JPS6039894Y2 - 顕微鏡計測実習用プレパラ−ト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は顕微鏡の操作、就中、標本の具体的な計測実
習を容易且つ確実になさしめ得る目的に於いて開示され
たものである。

近時生物等のカリキユラムに於いて顕微鏡の取扱い、殊
に各種生物細胞の具体的な計測等が取り入れられ、微細
な生物等に対する認識が充分になされるように配慮され
ているものである。

このように肉眼をもって充分に把握、認識しがたい微細
な領域に於ける具体的な標本寸法の計測は、往々にして
観念的にのみ把握されがちなこの種の物質の実態認識に
特に効果を有したものである。

か）る微細標本の計測、把握は通例対物ミクロメーター
と接眼ミクロメーターとを夫々用意し、このミクロメー
ターを平行に並べて両者の一致点より、接眼ミクロメー
ターの一目盛りと接眼ミクロメーター３６目盛とが一致
する場合１６／３６Ｘ １０μｍ ＝ ４． ４４４μ
ｍとして割出すようにしたものである。

しかし乍ら、か）る操作並びに計測は、共にレンズをも
って拡大された状況下に於いてなされていることよりし
て、その計測結果が正確であるか否かについてのフォロ
ーが難しく、往々にして誤った計測のま）学習を終了す
ることが多かったものである。

又、実際の指導に於いても標本の個々のプレパラートに
於いて全て異なる場合、その計測の手順についての指導
をなしたとしても個々の操作、計測結果について逐一確
認して指導することを困難としたものである。

本考案に係るプレパラートは、か）る計測実習に於ける
不都合に鑑み特に発案されたものであって、先ずプレパ
ラートに於ける標本の統一を期し、多数の学習者が同時
に同一の標本内容を有するプレパラートを使用をなすよ
うにして指導の統一を期すと共に、標本の拡大された具
体的に形状等を示す図形又は写真をプレパラート面に表
出し、これに目盛を添装表示し、標本の所定位置間に於
ける寸法を具体的に示したことよりして、指導に伴って
各人が計測した結果を即、この図形又は写真と照合して
、その計測結果の真偽の確認をなし得るようにしたもの
である。

本考案に係るプレパラートは、か）る諸性性の具体的な
奏効を期すべく、特にその構成の要旨を、標本部と、こ
の標本部に於ける標本の名票部とよりなるプレパラート
に於いて、該標本部に於ける標本の拡大図又は写真と、
該標本の拡大図又は写真に沿って設けられる計測目盛と
、この計測目盛をもって指示される標本の寸法とを該プ
レパラート面に表記した点に置き、以下の具体的な実施
例と、これ等の実施例に附随する相当の設計変更を予定
したものである。

以下、本考案に係る計測実習用のプレパラートの典型的
な一実施例を添付の図面について説明するに、１はプレ
パラート部２の支持体であって、通常ガラス板であって
、他のアクリル板、セルロイド板等の適宜の素材が予定
され、この支持体１の表面に名票部３と、説明図部４と
をプレパラート部２と共に表記したものである。

尚、これ等の名票部３、説明図部４と、プレパラート部
２とは相互の相関連して構成されたものであって、同一
の支持体１面上に、これ等の名票部３、説明図部４並び
にプレパラート部２を相関連して複数表示することが予
定されたものである。

次いで、プレパラート部２は学習指導を、より容易にな
す目的に於いて標本のマイクロ写真を用意し、画一的な
標本を同時に多人数が使用し得るように考慮したもので
ある。

尚、このマイクロ写真は、７５イクロフイルムａをカバ
ーグラスｂをもって押圧し、支承し、又は二枚の板ガラ
スＣ，ｃ間に挾持し、あるいは支持体１面上に直接焼付
けることが予定され、この焼付けに於いては通例の写真
焼付けに係る種々の手法が可能であって、そのいずれに
於いても所期の効果の奏効を期し得たものである。

尚、焼付けに於いては焼付けｂ面を保護する目的に於い
てコーティングｅ処理が施されたものである。

尚又、このマイクロ写真には予めミクロメーター目盛５
を付し、これを標本６に沿って設けるようになすと共に
、この標本６と目盛５との拡大写真を説明図部４に表示
するようにしたものである。

