JPS6045756B2 - 点火装置の診断用プロ−ブ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は内燃機関などの点火装置において、高 電圧
が印加される高圧回路における配電部と放電部の異常な
どを検査するための点火装置の診断用プローブに関する
。

高電圧点火法における内燃機関等の点火装置は、高圧
磁石発電機式と蓄電地式とがある。

後者を代表的に説明すれば一般的に高電圧発生装置とし
ての点火コイルの二次コイル、コイルコード、配電部と
しての分配器、プラグコード、および放電部としての点
火栓などから成る。そして後者は数＋ＫＶの高電圧が印
加される高圧回路を有し、エンジン稼動時に点火コイル
から発生される負の数一トＫＶの高電圧を該高圧回路を
通して点火栓に火花を発生せしめて、エンジンシリンダ
内の混合気体を着火、燃焼せしめたるための重要な作用
を果たしている。従つて、前記高圧回路は常に正常に維
持されている必要があり、該高圧回路に異常が在るとエ
ンジンに対して失火などを起こす原因ともなり、エンジ
ンに対して極めて重大な損傷を与えることなる。従来こ
れら高圧回路の検査手段ノは、該高圧回路から該高圧回
路の構成要素となつている分配器やプラグコードあるい
は点火栓などをエンジン外に取り外して、サーキットテ
スターなどにより、その導通状態を測定したり、あるい
は作業者の目視などにより、その損傷状態などを検査し
ていた。しかし、前記高圧回路はエンジン稼動時に高電
圧が印加されることから、該高圧回路の検査は、エンジ
ン稼動中あるいは、該高圧回路に高電圧を供給して検査
されることが望ましい。

すなわち、該高圧回路の微妙な異常、例えば高電圧を通
電するコイルコードが、プラグコードの一部に微小なキ
ズが存在すると、該コードに高電圧を供給した場にエン
ジンのボディなどに漏電を生じる。これらの高圧回路の
異常は従来の検査手段では達成されない。本発明にかか
る問題点を解消せんとするもので、高圧回路における配
電部と放電部の異常状態を即ち点火栓の絶縁抵抗や放電
電圧、コードリーク、コード抵抗等を効率良く確実に検
出して診断し得る点火装置の診断用プローブを提供する
ことを目的とするものである。

本発明の点火装置の診断用プローブは、低電圧電源に接
続され点火コイルと断続器から成る高電圧発生装置より
発生される高電圧を配電部より放電部に印加して該放電
部に放電火花を発生させる点火装置における前記配電部
と放電部との間に介接するものであつて、該配電部と放
電部に印加する高電圧を電気的出力信号に変換し該出力
信号を−電気的手段により所定の基準値と比較すること
により前記配電部と放電部の異常状態を診断する点火装
置の診断用プローブにおいて、絶縁材よりなるケース本
体に、一端を配電部に他端を放電部に対しそれぞれ脱着
自在に介接すべ．く接続部を設け、かつ該接続部にはケ
ース本体に絶縁部に内装した第１の電気素子を介在させ
、該配電部と第１の電気素子間の接続部にはケース本体
に絶縁的に内装した第２の電気素子の一端に接続し、該
第２の電気素子の他端はケース本体より３外部に導出す
る導通線に接続するように構成してなるものである。

上記第１および第２の電気素子は、必要に応じて電気的
出力信号を阻止または伝達する機能を有し、かつ高耐電
圧の電気素子である。かかる本発明の点火装置の診断用
プローブは、これを配電部と放電部の間に介設すれば配
電部と放電部に印加する高電圧を前記第２の電気素子に
より電気的出力信号に変換し該出力端子を電気的手段に
より所定の基準値と比較することにより前記配電部と放
電部の異常状態を効率良く適確に診断することができる
ものである。

