JPS6038172B2 - 排ガス中の硫黄酸化物の除去装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は排ガス中の硫黄酸化物の除去装置に関する。

排ガスを熱交換器に導き、排ガスの熱エネルギーを有効
に利用するに当り、回収熱量は単位時間当り次式で示さ
れる。

Ｑ＝ｋＡ（Ｔ，一Ｌ） Ｑ：単位時間当りの回収エネルギー Ｔ，：排気ガス温度 Ｔ２：冷却媒体温度 Ａ：熱交換器の伝熱表面積 ｋ：比例定数 上式において回収エネルギーを増大させるためには、Ａ
および（ＴＡ−Ｌ）を増大させることが必要であるが、
Ａを増大させることは、熱交換器のコストを上昇せるこ
ととなる。

一方、硫黄を含む燃料を用いた原動機の場合、Ｔ，は排
気ガスの露点によって制限を受け、あまりＴ，を低くす
ると硫酸霧点腐食が生じ機器が腐食する問題が生、じ、
このためＣ重油を用いた原動機の場合１３０〜１４０つ
Ｃ以下の排ガス温度とすることはできず高温のまま排気
ガスが大気に放出されていた。また排ガス中の硫酸分に
よる公害発生は極めて深刻な社会問題となり陸用ボィラ
等においては硫黄分の少ない燃料を用いること、アンモ
ニアを注入すること等の対策がとられていたが、いずれ
もコストアップを招いていた。

そこで本発明は構造の簡単な硫黄酸化物の霧点以上の温
度排ガス中から、硫黄酸化物を除去する装置を提案する
ことを目的としてなされたものであり、外側に排ガス通
路、内側に膨張室が形成され、前記排ガス通路と前記膨
張室とをノズルを介して蓬通し、かつ前記膨張室の側壁
が円筒をなす膨張室内に排ガスの旋回流を形成させる方
向に延びた１つ以上のノズルを具えた膨張手段、前記膨
張室と蓮通し、下部方向に延びた低温側円筒、前記膨張
室と蓮通し上部方向に延びかつ下部側の側壁に複数個の
硫酸受け孔を具えた高温側円筒とからなり、前記膨張室
下部側に運通し且つ前記低温側円筒の外側に硫酸受け室
を有し、前記硫酸受け孔の外側に硫酸通路と前記膨張室
の外側を通る硫酸おとし孔を有し、硫酸受け孔、硫酸通
路、硫酸おとし孔および硫酸受け室は達通し、かつ硫酸
受け室に蓮通した稀酸吐出孔とを設けたことを特徴とし
、排ガス通路、ノズルを通って膨張室内へ釆た排ガスは
膨張して硫黄酸化物の露点以下の温度迄低下し、硫黄酸
化物は排ガス中の水分と反応して硫酸となり、排ガスの
旋回流により膨張室壁に付着して落下し、硫酸受け室に
導かれ、さらに排ガス上昇流は高温側円筒に沿って上昇
するとき、摩擦等により旋回流が減速すると共に運動エ
ネルギー熱に変化し次第に高温となるが、硫黄酸化物に
排ガスが霧点以上の温度になる迄は、高温側円筒の側壁
に硫酸となって付着し、さらに硫酸受け孔より外部の硫
酸通路を通って硫酸受け室に導かれ、一方一部の低温排
ガスは低温側円筒を通って排出されるので、排ガス中の
硫黄酸化物が効率よく除去され、又、装置の構造も簡単
で、しかも、装置の運転コストが安価な排ガス中の硫黄
酸化物除去装置を提供している。次に本発明を第１図及
び第２図に示す１実施例に基づいて具体的に説明する。

第１図及び第２図において、入口孔１と蓮通した排ガス
通路２は、ノズル３により膨張室と運通し、ノズル３の
延伸方向は膨張室６と蓮通し、ノズル３の延伸方向は膨
張室６の中心部から偏心し、膨張室６内で排ガスの旋回
流を形成するように設けられた膨張手段１３の上部に、
膨張室６と蓮通した高温側円筒７と下部に膨張室６と運
通した低温側円部５とが設けられ、さらに膨張手段１３
の下部には硫酸受け室８が設けられている。又、高温側
円筒７の下部側の側壁には硫酸受け孔９が多数設けられ
その側壁外部に硫酸通路１０が設けられて硫酸おとし孔
１１により硫酸受け室８と運通しており、硫酸受け室８
には硫酸吐出孔１２が設けられている。入口孔１より硫
黄酸化物を含むその露点より高温のガスが供給される。
該ガスは排ガス通路２を経て、１個以上のノズル３によ
って分配され、膨張室６へノズル孔４より噴出される。
噴出されたガスは膨張室６で膨張し、ガスは膨張室６壁
に衝突する。膨張室６の側壁は円をなしているので、衝
突によってガスは旋回運動を行なうようになる。ガスが
膨張する、ガス自身は温度が低下しガスの霧点に達する
。

