JPS6040577Y2 - 加熱炉のスケ−ル除去装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は加熱炉のスケール除去装置に関する、更に詳し
くは連続式鋼片加熱炉の炉底に堆積する溶融スケールを
除去する装置に関する。

ウオーキング・ビーム方式の加熱炉など連続式鋼片加熱
炉において、普通鋼を加熱する場合にはスケールの発生
は比較的少量であるから、従前の如く炉の操業を一時休
止し、冷却後スケールを除去することはさほど問題には
ならないけれども、珪素鋼片を加熱する場合には融点が
低いうえに加熱温度が高いため被加熱物の表面から鋼片
重量の１〜５％におよぶ溶融スケールが発生する。

この多量の溶融スケールは加熱炉内で鋼片を支持してい
るスキッドから氷柱状に垂れ下がり、加熱炉の炉床に落
下堆積し種々の問題を生ずる。

例えば、炉床耐火物を侵食し、また燃焼装置の正常な燃
焼を妨げ、或いは移動スキッド・ポスト部分に堆積して
ウオーキング・ビームを作動困難にすることがある。

従って、溶融スケールが或程度堆積するときは定期的に
炉を休止し冷却してスケール排出作業を行う必要がある
。

然しなから、このスケール排出作業も人力によるため作
業中の炉の停止期間が長くなり５日間を要することもあ
る。

このように炉の生産性を著しく阻害するのみならず、苛
酷な環境下における高熱重筋作業を余儀なくされるなど
多くの問題を発生する。

本考案は連続式鋼片加熱炉から溶融スケールを除去する
従前の作業に起るこの種の問題を解決することを狙いと
するものである。

本考案の目的は連続式鋼片加熱炉の炉床に堆積する溶融
スケールを除去する作業を自動化し省力ならびに作業能
率の向上に役立つのみならず、作業環境を改善させる加
熱炉のスケール除去装置を得ることにある。

本考案によれば、加熱炉の側壁に穿たれた開口の上部に
おいて側壁に直角に延び出す所定長さの水平架台１４、
該架台上の軌道に沿い走行する駆動車輪を有するキヤリ
ング１、該キヤリングから昇降自在に吊下せられキヤリ
ングの下側から加熱炉の中心軸に向い横方向に延び出す
片持梁方式のフレイムの両端に装架された多数対のスプ
ロケットに掛けられ所定のリンクに掻割爪４を取付けて
いる多連の無端鎖３から成るスケール除去機構３０、な
らびに前記キヤリングに搭載せられ前記の対をなすスプ
ロケットの何れかの一方に駆動的に接続されている電動
機９を備えていることを特徴とする加熱炉のスケール除
去装置が得られる。

さて、本考案の装置の実施例を添付図面について説明す
ると次の如くである。

第１図を参照するに、側壁１６に開口１２を備えた連続
式鋼片加熱炉１１と、上記開口から炉内に挿入されるス
ケール除去機構３０を備えた本考案の装置１０とが示さ
れている。

炉内にはスキッド２９が配列せられ、炉床１７には溶融
スケール２８が堆積している。

加熱炉１１の側壁１６に直角に側方に延び出す所定寸法
の水平架台１４が開口１２の上部に設けられ一端を炉の
側壁１６に固着させ反対端を支柱１５により支持させて
いる。

水平架台１４は開口１２の左右両側に１台宛設けられる
（第２図）。

架台１４上の軌道に沿い転動する車輪７Ａ、７Ｂを備え
たキャリツヂ（台車）１が架台１４から吊下されている
。

一方の車輪７Ａは無端ベルトもしくは無端鎖２３により
キャリツヂ１上の走行用駆動モータ８に接続されている
。

所定の長さを有する片持梁方式のフレーム２が右端を油
圧シリンダー５によりキャリツヂ１から吊下させ、右端
から僅かに離融した位置を別の油圧シリンダー６により
キャリツヂ１から吊下させている。

フレーム２の両端にはそれぞれ水平廻転軸２４Ａ、２４
Ｂが取付けられている。

一方の水平廻転軸２４Ａはこれに取付けられたスプロケ
ット（図示せず）とキャリツヂ１上の駆動モーター９の
出力軸に取付けられたスプロケット（図示せず）とに懸
けられた無端鎖２２により駆動モーター９に接続されて
いる。

