JPS6031781Y2 - 冷却装置を備えた反応容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は反応容器内で発熱を伴う化学反応を行うさい、
反応熱を効果的に除去して容器内の温度を均一に保つた
め、器内に冷却装置を設けた反応容器に関するものであ
り、特に構造が簡単で点検、整備、保守等が容易な該冷
却装置の構造に関するものである。

従来、反応容器内において触媒を使用し、または使用す
ることなく発熱反応を行うさいは一般に器内に冷却コイ
ル等の冷却装置を設備して水等の冷媒体を通して発生す
る熱を除去し反応を一定温度に維持する方法が実施され
ているが、長期間の使用により冷却コイルが腐蝕して冷
却水が容器内に漏洩するおそれがあり、特に水分の混入
によって反応に重大な支障をきたすおそれのある場合に
は厳重な注意が必要である。

然し乍ら、従来の冷却コイル等を使用する冷却装置はコ
イル全体が容器内に設置されているため漏洩が生じても
外部から漏洩個所を発見することは不可能であり、また
使用前予め冷却コイルの点検、整備を行う場合において
もすべて容器を開放し作業員が容器内に入りこれを行な
わなければならず、その作業は長時間に亘る困難な作業
である。

本考案は該冷却装置の点検、清掃、或いは漏洩個所の確
認等の作業を行うにさいし、その都度容器を開放して作
業員が容器内に入る必要はなく、容器の外部からこれら
の作業を実施することの出来る極めて効果的な構造をも
った冷却装置を備えた反応容器に関するものである。

本考案の冷却装置を備えた反応容器の構造を添付図面に
示す一実施態様によって説明すれば１は反応容器、２は
直管からなる冷却管であり、冷却管は反応容器の上、下
の罐板を貫通して反応型動に延びており端部は容器外に
おいて継手（添付図面はフランジ４）を介して連結管（
ベンド）３によって連結され一連の冷却装置を構成して
いる。

また容器内には仮設冷却管５が設置されている。

これは後述するように反応時に反応物の滞留を防ぎ混合
を均一にすると同時に、反応体止時作業員が容器内に入
りこれを取り外して保守整備作業を行うための場所を確
保するためのものである。

６は攪拌機、７は容器壁に取り付けられたそらし板（バ
ッフル板）でありこれ等によって反応物は均一に混合さ
れ、所望の温度に保持される。

冷却管には銅合金、ステンレス鋼等の使用も可能である
が共に高価であり、特にステンレス鋼は冷却水中の塩素
イオンにより応力腐蝕割れを発生する虞があり、本考案
においては内面を樹脂加工した鋼管が有利に使用される
。

しかして本考案においては前述の通り、冷却装置は容器
の上、下の罐板を貫通して外部に延び、容器外において
フランジを介して連結管によって連結されている直管状
の冷却管から構成されているため、（イ）反応容器を開
放することなく単に連結管を取り外すのみで簡単に冷却
管の内部を点検することが出来る。

（ロ）冷却管が直管であるため外部から反射鏡を挿入す
ることも可能で漏洩個所のある場合等にはその発見が容
易である。

（ハ）また洗滌水等を外部から送入して簡単に冷却管を
洗滌することが出来、このさい管内のさび異物等の排出
が容易である。

に）更にまた冷却管には前述のように冷却水により腐蝕
を防止するために内壁を合成樹脂加工して鋼管を使用す
るのが有利であるが、本考案の場合には冷却管が直管で
あるために樹脂により内面加工が容易であり、経済的に
極めて有利である。

なお、本考案においては反応容器内に仮設冷却管が設置
されているが、これは仮に反応容器の内面全周に亘って
本考案の冷却管を配置した場合には反応休止時に容器内
整備のため作業員が罐内に入ったさい冷却管が邪魔にな
り整備作業が行はれ難くなるのでこれを防止するためで
ある。

即ち、本考案においては整備のため作業員が反応器に入
ったさいは容器内において該仮設冷却管を取り外すこと
が可能であり、これによって作業員が自由な作業空間を
得ることが出来るものである。

また仮設冷却管設置部分を当初から空間として空けてお
く場合には容器内の一部に冷却管が配置されない部分が
出来、この部分において混合の不均一から反応物の滞留
が生じ部分的な温度上昇を生づる危険があり、該仮設冷
却管の設置はこれを防止する効果を有するものである。

なお、該仮設冷却管は外部から管内を透視することは出
来ないため、常時は腐蝕漏洩を生づる虞れのある冷却水
を通すことなく窒素等を封入して置くことが望ましい。

以上の通り本考案の反応容器は容器を開放することなく
、外部から簡単に冷却管の点検、整備、清掃の出来る効
果的な冷却装置を備えた反応容器であり、特に水の混入
によって重大な支障をきたす反応を行うさい等に使用し
て極めて有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の冷却装置を備えた反応容器の平面図、
第２図は同、一部切欠断面をもった正面図である。 符号、１・・・・・・反応容器、２・・・・・・冷却管
、３・・・・・・連結管、４・・・・・・フランジ、５
・・・・・・仮設冷却管、６・・・・・・攪拌機、７・
・・・・・そらし板、８・・・・・・マンホール、９・
・・・・・冷却水出入口、１０・・・・・・ノズル、１
１・・・・・・ノズル、１２・・・・・・窒素封入口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ■ 反応容器の内壁周囲に沿って配置され、上下の罐板
   を貫通して容器外に延びる内面が合成樹脂加工された直
   管状の冷却管群と、反応器外の上下において該冷却管を
   継手を介して取り付し自在に連結する連結管（ベンド）
   からなる冷却装置を備えた反応容器。 ２ 反応容器が仮設冷却管を備えている実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の反応容器。 ３ 反応容器が攪拌機を備えている実用新案登録請求の
   範囲第１項ないし第２項のいずれかに記載の反応容器。 ４ 反応容器が内壁にそらせ板（パルフル板）を備えて
   いる実用新案登録請求の範囲第３項記の反応容器。