JPS6028461Y2 - ロ−プ昇降用ステツプ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、建物などの高所から垂下したロープに沿っ
て昇降する場合に使用するロープ昇降用ステップに関す
るものである。

建物の壁面補修や塗装を行なう場合、普通、建物の外側
に足場枠を組立てるようにしている。

このような足場枠を採用する工事は、準備と作業完了後
の撤去に手間がかかり、壁面の一部補修のような単純な
工事には不向きである。

ところで、高所から垂下したロープに沿って安全に昇降
できるようにした昇降具があれば、準備作業および撤去
作業が容易であるが、ロープに沿って昇降できるように
したものは未だ存在しない。

そこで、この考案は、高所から垂下した二本のロープに
沿って容易に昇降することができるようにしたロープ昇
降用ステップを提供することを目的としている。

この考案の構成は、折れ曲げ可能に連結した一対の支持
アームのそれぞれ端部に横方向に切った断面がＵ字形状
のロープ案内枠を揺動可能に連結し、このロープ案内枠
内に位置する支持アームの端部に加圧片部を形威し、前
記ロープ案内枠の内側にロープを挿入し、一対の支持ア
ームの揺動によって加圧片部がロープの一部をロープ案
内枠のＵ字形壁に押し付ける作用によってこの支持アー
ムに体重をかけることができるようにし、ロープの押し
付けを解除する操作によって全体を二本のロープに沿っ
てスライドさせることができるようにしたものである。

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて′説明す
る。

第１図ないし第３図に示すように、一対の支持アーム１
，１は、ピン２で折り曲げ可能に連結され、その各支持
アーム１の外端部に連結ピン３を介してロープ案内枠４
が揺動可能に接続されている。

ロープ案内枠４は横方向に切った断面がＵ字形状になり
、そのＵ字形壁４′の内側にロープＡが挿入されるよう
になっている。

上記支持アーム１のそれぞれ内端側には引き上げアーム
５が接続されている。

この引き上げアーム５は、支持アーム１から起立する部
分の上端を横方向に折り曲げて支持アーム１の上方に張
り出す部分を形威し、その端にロープガイド６を取付け
ている。

また、支持アーム１のロープ案内枠４内に臨む外端には
加圧片部７が下向きに設けられ、この加圧片部７の外側
を弧状に形成して鋸歯８が設けである。

なお、加圧片部７の形状は任意であり、支持アーム１の
揺動時に、ロープ案内枠４の内側に挿入したロープＡを
その案内枠４のＵ字形壁４′とで挾持することができる
形状であればよい。

前記ロープ案内枠４の下部と支持アーム１の外端部との
間にはスプリング９がかけられ、このスプリング９は支
持アーム１の加圧片部７の先端がＵ字形壁４′の内面に
近接する方向にロープ案内枠４を偏向している。

また、一対のロープ案内枠４の下端部間には間隔規制用
のリンク１０が渡されている。

このリンク１０は図示のように長さ方向の三等分位置か
ら折り曲げ可能に形成してあってもよい。

実施例で示すロープ昇降用ステップは上記の構造から戒
り、このステップを用いて高所から垂下した二本のロー
プに沿って昇降する場合は、第５図に示すように、上記
ロープのそれぞれがロープガイド６およびロープ案内枠
４の内側を通るようにして二本の平行するロープＡ、
Ａ間にこの考案に係るステップを渡し、ロープＡ、 Ａ
は下端を固定して適宜の張力を付与しておく。

一方昇降者には宙吊り作業帯２０を取付け、その作業帯
２０に接続したロープチャック２１を垂下ロープのステ
ップセット位置より上方に取付ける。

ここで、前記宙吊り作業帯２０は尻当て２２の一端に大
腿部を支持可能な一対の受片２３を形成し、この各受片
２３に吊りベルト２４を接続し、前記尻当て２２の他端
に接続した腰ベルト２５を吊りベルト２４の中途に接続
しており、各吊りベルト２４に接続した補助帯２６の先
端に前記のロープチャック２１を取付けている。