ガスが霧点に達すると、ガスに含まれていた硫黄酸化物
はある濃度の硫酸の液滴となる。

ガスは旋回運動を行なっているため、この流酸液滴は遠
心力によって膨張室６側壁および高温側筒７の内壁に押
えつけられる。こうして一部の硫酸液滴は重力によって
膨張室６側壁から下方へ移動し硫酸受け室８にたまる。
一方、高温側円筒７には、ある高さまで復数個の硫酸受
け孔９が設けられているため、高温側円筒７の内面に押
えつけられた硫酸液滴は硫酸受け孔９を経て硫酸通路１
０に入り、硫酸おとし孔１１を経て硫酸受け室８にため
られる。他方、膨張室６で旋回しているガスは、高温側
円筒７の上方向にいくにしたがって、摩擦等によって減
速すると共に、その運動エネルギーは熱に変化し高温の
ガスとなる。

高温のガスは上方向に流れる。一方、膨張室６で冷却さ
れ、硫酸分が少なくなった低温ガスは低温側円筒５を経
て、下方向へ移動する。

硫酸受け室８にためられた流酸は硫酸吐出孔１２を通じ
て別タンク（図示してしない）に貯められる。

低温側円筒５を通して出てきた低温ガスは、硫酸分が少
ないのでガスの種類によって種々の用途に使うことがで
き高温側円筒７を通して出てきた高温ガスは硫酸分が少
ないので、熱交換器によって極めて低温まで熱回収でき
る。

従って、極めて構造の簡単な装置で硫黄酸化物を含むガ
スをノズル３から断熱膨張させ冷却すると共に、当該ガ
スに旋回運動を与え、硫酸受け孔９および硫酸受け室８
によって硫黄酸化物を除去することができ、硫黄酸化物
を含むガスから硫黄酸化物を除去できるとともに、硫黄
酸化物の少ない高温ガスを得るこことができる。

従って硫黄酸化物を含むガスの熱エネルギーをその霧点
以下の温度まで効率良く安価に熱回収できる。硫黄酸化
物を含むガスから硫黄酸化物を除去できるとともに、硫
黄酸化物の少ない低温ガス得ることができる。

したがって、油槽船のボイラー排ガスの場合は、この低
温ガスを直ちにタンク爆発防止のためにタンク内に入れ
ることができる。構造がきわめて簡単なので、硫酸がふ
れる部分に黒鉛、テフロン、ガラス等の耐硫酸材料を用
いることができる。硫酸が生成する場合、温度が非常に
短い領域で低下し、またその温度が低いため、テフロン
等の有機系材料を硫酸が生成する領域に用いることがき
る。

なお、高温側面筒７に設けられた硫酸受け孔９の高さは
、その内壁の部分の温度が、入口孔１に供給されるガス
の霧点以下である高さまでとし、高温側円筒７に設けら
れた硫酸受け孔９の形状は必ずしも円形である必要はな
く、高温側面筒７に設けられた硫酸受け孔９の入口側の
直径を大きくすることもでき、高温側円筒７の内壁に溝
をもうけ、溝底に硫酸受け孔９をつけるともできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の１実施例の１部正面断面図、第２図は
第１図中ローＤ失視図である。 １・…・・入口孔、２…・・・排ガス通路、３・・・・
・・ノズル、４・・・・・・ノズル孔、５・・・・・・
低温側面筒、６・…・・膨張室、７・・・・・・高温側
円筒、８・・・・・・硫酸受け室、９・・・・・・硫酸
受け孔、１０・…・・硫酸通路、１１・・・・・・硫酸
おとし孔、１２・・・・・・硫酸吐出孔、１３・・・・
・・膨張手段。 オー図 か２図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 外側に排ガス通路、内側に膨張室が形成され、前記
   排ガス通路と前記膨張室とをノズルを介して連通し、か
   つ前記膨張室の側壁が円筒をなす膨張室内に排ガスの旋
   回流を形成させる方向に延びた１つ以上のノズルを具え
   た膨張手段、前記膨張室を連通し、下部方向に延びた低
   温側円筒、前記膨張室と連通し上部方向に延びかつ下部
   側の側壁に複数個の硫酸受け孔を具えた高温側円筒とか
   らなり、前記膨張室下部側に連通し且つ前記低温側円筒
   の外側に硫酸受け室を有し、前記硫酸受け孔の外側に硫
   酸通路と前記膨張室の外側を通る硫酸おとし孔を有し、
   硫酸受け孔、硫酸通路、硫酸おとし孔および硫酸受け室
   は連通し、かつ硫酸受け室に連通した硫酸吐出孔とを設
   けたことを特徴とする排ガス中の硫黄酸化物の除去装置
   。