JPS604294B2 - 箔糸切断移送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は箔糸切断移送装置を提供するものである。

特殊織物用として用いられる模様、絵柄の入った箔糸ａ
は第３図に示すように両端に耳紙（点線で示す部分）ｂ
を残して細かく切断した箔糸並列片Ａを糸保持台Ｃで上
下より挟んだ後、両端の順位保持用の耳紙ｂを切除して
一条々分離した線条形態で以つて総糸として用いられる
。

このような糸保持台Ｃに密接して並列している多数の箔
糸ａは第４図に示すように箔糸ａの糸端を親指と人指し
指で一条づつ挟んで順次引き出して織込むのであるが、
密接して並列している多数の箔糸ａを糸保持台Ｃから−
条づつ順位に従って摘み取ることは大変面倒で且つ困難
な手作業であるため、度々２〜３条を同時に摘み取った
り、又順位が逆になって摘み取ることが生じて順位を誤
って織込むという製織上重要な問題があった。このよう
な問題を解決するために本願特許出願人の出題の「箔糸
分離装置」（昭和５０王特許糠第１０９０８７号）が既
に提案されている。

係る装置は耳紙ｂの付いている箔糸並列片Ａの状態では
順位通りに箔糸ａが並んでいることを前提として、一方
の耳紙ｂが付いたままの箔糸並列片Ａを、２重になって
いる無端帯なる送り手段の上側走行側の帯間に挟んで支
持して、その無端帯の回動により、非常にゆっくりした
速さで送り、箔糸並列片Ａの耳紙ｂの際が通過する位置
に、上下に配した円型回転刃よりなる切断装置によって
、箔糸並列片Ａの耳紙ｂの際で箔糸ａを順位に従って一
条づつ順次切り離して、そして箔糸並列片Ａの耳紙部分
に近い箔糸部分が通過する位置に配され、周辺速度が前
記送り手段による箔糸並列片Ａの送り速度より大きい挟
持ローラー送り出し装置によって、切り離された箔糸ａ
を順次挟持して箔糸相互の間隔を広げて送り出すように
した装置である。このような装置によって、切断分離し
ようとする箔糸並列片Ａの箔糸ａは紙やプラスチックフ
ィルムが素材であるため、そしてその厚みや幅員に比較
して長さが極大であるため、気候（温度、湿度）や取り
扱いに起因して長さ方向に曲がりやねじれが発生する性
質がある。

従って係る装置によって切断分離しようとする場合、箔
糸ａに曲がりやねじれ等の変形が生じていると、箔糸並
列片Ａを上下の円型回転刃の切り口に送り込む時に箔糸
ａが切り口以外の円型回転刃周辺部に当たって切り口に
送り込まれない状態が生じ〜 これがために箔糸並列片
Ａの送りに伴って、後続の箔糸ａと重なり合って一緒に
切れてしまう切損事故が起きたり、更に切断時には耳紙
ｂから切り離される箔糸ａはその曲がりやねじれぐせが
自由に発現されるために、切断と同時に箔糸ａの切断端
部分が上下、或いは左右にはねたりするので切断後の箔
糸を侠持ローラー送り出し装置が挟み込まないことが生
じたり、或いは箔糸の先後が逆になったり、２条同時に
挟み込むなどの事故が起きるのであった。そこでこの発
明は切断分離しようとする箔糸に曲がりやねじれ等の変
形があっても切断装置における円型回転刃の切り口への
送り込みを確実に且つ円滑に行い、そして切断後の箔糸
を順位通りに一条づっ移送することができる箔糸切断移
送装置を堤供することにある。

つぎにこの発明を図面に示す一実施態様に基いて説明す
る。

２重になっている紬幅の無端帯９が横方向に一定の速り
速度で走行する送り手段があり、該送り手段は２重の無
端帯９の上方走行側の重なり合う帯間に、一方に耳紙６
が付いた箔糸並列片を、該箔糸並列片の箔糸長さ方向を
無端帯９の走行方向に直角な方向となるように向けて挟
んで支持し、無端帯９の走行によって平面状態で横方向
に一定速度で送るようにしたものである。

この送り手段によって箔糸並列片が送られてくる側に、
上下に回転駆動軸７と回転従動軸８とが箔糸並列片の送
り方向に直角な方向に向けて設置され、該回転駆動軸７
と回転従動軸８とにおける箔糸並列片の耳紙部分の際が
通過する位薄に、夫々円型回転刃１，２を、該円型回転
刃１，２の周緑一部を轍線方向に重合させて設けた切断
装置が配されている。

