JPS6051932B2 - 薄板製造装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は薄板製造装置に係り、特に、回転あるいは移動
する冷却体にノズルから溶湯を吹き出し、直接的に薄板
状の製品を得る薄板製造装置に関するものである。

従来より、回転するドラムにノズルにより溶湯を吹き出
し、直接薄板材を製造する装置が知られている。

この種の装置は回転するドラムの上部側に溶湯保持炉を
設け、これに先端先細りの一体型の吹き出しノズルをセ
ットして溶湯の静圧及び保持炉内のガス圧を調圧して前
記ノズルにより、溶湯を流下させるごとく吹き出す構造
を採用していた。しかし、このような構造を採用すると
下記のような欠点があつた。

即ち、ノズル先端部は溶湯が毎秒数メートルの高速で流
れるため、短時間で消耗するがノズルには溶湯がつまつ
ており、かつ、保持炉内の溶湯と連続しているため、ノ
ズルの交換ができない。

従つて、連続で１時間程度生湯する場合は始めと終了時
の製品に板厚は２倍程度異なり、製品の品質低下を来た
す結果となつた。また、一体型のノズルを用いているた
め消耗費が増大し、不経済であつた。

本発明の目的は均一な板厚の製品が得られ、ノズルの交
換が極めて容易な薄板製造装置を得るにある。

本発明によれば上記の目的は溶湯保持炉内に溶湯と接触
し、浸漬された中間ノズルと生湯時のみ溶湯が通過し、
回転するドラム状冷却体に溶湯を吹き出す別個の吹き出
しノズルを組合わせることによつて構成される。

以下、図面に示す実施例と共に本発明の詳細を説明する
。

第１図は本発明の一実施例を説明するもので、’図にお
いて、符号１で示すものは冷却ドラムで、この冷却ドラ
ム１はモータ２によつて駆動される軸３を介して所定速
度で回転される。

冷却ドラム１の下方には炉４が配置されている。

炉４の上端開口部はカバー５によつて封じら、れており
、このカバー５の中央部には中間ノズル６が垂直に配置
されている。この中間ノズル６の下端は炉４内の溶湯７
中に浸漬されており、その上端はカバー５の外側におい
て押え８によつて固定されている。炉４の溶湯７の上部
は気圧室９となつている。そして、中間ノズル６の上端
にはノズル１０が接続され、前記中間ノズル６と共に押
え８によつて着脱可能に取付けられている。ノズル１０
の周囲はシールカバー１１によつて覆われ、このシール
カバー１１内にはバイブ１２を介して酸化防止用の不活
性ガスが供給される。冷却ドラム１の周囲には所定角度
範囲にわたつて同心状にカバー１３が設けられており、
このカバー１３内にもバイブ１４を介して酸化防止用の
不活性ガスが供給される。冷却ドラム１に吹き付けられ
た溶湯によつて形成される薄板１５の厚みはスプリング
１６によつて押付けられるローラ１７によつて規制され
、このローラ１７の位置は位置センサ１８によつて検出
される。薄板１５は巻取機１９によつてコイル状に巻き
取られる。

巻取機１９はブラケット２０に回転自在に軸承されたほ
ぼＬ字状のアーム２１の一端に回転自在に軸承されてお
り、かつ、モータ２２によつて駆動される軸２３を介し
て回転される。アーム２１の他端はブラケット２４に軸
承されたシリンダ２５のロッドの先端に軸承され、シリ
ンダ２５を作動させることにより巻取機１９を冷却ドラ
ム１から遠ざけて製品の取外しを行うことができる。炉
４の気圧室９は配管２６を介して気圧シリンダ２７を連
絡されている。気圧シリンダ２７のピストン２８のロッ
ド２９の一端は油圧シリンダ３０のピストンに連絡され
ており、ロッド２９の途中にはスプリング３１によつて
両側から支持され．た制御板３２が固定されている。こ
の機構は気圧シリンダ２７および油圧シリンダ３０から
なる駆動系のはね定数を高め、高応答の気圧制御を行う
ための機構である。油圧シリンダ３０のヘッド側および
ロッド側の室はサーボバルブ３３に連結さ一れ、サーボ
バルブ３３はポンプ３４および、タンク３５に接続され
ている。そしてサーボバルブ３３は前記位置センサ１８
に電気的に接続されており、薄板１５の肉厚の変化に応
じて作動され、油圧シリンダ３０、気圧シリンダ２７を
介して気圧４室９内の圧力を調整し、常に一定の量の溶
湯が中間ノズル６、ノズル１０を介して冷却ドラム１に
供給され、一定の肉厚となるように調整することができ
る。気圧室９内に供給されるのは不活性ガスで、このガ
スが不足した場合にはポンプ３６が作動し、バルブ３７
、絞り弁３８を介して配管２６から供給される。

