JPS6040554Y2 - 安全なストロ−ク限界指標を備えた液圧ジヤツキ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は液圧ジヤツキに関し、特にジヤツキストローク
作動における安全な限界を示した指標をジヤツキ可動部
に付加せしめてなる液圧ジヤツキを提供しようとするも
のである。

従来、建設作業や、装置、機械の据付作業等における液
圧ジヤツキ取扱い操作にあっては、ジヤツキの例えばラ
ム等に所要ジヤツキのストローク作動の安全な限界を指
示することのできる構成が存在しない場合には、時とし
て、ジヤツキの誤動作によってラムの上げ過ぎからジヤ
ツキを損傷したり、さらには被扛重物の損壊あるいは人
身事故の発生につながるものであった。

従って、本考案者は斯様な欠点を除去する目的から、ジ
ヤツキの操作中にラムのストローク作動に対して安全な
ストローク限界を操作者が容易に確認することのできる
指標をラムに対して設けることにより解決せんとしたの
であるが、単にラムの外周に赤色等の塗料を帯状に施す
ことにより前記ストローク限界用の指標を構成した場合
にはラムの繰り返しのストローク作動による摩耗によっ
て消失してしまうことから長期間の所期の効能を期待し
得ないことが判明した。

そこで塗料による指標に換えて、ラムのストローク作動
に於ける限界位置に指標用のリングをラムの外周に外嵌
することにより実験を行ったところラムのストローク作
動に伴って外嵌したリングがシリンダーのＯリングを損
傷する欠陥が発見され、さらにこの欠陥の解消に研究を
重ね、前記ストローク限界を示す指標リングをラムの外
周に埋設し、シリンダーのＯリングとの摺接を回避せし
めるとともにラムを形成する金属材に対して色彩的に識
別可能なる指標リングを埋設するかあるいは鍬形指標を
リング状に埋設することによりジヤツキのストローク作
動の繰り、返しに摩耗したりあるいはシリンダーのＯリ
ングを損傷する等の欠陥なく所期の効果を達威し得る安
全なストローク限界指標を備えた液圧ジヤツキを開発す
ることに威勢したものである。

以下本考案をその一実施例に基いて、図面を参照しつつ
説明する。

第１，２図は本考案に係るジヤツキのストローク作動の
下限時と上限時との両局面での外観を示したものである
。

本例では液圧ジヤツキを油圧駆動のもので示したが、本
考案はこれが水圧あるいはシリンダー可動形のジヤツキ
にあっても調宜置換して適用しうるものであること勿論
である。

１はジヤツキ基体であって、その内部は油圧シリンダー
を構成し、ストローク駆動用の所要油圧は油圧管接続具
４を通じて供用される。

２は基体１内に収容した可動側のラムであり、ラム２の
上端には受台３を取付けである。

ラム２は基体であるシリンダー１に所定油圧操作を施す
ことによって、第２図示の局面の如く、上方へ移行、即
ちジャッキング作用を遂行する。

そして、ラム２が上昇の安全な限界に達した時、その位
置到達を視覚的にも明瞭に知らしむる処の指標リング５
が表出するように、前記ラム２の下部外周に指標リング
５を埋設しである。

ストロークの安全な限界を示す指標リング５はラム２に
対して焼嵌めした一体のリングあるいはピストンリング
様の割りリングであってもよく、ラム２の素材とは色彩
的に明白に識別できるような金属材料、例えば黄銅、リ
ン青銅、オイルレスメタル、砲金などを用いる。

また、液圧シリンダーの構造上、ラム２と指標リング５
との表面は同一平面となるように形成するとともに耐摩
耗性、面精度、などを略同−とし、更に熱膨張率などに
大きな差異を生じないものがよい。

ラム２に対する指標リング５の取付は製作の一例として
は予じめ、厚肉なリングをラム２の外周面仕上げに先が
けて焼嵌めしくラム２のリング装着位置周面にはリング
嵌合用の溝を形成しておく）、ラム２と指標リング５を
しっかりと嵌着せしめた後、指標リング５の外周面をラ
ム２と共に研削仕上げすることにより形成する方法を挙
げることができる。