次いで、説明図部４は、先のプレパラート部２に於いて
具体的に視認し得る標本６の所定倍率の拡大図又は拡大
写真７と、その拡大幅に相当して拡大された目盛８と、
標本６本来の寸法表記９とをなしたものである。

特に先に於いてマイクロ写真を利用する場合に於いては
当該マイクロ写真の所定倍率に則った拡大写真を直接説
明図部４に表示することによって、顕微鏡操作に際して
の実測位置の確認、並びに指示された実測位置間に於け
る具体的な計測を標本寸法の割出しとを特に容易とした
ものである。

尚、成上に於けるプレパラート部２、名票部３、説明図
部４を支持体１の表面に印刷表示する場合に於いては、
同時に同一の内容を有する計測実習用のプレパラートを
量産、提供し得たものであり、一方に於いて教材として
のプレパラートの製作コストの低減を、又他方に於いて
画−的且つ効果的な学習指導を約束したものである。

尚又、か）る印刷表示手法に於いては、同一の支持体１
面上に複数個の標本６〜６を示し、これに対応する名票
部３、説明図部４を設けることが同一の製作手順内に組
込まれ、格別なコストアップを招来することなく複数標
本の計測実習を可能としたものである。

尚、成上に於ける標本６に対応する目盛５は、具体的に
これを支持体１面上に表記せず、通例の対物ミクロメー
ターの介装使用をなすことも別途予定されたものである
。

又、支持体１等の地色は黒地、白地その他の有色地のい
ずれであっても良く、そのいずれに於いても所期の効果
が認められたものである。

更に又、試料の径寸が均一な花粉等の現物の場合はプレ
パラートに試料をそのま）使用することも予定され、同
時に同一の内容を有するプレパラートを量産することも
可能となしたものである。

本考案に係る顕微鏡計測実習用プレパラートは、成上に
於ける特徴ある構成よりなることより、顕微鏡の操作に
於いて、対物ミクロメーターと接眼ミクロメーターの比
率の確認と、この確認された比率にもとづく接眼ミクロ
メーターの一目盛り相当の割出しと、この割出された寸
法をもとにした標本の実測をなすに際して、夫々の各人
の操作、割出した計測値が正確であるか否かを一目瞭然
としたものである。

特に計測される標本と全く同一の拡大された説明図部４
と、実際の標本の寸法を明記することによって、顕微鏡
操作時に於ける目盛確認の誤りであるか、寸法割出し時
に於ける誤りであるかを特に明瞭としたものである。

更に、顕微鏡による計測実習に際して実習をなす者が寸
分違わない同一のプレパラートを有することにより説明
、指導の画一化が可能とされ、又その計測結果について
の正誤を明確に各操作者に通知し、学習指導の合理化を
期し得たものである。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案に係るプレパラートの斜視図、第２図は
同平面図、第３図は他に実施例を示す平面図、第４図は
プレパラート部の拡大平面図、第５図は断面図、第６図
は他の実施例を示す断面図、第７図は更に他の実施例を
示す断面図である。 尚、図中１・・・・・・支持体、２・・・・・・プレパ
ラート部、３・・・・・・名票部、４・・・・・・説明
図部、５・・・・・・目盛、６・・・・・・標本、７・
・・・・・拡大図又は拡大写真、８・・・・・・目盛、
９・・・・・・寸法表記を示したものである。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）標本部と、この標本部に於ける標本の名票部とよ
   りなるプレパラートに於いて、該標本部に於ける標本の
   拡大図又は写真と、該標本の拡大図又は写真に沿って設
   けられる計測目盛と、この計測目盛をもって指示される
   標本の寸法とを該プレパラート面に表記したことを特徴
   とする顕微鏡計測実習用プレパラート。
2. （２）前記標本をマイクロ写真としたことを特徴とする
   請求 測実習用プレパラート。
3. （３） 前記標本の拡大図又は写真を、該標本のマイ
   クロ写真の拡大図としたことを特徴とする本登録請求の
   範囲第一項記載に係る顕微鏡計測実習用プレパラート。
4. （４）前記標本部を任意複数個同一プレパラート上に設
   け、名票部、拡大図又は写真表示部を、これに対応して
   設けるようにしたことを特徴とする登録請求の範囲第一
   項記載に係る顕微鏡計測実習用プレパラート。