JPS601967Y2 - 刃物研摩機における刃物ホルダ−駆動機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は山林作業用、木工用、料理用等の刃物の研摩
機における刃物ホルダー駆動機構に関するものである。

一般に上記のような刃物は、切削物等に対する切込を良
くするために刃先はできるだけ薄く鋭利にし、刃元は衝
撃に耐え得るように適当な厚みをもたせるように形成さ
れるが、これは蛤刃と称して刃文側面がアール面をなす
ように研摩される。

刃物の研摩には一般に高い熟練度を要するが、上記蛤刃
の研摩は特に難かしく、高精度で均質な研摩を迅速にし
かも未熟練者にも行える装置の開発が期待されていたが
、本考案者はこの問題に対して後述するように刃物を自
動的に研摩する装置を考案した。

この考案は上記装置において、例えば第１図に示すよう
に刃物１を回転砥石２に押接して一定の形状に研摩する
ために、刃物を把持する刃物ホルダーに所定の運動を与
える刃物ホルダーの駆動機構を提供し、上記装置の実現
に資することを目的とするもので、特に刃物取付台の両
側面に先端に同一のアールをなすガイド面を有する板状
の案内カムを取付け、該各案内ガイドの上下端に、各ガ
イド面に沿って２本のスチールテープの名一端のみをそ
れぞれ係止して設け、上記スチールテープの係止されな
い各端部を円弧状に湾曲した転動カムの湾曲外周の上下
端に各固着し、上記各転動カムには先端に刃物ホルダー
を取付けるホルダー軸を固着してこれを水平に支持し、
該ホルダー軸には揺動レバーの先端を固着したことを特
徴とするものである。

以下図示する実施態様につき詳述する。

第１図は刃物１の研摩状態を示す要部側面図で、この考
案に係る研摩機では刃物１は回転研摩砥石２の周面に対
して刃物１′の状態から刃物１の状態に至るまで押接研
摩され、砥石２は第２図に示すように研摩機のベース３
上に固定的に設けられた砥石フレーム４に固定して横向
きに回転自在に軸支され、同じく同フレーム４に取付け
られた砥石駆動用モーター５によって回転駆動される。

ベース３上の砥石２の側面に対向する位置には上面に砥
石２と軸心と同方向のベッド６を有する取付台フレーム
７が載置され、上記ベッド６上には砥石軸と同方向に摺
動走行する走行台８が載置され、該走行台８の走行駆動
はシリンダ又はスクリュー（いずれも図示しない）等に
よって行われる。

上記走行台８上には前記ベッド６と直交する方向のベッ
ド９が設けられ、該ベッド９上にはボックス状の刃物取
付台１０が走行台８の摺動走行方向と直交する方向に摺
動するように載置されており、この刃物取付台１０もシ
リンダ又はスクリュー等（いずれも図示しない）の駆動
手段により摺動駆動される。

上記刃物取付台１０の両側面の正面側には先端が前記砥
石２の周面と等しいあるいはそれに近似した半径のアー
ル面（ガイド面１１）を有する板状の案内カム１２が、
前後位置調節自在にボルト１３によって締着して取付け
られており、該各案内カム１２のガイド面１１は砥石２
の周面と概ね横方向に並ぶ位置に突出せしめられている
。

上記各案内カム１２のガイド面１１の円弧の略中間必位
置には後に述べる刃物ホルダー１４を取付けるホルダー
軸１５が水平に架設されており、該ホルダー軸１５は各
案内カム１２の先端において上下から緊締される状態で
取付けられる。

即ち、第２図〜第４図に示すようにホルダー軸１５は、
円筒片状に湾曲した一定厚みの転動カム１６の湾曲内周
面の中央に軸受部１６′を介して一体的に固定して取付
けられ、上記転動カム１６の湾曲外周面は前記案内カム
１２のガイド面１１と次に述べるスチールテープ１７，
１Ｂを介して転勤自在に外接する構造で接している。

転動カム１６の裏面（湾曲外周面）にはその長手方向に
沿って２本のスチールテープ１７，１８が並べて取付け
られ、一方のスチールテープ１７はその下端が転動カム
１６の上端に、他方のテープ１８は上端が転動カム１６
の下端に互に逆向きをなすようにそれぞれ固着して取付
けられ、各スチールテープ１７，１Ｂの反対側の延長端
にはボルト１９．２０がそれぞれ溶着等によって固着さ
れるとともに、該ボルト１９．２０ばそれぞれ案内カム
１２の上下端面に突設されたブラケット等の係止部２１
．２２に挿通されナツト２３．２４によりそれぞれ緊締
係止されている。

上記構造は転動カム１６及びホルダー軸１５は上記スチ
ールテープ１７，１８により上下に緊締されて左右２ケ
所において位置決めされるとともにガイド面１１のアー
ルに沿って転動カム１６が上下方向に全く滑りを生じな
いで転動する機構を形成している。

