JPS6037278B2 - 岩石破砕工具駆動用坑底モ−タ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は鉱業に係り、より詳しくは、岩石破砕工具駆
動用の坑底モータに関する。

背景技術 ハウジングを具えたスピンドル・ユニツトに機械的に
連結されたモータ・ユニツトから成る岩石破砕工具駆動
用坑底モータは従来知られている。

上記ハウジングの内部には岩石破砕工具に連結された軸
が挿通してあり、上記軸はラジアル・ベアリングとスラ
スト・ベアリングを用いてハウジング内に取付けてある
。このスラスト・ベアリングは、基本的に、外側レース
と内側レースとの間に転動体を保持する機能を有する一
組の外側レースと内側レースである。 スラスト・ベア
リングの従釆のレースの作動面の形状如何に関係なく、
軸上に配置した内側レースとスピンドル・ユニツト・ハ
ウジング内に配置した外側レースとを緊締するための手
段が設けてある。

上記従来技術の坑底モータは大口径坑井および中口径
坑井の掘さくに有利に用いられているのであるが、スピ
ンドル・ユニツトの構成部材が多数であることならびに
スラスト・ベアリングの構成部品によつて比較的大きな
断面積が占拠されてしまうことから、従来技術構造は小
口径の坑井の掘さくには不適当であり、信頼性と耐久性
のある作動を確保することは不可能であつた。

これは、小口径の坑井を掘さくするために従来技術の坑
底モータを使用する時において従来のスピンドル・ユニ
ツト構造を使用する場合には軸の直径を小さくしなけれ
ばならず、その結果坑底モータの出力が低減するからで
ある。 強度を考慮に入れて軸直径を決めれば転動体の
直径がかなり減少することとなり、これは抗底モータの
寿命が減縮することになる。

何故ならば、使用した転動体の支持力が減少するからで
ある。発明の開示 本発明の目的は、スピンドル・ユニ
ツトは小口径の坑井を掘さくする際の坑底モータの作動
の耐久性と信頼性が増大するとともに補修作業が大幅に
容易化される様な構造となつていることを特徴とする、
岩石破砕工具駆動用坑底モータを提供することである。

本発明は、スピンドル・ユニツトに機械的に連結され
たモータ・ユニツトを具備して成る岩石破砕工具駆動用
坑底モータであつて、上記スピンドル・ユニツトはハウ
ジングを有し、上記ハウジングの中には軸が挿通してあ
り、上記軸は岩石破砕工具に連結されているとともにラ
ジアル・ベアリングとリングとレースを用いて上記ハウ
ジング内に取り付けられており、上記リングならびにレ
ースは軸に対して同軸的に配置されているとともにリン
グとレースと軸との間に配置した転動体を保持し得るよ
うになつた岩石破砕用坑底モータにおいて、上記軸には
転動体と直接に接触する環状グループを設けたことを特
徴としている。