また、指標リング５の素材としては上述の金属材料の他
、テフロンなどのような比較的、硬質、耐摩耗性、滑動
性の高い合成樹脂材やゴム性部材を用いることもよい。

第３図は本考案に係る指標リング５とは別の実施例を示
し、この場合、ラム２の該当外周位置に前出した各種素
材で形成した複数個の鍬形指標５′をラム２の外周に沿
って埋設したものである。

鍬形指標５′はそれを埋設部分をネジ状に形成して、こ
れをラム２の所定位置に緊着した後、ラム２の外周仕上
げ加工時、鍬形指標５′の突出面側を同時研削仕上げ加
工を施す等、同一平面に整えて構成する。

本考案は以上の構成から戊るもので、ジヤツキの操作に
際してはラム２の上昇に於てストロークの限界をラム２
の下端部外周に埋設した指標リング５あるいは鍬形指標
５′により容易に確認することができるものである。

しかも、ラム２の下端部外周にラム２の素材に対して色
彩的に識別可能な指標リング５あるいは鍬形指標５′を
埋設することにより構成したものであるからストローク
限界の視覚的な確認を近距離ばかりでなく、ジヤツキの
遠融操作位置からの確認を可能ならしめることができる
とともにラム２のストローク動作の繰り返しに際して塗
料による指標のように短期間の中に消失してしまうよう
な虞れなく長期間の使用に耐え得ることに加え、ラム２
の外周に埋設する構成であるからシリンダー１のＯリン
グ等の他の部位に対して損傷を与えるような懸念もなく
、ジヤツキ自体の作動、操作にも反障をきたすこともな
〈実施することができる。

さらに、ラム２の下端部外周に指標リング５あるいは複
数個の鍬形指標５′を埋設するのみの簡単な構成によっ
て実施することができることに加えてジヤツキの外部に
ラム２の上昇メモリ等の計測器を取り付ける構成から成
るストローク限界の指示手段の場合には計測器がジヤツ
キによる作業の邪魔となったり、必要な箇所にジヤツキ
を装置する場合の邪魔となる等、ジヤツキ操作自体の障
害となる欠陥をシリンダー１の内部に於けるラム２に対
する構成によって一挙に解消し得る利点を有するもので
ある。

以上述べたように本考案による液圧ジヤツキは極めて簡
単に製作てき且、容易に取扱いできる安全表示用の指標
を具えていることにより、従来しばしば発生していたジ
ヤツキの過剰上昇操作を未然に防止できる効果を発揮で
きる直裁な利点の他そうした過剰ストローク操作に原因
したジヤツキ自体の無用な損壊や、重大な工事災害を極
めて効果的に防止できる利点を有している。

特に、大型な構築物、例えばオイルタンクの据付けや基
礎修正工事等での多数のジヤツキによる同期駆動操作で
は、作業者に与える信頼感や、誤操作防止に関しての作
用効果は絶大なものがあり、しかもそうした難易度の高
い施工作業を極めて低コストに実施できる利点をも有す
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１，２図は本考案に係るジヤツキのストローク作動下
限時と上限時の各局面における一部破砕した正面図、第
３図は当該考案における、指標リングとは別の実施例を
示した要部拡大図である。 図中、１はシリンダー ２はラム、５は指標リング、５
′は鍬形指標。

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）油王ジヤツキの可動部たるラムの下端部の外周に
   当該ラムの素材とは色彩的に識別可能な素材からなる指
   標片を埋設腰前記ラムのストローク作動の安全限界を指
   標する可視指標を設けることにより構成した安全なスト
   ローク限界指標を備えた液圧ジヤツキ。
2. （２）前記指標片をリング状に形成したことを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の安全なストロー
   ク限界指標を備えた液圧ジヤツキ。
3. （３）前記指標片を複数個の鍬形状に形成したことを特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の安全なス
   トローク限界指標を備えた液圧ジヤツキ。
4. （４）前記指標片を黄銅、リン青銅、オイルレスメタル
   、又は砲金により形成したことを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項又は第２項又は第３項記載の安全な
   ストローク限界指標を備えた液圧ジヤツキ。
5. （５）前記指標片をテフロン等の硬質、耐摩耗性かつ滑
   動性の高い合成樹脂、ゴム、又は合皮ゴムにより形成し
   たことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項又は
   第２項又は第３項記載の安全なストローク限界指標を備
   えた液圧ジヤツキ。