JPS6031970Y2

JPS6031970Y2 - ラツクアンドピニオン式ステアリングギヤ装置

Info

Publication number: JPS6031970Y2
Application number: JP1328879U
Authority: JP
Inventors: 茂俊三吉
Original assignee: トヨタ自動車株式会社
Priority date: 1979-02-02
Filing date: 1979-02-02
Publication date: 1985-09-25
Also published as: JPS55113669U

Description

【考案の詳細な説明】この考案は、ラックアンドピニオン式ステアリングギヤ
装置に係り、特に組付精度の管理が単純化され、円滑に
作動させるに好適なラックアンドピニオン式ステアリン
グギヤ装置に関する。

第１図は従来例に係るラックアンドピニオン式ステアリ
ングギヤ装置の要部を示す説明図であり、ステアリング
ギヤハウジング１の内部には、ベアリング２を介してピ
ニオン３を備えるピニオンシャフト４が回転可能に支持
され、ベアリング２はステアリングギヤハウジング１に
螺合され、ロックナツト５によって固定化されているア
ジヤスティングスクリュウ６によって位置決めされてい
る。

ピニオンシャフト４のピニオン３には、ステアリングリ
ンク機構を介して左右のホイールに連結されているラッ
クパー７が噛み合いされている。

すなわち、図示されていないステアリングホイールを回
動操作することによって、ピニオンシャフト４を回転し
、ラックパー７を左右方向に摺動させることによって、
舵取を行うようになっている。

ここで、ラックパー７とピニオン３とを有効に噛み合い
させるために、ラックパー７の背面にはラックガイド８
が配設され、ラックガイド８にはスプリング９によって
所定の付勢力が加えられている。

スプリング９はステアリングギヤハウジング１に螺合さ
れているキャップ１０により支持されている。

キャップ１０はロックナツト１１によってステアリング
ギヤハウジング１に所定位置で固定され、ラックガイド
８の端面とキャップ１０の端面との間には、ピニオン３
およびラックパー７の歯の精度を吸収し、ピニオントル
クの増大を防止するに必要なりリアランスＡが形成され
ている。

このような従来例に係るラックアンドピニオン式ステア
リングギヤ装置においては、ピニオン３とラックパー７
との間に作用する荷重のラックガイド８の軸方向への分
力が小荷重である場合にはスプリング９の反力によって
支持され、その分力が大荷重である場合にはクリアラン
スＡがゼロとなり、キャップ１０によって支持されるこ
とになる。

しかしながら、このような従来例に係るラックアンドピ
ニオン式ステアリングギヤ装置においては、クリアラン
スＡがゼロとなりラックガイド８がキャップ１０に当る
際にメタルコンタクトによる異音が発生する。

また、キャップ１０をステアリングギヤハウジング１に
設定する際に、クリアランスＡが過大である場合には、
ピニオン３とラックパー７との不正噛み合いによって異
音が発生する可能性があり、クリアランスＡが過小であ
る場合にはピニオン３とラックパー７の歯の精度を十分
に吸収することができず、ピニオントルクが増大すると
いう問題点がある。

そこで、従来においても、ラックガイドとキャップとの
間に非線形特性を有する緩衝部材を介在させたものが提
供された（英国特許第９４５７５咥明細書、実開昭５２
−８４１３６号公報）が、これらはゴム材あるいは金属
材といった単一素材により形成されていたため、緩衝部
材に前記非線形特性を具備させる製造が難しく、また、
単一素材に特性の異なる部分を設けることから、耐久性
も悪いという欠点があった。

この考案は上記従来の問題点に鑑みなされたものであっ
て、ラックガイドとキャップとの間のクリアランス管理
を単純化し、異音を発することなく円滑に作動すると共
に、製造簡単にして耐久性の優れたラックアンドピニオ
ン式ステアリングギヤ装置を提供することを目的とする
。

上記目的を遠戚するために、この考案に係るラックアン
ドピニオン式ステアリングギヤ装置は、ステアリングギ
ヤハウジング内に配設されるラックガイドとキャップと
の間に介装される緩衝部材を金属等の剛性材料よりなる
芯部と、該芯部に被覆させたゴム等の弾性材料よりなる
外被部とから構威し、該外被部に小荷重域での線形的挙
動をさせ、当該外被部及び芯部の相乗的挙動により大荷
重域での非線形的挙動をさせるようにしたものである。

以下、この考案の実施例を図面を参照して説明する。

第２図は、この考案に係るラックアンドピニオン式ステ
アリングギヤ装置の一実施例を示す説明図である。

ステアリングギヤハウジング２１には、前記従来例にお
けると同様にベアリング２２、ピニオン２３、ピニオン
シャフト２４、ロックナツト２５、アジヤスティングス
クリュウ２６、ラックパー２７およびラックガイド２８
が配設され、図示されないステアリングホイールに連結
されているピニオンシャフト２４の回動によってピニオ
ン３を介してラックパー７を直線的に移動し、左右のホ
イールを舵取操作するようになっている。

また、ピニオン２３とラックパー２７とのかみあいをい
かなる荷重状態下においても、適正に維持するために、
ラックパー２７の背面側には、ステアリングギヤハウジ
ング２１に対して上下に相対移動可能なラックガイド２
８が備えられ、ラックガイド２８のラックパー２７の反
対側の端面には緩衝部材２９を介して、ステアリングギ
ヤハウジング２１に螺合されているキャップ３０の端面
が対向配置されている。

