JPS604877Y2

JPS604877Y2 - 潜水船傾斜修正装置

Info

Publication number: JPS604877Y2
Application number: JP8388678U
Authority: JP
Inventors: 明寺田
Original assignee: 三菱重工業株式会社
Priority date: 1978-06-19
Filing date: 1978-06-19
Publication date: 1985-02-13
Also published as: JPS54183896U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、深海潜水船あるいは水中作業用無人潜水船等
の船体の傾斜修正装置に関する。

従来の潜水船は、水中で船体が水平にあるとき、浮力の
中心（以下Ｂ点と称する。

）と重力の中心（以下Ｇ点と称する。

）が同一垂直線上にあるように設計し、船内で物体が船
首方向に動きＧ点が船首方向に移動するとき、Ｂ点がＧ
点まわりに回動しＧ点と同一垂直線上に来るまで船首を
下げて傾斜するように、安全上Ｂ点はＧ点より常に上に
位置させている。

このため、従来の潜水船は前後にある釣合タンクの水を
前後に移動させたり、固体バラストを前後に移動させて
、前後傾斜を修正している。

しかし、この方法による船体の傾斜は５度が限度で、４
０〜５０度という大傾斜をとることは不可能であり、潜
航深度の増大に伴う大深度への迅速な潜水又は大深度か
ら急速に浮上することは出来なかった。

このため、従来の潜水船では操舵翼等を設け、その操舵
により急速潜水、浮上の補助としているが操舵機構に初
期投資を要すること、潜水船の構造が複雑になり、又は
形状が制限をうけその操舵操作に熟練を要する等の欠点
がある他、流体の動圧による操舵翼制御では迅速性に欠
ける他、航行中の抵抗が増大し速度が減少するという欠
点があった。

本考案は、このような問題点を解決しようとするもので
、潜航深度が近年増大している深海潜水船が浅海潜水船
のように船内に諸装置を搭載しているのと異なり乗組員
室以外の諸装置を本漬は状態で装備し、浮力の欠乏を比
重１以下の浮力材を装備して補っている点に着目し、浮
力材を船首尾方向に移動させて船体を大傾斜させ、潜水
船の前進推進力を利用して大深度に迅速に潜水したり、
大深度から急速に浮上する要求に応えうる潜水船傾斜修
正装置を提供することを目的とする。

このため本考案の潜水船傾斜修正装置は船内に浮力材を
配設し浮力制御を行うようにした潜水船において、該船
内の区画された画室内に配設された軌条と、該軌条に沿
って移動可能に設けられた浮力材と、該浮力材に一端が
連結され他端が画室隔壁を介して船内に設けられた駆動
装置に連結され該駆動装置によって浮力材を軌条に沿っ
て移動するようにした移動装置とからなることを特徴と
している。

以下、図面により本考案の実施例について説明すると、
第１図は本考案の潜水船傾斜修正装置を装備した潜水船
で第２図、３図は第１図矢視Ａ−Ａの横断面を示す図で
、第２図は浮力材が１個の場合を示し、第３図に両舷に
２分割した場合を示す。

第４図はローラの詳細を示す図である。２１は潜水船、
１は潜水船内に設けられた乗組員の船室、２は推進又は
船内に給電するための電池、３は補助タンク、５は配電
盤、６は推進モーターである。

潜水船２１は船室１以外は通水性の外板で構成されてお
りその内部を適宜隔壁で区画されておりその一区画の画
室２０内に樹脂等に硝子又は金属の球を混入した浮力材
４が収納されている。

浮力材４はその上、下および側部にローラ９、補助ロー
ラ１１が設けられ、これらのローラを介して画室２０に
船首尾方向に敷設された軌条１０上を走行し、かつ前後
左右の動きを規制するようにしている。

なお、ローラを用いる代りに軌条１０を挾持した状態で
船首尾方向に摺動移行するようにしても良い。

また、浮力材は前記の材料に限定されることなく、単に
鋼板を溶接して水密の筐体となしたものでもよく、その
配置する位置は、船体が水平姿勢にあるとき、そのＢ点
がＧ点と同一垂直線上にあることが望ましいが必ずしも
一致させ又船体の中心に配置する必要はない。