即ち、本発明は放電部側に配設することにより、放電部
における絶縁抵抗や放電電圧やコードリークやプラグコ
ード抵抗を装定するための診断用プローブ手段である。
また本発明の点火装置の診断用プローブは、前記高圧回
路における配電部と放電部の異常状態をエンジンの点火
装置に実装状態のままでエンジノンの稼動中あるいは停
止時に極めて容易に検査するようにし、かつ、この装置
の構成を簡素化して製造容易、コスト安価となしたもの
である。以下図面にもとづき、本発明にかかる診断用プ
ローブの具体的な実施例について説明する。第１−図は
内燃機関等における一般的な点火装置の回路を示す図で
ある。第１図において点火回路は、低電圧電源としての
バッテリＢ１スイッチＳ１高電圧発生装置としての点火
コイルＩＧの一次コイルＩＧｌ、断続器ＣＰおよびコン
デンサＣなどから成る一次回路と、点火コイルＩＧの二
次コイルＩＧ２、コイルコードＩＣｌ配電部としての分
配器ＲＯｌプラグコードＰＣおよび放電部としての点火
栓ＰＬなどから成る二次回路とから構成される。該二次
回路は点火コイルＩＧから発生される負の数＋ＫＶの二
次電圧が印加される高圧回路となつている。また該二次
回路は点火コイルＩＧの二次コイルＩＧ２の出力端とコ
イルコードＩＣとの接続点Ｐ１、とコイルコードＩＣと
分配器ＲＯの中心電極との接続点Ｐ２、と分配器ＲＯの
外側電極とプラグコードＰＣとの接続点Ｐ３およびプラ
グコードＰＣと点火栓ＰＬとの接続点Ｐ４とを有し、そ
れぞれの接続点は一般的に脱着可能な構成となつている
。また点火コイルＩＧと分配器ＲＯとが一体化された特
殊な点火回路構成においても、該分配器ＲＯの外側電極
とプラグコードＰＣとの接続点Ｐ３とプラグコードＰＣ
と点火栓ＰＬとの接続点Ｐ４とを有する構造となつてい
る。従つて、本発明にかかる診断用プローブは、前記接
続点Ｐ４に該診断用プローブを装着して、高圧回路の異
常を検査するための手段を提供することにある。

第２図は放電部側に、すなわち前記点火栓ＰＬとプラグ
コードとの接続点Ｐ４に本発明にかかる診断用プローブ
ＤＰを取り付けた場合の原理を示す図である。

診断用プローブＤＰの構成要素はすなわちプローブ本体
は主としてベークライトやジユラコンなどの絶縁部材か
ら成るケース本体１と銅やりん青銅などの導電性金属材
からなる接続部としての金具２および３と、高耐電圧の
単方向性よりなる第１および第２の電気素子４および５
と外部測定装置とを接続するための高絶縁性の導通線で
あるケーブル６とから成り、前記金具２はプラグコード
ＰＣが装着され、該金具３は点火栓ＰＬが装着される構
造となつている。上記第２の電気素子５は上述の単方向
性電気素子の他に、高圧回路の診断対象によつて適時変
更可能な抵抗体からなる電気素子でもよい。以上前記構
成要素から成る診断用プローブＤＰの具体的な実施例を
示す。

第３図は前記第２図にもとづく点火栓ＰＬと、プラグコ
ードＰＣとの接続点Ｐ４に装着可能な診断用プローブＤ
Ｐの実施例を示す。第３図ａは診断用プローブＤＰの外
観図を、ｂは底面図をｃはｂ図におけるＡ−Ｎ断面図を
、ｄはｂ図におけるＢ−Ｂ″断面図をそれぞれ示してい
る。

ベークライトやジユラコンなどの絶縁性樹脂材から成る
円筒形のケース本体１の中心にりん青銅などの導電性金
属材から成る円筒形の金具２が導電性のネジ７によつて
固定される。

