JPS606759Y2 - 直流電流計 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は被測定線に直接取付けて被測定線に流れる被
測定電流の測定が可能な直流電流計に関するものである
。

従来の電流計を使用して被測定線に流れている電流を測
定するには、被測定電流が流れる回路内に電流計を直接
挿入接続することが必要であった。

従って被測定線を切断してその切断された両端部の内部
導体を露出させこの端部の露出された導体間に電流計の
測定端子をそれぞれ接続しなくてはならぬ場合も多くそ
の測定作業が煩雑であった。

このため配線が錯綜した回路や被測定線を取はずしたり
切断して内部導体を露出させるとか難かしい回路におい
ては、その被測定線中の電流の測定を簡単に行うことは
できなかった。

例えば車両の電気配線部の点検に際しては被測定線をそ
の点検作業時ごとに端子部分から取はずす作業にはかな
りの時間が必要であり、被測定線を装着状態のままに保
持した状態で被測定線に流れる被測定電流を測定可能な
装置が望まれていた。

これに対して、被測定線を装着状態のまま保持した状態
で被測定線に流れる被測定電流が測定可能な装置が特開
昭４８−４３３７１ （可動磁石型メーターの取付装置
）して提案されている。

しかし、この提案されている装置では、指針の回動感度
即ち測定感度は調整することが出来ず一定であり、感度
調整をして測定レンジを拡大することは出来ない。

この考案はこの従来の要請に基づき被測定電流の流れて
いる被測定線に被測定電線を取はずすことなくその回路
状態のままで簡単に取付けて被測定電流を測定可能であ
り、さらにこの考案では、感度調整用の永久磁石が設け
られ、この永久磁石の位置を調整することにより、測定
感度の調整を行なうことが可能であって測定レンジを拡
大することができ広範囲の被測定電流を感度よく測定す
ることを可能な構成となっている。

この考案の直流電流計では筐体に回動自在に回動軸が保
持され、この回動軸の半径方向に対して磁極が離れて配
置された第１及び第２の永久磁石がこの回動軸に取付け
られる。

さらに筐体の外側には被測定電流が流れる被測定線の位
置決め具が配設される。

この考案においてはこの位置決め具はそこに位置された
被測定線に流れる被測定電流が作る磁界によって回動軸
に取付けられた第１及び第２の永久磁石に対して回動軸
を中心とするトルクが与えられるような方向に配設され
る。

又筐体に回動自在に取付けられた回動軸には指針が取付
けられこの指針の回動を指示する指示板が設けられ、第
１の永久磁石は回動軸に固定され、第２の永久磁石は第
１の永久磁石と指示板間において回動軸上に摺動自在に
取付けられている。

以下この考案の直流電流計をその実施例に基づき図面を
使用して詳細に説明する。

第１図Ａ、 Ｂはこの考案の直流電流計の実施例の構成
を示す図、第３図はその要部の構成を示す図で一端面が
閉塞面とされたほぼ円筒状の筐体１１が設けられ、この
筺体１１に対して回動自在に回動軸１２が保持される。

即ち筐体１１の内部においてその閉塞面１３にほぼＬ字
型の支持具１４がポルト１５−１．１５−２によって取
付は固定される。

この支持具１４の筐体１１の閉塞面１３上に固定された
面に軸受１６が形成され、この軸受１６に回動軸１２の
端部に設けた軸受接触部が挿入され、回動軸１２はこの
軸受１６で支持されて回動自在に取付けられる。

この回動軸１２にほぼ惰円板状の永久磁石１７−１．１
７−２が取付けられる。

即ち第１図の実施例は２個の永久磁石１７−１．１７−
２を取付けた場合で第１の永久磁石１７−１が回動軸１
２上の筐体１１の閉塞面１３に近く回動軸１２上に固定
して配設される。

この際第１の永久磁石１７−１のＮ極及びＳ極は回動軸
１２の半径方向に離れた位置に配設されるようにする。

即ち実施例においては第１の永久磁石１７−１は回動軸
１２にほぼ直角にその磁極が第１図Ａの紙面に垂直方向
に対して一般に角度θだけ傾けて取付けられ、そのＮ極
が紙面の上方に位置するように配設される。

第２の永久磁石１７−２は回動軸１２上で筐体１１の閉
塞面１３とは反対側に位置して取付けられる。

この第２の永久磁石１７−２は回動軸１，２上を摺動可
能に回動軸１２に取付けられ、回動軸１２上で第１の永
久磁石１７−１との距離を所望値に設定可能でその位置
において回動軸１２に固定できるような構成となってい
る。

この第２の永久磁石１７−２もその回動軸１２上におい
て位置が定められると回動軸１２にほぼ直角に第１図Ａ
において紙面に垂直方向に対して一般に角度θだけ傾け
て紙面の上方にＮ極が下方にＳ極が回動軸１２の半径方
向に離れて位置するように配設される。

