JPS6036890B2 - 特殊二段式菌切り工具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は特殊二段式歯切り工具に関するもので、その目
的とするところは中形から大形歯車の荒削りを王とし、
現有のホブ盤又はフライス盤を用いて高能率重切削歯切
りを行い、荒削時間の短縮と歯切り工具の寿命延長を得
ると共に歯先刃だけに鞠方向スクィ角を形成することの
できる特殊二段式歯切り工具を提供しようとするもので
ある。

本発明ではホブの他、歯切り工具として軸まわりに回転
する本体の周８同上に多数の切刃を螺旋状に配設したス
ライスカッタ等を含むが、ホブ盤又はフライス盤を用い
て歯切り加工ができるものを対象としている。

従来の歯切り工具の刃の構成は、歯先刃と側面刃とが同
一刃面上に配されていることから、歯先刃と側面刃が同
時に切削に参加するため、切削の排出時互いにぶつかり
干渉する現象が見られた。

このため歯先丸み部と側面刃との境界部に悪影響が及び
切刃面に大きな切削抵抗と断続的な衝撃を与えることと
なる。切削中この現象が繰り返えされると刃面にクレー
ター摩耗を起し、これが成長すると刃の欠けにと発達し
、切削効果を低下させるとともに歯切り工具寿命を一段
と縮める結果となる。中形から大形歯車を荒削専用で重
切削を主目的とする場合、歯先に集中し強く圧縮しよう
とする多量の切屑をいかに早く刃から排出させるかが大
きな問題である。

又重切削であるため通常の刃では前に述べたように同一
刃面で歯先と側面を同時に切削するので、切削抵抗は倍
加し歯切り工具を取付けたアーバーの榛みは増大し振動
と衝撃が重なって異常欠けと摩耗が発生し高能率重切削
が望めない。そこで本発明の歯切り工具は歯先専用刃と
側面専用刃とに完全に分離することに着目し上記の難点
を解消した。

通常、切削中の歯先部の切削分担は、全切削量の約７０
％をしめている。このように切削負担が大きい歯先刃の
摩耗は側面刃に比べ摩耗を早めると同時に刃肩の排出を
悪くし一段と工具寿命を縮めている。本発明の歯切り工
具は、歯先刃と側面刃が同一でなく独立しているので側
面刃に影響されることなく歯先刃の刃付研削が任意にで
きる。

これは、歯先刃において刃付研削の際軸方向スクイ角を
任意に選定することができる特徴となる。そして単に歯
先刃に軸方向スクィ角を付けるというのではなく、被削
材質、被削硬度、切削条件、使用機械等を考慮し適正な
軸方向スクィ角を歯先刃に施すことによって歯先部の切
れ味を増し、刃面からの切屑の流出を容易にすることに
より特に歯先刃の摩耗防止と切削抵抗並びに切削時の衝
撃をやわらげている。以下実施例として示したホブの図
面に従ってその構成を説明する。

１は歯先専用刃で側面刃を形成していない。

２は側面専用刃で、歯先刃を形成していない。

この側面専用刃の側面には波形３が形成されている。側
面専用刃２と歯先専用刃１とは歯条方向Ｓに前後して交
互に設けられており歯先専用刃のみ、鞄方向スクィ角が
左右千鳥刃状にするか（第４図イ）又は一方向刃にする
か（第４図口）によって先に述べた諸条件に合う適正角
を任意に選定加工できるよう配置している。第３図に示
した例では、側面専用刃が歯切方向に先行し、歯先専用
刃が後行するよう刃溝を介して二段に分離した。側面専
用刃の歯丈は歯先専用刃の歯丈より低く、段部を形成し
た側面専用刃の頂上は平面状として切削担当をしないよ
うになっている。又歯先専用刃の側面は側面専用刃より
細く形成され、側面切削には関与しないよう構成されて
いる。尚、４は歯先専用刃の軸万向スクィ角、５は歯先
専用刃の半蓬方向スクィ角を示す。第４図口は、右涙れ
ホプの刃溝の配列を示すものである。

この場合、軸方向スクィ角４は歯先刃において、右刃側
を鋭角、左刃側を鈍角にした一方向刃方式である。一般
に右振れのホブで、平歯車又は右振れのハスバ歯車をコ
ンベンショナルカットする場合、ワークは反時計方向に
回転しホブの左刃がＩＪ−ディング側（遠のき側）で、
右刃がトレーリング側（近寄り側）となって切削する。

このとき、リーディング側の左刃とワークとはたがいに
遠のきの関係になる。従って左刃の側面はワークによっ
てこすられることはない。一方、トレーリング側の右刃
とワークとはたがいに近寄りの関係となり、近寄ってく
るワークの歯面で右刃の側面がこすられる形態となる。
実際の切削においては、ホブ盤のマスターホイールとウ
オームとのバックラッシとホブ軸方向のギャップが重っ
て断続切削中にワークの円周方向の振動となって右刃側
に悪影響を与えることになる。

本実施例では、これらの難点を解消するため、刃溝を介
して摩耗量の大きい歯先専用刃と、摩耗量の少ない側面
専用刃とを二分することにより、歯先専用刃の刃中を厚
く、側面専用刃の刃中を狭く設定した。本発明は上言己
のような構成とし、特に刃溝を介して歯先専用刃と側面
専用刃とを分離したので、この歯切り工具を用いて切削
する場合、歯先専用刃と側面専用刃とは同時に働かない
ようになっていて、歯先専用刃と側面専用刃とのそれぞ
れの切削分担は完全に分離している。

しかし、切削した時側面専用刃により切削される歯切輪
郭と歯先専用刃により切削される歯切論郭とは連続して
所定の歯形を完成するように構成されている。

このように歯先専用刃と側面専用刃の切削位置は同一で
なく、又それぞれ独立しているので、歯先専用刃で削ら
れた切屑は側面専用刃で削られた切屑とは全く影響せず
両側に流れ排出されるため刃面に発生する構成刃先を最
４・限に押えることができ、耐摩耗性、耐久性に富み高
能率切削と工具寿命を一段と延長することができる。

一般的に刃の摩耗は歯先部に大きく成長するが、本発明
の二段式では歯先専用刃のみの研ぎ直しで済ませること
ができるため、研ぎ直し時間が短く、かつ簡単にできる
ようになり、この方向からの経済的効果も大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は歯先専用刃と側面専用刃との歯形図、第２図は
本発明工具の要部拡大正面図、第３図はボブ軸に直角方
向から見た一部側面図、第４図イ，口は、歯先専用刃と
側面専用刃を歯条方向に展開した図で歯先専用刃のみ軸
方向スクィ角を左右交互に設けた状態と、歯先専用刃の
みに藤方向スクィ角を同一方向に定め配置した場合を示
す。 １・・・…歯先専用刃、２…・・・側面専用刃、３・・
・・・・波形、４・・・・・・軸方向スクィ角、５…・
・・半径方向スクィ角、Ｓ・・・・・・歯条方向。 第１図 第２図 第３図 第４図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ホブその他軸まわりに回転する本体の外周上に多数
   の刃を有する歯切り工具において、各刃の歯形を刃溝を
   介して二段に分離して歯先刃のない側面専用刃と、側面
   刃のない歯先専用刃とを形成し、歯切方向に側面専用刃
   が先行し歯先専用刃が後行するよう配設し、側面専用刃
   の刃溝は軸方向に平行とし、歯先専用刃の刃溝は歯条方
   向に順次左右の千鳥状とするか又は左右のいずれか同一
   方向の軸方向スクイ角とし、且つ半径方向スクイ角を設
   けたことを特徴とする特殊二段式歯切り工具。