なお、前記制御板３２を支持するフレーム３９および気
圧シリンダ２７は架台４０上に固定されている。

一方、溶湯７の温度は温度センサ４１によつて検出され
、その出力が電源４２中に供給され、制フ御された電流
が導線４３を介して炉４のヒータ４４に供給され、溶湯
７の温度を一定に保つ。

ところで、符号４５で示すものは溶湯７を供給する鍋で
、その上端はカバー４６によつて閉塞されており、この
カバー４６を介して昇降自在な弁−４７が設けられ、こ
の弁４７を昇降させることによりノズル４８を開閉し、
炉４に連結されている樋４９へ溶湯を供給する。樋４９
の外側にはヒータ５０が装着され、前記電減４２によつ
て電流を供給される。ノズル４８の周囲にはシールカバ
ーＪ５ｌが配置され、酸化を防止している。他方、前記
炉４の底板には残存溶湯を配出するための排出口５２が
設けられており、この排出口５２はシリンダ５３によつ
て移動されるスライディングノズル５〜によつて開閉さ
れ、箱５５中に排出される。

本実施例は以上のように構成されているため、均一な肉
厚の薄板１５を製造することがてきると共に、ノズル１
０が摩耗した楊合には押え８を外すことによつてノズル
１０を容易に交換することができる。

なお、上記実施例においてはノズル下置き式の装置につ
いてのみ説明したが、第２図に示すようにノズル上置き
式の場合にもほぼ同様に適用することができる。

第２図に示すノズル上置式の場合には炉４の気圧室９内
は配管２６を介して真空源にも連絡てきるように構成さ
れ、中間ノズル６内の液面５６は気圧室９内を負圧にし
ておけば中間ノズル５６内に引つ込ませることができ、
溶湯の流出を防止することができる。

以上の説明から明らかなように、本発明によれば、溶湯
保持炉内に溶湯と接触し、浸漬された中間ノズルと注湯
時のみ溶湯が通過し、回転するドラム状冷却体に溶湯を
吹き出す別個の吹き出しノズルを組み合わせた構成とさ
れているため、均一な板厚の製品が得られ、ノズルの交
換が極めて容易な薄板製造装置を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を説明する縦断側面図、第２
図は本発明の他の実施例の要部拡大断面図である。 １・・・・・冷却ドラム、４・・・・・・炉、６・・・
・・中間ノズル、７・・・・・溶湯、８・・・・・・押
え、９・・・・・気圧室、１０・・・・・・ノズル、１
５・・・・・・薄板、２７・・・・・・気圧シリンダ、
３０・・・・・・油圧シリンダ、３３・・・・・・サー
ボバルブ、４５・・・・・・鍋、４９・・・・・・樋。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ノズルより溶湯を吹き出し、この溶湯を回転あるい
   は移動する冷却体で冷却し、直接薄板を製造する薄板製
   造装置において、前記溶湯を吹き出すノズルを炉内に一
   端を位置させ、かつ、湯中に浸漬させた状態にある中間
   ノズルと、この中間ノズルに着脱可能に接続されたノズ
   ルとから構成したことを特徴とする薄板製造装置。 ２ 炉内の気圧室内の圧力を調節することにより溶湯の
   吹き出し量を調節し得るようにしたことを特徴とする特
   許請求の範囲第１項記載の薄板製造装置。