筐体１１の閉塞面１３の筐体１１の外側に回動軸１２に
直角で第１図Ａの紙面に平行に閉塞面１３に沿って被測
定線の位置決め具１８が設けられる。

この位置決め具１８は断面がほぼＵ字形状をなし被測定
電流が流れる被測定線２１をこのＵ字形状部で挾持して
位置決めする。

この位置決め具１８に位置決め挾持された被測定線２１
に流れる直流電流により例えば回動軸１２部分において
は、第１図Ａで紙面を裏面から表面方向に磁界Ｈが発生
するように被測定線２１が位置決め具１８に挾持される
。

即ち第１図Ａに示す実施例では位置決め具１８の第１の
端部１９から第２の端部２０方向へ電流が流れる方向に
被測定線２１が位置決めされた場合である。

回動軸１２の筺体１１の開放面側近くで回動軸１２の一
部が一体的に取出されて支持具１４と反対方向に直角に
延長され、さらに回動軸１２に平行に折り曲げられ先端
部分が回動軸１２に直角に延長されて指針２２が形成さ
れる。

回動軸１２の閉塞面１３と反対側の端部には軸受接触部
が形成され、支持具１４が筐体１１の内部方向に折り曲
げられた取付部２８に形成された軸受２６でこの軸受接
触部が軸支される。

前述のように回動軸１２の閉塞面１３側の端部が軸受１
６で軸支されているので回動軸１２は筐体１１に対ちて
回動自在であり、この回動軸１２が軸心の廻りに回動す
るとその端部に形成された指針２２が回動軸１２に垂直
な面上を回動軸１２を中心に回転するように構成される
。

筐体１１の開放面側で指針２２の近傍に支持具１４に固
定されて指示板２３が回動軸１２に直角に取付けられる
。

この場合被測定電流が零の状態で指針２２が指示板２３
のほぼ中央部に位置するように開口２７を通して指針２
２を筐体１１の外側に取付ける。

さらに筐体１１の開放面側を被うようにしてガラスなど
の透明蓋体２４が筐体１１に取付けられている。

又この実施例においては、はぼコ字形の板状磁性体で形
成された調整片２５が、その互にほぼ平行なコ字形脚部
２５−１．２５−２を筐体１１の閉塞面１３方向に向け
て指示板２３の近傍で取付部２８に固定支持される。

この調整片２５の互にほぼ平行なコ字形脚部２５−１．
２５−２は手動操作によりその間隔が必要に応じて微調
整可能な構造になっている。

この調整片２５のコ字形脚部２５−１．２５−２の間隔
を変化させると、第２の永久磁石１７−２と調整片２５
間の距離を変化させて第２の永久磁石１７−２と調整片
２５間に働く静磁気力を調整することができる。

このような構成を有するので、この考案の直流電流計に
おいては第１及び第２の永久磁石１７−１．１７−２を
軸上に取付け、さらに一つの端部に近く指針２２を一体
的に形成した回動軸１２の両端部を支持具１４の軸受１
６，２６間に軸支し、この支持具１４を筐体１１内に組
み込み簡単に組み立てることができる。

以上に説明した構成のこの考案の直流電流計を使用して
の被測定線２１に流れている被測定直流電流の測定は次
のように行われる。

例えは被測定線２１に流れる直流電流の方向が位置決め
具１８の第１の端部１９から第２の端部２０方向へ向う
ように位置決め具１８によって被測定線２１を位置ぎめ
した場合を説明する。

このように被測定線２１を位置ぎめすると被測定電流に
よって被測定線２１の廻りに同心円状に磁界Ｈが発生す
る。

この磁界Ｈは回動軸１２上では第１図Ａで紙面を裏面か
ら表面に貫く方向となる。

従ってこの磁界Ｈ方向に永久磁石１７−１及び１７−２
が偏向するようにこの永久磁石１７−１．１７−２には
回動軸１２の廻りにトルクが与えられる。

第２図に示すように被測定電流の値を■。

、被測定線２１の中心から回動軸１２上の永久磁石１７
−１．１７−２までの距離をそれぞれｒｌ、ｒ２とする
と、回動軸１２上の永久磁石１７−１．１７−２の位置
における磁界Ｈの値Ｈ□、Ｈ２はそれぞれ で与えられる。

この磁界によって、第１第２の永久磁石１７−１．１７
−２の磁極の強さをｍｌ、 ｍ２、回動軸１２から磁極
までの距離をそれぞれｌ、、 １２とすると、第１、第
２の永久磁石１７−１．１７−２に対して回動軸１２の
廻りに与えられるトルクＴ１．Ｔ２は となる。

従ってこの場合にはこの考案の直流電流計の表示板２３
側から見て時計廻り方向に指針２２が回転することにな
る。

もし被測定線２１に流れる直流電流の方向が位置決め具
１８の第２の端部２０から第１の端部１９に向うように
被測定線２１が位置決め具１８に取付けられると、指示
板２３側から見て逆時計廻り方向に指針２２が回転する
。

