JPS603642Y2 - 太陽電池電源装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、太陽電池電源装置の回路構成に関する。

従来の太陽電池電源装置は第１図にその回路図を示すよ
うに、太陽電池１とこの太陽電池１により得られた電力
を蓄えるための蓄電池２と、負荷３および蓄電池２から
太陽電池１への電流の逆流を防止するためのダイオード
４とから構成される。

しかるに本構成においては、太陽電池１の出力と、蓄電
池２の自己放電等を含めた、負荷３が消費する各電力の
バランスがとれている場合には良好に動作するが太陽電
池１の出力が消費電力に比べて大きくなった場合、例え
ば好天が続いた場合には、蓄電池２を過充電状態にする
。

蓄電池２は経済性等の理由から鉛蓄電池が一般的であり
過充電が著しい場合には、蓄電池２の劣化を招く恐れが
あった。

これらの欠点を除くため、第２図の回路図に示すように
過充電防止回路を付加することは周知の事実であり、広
く実用されている。

すなわち蓄電池２および負荷３と並列に過充電防止回路
５が挿入されており、蓄電池２の電圧を検出し、一定電
圧以上になった場合、太陽電池１を短絡するためのスイ
ッチ６に信号を出す。

なお第２図においては、スイッチ６としてサイリスタを
用いた例を示したが、トランジスタまたは電磁リレー等
によっても同様の働きをさせ得る。

当構成によれば、蓄電池３は常に過充電防止回路５によ
ってその端子電圧を検出され、蓄電池３の電圧が予め定
めた一定電圧以上になれば、過充電防止回路５から信号
が出されスイッチ６を動作させ、太陽電池１を短絡する
ので、蓄電池２を過充電から保護することが可能となる
。

しかし、蓄電池２の端子電圧はそのときの蓄電池２の温
度および充電電流値により異なるので予め定めた一定電
圧値では、かならずしも満充電状態で充電が停止される
ことにならず、太陽電池１によって得られた電気エネル
ギーを効率よく利用できない。

さらに、太陽電池１は発電のための入射光が一定である
時は一種の定電流電源として動作するため充電末期にお
いても、通常充電時と同じ、大電流で充電することには
いたらずに蓄電池２の温度を上昇させ、また鉛蓄電池の
場合には、隔離板の劣化、電極の腐食等を促進するのみ
でなく、蓄電池における電極のわん曲その他の不都合を
生じさせ、結果的には蓄電池の寿命を縮めることになる
等、蓄電池の一定電圧値によって動作させる過充電防止
回路５の方式にも多くの欠点が残されていた。

したがって、従来の太陽電池電源装置においては、太陽
電池の最大出力電流を鉛蓄電池の初期充電電流に見合っ
た値には出来ず、そのために晴天時においても長い充電
時間を必要としていた。

本考案の目的はかかる欠点を除き、蓄電池に対し、理想
的な充電を行なうことが可能な電源装置を提供すること
にある。

本考案によれば蓄電池と並列接続された複数の太陽電池
の各々を蓄電池の予め定められた複数の電圧レベルに応
じて蓄電池から電気的に分離する手段を備えたことを特
徴とする太陽電池電源装置が得られる。

とくに本考案によれば太陽電池と、該太陽電池から得ら
れた電力を蓄えるための蓄電池と、該蓄電池電圧を検出
して予め定めた電圧値以上のときに太陽電池と並列に接
続したスイッチを動作させ蓄電池に対し過充電防止の機
能を備えた過充電防止回路とからなる太陽電池電源装置
において、太陽電池を複数に分割し、分割した各々の太
陽電池にダイオードを介して複数個の過充電防止回路を
設けたことを特徴とする太陽電池電源装置が得られる。

本考案の太陽電池電源装置によれば、最大充電電流を大
きく出来るので、見かけ上の充電効率が向上する。

さらに蓄電池の寿命を延ばすことが出来る。

以下第３図を参照して本考案の一実施例を説明する。

第３図における参照数字１および１′は、太陽電池、２
は蓄電池、３は負荷、４および４′ダイオード、５およ
び５′は過充電防止回路、６は過充電時に太陽電池１を
短絡するためのスイッチ、６′は過充電時に太陽電池１
′を短絡するためのスイッチをそれぞれ表わす。

本構成において、例えば過充電防止回路５は、従来のと
うり所定の一定電圧で動作する様設定されており、太陽
電池１．１′によって充電され、蓄電池２の電圧が上昇
してきて、一定電圧値以上になると信号を発し、スイッ
チ６を動作させ、太陽電池１を短絡するが、太陽電池１
′はダイオード４′を介して蓄電池２に充電を継続し得
る。

過充電防止回路５′は温度その他の要素を含めて過充電
防止回路５の動作電圧よりもやや高めに設定しておき、
高日射が続いて、太陽電池１′のみでも過充電状態にな
ったときにはじめて動作する。

すなわち本構成によれば、蓄電池２の一定電圧値でまず
太陽電池の一部を短絡させ、残る太陽電池によって低電
流で蓄電池に充電を継続することが可能となり、充電末
期には理想的な充電を行ない得る。

さらに充電を一度に停止することがないため太陽電池が
発電したエネルギを有効に使用できる等、優れた太陽電
池電源装置が得られる。

なお、第３図において、説明のため、太陽電池、過充電
防止回路系を２段階で動作させることについてのみ説明
したが、２段階以上の構成においても同様の効果が得ら
れることは明らかである。

また、スイッチとしてトランジスタや電磁リレーを用い
る場合は、各電力供給回路に直列に挿入して、回路をオ
ープンすることにより電力供給を断つ方式も採用できる
。

さらに各スイッチの動作閾値を異ならせておくことによ
り、過充電防止回路を一個にすることもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の太陽電池電源装置の概略を示す構成国。 第２図は過充電防止回路を付加した従来の太陽電池電源
装置の概略を示す構成国。 第３図は本考案の一実施例を示す構成国。 １および１′・・・・・・太陽電池、２・・・・・・蓄
電池、３・・・・・・負荷、４および４′・・・・・・
ダイオード、５および５′・・・・・・過充電防止回路
、６および６′・・・・・・スイッチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 蓄電池と、該蓄電池に並列に接続された太陽電池と逆流
   防止素子との複数の直列回路と、前記太陽電池にそれぞ
   れ並列に接続された複数のスイッチング素子と、前記蓄
   電池の電圧を検出し、それぞれ異なる電池電圧に応じて
   それぞれ検出出力を出力する電池電圧検出回路と、前記
   スイッチング素子のそれぞれに前記検出出力のそれぞれ
   異なるものを供給し、もって電池電圧に応じて前記蓄電
   池に充電する前記太陽電池の数を変える手段とを有する
   ことを特徴とする太陽電池電源装置。