JPS607807Y2 - 洗砂装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は沈砂洗浄装置に関する。

汚水ポンプ場や雨水ポンプ場等の沈砂池より掻揚げられ
た沈砂中には、砂と共に沈澱した汚物を含む夾雑物及び
汚水が含まれており、貯留及び搬送時において悪臭を放
つとともに汚水をしたたらせ、二次公害の原因となって
いる。

したがって、揚砂された砂を貯留に先がけて洗浄し、こ
れらの汚染物を除去することは、作業環境や周囲環境を
良好に維持する上からも望ましい。

沈砂池から揚砂された砂を洗浄する洗砂装置として、ス
クリューコンベアを用いたものがあるカ、従来のこの種
洗砂装置は、スクリューコンベアの攪拌力により砂を洗
浄すると共に、同じスクリューコンベアによりこの砂を
掻揚げて水切りを行なうものであった。

ところがこのような従来の洗砂装置では、洗浄効果を高
めるためにはスクリューコンベアの回転速度を速くして
攪拌力を大きくしなければならず、また水切り効果を高
めるためにはスクリューコンベアの回転速度を遅くして
砂を沈澱させると共に砂だけを掻揚げなければならない
という相反する２つの要求を同時に満足させる必要があ
るため、いずれか一方の効果を犠牲にするか、あるいは
バッチ運転を行なう必要があった。

本考案は上記の点に鑑み、洗浄性能および水切り性能の
双方共に優れた洗砂装置を提供するものであり、一端が
他端よりも下方に位置するように傾斜した主室を設ける
とともに、該主室の一端部上方に該主室と区画されかつ
該主室と同方向に傾斜した副室を設け、沈砂池から揚砂
された砂を副室内に投入する砂投入口を該副室の一端部
に設け、副室内に投入された砂を攪拌して洗浄する第１
のスクリューコンベアを該副室内に設け、攪拌洗浄後の
砂を主室内に投入する開口を副室の他端部に形成し、主
室内に洗浄水を供給する洗浄水供給口を該主室の他端側
に形成し、主室内における洗浄水の水位を保持しながら
該洗浄水を排出するトラフを該主室内の一端部に設け、
前記洗浄水中で沈降分離した砂を掻揚げる前記第１のス
クリューコンベアよりも回転速度の遅い第２のスクリュ
ーコンベアを主室内に設け、該第２のスクリューコンベ
アにて掻揚げられた砂を排出する砂排出口を主室の他端
部に形成したものであって、以下その一実施例を図面に
基づいて説明する。

図において、１はケースであり、該ケース１内には、一
端が他端よりも下方に位置するように傾斜した略円柱状
の主室２と、該主室２の一端部上方に位置する対の副室
３，３とが形成されており、これら主室２と各副室３と
は隔壁４によって区画されている。

前記各副室３には第１のスクリューコンベア５が設置さ
れており、該第１のスクリューコンベア５の回転軸５ａ
の一端部は前記ケース１を貫通して外部に突出している
。

前記主室２には第２のスクリューコンベア６が設置され
ており、該第２のスクリューコンベア６回転軸６ａはそ
の両端部が前記ケース１を貫通して外部に突出している
。

この第２のスクリューコンベア６の回転軸６ａには、一
端部に２個のスプロケット７．７が外嵌固着されており
、他端部は減速機付きの電動機８に連結されている。

前記各第１のスクリューコンベア５の回転軸５ａの一端
部には、前記スプロケット７よりも小径のスプロケット
９が外嵌固着されており、これらスプロケット７゜９間
にはチェーン１０が掛装されている。

前記ケース１には、前記各副室３に沈砂池から揚砂され
た砂を投入する砂投入口１１と、前記主室２の洗浄水を
供給する洗浄水供給口１２と、主室２から処理を完了し
た砂を排出する砂排出口１３とが形成されており、前記
各隔壁４には、前記副室３から主室２に砂を投入するた
めの開口１４が形成されている。

また前記主室２の一端には洗浄水を排水するためのトラ
フ１５が設けられている。

なお第１図においては、図面をわかり易くするために二
組のスプロケット７．９のうち一方を省略している。

次に動作を説明する。

電動機８を駆動すると、第２のスクリューコンベア６の
回転軸６ａが回動すると共に、該回転軸６ａの回動力が
スプロケット７、チェーン１０、およびスプロケット９
を介して第１のスクリューコンベア５の回転軸５ａに伝
達され、該回転軸５ａが回動する。

