JPS604098B2 - 積層シ−ト状体の剥離装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は織物のような柔軟なシート状体を取り扱う技術
、特に、シート状体の手による取り上げ作業、または例
えば衣類製造機械のような自動もしくは半自動の処理機
械に柔軟な織物を移送供給し、積み重ねるための米国特
許第４００９７８６号に記載されたような取り上げ装置
と共に使用される積層シート状体の分離あるいは剥離装
置に関するものである。

布あるいは類似の柔軟なシート状材料から衣類その他の
製品を作るには、予め裁断された布地を積み重ねて処理
機械に送り、これらの布地に縫合その他の加工を行うの
が普通である。

他の製品、例えば掛布、靴やスリッパ類、服飾品、自動
車のシートカバーなどの内装品のような製品も、裁断し
たシート状材料を縫い合わせたり、はり合わせて作るこ
とができる。普通、これらの製品の生産性は、裁断した
個々のシート状材料を取り上げ、互に適合したシート状
材料を集め、これを調節可能な処理機械に送付する操作
を制御する作業者の能力によって規制される。

織物または類似の柔軟な材料から製品を作る場合、例え
ば縫合方向、被加工材料の位置付け、機械の始動・停止
の制御のような特定の操作機能おＺよび他の公知の所望
の機能を発揮するように設計された種々の処理機械は公
知である。

このようなミシンや他の機械にシート状被加工材料を供
給するために、材料を制御し、裁断された材料の積み重
ねないいま積層から個々の材料を２分離するための種々
の装置が提案されている。

従来、このような機械に被加工材料を供給するために用
いられた方法は、材料の多孔性と処理の可変条件、織物
の柔軟性（腰のなさ）の故に成功の程度はまちまちであ
った。そして積層されたシート２状材料の一枚を次のシ
ート状材料から分離する困難性が付加的な問題を提起し
ている。前述の米国特許第４００９７８６号の装置以外
にも、織物を供給する場合の諸問題を解決すべ〈多くの
装置が提案されている。

そのうち、一つの装置は３粘着性表面に接着させる方法
をとり、また他の装置はチャック方式で内方へ閉じるフ
オーク状部材を利用し、他の装置は高い摩擬性表面を使
用して表層のシート状材料をつまむようにし、さらに他
の装置はカードクロス（ｃａｒｄｃｌｏｔｈ）の均一に
倭３斜された針を使用して単一方向の摩擦接触および取
り上げを行い、さらに他の装置は吸引装置を用いている
。積層された複数校のシート（単に積層シートまたはス
タツクともいう）中の一番上のシートをこ４の積層シー
ト中の他のシートの位置をずらせることなくこれから分
離するための種々の手段が用いられている。

このようなシートのずれが生じると次のシートとの正確
な係合を阻害し、位置付けが不正確になる。このような
装置は限られた種類の織物には有効であったが、毛ば立
った表面がからみ合って積層シート間に強い結合力を生
じるような表面を有する織物や編物等のシート状物の分
離に伴う問題を解決していない。

このことは特に丸編みの管状の生地の場合にそうであり
、また他の場合縁の糸がもつれたり熱可塑性の糸では織
物の長尺体から所定長さのシート状物を切り離すとき融
着することもある。積層シートに吸引力を加えたり、あ
るいは、一番上のシート状物の緑に係合してこれを持ち
上げたり、硬い薄板を挿入したりして、上述の問題を克
服しようとする種々の試みは成功しなかった。

後者の方法は二枚づつ結合されたシート状物のうち、一
枚がねじれて支持されないので信頼できない方法である
。本発明の目的は積層されて互いに強く接合したシート
を、たとえそれが一枚ずつ結合されていても、これらを
先ず分離し、ついで積層シート中の二番目のシートをし
っかりと抑えることにより、一番上のシートに積極的に
係合してこれを二番目のシートから剥離ないし分離する
ことができるようにした装置を提供するにある。

本発明の他の目的は、シートの分離および移送サイクル
中における積層シートのずれ動きないし変位を阻止する
ように積層シートの制御状態を維持できるようにする方
法および装置を提供するにある。

本発明の更に他の目的は、供給工程中に柔らかなシート
の高いスタツクを機械的に持ち上げるとき、一番上のシ
ートの切断部分を維持することにある。

経済的に実現可能な深さないし高さのスタックにおける
非常にやわらかで腰のないシート状体を処理する場合、
スタックの整列を維持することは重要な問題である。上
述の目的は、本発明による次の構成の装置によって達成
される。