上記の様な構造配置にすることにより軸の直径を固定
的としたままで転動体の寸法を増加させることが可能と
なる。

その結果転動体の支持能力が増加するので、スラスト・
ベアリングならびに坑底モータ全体の双方の耐久性が大
幅に増加する。上記軸のうちリングならびにレースと協
動して転動体を担持する部分はインサートの形に製作す
るのが有利である。そうすれば、環状グループを有する
軸部分の製作品質が大幅に改善されると共に軸全体の製
造技術を簡素化することができる。さらに、軸の構造配
置を上述の様にすれば軸をコンパクトにすることができ
るとともに、環状グループの品質が向上するのでスラス
ト・ベアリングの寿命を大幅に延長させることができる
。 接触応力を最小にし、各特定シリーズのスラスト・
ベアリングを順次連続的に組立て得るようになし、かつ
、軸の強度を維持するためには、転動体を収容するため
に軸上に設ける環状グループは、環状グループ内径に対
する環状グループ断面の曲率半径の比が実質的に０．１
〜０．２５の範囲内となる様にするのが好ましい。 以
下、添附図面を参照して実施例を詳細に記載するに従い
本発明をさらに明らかにする。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の岩石破砕工具駆動用坑底モータの長
手方向概略断面図、第２図は第１図のＡ矢視部の拡大図
である。 発明を実施するための最良の形態 ここに開示した岩石破砕工具駆動用坑底モータはモー
タ・ユニツト１とスピンドル・ユニツト２を有する。 モータ・ユニツト１は本体３を含み、この本体３はその
中に取り付けられたヘリカル・ステータ４およびヘリカ
ル・ロータ５のような作動部材を収蔵している。 スピ
ンドル・ユニツト２は複合軸６と、ラバーコーテツド・
ラジアル・ベアリング１１と、スラスト・ベアリング１
２とを含んで成り、上記複合軸６はアダプタ７と、複合
軸６のうち球状転動体８を坦持し得るようになつた部分
であつてインサート９を構成する部分と、出力軸１０と
を具備して成る。 スラスト・ベアリング１２自体は特別な多重型スラス
ト・ラジアル・ボール・ベアリングであり、後者は外側
レース１３と、転動体８と協働するリング１４とを含ん
で成る。 転動体８はインサート９の外側面に形成した環状グルー
プ１５に接触している。外側レース１３とリング１４と
はスピンドル・ユニツト２のハウジング１６に設けたね
じによつて緊締されてモノリス・セツトとなつている。
一般的に、軸６の製作に技術的困難が無く、かつ、殊
に、環状グループ１５を高精度で製作することができる
場合には、軸６は１つの部品（図示せず）として製造す
ることができる。 本発明の岩石破砕工具駆動用坑底モータはさらに、モ
ータ・ユニツト１のヘリカル・ロータ５とスピンドル・
ユニツト２の複合軸６とを連結するためのカツプリング
部材１７と、ビツトを挿入するためのアダプタ１８を有
する。 この坑底モータはアダプタ１９を用いて図示しないドリ
ル・ストリングもしくはチユービング・ストリングから
懸吊される。 本発明の岩石破砕工具駆動用の坑底モー
タは次のように作動する。 掘り泥は掘さく管の内部空間からアダプタ１９を経て
坑底モータへと供給する。 この掘り泥はへリカル・ステータ４とヘリカル・ロータ
５との間を通過しながらヘリカル・ロータに作用してこ
れを回転させるとともに、アダプタ７とインサート９と
出力軸１０との内部孔隙を経て坑底に向つて吐出される
。モータ・ユニツト１内に発生したトルクはヘリカル・
ロータ５からカツプリング部材１７を介してスピンドル
・ユニツト２の複合軸６に伝えられる。 流体圧荷重な
らびにステータ・ロータ対偶内に作用する諸応力ならび
に坑底からの荷重によつてヘリカル・ロータ５内に生起
する軸方向応力はスラスト・ベアリング１２により支承
され、一方、複合軸６の不均衡ならびに他の諸要因によ
つて生じた半径方向荷重はラバーコーテツド・ラジアル
・ベアリング１１により支承される。 インサート９からの軸方向荷重は転動体８を介して外
側レース１３に伝えられるとともに、さらにハウジング
１６に伝達される。 外側レース１３の転動面がモータの軸線に対してなる傾
斜角は小となる様に定めるとともに、スラスト・ベアリ
ング１２の特定の各シリーズを順次連続的に組立てるこ
とが完全にできる様に定める。転動体８の寸法ならびに
環状グルーブ１５の直径は同様の観点から定めるととも
に複合軸６の強度が保持される様に定める。転動体８の
直径を同じサイズに減少させること或いはインサート９
に設けた環状グルーブ１５の直径が僅かに増大させるこ
とは、スラスト・ベアリング１２の支持力に大きな影響
を与えるものであることが確認された。 また、一連の
研究によれば、転動体の直径を減少させれば、支持力が
低下するとともに、坑底モータのスラスト・ベアリング
１２のような特に解放型のベアリングの転動体８の摩耗
が激しくなることが判つた。 この摩耗現象は坑底モータに圧送される掘り泥中に研摩
性の粒子が存在する場合にはさらに強度となる。 しか
しながら、転動体８のサイズを増加させれば、大トルク
を伝達している時において坑底モータの軸６の瞬間的な
停止（ブレーキ状態）によつてそのトルクの絶対値が急
激に増加したような場合に、複合軸６の安全率（セフテ
イーマージン）が低下することがある。 このため、坑底モータの運転に対して技術的制限を加
えなければならないこととなる。 即ち、たとえば、掘り泥の流量を低下させること等であ
る。しかし、掘り泥の流量を低下させれば坑底モータの
出力が減少することになる。 したがって、環状グルー
ブ１５の内径Ｄに対するその断面の曲率半径ｒの比は実
質的に０．１〜０．２５の範囲内にしなければならない
。 岩石破砕工具駆動用坑底モータの上述の設計上の諸元
、特に転動体８に対する環状グルーブ１５の上掲の好ま
しい諸元に従えば、従来技術の坑底モータ用スラスト・
ベアリングに比してスラスト・ベアリング１２の断面積
をより有効に利用して大径の転動体８を収蔵し得るので
、スラスト。 ベアリング１２の荷重能力を増加させることができる。
さらに、スピンドル・ユニツト２の構成部品の数が減少
するとともにスラスト・ベアリング１２の内側レースの
組を複合軸６上に緊緒する必要が無くなるので、スピン
ドル・ユニツト２の組立が容易となる。産業上の利用可
能性 本発明は油井、ガス井、探鉱用坑井の掘さくおよび補
修に利用することができ、また、他の坑底機構にも利用
することができる。 ＦＩＧ．１ ＦＩＧ．２

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 以下の各構成要素を具備して成る岩石破砕工具駆動
   用坑底モータ。 （イ）モータ・ユニツト、 （ロ）上記モータ・ユニツトに機械的に連結したスピン
   ドル・ユニツト、（ハ）上記スピンドル・ユニツトのハ
   ウジング、（ニ）岩石破砕工具挿入用アダプタ、（ホ）
   ラジアル・ベアリング、 （ヘ）リング、 （ト）レース、 （チ）上記岩石破砕工具挿入用アダプタに連結され上記
   ラジアル・ベアリングとレースとリングとを用いて上記
   ハウジング内に取付けられた軸であつて、上記リングな
   らびにレースと同軸配置されたもの、（リ）上記軸とリ
   ングとレースとの間に配置されそれら三者によつて保持
   された転動体、（ヌ）上記転動体と直接に接触させるた
   めに上記軸上に設けた環状グループ。 ２ 上記軸のうちリングならびにレースと協働して転動
   体を担持する軸部分はインサートの形にしたことを特徴
   とする請求の範囲第１項記載の岩石破砕工具駆動用坑底
   モータ。 ３ 転動体を収蔵するために上記軸に設けた上記環状グ
   ループはその内径に対する環状グループ断面の曲率半径
   の比が実質的に０．１〜０．２５の範囲内になるように
   形成したことを特徴とする請求の範囲第１項または第２
   項記載の岩石破砕工具駆動用坑底モータ。