また回転駆動軸７と回転従動軸８とにおける箔糸並列片
の耳紙部分に近い箔糸部分が通過する位層には、前記円
型回転刃１，２の外径より大きな外径を有する円型の刷
子状回転子３，４を設けた移送装置が配されている。そ
してこの移送装置における円型の刷子状回転子３，４の
周辺速度が前記送り手段による箔糸並列片の送り速度よ
りも大きくなるように回転駆動軸７の回転が制御されて
いるのである。

前記するように移送装置の刷子状回転子３，４は切断装
置の円型回転刃１，２の外径より大きい外径を有し、箔
糸並列片の箔糸５を切断する以前、すなわち箔糸並列片
の箔糸５が円型回転刃１，２の切り口に至る以前に、刷
子状回転子３，４の毛様部３′，４′が箔糸並列片の箔
糸５の表裏両側に接触するようになっている。

刷子状回転子３，４の毛様部３′，４′は毛、糸のほか
細い紙、細い布などの素材を放射線状に設けて形成した
ものであり、切断された箔糸５′の持つ弾性より大きい
適度の弾性を有する。

このような装置によれば、無端帯９の走行により一方の
耳紙６の付いたままの箔糸並列片を、箔糸長さ方向に直
角な方向に向けて送っていくと、切断装置の上下の円型
回転刃１，２が箔糸並列片の箔糸５を切断する以前に、
剛子状回転子３，４の毛様部３′，４′が箔糸５の耳紙
６に近い部分の表裏両側に擦れながら箔糸５を挟持する
ようになる。

これにより箔糸並列片はその耳紙６の際、すなわち曲が
りやねじれなどの変形がない部分が挟持されながら送ら
れていくから、箔糸５が上下の円型回転刃１，２の切り
口に確実に且つ円滑に誘導されていき、そして上下の円
型回転刃１，２が箔糸５を切断して箔糸５が耳紙６から
切り離されて自由状態になっても刷子状回転子３，４の
毛様部３′，４′がそのまま切断された箔糸５を挟んで
保持するので、箔糸切断端部分の遊動（上下に或いは左
右にはねたりすること）が阻止されて順位通りに一条づ
つ移送される。なお切断後、刷子状回転子３，４によっ
て保持されている箔糸５′は、周辺速度が箔糸並列片の
送り速度より大きい嵐山子状回転子３，４の回転に伴っ
て未切断の箔糸５から引き離されて移送されていくので
ある。以上説明したように、箔糸目体に曲がりやねじれ
などの変形がある場合であっても、箔糸並列片の箔糸を
切断装置における円型回転刃の切に口へ確実且つ円滑に
送り込むことができ、そして切断後の箔糸を順位通りに
一条づつ移送することができる。従ってこの発明によれ
ば、箔糸に曲がりやねじれなどの変形がある場合でも、
箔糸並列片から箔糸を順位通りに一条づつ分離し、且つ
箔糸相互の間隔を広げて送り出す装置が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は装置全体の斜視図、第２図は円型回転刃、刷子
状回転子の部分を示す側面図、第３図は従来における糸
保持台に保持された箔糸並列片を示す斜視図、第４図は
箔糸織込み作業を示す斜視図である。 １，２・・・円型回転刃、３，４・・・蚤大の刷子状回
転子、３′，４′…毛様部、５…未切断の箔糸、５′・
・・切断された箔糸、６・・・耳紙、７・・・回転駆動
軸、８・・・回転従動軸、９・・・２重の紬幅無端帯、
Ａ・・・箔糸並列片、ａ…箔糸、ｂ…耳紙、ｃ・・・糸
保持台。 多１図 第２図 第３図 第４図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 箔糸並列片を平面状態で横方向に一定の送り速度で
   送る送り手段を有し、 該送り手段によって箔糸並列片
   が送られてくる側に、上下に回転駆動軸７と回転従動軸
   ８とを箔糸並列片の送り方向に直角な方向に向けて配置
   し、該回転駆動軸７と回転従動軸８とにおける箔糸並列
   片の耳紙部分の際が通過する位置に、夫々円型回転刃１
   ，２を該円型回転刃１，２の周縁一部を軸線方向に重合
   させて設けた切断装置を配し、 また回転駆動軸７と回
   転従動軸８とにおける箔糸並列片の耳紙部分に近い箔糸
   部分が通過する位置には夫々、前記円型回転刃１，２の
   外径より大きな外径を有する円型の刷子状回転子３，４
   を設けた移送装置を配し、該移送装置における円型刷子
   状回転子３，４の周辺速度が前記送り手段による箔糸並
   列片の送り速度よりも大きくなるように回転駆動軸７を
   回転させることを特徴とする箔糸切断移送装置。