第３図に示す如く複数枚（図では７枚）の同一寸法のス
プロケット２０が廻転軸２４Ａに並べて取付けられてい
る。

別の廻転軸２４Ｂにも同数のスプロケット２１が同様に
取付けられている。

双方の廻転軸２４Ａ、２４Ｂの相互に対向する複数対の
スプロケット２０と２１との間に同数の無端鎖３が懸け
られている。

第３図には、これら複数連の無端鎖３と同数のスプロケ
ット２０との噛合い状態が示されている。

第４図に示す如く、各無端鎖３は一つおきのリンク３１
に掻割爪４を取付けている。

片持梁方式のフレイム２とこれに装架せられ多数の掻割
爪４を有する複数連の無端鎖３とは本考案のスケール除
去機構３０を構成するものである。

第２図に示す如く、側壁の開口１２の左右両側に取付け
られた１対の架台１４．１４のそれぞれからキャリッヂ
１，１が吊下せられ、これらのキャリツヂ１，１はそれ
ぞれ両側のフレイム２，２を吊下させている。

廻転軸２４Ａが両端をそれぞれ片持梁方式のフレイム２
，２に支持させている。

側壁１６の開口１２を閉鎖する扉１３が開口１２の上部
に置かれ、一端を扉１３に接続させたワイヤー２６が１
対の滑車２７Ａ、２７Ｂに懸けられたのち反対端を油圧
シリンダー２５に接続されており、油圧シリンダー２５
の作動により扉１３が開口１２に開閉するように威され
ている。

作動に際腰開口１２の扉１３を開きキャリッヂ１を架台
１４の軌道に沿い炉心に向って走行させるときは、スケ
ール除去機構３０が開口１２から炉内に装入される。

引続き油圧シリンダー５゜６の作動によりスケール除去
機構３０の高さを調節するときは、該機構３０が炉床上
のスケールを除去するに適切な位置に置かれ第１図の状
態となる。

そこで駆動モーター９の起動により無端鎖３を作動させ
るときは掻割爪４がスケール２８を破砕し削取ると同時
に開口に向って掻き寄せ開口１２の下辺に取付けられた
シュート１８を経て搬出鍋１９に投入することができる
。

掻割爪４は摩耗が激しいものであるから超硬合金などの
材料を使用するがよい。

また本考案のスケール除去装置はスキッド・ポストに干
渉しない位置で複数個取付けてほぼ全炉床部の残存スケ
ールを除去することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の装置を取付けた加熱炉を示す断面図、
第２図は第１図の線■−■に示す位置から見た側壁開口
の正面図、第３図は第１図の装置の要部の拡大平面図、
第４図は第３図の線ＩＶ−ＩＶから見た側面図である。 １・・・・・・キャリッヂ、２・・・・・・片持梁方式
のフレーム、３・・・・・・無端鎖、４・・・・・・掻
割爪、５・・・・・・油圧シリンダー、６・・・・・・
仝上、７Ａ、７Ｂ・・・・・・車輪、８・・・・・・走
行用駆動モーター、９・・・・・・無端鎖駆動用モータ
ー、１０・・・・・・本考案の装置、１１・・・・・・
加熱炉、１２・・・・・・開口、１３・・・・・・扉、
１４・・・・・・水平架台、１５・・・・・・支柱、１
６・・・・・・側壁、１７・・・・・・炉床、１８・・
・・・・シュート、１９・・・・・・スケール搬出用鍋
、２０・・・・・・スプロケット、２１・・・・・・仝
上、２２・・・・・・無端鎖、２３・・・・・・無端鎖
、２４Ａ、２４Ｂ・・・・・・廻転軸、２５・・・・・
・油圧シリンダー、２６・・・・・・ワイヤー、２７Ａ
、２７Ｂ・・・・・・滑車、２８・・・・・・溶融スケ
ール、２９・・・・・・スキッド、３０・・・・・・ス
ケール除去機構、３１・・・・・・リンク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 加熱炉の側壁に穿たれた開口の上部において側壁に直角
   に延び出す所定長さの水平架台１４、該架台上の軌道に
   沿い走行する駆動車輪を有するキヤリング１、該キヤリ
   ングから昇降自在に吊下せられキヤリングの下側から加
   熱炉の中心軸に向い横方向に延び出す片持梁方式のフレ
   イムの両端に装架された多数対のスプロケットに掛けら
   れ所定のリンクに掻割爪４を取付けている多連の無端鎖
   ３から成るスケール除去機構３０、ならびに前記キヤリ
   ングに搭載せられ前記の対をなすスプロケットの何れか
   一方に駆動的に接続されている電動機９を備えているこ
   とを特徴とする加熱炉のスケール除去装置。