該金属２の上部は前記プラグコードＰＣが装着される点
火栓ＰＬのターミナルと同一形状を有する。金具３の下
部は前記点火栓ＰＬのターミナル部に挿入されるバネ性
状を持たせた差込み形状を有し、導電性のネジ８によつ
て、本体１に固定される。次にケース本体１の一部は前
記第１および第２の単方向性電気素子４および５が組込
まれる穴部９を有し、電気素子４および５を該穴部９に
装着後、絶縁性の充填材１０によつてモールドされ固定
する。前記第１の単方向性電気素子４のカソード側は前
記ネジ７に接続されて、前記金具２と導通され、更に該
電気素子４のアノード側は、穴部９を通して、前記ネジ
８に接続され金具３と導接される。更に前記第２の単方
向性電気素子５のアノード側は前記ネジ７に接続され、
金具２に導接され、該電素子５のカソード側は、図示さ
れていないが穴部を通してケーブル６に接続され、ケー
ス本体１から外出される。また前記金具２と金具３とは
ケース本体１を介して絶縁されており、前記第１の単方
向性電気素子４を介して電気的に接続される構造となつ
ている。以上の構成による実施例の診断用プローブＤＰ
によれば、該プローブ本材ＤＰの金具３の下部を点火栓
ＰＬに差し込み、金具２の上部にプラグコードＰＣが装
着された場合、金具２および３はケース本体１によつて
外部（エンジンボディなど）とは完全に電気的絶縁が保
たれ、またケーブル６は金具２、金具３および外部とは
電気的絶縁が保たれ、エンジンの稼動時に金具２に印加
される高電圧の負の二次電圧は、ネジ７及び第１の単方
向性電気素子４を介してネジ８および金具３に印加され
、該金具３から点火栓ＰＬに印加される。

従つて、ネジ７に接続される第２の単方向性電気素子５
に対しては、前記負の二次電圧は逆特性となるため、ケ
ーブル６には導出されない。第４図は第３図によつて説
明した診断用プローブＤＰの実施例を具体的に点火栓Ｐ
Ｌに装着した一例を示す。

第４図は１個の診断用プローブＤＰの装着例であるが、
多気筒エンジンにおいては複数個のプローブＤＰを前記
点火栓部に装着しても良い。次に本発明の診断用プロー
ブＤＰを点火装置に装置して、該点火装置の診断を行う
一例を第５図および第６図に示す。

第５図は、点火装置の高圧回路におけるリーク現象を診
断する場合の一例である。前記診断用プローブＤＰはプ
ラグコードＰＣと点火栓ＰＬ間に装着され、正の高電圧
を発生す・る高圧電源爪を前記点火コイルＩＧとコイル
コードＩＣとの接続点Ｐ１を外して、該接続点Ｐ１に接
続する。該高電圧電源Ｗｌは分配器ＲＯの中心電極と外
側電極とが対向する位置において、正の高電圧が発生さ
れると、コイルコードＩＣを介して分配・器ＲＯの中心
電極と外側電極間が放電導通され、プラグコードＰＣお
よび診断用プローブＤＰに印加される。該診断用プロー
ブＤＰに印加された正の高電圧は第１の単方向性電気素
子４によつて阻止され、点火栓ＰＬ側には印加されず、
第２の単方冫向性電気素子５を介して、ケーブル６によ
つて導出される。該ケーブル６には高抵抗Ｒｌ，Ｒ２に
よつて形成する分圧回路が接続される。以上の構成、接
続によれば、コイルコードＩＣｌ分配器ＲＯｌプラグコ
ードＰＣに高電圧電源ＨＶによつて正の高電圧が印加さ
れ、該高電圧は抵抗Ｒ１とＲ２から成る分圧回路によつ
て低電圧に変換されて、該分圧回路出力をシンクロスコ
ープ等によつて観測される。従つて前記コイルコードＩ
Ｃ、分配器ＲＯｌプラグコードＰＣの一部からエンジン
ボディ等に電圧リークが生じると、該電圧リークもとづ
くリーク電圧を分圧回路によつて検出でき、シンクロス
コープ等でその電圧値を測定することが可能となる。次
に第６図は点火栓ＰＬの絶縁抵抗を診断する場合の一例
である。