又第２の永久磁石１７−２を回動軸１２上を摺動させて
第１の永久磁石１７−１に近づければ、第２の永久磁石
１７−２に磁界Ｈ２により与えられるトルクが増大する
。

第１及び第２の永久磁石は磁極配列が前述のように同一
方向に設定されているので、この第２の永久磁石の回動
軸１２上の位置を変化させることによって、第１及び第
２の永久磁石１７−１．１７−２によって回動軸１２全
体に与えられるトルクを増加させもしくは減少させるこ
とによって指針２２の感度を調整することが可能である
。

このように回動軸１２に固定配設された第１及び第２の
永久磁石１７−１．１７−２に対してそれぞれ被測定線
２１を流れる被測定電流Ｉ。

に比例したトルクが与えられる。

従って被測定電流Ｉ。

が零の状態で調整片２５との間の静磁気力により指針２
２が零を指す方向に静止していた第１及び第２の永久磁
石１７−１．１７−２に働くこれらのトルクによって回
動軸１２が所定角度回動するので回動軸１２の端部に固
定された指針２２は被測定電流Ｉ。

に対応した角度だけ回動軸１２を中心に回転する。

指示板２３上にほぼその中央部に零位置を目盛り左右方
向に被測定電流Ｉ。

に対応した回転角に応じて電流値目盛の表示を施してお
けば、被測定電流Ｉ。

を指示板２３上の指針２２の指示でその方向と共に読取
ることができる。

又指示板２３に第２の永久磁石１７−２の回動軸１２上
の移動位置に対応した複数種の目盛を同心状に付してお
き、指針２２の永久磁石１７−２の移動位置に対応する
各感度に応じた複数種の表示を行わせることもできる。

被測定直流電流が存在しない状態では第１及び第２の永
久磁石１７−１．１７−２と調整片２５間の静磁気力に
より、これら永久磁石は所定角度で静止し、指針２２は
零位置を指すように設定されている。

通常は指針の零指示状態で永久磁石はほぼ水平位置を保
持するように設定される。

指針２２の例えば零点の較正などの微調整を行うには調
整片２５のコ字形脚部２５−１．２５−２間をわずかに
広めもしくは狭める。

このように調整すると調整片２５のコ字形脚部２５−１
．２５−２と第２の永久磁石１７−２の磁極間の相互距
離が変化する。

この相互距離の変化によって第２の永久磁石１７−２と
調整片２５間の静磁気力が変化するので第２の永久磁石
１７−２に回動軸１２の廻りにわずかのトルクを発生さ
せ、このトルクによって指針２２が微少回転して指針２
２の微調整が行われる。

以上詳細に説明したようにこの考案の直流電流計は被測
定電流が流れている被測定線にそのまま簡単に取付ける
ことにより被測定直流電流の方向とその電流値を直ちに
測定することができる。

従って被測定線を回路から取はずしたり切断したりする
必要がなく、操作が極めて安全簡単で迅速正確な測定が
実現できる。

又、この考案の直流電流計では感度調整用の永久磁石が
設けられており、この永久磁石の摺動調整によって測定
感度の調整を行なって測定レンジを拡大した測定を行な
うことが可能である。

このためこの考案の直流電流計は例えば車両の電気配線
部の保守点検に使用して極めて便利である。

なおこの考案の形態は実施例に示したものに限ることな
く、例えば被測定線の位置決め具は被測定線サイズに合
せて各種の異なる直径の被測定線の位置決めが可能なよ
うに保持寸法の異なるものを複数個設けることもできる
。

又その取付位置も実施例に限らず筐体に対して使用に便
利なように他の位置に取付けることが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａはこの考案の直流電流計の実施例上面切断図、
第１図Ｂはこの考案の直流電流計の実施例の正面図、第
２図はこの考案の作動原理を示す図、第３図はこの考案
の直流電流計の実施例の要部の構成を示す切開斜視図で
ある。 １１・・・・・・筐体、１２・・・・・・回動軸、１７
−１・・・・・・第１の永久磁石、１７−２・・・・・
・第２の永久磁石、１８・・・・・・位置決め具、２１
・・・・・・被測定線、２２・・・・・・指針、２３・
・・・・・指示板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筐体と、この筐体内において前記筐体に対して回動自在
   に保持された回動軸と、この回動軸の一端に取付けられ
   た指針と、この指針の近傍において前記筐体に固定して
   取付けられ、前記指針の回動を指示する指示板と、前記
   回動軸の半径方向にその磁極が離れて配設されて前記回
   動軸に取付けられた第１の永久磁石と、前記回動軸上で
   前記第１の永久磁石と前記指示板間に前記第１の永久磁
   石にほぼ平行に取付けられ、前記回動軸上での位置を変
   化可能な第２の永久磁石と、被測定電流が流される被測
   定線を、その被測定電流が作る磁界により前記第１及び
   第２の永久磁石に対して前記回動軸を中心とするトルク
   を与えるように位置決めする前記筐体の外側に取付けら
   れた前記被測定線の位置決め具と、磁性体よりなり、前
   記指示板に対して固定され、この固定部から互に対向す
   る脚部が前記回動軸を挟んでこれに平行に突出配設され
   、前記脚部の対向間隔が調整可能に形成された調整片と
   を具備する直流電流計。