、主として由来している。

いうまでもないが、鉄損は交流で鉄芯材料を磁化した時
における消費エネルギーで、熱として無駄に放散される
。

鉄損のかなりの部分をしめる渦流損失は、磁化過程にお
いて、鉄芯材料自身の内部に生じる渦電流に基くジュー
ル熱であり、これを小さくするには鉄芯材料自身の電気
抵抗を大きくすることが有効であって、鋼板に加工可能
な範囲でＳｉが添加されるのは、材料の固有抵抗を高め
るためであり、また上述したように成品板厚を極＜薄＜
加工するのも電気抵抗を高くするためであり、かくして
鋼板を成層して組立てた鉄芯の鉄損を少なくすることが
狙いである。

問　題　点 さてエネル′ギー価格の高騰を契機として鉄損をさらに
少なくする種々の対策が構しられ、成品板厚をより薄く
することも鉄損を下げる有効な・〒手段であることから
、最近ではその製品板厚が０・２゜闘以下の一方向性け
い素鋼板も一部で製造され始めている。

しかし上述したように一方向性けい素鋼板は、鉄芯材料
として使用する際、とくに大型トランスのような場合に
は、多数の成層屹よって組立てられるので、その成品板
厚が薄くなると切断加工工数成層組立工数が増加する。

例えば従来Ｏ，ａ＝厚の一方向性けい素鋼板を使用して
製造されていたトランス用鉄芯に０．２　ｍ板厚鋼板を
使用すると、成層鋼板の枚数は、１・５倍となり、それ
故鋼板切断加工量も１．５倍になり、また銅板の成層、
組立工数も、それに応じて増加し、トランスの製造コス
ト増となる。

ここに複数の一方向性けい素鋼薄板を予め貼り合わせる
ことが企てられたけれどもそれによるラミネート電磁鋼
板の鉄損が一般に劣化する不利が著しいため、切断加工
および成層組立て各工数の工数節減をこれにより期待す
ることができなかったのである。

発　想　の　端　緒 発明者らは、上記貼り合わせに由来する鉄損劣化の原因
についてあまた実験を行なったところ、積層の接合面に
おける接着のしかた如何で、ラミネート電磁鋼板の鉄損
に異なる挙動が生起される事実が究明され、その新規知
見に基いてこの発明の完成を導くことができた。

発　明　の　目　的 ラミネート電磁鋼板につき鉄損劣化の有効な抑制を実現
することがこの発明の目的である。

発　明　の　構　成 上記の目的は、次の事項を骨子とする仕組みにて、有利
に成就される。

複数の一方向性けい素鋼薄板の積層になり、該積層の接
合面積１ｍ２当り５ｇ以下の耐油性、溶剤型又は粉末型
樹脂接着剤による離散的な接着域をもって合体してなる
鉄損劣化を抑制したラミネート電磁鋼板。

この発明の実施は、離散的な接着域が一方向性けい素鋼
薄板の圧延方向に間隔をおく平行パターンをなすものと
して、上記鉄損劣化の抑制のみならず、さらに進んで鉄
損特性の向上を導くことができる。

ここに一方向性けい素鋼薄板を貼合わせるために使用す
る接着剤については、耐油性が良好であれば溶剤型、粉
末型の樹脂接着剤の何れでもよい。

耐油性が問題となる理由は、変圧機器の場合、油中冷却
されることが多く、それ放油と長時間接触した状態で放
置されても変質しないことを要するからである。

さて発明者らは、貼り合わせのための接着剤の量及び接
着方法を多様に変化させて、その貼合せ前後における鉄
損値の変化について調査した。

その結果の一例を第１図に示す。

この実験で、接着剤としてはエポキシ樹脂を用い、塗布
方法は、一方向性けい素鋼薄板（０，２ｍｍ厚み１以下
素板という）の圧延方向に５簡の間隔をおく横縞平行線
パターンＡ１圧延方向およびそれと直角方向に７鰭の間
隔をおくスポットパターンＢおよび全面にわたるべたパ
ターンＣについて會比較した。

第１図より以下のことが明らかである。

（１）まず接着剤の塗布量が５９７ｍ”を超えると、い
ずれの塗布パターンにあっても素板に比し、鉄損劣化が
生じて塗布量の増加に従い、より著しくなるのに反し、
５９／ｍ”以下では、鉄損劣化は比較的軽度に抑制され
る。