すなわち本発明の装置は支持ブラケットと、この支持ブ
ラケットにほぼ水平にかつ回動可能に支持されるととも
に流体圧力源に接続され、ピストンとピストンロッドを
有する流体シリンダと、前記流体圧力源と前記流体シリ
ンダの間に介設され、前記ピストンロッドを衝撃的に突
出運動させるべく前記流体シリンダへ前記流体圧力源か
らの圧力流体をパルス的に供謙合する制御弁と、前記流
体シリンダに固定されるとともに前記ピストンロッドを
挟んで両側に間隔をおいて対向配置され、鯛方向に延長
する一対の脚部を有する二股のガイド部材と、前記二股
のガイド部材の前記両脚部の対向位置に穿設され、それ
ぞれ前記流体シリンダの軸方向に直線的に延長するスロ
ット部分とこの直線的スロット部分の前端に蓮設され上
方にわん曲するスロット部分とからなる一対の案内スロ
ットと、前記ピストンロッドの先端にこのピストンロッ
ド‘こ対して回動可能にかっこのピストンロッドと共に
移動可能に連結され、前記案内スロットに摺動可能に係
合するピンを有し、前記二股のガイド部材の前記対向両
脚部間に摺動可能に配置され、前記ピストンロッドの突
出運動時に前記案内スロットに案内されて前記二股のガ
イド部材に対して移動可能なスライドブロックと、前記
スライドブロックの下面に装着され、このスライドブロ
ックと共に移動せしめられて積層されたシート状材料の
一番上のシート材に接触可能な摩擦パッドと、前記支持
ブラケットに固定されるとともに、前記二股のガイド部
材の上方において前記スライドブロックがその上方への
運動中に当援する位置に配置され、このスライドブロッ
クの上方への運動を一定限度に規制する部材とからなる
。摩擦パッドは流体シリンダが付勢されたときに、前記
二股のガイド部材に案内されて円弧状に運動可能なスラ
イドブロックに装備された針布（ｃａｒｄｉｎｇｃｌｏ
ｔｈ：ｃａｒｄｃｌｏ仇ｉｎｇ）によって構成すること
ができる。

流体シリンダ、二股のガイド部材およびスライドブロッ
クの集合体は比較的小さい圧力で積層シートの上面を押
圧するように支持ブラケットに平衡保持されている。

この集合体の回動を円滑に行なわせるためには、圧力流
体源を支持ブラケツトおよび回動可能なブロック部材を
介して流体シリンダの両端に接続するとよい。このよう
な間接接続方式によって圧力流体ホースが流体シリンダ
に直結された場合に前記集合体に加えられるであろう機
械的な引きずりないし抵抗を回避することができる。本
発明の剥離装置は米国特許４００９７８６号に記載され
たシート状体の取上げ移送ないし供聯合装置と併用する
のに最適である。

その場合の操作は、例えば次の諸工程、すなわち、本発
明の剥離装置を積層シートに係合させる工程と、積層シ
ートに上記取上げ移送装置を係合させる工程と、剥離装
置を動作させ積層シートの一番上のシートをその側綾部
において剥離しずらせながら残りのシートを積層保持す
る工程と、取上げ移送装置を動作させて積層シートから
剥離されたシートを特上げる工程とによって行われる。
以下図面の実施例を参照して本発明を詳細に説明する。

第１図〜第３図において、５は本発明の一実施例による
剥離ないし分離装置、６は米国特許第４００９７８６号
に記載の取上げ移送ないし供給装置（以下単に取上げ装
置という）、７は適当なマガジンなどの容器内に積み重
ねられた織物のシート状材料で、通常上方へ付勢されて
いる。第４図〜第６図に詳細に示すように、装置５は実
質上Ｕ字型の支持ブラケット８、穣動空気シリンダ９お
よびこの空気シリンダ９を一対のピボットピン１１によ
ってブラケツト８に取付けるブロック部材１０から成る
。

ピストン１３に固定された作動ロッド１２がシリンダ９
から突出延長し、このロッド１２は二股のガイド部村１
５とシリンダ９の間に配備されたブッシュ１４内を摺動
するようになっている。

二股の連結ブロック１６がピストンロッド１２の外端に
固定され、この連結ブロック１６にスライドブロック１
８がピン１７によってピボット連結されている。ガイド
部材１５の両脚の前半部分には対応するスロット１９が
穿設されており、これらのスロット１９はそれぞれシリ
ンダ９の軸方向に直線的に延長する部分とこの直線的部
分の前端に蓮設された上方にわん曲する部分とからなり
、上述のピン１７をスロット１９の上記直線的部分に挿
入係合して連結ブロック１６が直線運動するようにガイ
ド部材１５によって案内する。