このとき、スプロケット９はスプロケット７よりも小径
であるので、第１のスクリューコンベア５は第２のスク
リューコンベア６よりも高速で回転する。

図外の沈砂池から揚砂された砂は、砂投入口１１から副
室３に投入され、高速回転する第１のスクリューコンベ
ア５によって攪拌される。

これによって砂が互いにこすり合わされ、砂に付着して
いる汚染物は砂の表面から剥離する。

この砂及び汚染物は第１のスクリューコンベア５により
隔壁４の開口１４から主室２に投入される。

主室２には洗浄水供給口１２から常時洗浄水が供給され
ており、前記砂及び汚染物のうち砂は主室２に溜まった
洗浄水１６の底部に沈降し、汚染物は洗浄水１６の水面
に浮遊する。

この汚染物はオーバーツーした洗浄水１６と共にトラフ
１５内に流入し、ケース１に形成された排水口（図示せ
ず）から排出される。

一方、洗浄水１６の底部に沈降した砂は、低速回転する
第２のスクリューコンベア５によって掻揚げられ、洗浄
水供給口１２から流下する洗浄水により最終的に洗浄さ
れた後、砂排出口１３まで移動する間に充分に水切りさ
れ、砂排出口１３から外部に排出される。

このように、高速回転する第１のスクリューコンベア５
によって攪拌し、低速回転する第２のスクリューコンベ
ア６によって掻揚げるので、砂を充分に洗浄しかつ水切
りすることができる。

また本実施例のように、第１および第２のスクリューコ
ンベア５，６を共通の電動機８によって駆動するように
すれば、電動機８の数を低減できるので安価に製作でき
る。

なお上記実施例においては、主室２の長さ方向中央部付
近から主室２内に砂及び汚染物を投入するように構成し
た例について説明したが、必ずしもこの様にする必要は
なく、例えば副室３をもつと後方に位置させて、主室２
の一端部から砂及び汚染物を主室２に投入するようにし
てもよい。

また上記実施例においては、第１のスクリューコンベア
５を２基設け、かつ第２のスクリューコンベア６を１基
設けた例について説明したが、これらの設置数はこの様
に限定されるものではなく、各種設計条件に応じて適宜
決定すればよい。

以上説明したように、本考案にかかる洗砂装置によれば
、砂を攪拌して洗浄する第１のスクリューコンベアが設
けられた副室と、この副室の下方に位置して、この副室
から投入された砂を洗浄水の作用によって沈降分離し、
かつこの沈降した砂を掻上げてその途中で水切りする第
２のスクリューコンベアが設けられた主室とを区画して
有した構成となっているため、砂の攪拌洗浄と沈降とを
各室において独立して確実に行なうことができ、しかも
第１のスクリューコンベアを高速とするとともに第２の
スクリューコンベアを低速としたため、これらの速度比
の調整だけで、副室内において効率良く攪拌できるに加
えて、主室内において安定して砂を沈殿でき、しかも砂
だけを効率良く掻上げることができ、したがって洗浄性
能および水切り性能の双方共に優れた洗砂装置を提供し
得る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図はその概略縦断
正面図、第２図は同概略平面図である。 ５・・・・・・第１のスクリューコンベア、６・・・・
・・第２のスクリューコンベア。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端が他端よりも下方に位置するように傾斜した主室を
   設けるとともに、該主室の一端部上方に該主室と区画さ
   れかつ該主室と同方向に傾斜した副室を設け、沈砂池か
   ら揚砂された砂を副室内に投入する砂投入口を該副室の
   一端部に設け、副室内に投入された砂を攪拌して洗浄す
   る第１のスクリューコンベアを該副室内に設け、攪拌洗
   浄後の砂を主室内に投入する開口を副室の他端部に形成
   し、主室内に洗浄水を供給する洗浄水供給口を該主室の
   他端側に形成し、主室内における洗浄水の水位を保持し
   ながら該洗浄水を排出するトラフを該主室内の一端部に
   設け、前記洗浄水中で沈降分離した砂を掻揚げる前記第
   １のスクリューコンベアよりも回転速度の遅い第２のス
   クリューコンベアを主室内に設け、該第２のスクリュー
   コンベアにて掻揚げられた砂を排出する砂排出口を主室
   の他端部に形成したことを特徴とする洗砂装置。