前記診断用プローブＤＰはプラグコードＰＣと点火栓Ｐ
Ｌ間に接着され、該診断用プローブＤＰのケーブル６の
出力端に負の直流電源Ｅが接続され、該直流電源Ｅに負
荷抵抗Ｒ３が接続される。以上の構成、接続によれば、
直流電源Ｅから出力される負電圧はケーブル６、第２の
単方向性電気素子５、第１の単方向性電気素子４を介し
て、点火栓ＰＬに印加される。従つて、該直流電源Ｅ−
ケーブル６一第２の単方向性電気素子５一第１の単方向
性電気素子４一点火栓ＰＬ−負荷抵抗只。による閉回路
が形成され、該閉回路を流れる電流値を負荷抵抗Ｒ３の
出力端から電圧信号として検出することにより、点火栓
ＰＬの絶縁抵抗値を測定できるものである。以上の如く
、本発明の診断用プローブＤＰのケーブル６の−出力端
に点火装置の診断対象に応じて、適時計手段を接続する
ことにより、点火装置の高圧回路における電圧リークや
、プラグコードＰＣの低抗値や、点火栓ＰＬの放電々圧
や絶縁抵抗値などを極めて容易に、且つ前記点火装置の
構成要素が車両．に実装された状態で診断できると云う
有効な診断用プローブＤＰを提供することができるもの
である。特に多気筒エンジンにおいては前記診断用プロ
ーブＤＰを気筒毎に装着することにり、前記点火，装置
の診断対象を極めて簡易に且つ短時間に診断できると云
う多大な効果を発揮するものである。

本発明の点火装置の診断用プローブは低電圧電源に接続
され点火コイルと断続器から成る高電圧発生装置より発
生される高電圧を配電部より放電部に印加して該放電部
に放電火花を発生させる点火装置における前記配電部と
放電部との間に介接するものであつて該配電部と放電部
に印加する高電圧を電気的出力信号に変換し該出力信号
を電気的手段により所定の基準値と比較することにより
前記配電部と放電部の異常状態を診断する点火装置の診
断用プローブにおいて、絶縁材よりなるケース本体に、
一端を配電部に他端を放電部に対しそれぞれ脱着自在に
介接すべく接続部を設け、かつ該接続部にはケース本体
に）絶縁的に内装した第１の電気素子を介在させ前記配
電部と第１の電気素子間の接続部にはケース本体に絶縁
的に内装した第２の電気素子の一端に接続し、該第２の
電気素子の他端はケース本体より外部に導出する導通線
に接続するように構成してなるものである。

そして、本発明の点火装置の診断用プローブは、これを
配電部と放電部の間に介設すれば該配電部と放電部の異
常状態を効率良く適確に診断することができるものであ
る。

即ち放電部側に配設することにより、放電部における絶
縁抵抗が放電電圧をさらに、配電部のコードリークやコ
ード抵抗を確実に測定することができる。さらに本発明
の点火装置の診断用プローブは前記高圧回路における配
電部と放電部の異常状態をエンジンの点火装置に実装状
態のままでエンジンの稼動中、あるいは停止時に極めて
容易に検査でき極めて有効な診段手段で作業性を簡便と
し、その構成を簡素化できる等実用上多大な効果を奏す
ることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は内燃機関等における一般的な点火装置の回路を
示す回路図、第２図は本発明の診断用プローブを配電部
に適用した原理を示す説明図、第３図は本発明の実施例
を示す要部欠截断面図、第４図は本発明の実施例を放電
部に装置した説明図、第５図及び第６図は点火装置の診
断の一例をそれぞれ示す要部回路図である。 図中、ＲＯ・・・・・・分配器、ＰＬ・・・・・・点火
栓、ＰＣ・・・・・・プラグコード、１・・・・・・ケ
ース本体、２，３・・・・・金具（接続部）、４，５・
・・・・・単方向性電気素子、６・・・・・・ケーブル
（導通線）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 低電圧電源に接続され点火コイルと断続器から成る
   高電圧発生装置より発生される高電圧を配電部より放電
   部に印加してこの放電部に放電火花を発生させる点火装
   置における前記配電部と放電部との間に介接するもので
   あつて、この配電部と放電部に印加する高電圧を電気的
   出力信号に変換し出力信号を電気的手段により所定の基
   準値と比較することにより前記配電部と放電部の異常状
   態を診断する点火装置の診断用プロープにおいて、絶縁
   材よりなるケース本体に、一端を配電部に、他端を放電
   部に対しそれぞれ脱着自在に介接すべく接続部を設け、
   かつ該接続部にはケース本体に絶縁的は内装した第１の
   電気素子を介在させ、前記配電部と第１の電気素子間の
   接続部には前記ケース本体に絶縁的に内装した第２の電
   気素子の一端に接続しこの第２の電気素子の他端はケー
   ス本体より外部に導出する導電線に接続するように構成
   したことを特徴とする点火装置の診断用プローブ。