JPS6039020Y2 - 半面体マスク - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 労働衛生保護具としての半面マスクは、顎の部分に於け
る適合具合が漏れの原因の一つとして考えられていた。

この漏れを防ぐために、アンダーチン型半面マスクの面
体は顎の部分を深く顔面に装着することにより顔と面体
接顔部分との接触面積を大きくすることで高い保護効率
を得てきたのである。

しかしながら、従来のアンダーチン型半面マスクの面体
では面体を装着した際、顎は常に面体の定められた位置
に接顔するように設計されており、その位置を変えるこ
とは漏れの原因となった。

しかも装着する際、先ず顎の部分を合せるように装着指
導するために、装着者の顔の大きさと、面体の大きさが
適合しない場合、面体上部、（鼻の部分等との接顔部分
）にすきまが生じてしまい、漏れの原因となった。

従って従来のアンダーチン型半面マスクを使用する際、
装着者は自分の顔の大きさに適合した大きさのマスクを
選んで使用する必要があった。

これらのことから装着者の顔の大きさに関係なく、高い
保護効率が得られる半面マスクが強く要望されてきたが
、この条件を充分満足する誰にでも適合する半面マスク
の設計は困難であった。

本案はこれ等のことから、装着者の顔の多種多様な大き
さに関係なく、高い保護効率が得られる半面マスクを提
供することを目的としてなされたものである。

即ち本案の構造は、従来のアンダーチン型半面マスクに
おいて、第１図に示す顎に接する部分２を第２図に示す
ように、深く内側に曲げこまれた曲縁部３を稍立ち上が
り状態に形成すると共に、曲縁部の上端縁部を少しく内
側に４のように円弧状に円曲形成することによって、顎
の前側部分に於ける接顔面積を広くし、これによって装
着者の顔の大小に拘らず常にマスクを顔面に適合させ、
漏れを防ぐようにしたのである。

本案半面マスクは上記のように形成したので、面体に対
する顎の接顔位置が第３図中ａ図、ｂ図、０図のように
変化しても、顔面と面体との接触により生じる曲線は必
然的に閉じた曲線を形成するようになるため、顔の大き
さに拘らず高い保護効率が得られるようになったのであ
る。

その例として顔の長さ及び口の幅の異なる１０人の人に
よる従来のアンダーチン型半面マスクと、本案の半面マ
スクの装着時における漏れ率％の測定値は下記の第１表
、第２表に示した通りである。

第１表は従来のアンダーチン型半面マスクの漏れ率と顔
の長さ及び口の幅との関係。

第２表は本案の半面マスクの漏れ率と顔の長さ及び口の
幅との関係、但し顔の長さは第４図に示すＸ−Ｘ間の値
である。

従来のアンダーチン型半面マスクでは図表で示す通り顔
の長さ及び口の幅により漏れ率に大きなばらつきが生じ
たのに対して、本案半面マスクでは、そのばらつきが殆
んどないことが判明した。

本案は以上のような作用を有するので、次に示すような
効果が得られるのである。

（１）装着者の顔の大きさによって、顎の部分がマスク
の面体に対して第３図のａ図、ｂ図及びＣ図に示すよう
に自由な位置で接顔しても、充分に高い保護効率を得る
ことができる。

（２）誰にでも適合する設計であるため、装着した際面
体にゆがみが生じない。

（３）装着した際のフィツト感覚が柔らかく、良好であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のアンダーチン型半面マスクの面体の概要
断面図、第２図は本案半面マスクの概要断面図、第３図
は本案半面マスクの面体に対し顔の長さを異にする３人
の顔面との接顔例示図、第４図は本案のマスクと従来の
マスクの比較測定の際の顔の長さとした位置を示す説明
図である。 １・・・・・・アンダーチン型半面マスク、２・・・・
・・従来のアンダーチン型半面マスクの顎に接する部分
、３・・・・・・本案半面マスクの顎に接する部分、４
・・凹曲縁部の上端縁部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 顔面に接する面体の周縁を、所要幅内側に曲げこむと共
   に、特に延長された顎に接する曲縁部を、面体内方に面
   体底面に相平行するように深く曲げこんだアンダーチン
   型半面マスクに於て、深く曲げこまれた曲縁部を、稍立
   ち上がり状態に形威し、且つ立ち上かり曲縁部の上端縁
   部を少しく内側に円弧状に円曲したことを特徴とする、
   半面体マスク。