他方、上記のように水平に支持されたホルダー軸１５の
各案内カム１２の外側面からの突出端には後方から延び
ている引寄せロッド２５の先端のボス部２６が嵌合され
、ホルダー軸１５は該各ロッド２５により後方に引寄せ
られ各カム接触面において転勤自在に押接される構造に
なっている。

即ち各ロッド２５は刃物取付台１０の側面後方に突設し
たロッド受け２７に摺動自在に挿通され、該ロッド受け
２７とそこから後方に突出しているロッド後端部との間
に挿入されたスプリング２８によって、ロッド２５は常
時後方に引き寄せられている機構である。

またホルダー軸１５の左側端には後方から延びている揺
動レバー２９の前端が固着され、該レバー２９の後端を
揺動させることによりホルダー軸１５はその揺動角に応
じて回動するとともに、転動カム１６がガイド面１１上
をそのアールに沿って上下に転動する機構をなしている
。

刃物取付台１０の後端上面には、モーター３０及び該モ
ーター３０によって緩速回転される揺動クランク３１が
設置され、この揺動クランク３１に突設されたクランク
ピン３２と前記揺動レバー２−９の後端は伸縮調節自在
な揺動リンク３３によって連結され、クランク３１の回
転によりレバー２９が揺動される結果ホルダー軸１５が
転動カム１６の転勤を伴って回動する機構となっている
。

ホルダー軸１５の右端（砥石２側の端部）には刃物ホル
ダー１４の板端が固定的に嵌合され、該刃物ホルダー１
４は図示する例ではＬ字形をなしてその先端が水平をな
しているが、該水平部上面は刃物１の背を収容するチャ
ンネル状の把持部３４が形成され、その側壁からねじ込
まれたセットボルト３５によって、刃物１をホルダー１
４内に固定的に取付ける構造である。

そして前述したようにホルダー軸１５を回動させること
によって刃物１は、軸１５の回動と転動カム１６の転勤
によって形成される規則的な運動形態に応じて回転する
砥石２の周面に押接され、第１図Ｂに示すような研摩を
行うものである。

上記研摩装置においては、刃物の形状や大きさに応じて
刃物取付台１０、走行台８及び揺動クランク３１の始動
位置を決め、ホルダー１４に刃物１を取付けた後に研摩
を開始くるが、回転砥石２の幅が刃物１の刃渡りより狭
い場合は研摩操作中に走行台８を駆動する必要があり、
また刃物１の形状によっては走行台８、刃物取付台１０
、揺動クランク３１の作動タイミングを相互にずらして
作動プログラムを組むことも可能である。

その他転動カム１６や刃物ホルダー１４又は揺動クラン
ク３１等の形状を研摩する刃物形状に応じて任意に変更
し、あるいは予め所定の形状のものを用意して選択使用
することも可能である。

この考案の機構は以上の如く構成される結果、回転砥石
で刃物を研摩するに当り、その研摩形状に応じて刃物を
動かして所望の研摩を機械的に行うことを可能にし、刃
物の自動研摩の実現に資することができるという効果を
奏するものである。

【図面の簡単な説明】 第１図は刃物の研摩状態を示す断面図、第２図は本考案
の機構を用いた刃物研摩機の全体構造を示す斜視図、第
３図は本考案の刃物ホルダー駆動機構の要部を示す拡大
側面図、第４図は同じくその要部正面図、第５図は刃物
ホルダーによって把持された刃物の研摩状態を示す拡大
側面断面図である。 １．１′：刃物、２：回転砥石、３：ベース、４：砥石
フレーム、５：砥石駆動用モーター、６：ベッド、７：
取付台フレーム、８：走行台、９：ベッド、１０：刃物
取付台、１１ニガイド面、１２：案内カム、１３：ボル
ト、１４：刃物ホルダー、１５：ホルダー軸、１６：転
動カム、１６′：軸受部、１７．１８ニスチールテープ
、１９．２０：ボルト、２１，２２：係止部、２３．２
４：ナツト、２５：引寄せロンド、２６：ボス部、２７
：ロツド受け、２８ニスプリング、２９：揺動レバー、
３０：モーター、３１：揺動クランク、３２：クランク
ピン、３３：［動リンク、３４：把持部、３５：セット
ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 刃物取付台１０の両側面に先端に同一のアールをなすガ
   イド面１１を有する板状の案内カム１２を取付け、該各
   案内ガイド１２の上下端に、各ガイド面１１に沿って２
   本のスチールテープ１７゜１Ｂの各一端のみをそれぞれ
   係止して設け、上記スチールテープ１７，１Ｂの係止さ
   れない各端部を円弧状に湾曲した転動カム１６の湾曲外
   周の上下端に各固着し、上記各転動カム１６には先端に
   刃物ホルダー１４を取付けるホルダー軸１５を固着して
   これを水平に支持し、該ホルダー軸１５には揺動レバー
   ２９の先端を固着してなる刃物研摩機における刃物ホル
   ダー駆動機構。