スライドブロック１８もピン２０を有し、このピン２０
もガイド部材１５のスロット１９に挿入係合され、スラ
イドブロック１８が直線的におよびスロット１９のわん
曲部においては上方へ運動するように案内される。針布
パッドのような摩擦パッド２２を備えたキャリア部材２
１の脚２３がスライドブロック１８の先端面に沿って上
方に延長し、この脚２３の上端が装置の動作中（第２図
、第３図参照）に後述のように当り板ないし規制板２４
に当援するようになつている。

空気シリンダ９は割りブッシュ２５を介してロックねじ
２６によってブロック部材１川こ取り付けられており、
この集合体は積層シート７に対して必要な圧力を加える
ことができるようにブラケット８における取り付け位置
を容易に調節することができるようになっている。

摩擦パッド２２によって積層シート７に加えられる圧力
は、しなやかな織物を処理するほとんどの場合において
、約５７〜１１４グラム（２〜傘ｚｓ．ｍａｓｓ）を越
えないことが望ましい。

各ピボットピン１１は支持ブラケット８の対応配置され
た孔２７をそれぞれ貫通し、ブロック部材１０のテ−パ
ー状凹所２８に係合されている。

ピボットピン１１は適当なロックねじによって所定位置
に固定される。各ピボットピン１１には環状溝２９およ
び通路３０，３１が穿設され、この溝２９はブラケット
８の通路３２，３３と運通し、これらの通路３２，３３
はホース３４，３５にそれぞれ接続されている。

これらのホースの一方は空気圧力源に、他方は排気口に
それぞれ接続されている。両ピボットピン１１の通路３
１は通路３６，３７および３８，３９にそれぞれ達通し
、これらの通路はシリンダ９の両端に接続されたホース
４０，４１にそれぞれ接続されている。

このように支持ブラケット８とブロック部村１０を介し
て圧力空気をシリンダ９に導入するように構成してある
ので、ブロック部村１０とシリンダ９の集合体が傾斜な
いし回動しても、ホース４０，４１がこの集合体と共に
動くので、圧力空気供給ホースがシリンダの両端に直結
されている場合のように、集合体の動きに対して抵抗な
いし抗力を及ぼすようなことはない。

空気圧力線または排気口には空気パルス制御装置ないし
スイッチおよび多方切換弁が設けられている。

空気圧は８０〜１０血．ｓ．ｉ．の範囲が望ましく、制
御装置は約５００のｓｅｃの間動作する。取上げ装置６
と共に使用したときの上記実施例の剥離装置の動作を説
明する。第１図はパッド２２が積層シート７の一番上の
シート上に載直された状態を示す。このパッドはブロッ
ク部材１０１こおける空気シリンダ９の位置を調節する
ことによって、既述の範囲を越えない小さい圧力を積層
シート７に加えるように当該位置へバイアスないし付勢
されている。積層シートの上方に配置されている取上げ
装置６は４・さし、圧力でシートに接触せしめられる。

このときは空気圧力源の多方切換弁はホース３４に圧力
空気を送らない位置にある。尚、ホース３５は排気口に
接続されている。そこで制御装置および多万弁を操作し
てホース３４、通路３２，３０，３１，３６，３７およ
びホース４０を介してシリンダ９のピストン１３の一方
側に圧力空気のパルスを送入すると、ピストンロッド１
２が迅速に外方へ動かされ、スライドブロック１８もガ
イド部材１５中を外方へ動かされつづいて上方へ動かさ
れる。このとき急激な力がパッド２２を介してシートに
加えられ、いわばせん断効果により一番上のシートを次
に下のシートに対して横方向に直線的に港動させ、次い
でこのシートを持ち上げて下のシートから剥離ないし分
離する。スライドブロック１８とキャリア２１が上向き
に回動されると、キャリア２１の脚２３が規制板２４に
当り、これによってガイド部材１５が下方へ懐動させら
れ、弾性パッド４２が剥離されたシートの下の積層シー
トにしっかりと接触してこれを整列保持する。

パルス空気が剥離装置に送られるとき、取上げ装置６に
は圧力空気が送られ、この装置の針その他の刺通手段が
積層シートの一番上のシートにこれを持ち上げるために
しっかりと係合する。

第２図はこの動作段階にある剥離装置とシートと取上げ
装置の位置を示す。ガイド部村１５によって下の積層シ
ートがしっかりと押さえられている間、取上げ装置６が
更に動作して積層シートの一番上のシートを持ち上げ第
３図に示すように他の位置へこのシートを移送する。

シートが剥離、移送された後、空気圧力源の多万弁が動
作されピストン１３を復動させ、ピストンロッド１２、
連結ブロック１６、スライドブロック１８を第１図に示
す位置に復帰させ次の動作サイクルに備える。