（２）積層の接合面につき部分的に接着剤を塗って貼合
わせる場合には、接着剤の単位面積当りの塗布量ならび
に塗布パターンの選択如何によっては、ラミネート電磁
鋼板の鉄損値を、素板の鉄損値と比較してむしろ低減さ
せ得る。

ここで塗布される接着剤の量が５　ｇｘ／ｍ２よりも多
量のとき、何れの塗布パターンにあっても鉄損が劣化し
た理由は、接着部に圧縮歪が導入され、そして接着剤の
量の増加により、その導入される歪量が増加するからで
ある。

ところが素板の圧延方向と直角方向に接着剤を線状塗布
して積層合体した平行線パターン人では接着剤の塗布量
を管理することによって）素板よりもむしろ鉄損特性が
向上しまた点状に接着剤を塗布して積層合体したスポッ
トパターンＢの場合素板とほぼ同等の鉄損値を呈してい
る。

ここに鉄損特性の向上は、接着剤が乾燥、硬化する際の
接着域におけるｉＩ５！縮力が、非接着域にて積層各素
板に張力効果を及ぼし、それによる鉄損低減効果が、接
着域に局部的に導入される圧縮歪による鉄損劣化を補っ
てあまりあるからだと考えられる。

横縞平行線パターンの間隔は５〜１５闘が好適である。

実施例１ 成品厚０．２８　ｕの一方向性けい素鋼板を素板として
所定の大きさにせん断した。

この素板の１．７テスラ、５０ヘルツ磁化時の鉄損値（
Ｗ１７１５０　）は、０．９２Ｗ／ｍ　であった。

溶剤型樹脂接着剤としてエポキシ樹脂を用いて素板の圧
延方向の間隔ａが５＋ａｍ、１０ｆｉｍ、および２０關
の横縞平行線パターンをもって、接着剤塗布量１〜９　
ｇｒ、ｈｎ２の範υ１＋　＜わたり２枚（１−１％　Ｑ
Ｃ’ｔ　ｔａ層会合体、この接着後のラミネー）Ｋ磁鋼
板につきＷ１７／’５０値を測定した。得られた結果は
第２図に示すとおりであった。

第２図より横縞平行線パターンの間隔が５〜ｌＱｍにお
いて接着剤の塗布量を５　ｇｒ／ｍ　以下としたとき、
素板に対して同等ないしはそれ以下の鉄損特性が確保さ
れ得た。

実施例２ 成品厚Ｑ、２Ｑｍｓの一方向性けい素鋼薄板を所定の大
きさにせん断した。

この素板のＷ　１７１５０　は、０．８９　Ｗ／に９　
であった。

粉末型樹脂接着剤としてのポリビニール樹脂を用いて素
板の表面にて、互いに１０Ｍ、１５ｍおよヒ２０１１１
Ｉ＋ノ間ＶＡｂをおく点状領域に１〜６ｇｒ／ｍｅにわ
たる接着剤塗布にて２枚の素板を貼合わせたラミネート
電磁鋼板につき接着後のＷ　１７１５０　値を測定した
。得られた結果は第８図に示すとおりである。

第３図より一方向性けい素・鋼薄板を、スポット状パタ
ーンにて、その点と点の間隔と、塗布量を管理して接着
剤を塗布し、積層合体すると、その条件の如何によって
素板と同等以下の鉄損特性が確保できる。

発　明　の　効　果 以上のようにこの発明によるラミネート電磁−板は、積
層合体による板厚増加に拘らず、少くとも鉄損の劣化を
伴うことなく、トラ〉スなど電気機器用鉄芯として加工
および成層組立に必要な工数を有利に低減することが可
能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、接着剤の塗布パターンを変えた場合の接着剤
の量と鉄損の関係を示すグラフ、第２図は横縞平行線パ
ターンの接着間隔を変えた場合の接着剤の量と鉄損の関
係を示すグラフ、第８図はスポットパターンの接着間隔
を変えた場合の接着剤の量と鉄損の関係を示すグラフで
ある０ 特許出願人　川崎製鉄株式会社

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １　複数の一方向性けい素鋼薄板の積層になり、該積層
   の接合面積ｉ　ｍ２当り５ｇ以下お耐油性溶剤型又は粉
   末型樹脂接着剤による離散的な接着域をもって合体して
   成る鉄損劣化を抑制したラミネート電磁鋼板。 ２−　離散的な接着域が一方向性けい素鋼薄板の圧延方
   向に間隔をおく平行パターンをなす、ｌ記載のもの。