いま、二本ロープＡ間にセットしたロープ昇降用ステッ
プの一対の支持アーム１に足をのせてこれを押し下げる
と、各支持アーム１が連結ピン３を中心に揺動し、その
アーム１に形成した加圧片部７の先端がロープ案内枠４
に挿入したロープＡの外周一部に向けて移動し、その加
圧片部７と案内枠４のＵ字形壁４′とでロープＡを挾持
することができ、ロープＡに対してステップを固定する
ことができる。

そこで、この支持アーム１に体重をかけ、次にロープチ
ャック２１をロープＡに沿って引き上げてロープＡに係
合させ、上記係合位置に体重をかけ、支持アーム１にの
せていた両足の上方向への移動によって引き上げアーム
５を持ち上げると、第６図に示すように、支持アーム１
が連結ピン３を中心に上記の逆方向に揺動すると共に、
リンク１０の中央の屈曲部が下方向に移動してリンク１
０は屈曲し、ロープ案内枠４はロープＡと共に、内方に
移動する。

ロープＡには適度の張力が付与されているため、ロープ
案内枠４のＵ字形壁４′の下端はロープＡで外方向に押
され、その押す力がスプリング９の弾力より大きくなる
と、このスプリング９の弾力に抗してロープ案内枠４は
連結ピン３を中心に回動し、支持アーム１とロープ案内
枠４との相対的な回動により、リンク１０は伸び、また
加圧片部７とＵ字形壁４′内面との間隔がロープＡの外
径より大きくなり、ロープＡの挟持が解除される。

このため、引き上げアーム５を足の甲で持ち上げること
により、ロープＡに沿ってロープ昇降用ステップを引き
上げることができ、上記ステップを所定位置まで上げた
のち前記と同様に支持アーム１を押し下げ、これに体重
をかけることでロープ昇降用ステップの引き上げ量に対
応する距離だけロープＡに沿って上昇することができる
。

なお、支持アーム１から足を浮かした状態では、ロープ
案内枠４を偏向するスプリング９の弾力でロープＡを挾
持することができるため、ロープＡに沿ってロープが下
降するのを防止することができる。

また、ロープ案内枠４に足をのせて下向きに加圧すると
、ロープ昇降用ステップがロープに沿って下降するよう
スプリングの弾力ならびに加圧片部のロープに対する係
合角度が規制されている。

この結果、ロープＡに沿った下降も容易に行なうことが
できる。

以上のように、この考案は、互に折り曲げ可能に連結し
た一対の支持アームの端部にロープ案内枠を取付けて高
所から垂下した二本のロープ間に渡せるようにし、その
一対の支持アームに足をのせて押し下げることにより、
この支持アームに形成した加圧片部とロープ案内枠のＵ
字形壁とでそのロープ案内枠に挿入したロープを挾持す
ることができ、また足の甲で支持アームの内端に接続し
た引き上げアームを持ち上げることにより、ロ一プの挟
持を解除することができるので、ロープチャックを有す
る宙吊り作業帯との併用において、二本のロープに沿っ
て安全に、かつ容易に昇降することができ、壁面補修や
壁面塗装などの高所作業業用として有用である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案に係るロープ昇降用ステップの一実
施例を示す斜視図、第２図は同上の縦断正面図、第３図
は、同上の一部切欠平面図、第４図は同上のロープガイ
ド部分を示す平面図、第５図は同上の使用状態を示す斜
視図、第６図は第２図の作動状態を示す一部切欠正面図
である。 １・・・・・・支持アーム、４・・・・・田−プ案内枠
、４′・・・・・・Ｕ字形壁、５・・・・・・引き上げ
アーム、７・・曲加圧片部、９・・・・・・スプリング
、１０・旧刊ンク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 折り曲げ可能に連結した一対の支持アームのそれぞれ端
   部に横方向に切った断面がＵ字形のロープ案内枠を揺動
   可能に連結し、上記支持アームの内端部には、この支持
   アームの上方に張り出す部分を備えた引き上げアームを
   接続し、かつ支持アームの外端には加圧片部を下向き形
   威し、この加圧片部の先端がロープ案内枠のＵ字形壁に
   近接する方向にロープ案内枠を偏向するスプリングを設
   け、上記ロープ案内枠の下端部間に間隔規制用のリンク
   を渡したロープ昇降用ステップ。