以上は本発明の剥離装置を取上げ装置６との共動ないし
補完動作関係において説明した。

すなわち、本発明装置を利用して積層シートから各シー
トを取上げ移送する方法は、本発明の剥離装置を積層シ
ートに接触させる工程と、この積層シートに取上げ装置
６を接触させる工程と剥離装置を動作させて積層シート
ないしスタック中の一番上のシートに衝撃力を加え他の
シートを積層状態に保持しつつ前記一番上のシートをそ
の一端部分において下のシートに対して摺動させながら
持ち上げて変位分離ないし剥離する工程と、ついで取上
げ装置を動作させて前記剥離されたシートを持ち上げて
移送する工程とからなる方法である。取上げ装置と一語
に使用しないで剥離装置のみを手動あるいは機械的取上
げのためにシート状体を分離ないし剥離するのに単独に
用いることも勿論できる。

米国特許第４００９７８６号に記載した型の取上げ装置
は一度に予定した数枚のシートを取上げるようにプリセ
ットできるが、このような場合は取上げ装置を動作させ
る前に、本発明の装置を反覆動作させて予定の枚数のシ
ートを剥離ないし分離しておくようにすることもできる
。

以上のように、本発明によれば摩擦パッドを積層シート
の緑部からシートの内方へ向って水平方向から上方へ動
かして最上層シートの縁部に係合させてこの最上層シー
トの綾部を下方の残留積層シートの縁部から剥離させる
とともにこの摩擦パッドの運動を案内する部材の連動動
作によって残留積層シートの緑部を自動的に押えるよう
にしたので、残留積層シートの位置ずれやくずれ落ちを
起すことなく最上層シートの剥離を簡単な構造で確実に
行なうことができる積層シート状体の剥離装置を得るこ
とができる。

尚、本明細書において使用する「シート」あるいは「シ
ート状体」なる語は最も広い意味に解されるべきであっ
て、織物や編物に限らず、他の種々の可榛なシート状の
物体をも含むこと勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図、第３図は本発明の一実施例の装置をシ
ート状体の取上げ供給装置と共に使用した場合の異なる
動作状態を示す側面図、第４図は本発明の一実施例の装
置の平面図で、第１図の４−４線に沿う断面で示した図
、第５図は第４図の５−５線断面図、第６図は第４図の
６−６線断面図である。 ５・…・・剥離装置、６・・・・・・取上げ移送（供給
）装置、８・…・・支持ブラケツト、９・・・・・・シ
リソダ、１０…・・・ブロック部村、１２・・・・・・
ピストンロッド、１３・・・・・・ピストン、１５・・
・・・・ガイド部村、１６・・・・・・連結ブロック、
１８…・・・スライドブロック、１７，２０……ピン、
１９……案内スロット、２２・・・・・・摩擦パッド。 弟′図第２図 多３図 第４図 袋タ図 劣る図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 支持ブラケツトと、 この支持ブラケツトにほぼ水平にかつ回動可能に支持さ
   れるとともに流体圧力源に接続され、ピストンとピスト
   ンロツドを有する流体シリンダと、前記流体圧力源と前
   記流体シリンダの間に介設され、前記ピストンロツドを
   衝撃的に突出運動させるべく前記流体シリンダへ前記流
   体圧力源からの圧力流体をパルス的に供給する制御弁と
   、前記流体シリンダに固定されるとともに前記ピストン
   ロツドを挾んで両側に間隔をおいて対向配置され、軸方
   向に延長する一対の脚部を有する二股のガイド部材と、
   前記二股のガイド部材の前記両脚部の対向位置に穿設さ
   れ、それぞれ前記流体シリンダの軸方向に直線的に延長
   するスロツト部分とこの直線的スロツト部分の前端に連
   設され上方にわん曲するスロツト部分とからなる一対の
   案内スロツトと、前記ピストンロツドの先端にこのピス
   トンロツドに対して回動可能にかつこのピストンロツド
   と共に移動可能に連結され、前記案内スロツトに摺動可
   能に係合するピンを有し、前記二股のガイド部材の前記
   対向両脚部間に摺動可能に配置され、前記ピストンロツ
   ドの突出運動時に前記案内スロツトに案内されて前記二
   股のガイド部材に対して移動可能なスライドブロツクと
   、前記スライドブロツクの下面に装着され、このスライ
   ドブロツクと共に移動せしめられて積層されたシートの
   一番上のシートに接触可能な摩擦パツドと、前記支持ブ
   ラケツトに固定されるとともに、前記二股のガイド部材
   の上方において前記スライドブロツクがその上方への運
   動中に当接する位置に配置され、このスライドブロツク
   の上方への運動を一定限度に規制する部材と、からなる
   ことを特徴とする積層シート状体の剥離装置。