さらに浮力材は単一体である必要はなく第３図に示すよ
うに二律としても良く画室２０の形状又は船体の重量を
考慮して任意の個数に分割し任意の形状にして取付ける
ようにして良い。

浮力材４の前後端には、その前後移動を行うために船内
の隔壁２２に設置された油圧ピストン８の一端が連結さ
れており、船内に設けられた油圧発生機７の油圧によっ
て軌条１０に沿って船首尾方向に移動出来るようになっ
ている。

駆動装置は油圧発生機７、油圧ピストン８の他に公知の
電動機等でも良くさらに、移動装置は前記の油圧ピスト
ンに限定されるものではなくチェイン、ワイヤー又は螺
等の公知のものを使用するようにしても良い。

本考案の潜水船傾斜修正装置は上述のように構成される
ので、水中では浮力材４に浮力が働き上方に押上げられ
浮力材４の上部にあるローラー９が軌条１０に圧着され
、また母船甲板上に潜水船が引上げられた状態では浮力
材の重さで下部ローラーが軌条に圧迫される。

またローラーには小さい補助ローラー１１がついていて
左右の移動を止めることができ、浮力材４の上下、左、
右の動きを規制しながら浮力材４の前後の油圧ピストン
９の出入で浮力材４を前後に移動し、その移動に伴って
船体が傾斜することが出来るとともに所要の傾斜のとこ
ろでピストンへの送油を止めれば船体は任意傾斜に保持
することが出来る。

以上、詳述したように本考案の潜水船傾斜修正装置は潜
水船の前後傾斜修正に従来のＧ点の移動の代りにＢ点を
移動させるようにしたので、浮力材を移動させる軌条と
移動装置を設けるだけの簡素な構成で、浮力材の量が大
きい大深度潜水船ではその移動量は僅少で大傾斜が容易
に発生できるとともに、大傾斜で潜水、浮上する際でも
水平舵のままで航走出来るので舵の抵抗で速力が減少す
ることもなく迅速に大深度へ潜水又は浮上することがで
きる。

さらに、潜水船の前後傾斜修正は、従来の装置では潜水
船の前後にある小容量の釣合タンク内の水の重量を前後
に移動させて傾斜モーメントを得る装置に比べて、大量
の浮力材を移動させて傾斜モーメントを得る本考案の装
置は、浮力材の浮力が大きいため所定の傾斜モーメント
を与える作用力が大きくなり浮力材の移動量は僅かです
むことになるので、浮力材の前後に浮力材移動用の油圧
ピストンを１個づつ取付けた簡単な装置だけで潜水船の
大傾斜を発生させることができ、従来の釣合タンク方式
より著しく簡単、安価に建造することができる利点もあ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の潜水船傾斜修正装置を備えた潜水船、
第２図、第３図は第１図の矢視Ａ−Ａを示す横断面図で
第２図は浮力材が１個の場合を示す図、第３図は浮力材
が２個の場合を示す図、第４図はローラの詳細を示す図
である。１・・・船室、２・・・電池、３・・・補助タンク、４
・・・浮力材、５・・・配電盤、６・・・推進モータ、
７・・・油圧発生機、８・・・油圧ピストン、９・・・
ローラ、１０・・・軌条、１１・・・補助ローラ、２０
・・・画室、２１・・・潜水船、２２・・・隔壁。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

船内に浮力材を配設し浮力制御を行うようにした潜水船
において、該船内の区画された画室内に配設された軌条
と該軌条に沿って移動可能に設けられた浮力材と、該浮
力材に一端が連結され他端が画室隔壁を介して船内に設
けられた駆動装置に連結され該駆動装置によって浮力材
を軌条に沿って移動するようにした移動装置とからなる
ことを特徴とする潜水船傾斜修正装置。