キャップ３０は、ラックガイド２８との間に所定のクリ
アランスＢを形成する状態で、ロックナツト３１によっ
てステアリングギヤハウジング２１に固定化されている
。

ここで、緩衝部材２９は、第３図に示されるように、リ
ング状の芯部である鉄芯２９Ａの周囲に耐油性の良好な
ニトリルゴム等からなる外被部であるゴト体２９Ｂを被
覆して形成されている。

鉄芯２９Ａの線材直ｉＤは前記クリアランスＢより大き
く設定されている。

また、ゴム体２９Ｂの材質および肉厚は、作用する荷重
に対するその線形的な挙動領域がピニオン２３およびラ
ックパー２７の歯の精度を吸収可能でかつ両者間に不正
噛み合いを生ずることのない範囲となるように選定され
ている。

次に上記実施例の作用について説明する。

ピニオン２３とラックパー２７との間に作用する荷重の
ラックガイド２８軸方向への分力が小荷重である場合に
は、ゴム体２９Ｂがその弾性特性によって線形的に変形
し、歯の精度を有効に吸収する。

ラックガイド２８軸方向への分力が大荷重である場合に
は、緩衝部材２９は鉄芯２９Ａとゴム体２９Ｂとが一体
化して非線形的に挙動するため、すなわち両者２９Ａ、
２９Ｂが相乗的に挙動するためにその大菊重分は、緩衝
部材２９を介してキャップ３０によって支持され、歯の
精度を吸収しピニオン３とラックパー２７との有効な噛
み合い状態が維持される。

上記実施例によれば、鉄芯２９Ａの線材直径が前述のよ
うに設定されているので、大荷重作用下においてもラッ
クガイド２８とキャップ３０との間のクリアランスがゼ
ロとなることはなく、メタルコンタクトによる異音が発
生することがない。

さらに、ラックとピニオンの歯に生ずる異音も吸収でき
る。

また、キャップ３０をステアリングギヤハウジング２１
に組付ける際には、ラックガイド２８とのクリアランス
Ｂを単に鉄芯２９Ａの線材直径より小とするだけで足り
、その管理が単純化される。

さらに、ゴム体２９Ｂはその材質および肉厚が前述のよ
うに選定されていることから、ピニオン３とラックパー
７との間に不正噛み合いによる異音を発生することなく
、有効に歯の精度を吸収しピニオントルクの増大を防止
することができる。

第４図は、この考案に係るラックアンドピニオン式ステ
アリングギヤ装置に適用可能な他の緩衝部材３２を示す
説明図である。

すなわち、緩衝部材３２は、プラスチックもしくは金属
等の剛性をもつ材料からなる円盤状の芯部３２Ａと、芯
部３２Ａを包む耐油性の良好で、かつ荷重に対する変形
挙動が線形的となるニトリルゴム等の弾性材料からなる
外被部３２Ｂとから形成されている。

この緩衝部材３２を、ラックガイド２８とキャップ３０
との間に介装する場合には、両者間のクリアランスを芯
部３２Ａの厚みＣより小さく設定すれば良い。

このような緩衝部材３２の配設によれば、ラックガイド
２８とキャップ３０との間のクリアランス設定が単純化
されるとともに、両者間のメタルコンタクトによる異音
の発生が防止されピニオン２３およびラックパー２７の
間に不正噛み合いを生ずることなく両者の歯の精度を有
効に吸収することが可能となる。

以上のように、この考案に係るラックアンドピニオン式
ステアリングギヤ装置は、ラックガイドとキャップとの
間に、介装される緩衝部材を金属等の剛性材料よりなる
芯部と、該芯部に被覆させたゴム等の弾性材料よりなる
外被部とから構威し、該外被部に小荷重域での線形的挙
動をさせ、当該外被部及び芯部の相乗的挙動により大荷
重域での非線形的挙動をさせるようにしたので、ラック
ガイドとキャップとの間のクリアランス管理を単純化し
、異音を発することなく、円滑に作動することができる
と共に、当該緩衝部材を上記の如く、金属等の剛性材料
とゴム等の弾性材料の２種類の素材で形成したので、非
線形特性を具備させる製造が簡単となり、装置全体の製
造も簡単化でき、且つ耐久性も向上するという効果を有
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例に係るラックアンドピニオン式ステアリ
ングギヤ装置の要部を示す断面図、第２図はこの考案に
係るラックアンドピニオン式ステアリングギヤ装置の一
実施例を示す要部断面図、第３図は第２図の緩衝部材を
取出して示す断面図、第４図は緩衝部材の他の実施例を
示す断面図である。２１・・・・・・ステアリングギヤハウジング、２８・
・・・・・ラックガイド、２９．３２・・・・・・緩衝
部材、２９Ａ・・・・・・鉄芯、２９Ｂ・・・・・・ゴ
ム体、３０・・・・・・キャップ、３２Ａ・・・・・・
芯部、３２Ｂ・・・・・・外被部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

ステアリングギヤハウジング内に配設されるラックガイ
ドとキャップとの間に、小荷重域では線形的に挙動し、
大荷重域では非線形的に挙動する緩衝部材を介装したラ
ックアンドピニオン式ステアリングギヤ装置において、
前記緩衝部材を金属等の剛性材料よりなる芯部と該芯部
に被覆させたゴム等の弾性材料よりなる外被部とから構
成したことを特徴とするラックアンドピニオン式ステア
リングギヤ装置。