JPS6018919B2 - 洋弓 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はスタビライザーを備えた洋弓に関し、先端に
質量体を固着したロッドを弾性支持するダンパーの取付
位置に工夫を施すことにより、矢飛びの方向を安定させ
、かつスタピラィズ効果の向上を図るようにしたもので
ある。

一般に弓に番えられた矢は、ドローィングからリリース
の瞬間に弦に押され、このとき矢の先端が洋弓本体のサ
ィトウインド壁画に強く押し付けられる結果、矢のシャ
フトは弓の内側に擬み、さらにその反動で弓を巻き込む
ように様みの向きが外側に反転した時点で弓から離れ、
いまら〈の間この種の反復動作を線反しながら蛇行して
飛んで行くことが知られている。

このような一連の矢の挙動現象を“アーチャーズ・パラ
ドックス”と呼んでいるものであるが、この初期動作か
ら明らかなように、リリースの瞬間、矢の先端は弓を強
く押し退けるように作用しながら通過することからこの
矢の初期挙動に応じて洋弓本体が敏感に応動しないと（
すなわちグルツプの周囲の慣性モーメントが大きいと）
矢に対する反綾作用となって矢飛びの方向が不安定にな
り、的中率の向上を図ることができない。従来この種の
スタビライザーを備えた洋弓においては、第１図及び第
２図に例示するように、スタビライザー１が先端に質量
体２を固着したロッド３により形成され、かっこのロッ
ド３をゴムまたはスプリング等の弾性体４を介して間接
的に支持する弾性体ケース５を備えてなるとともに、こ
の弾性体ケース５にボルト軸６を突設してなるダンパー
を洋弓本体７のハンドル部８のバック面又はフェース面
の上又は下段位置に螺着固定するように取付けてなる構
造を有するものがある。

しかしながらこのような従来構造のスタビライザーの取
付手段では、ロッド３を弾性支持する弾性体ケース５が
洋弓本体７のハンドル部８からボルト軸６を介して外側
に離間した位置に取付けられていることから、洋弓本体
７のハンドル部８からロッド３の先端の質量体２に至る
距離１の慣性モーメントに加えて弾性体ケース５自体を
質量体とする距離１，の慣性モーメントが洋弓本体７に
発生し、全体的に洋弓本体７の慣性モーメントが大きく
、矢のりリースの瞬間の初期挙動に応じて洋弓本体７が
微動し‘こくいために矢飛びの方向が非常に不安定にな
っていた。またスタビライザー１によって洋弓本体７の
グリップにおける下向きのモーメントを一定にするため
、ハンドル部８のグリップを通る中心軸Ｘから質量体２
に至る距離１を一定にした場合、ダンパー５が洋弓本体
７の外側にあると、実質的なスタビラィズ効果を呈する
弾性体ケース５から質量体２に至る距離１２、つまりロ
ッド３の長さが短か〈なり、スタビライズ効果を最大限
に発揮させることができないなどの不具合が生じていた
。そこでこの発明は、スタビライザーを弾性支持する弾
性体を収納し、保持するために供するケースの全体また
は一部を洋弓本体のハンドル部内に埋設させることによ
り、上記従来の欠点を解消せんとするものである。次に
この発明を第３図に示す一実施例に基づいて説明すると
、図中１０はスタビライザーで、先端に質量体１１を固
着したロッド１２により形成されているとともに、この
ロッド１２を弾性体１３を介して間接的に支持する弾性
体ケース１４からなるダンパーを具備し、かっこの弾性
体ケース１４の外周側面にはネジ部１４ａが形成されて
いる。

さらに図中１５は洋弓本体で、ハンドル部１６のバック
面１６ａには螺合穴１７が設けられ、この螺合穴１７に
は上記弾性体ケース１４が螺合されるようになっている
。すなわち上記ダンパ−は、弾性体ケース１４が洋弓本
体１５のハンドル部１６に設けた螺合穴１７に螺着する
ことによりハンドル部１６内に一部または全体が埋設さ
れ、かっこの構造のダンパーの弾性体ケース１４によっ
て弾性支持されるスタビライザー１０のロッド１２をハ
ンドル部１６の外側に突出させてなる取付構造を有する
ものである。

したがって上記の構成によれば、スタビライザー１０の
ロッド１２を弾性支持する弾性体ケ−ス１４を洋弓本体
１５のハンドル部１６内に埋設させたことから、従来構
造のものと同機に洋弓本体１５のハンドル部１６の中心
軸Ｘから質量体１１に至る距離Ｌを一定（１＝Ｌ）にし
て考えた場合、洋弓本体１５のハンドル部１６からロッ
ド１２の弾性体ケース１４への取付端に至る距離Ｌ，が
短か〈なり（１，＞Ｌ）これによってグリップの周囲の
慣性モーメントを小さくすることができ、矢のＩＪリー
スの瞬間の初期挙動に応じて洋弓本体を微動させること
が可能となるために、矢は円滑に洋弓本体のサイトウィ
ンド部を通過し、矢飛びの方向を安定させることができ
るとともに、質量体１１からロッド１２の弾性体ケース
１４への取付端に至る距離Ｌ２、つまりロッド１ ２を
長くすることができることから０２＜Ｌ２）スタビライ
ズ効果の向上を期待することができる。

さらに洋弓本体１５のハンドル部１６内に互いに材質の
異なる比較的大きな弾性体ケース１４といった異物体を
埋設位置させていることから、ハンドル都内で発生する
振動の弾性波が異物体によって反射、散乱し、リム部で
生じる振動がグリップの方に伝播するのを防止すること
ができる。この発明は、以上説明したように、先端に質
量体を固着したロッドを弾性支持するダンパーを構成す
る弾性体ケース自体を洋弓本体のハンドル部内に埋設さ
せてスタビライザーを取付けることにより、弾性体ケー
スの突出による弓のグリップ周囲の慣性モーメントを小
さくし、矢の初期挙動に伴う弓の応動性を良好にしたこ
とから、弓を離れる矢の通過が円滑となり、矢飛びの方
向を安定させることができるとともに、矢のドローィン
グ時、あるいはリリース時に発生する振動・衝撃の吸収
を従来構造のもの以上に効率良く吸収することができる
など、実用性にすぐれた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のスタビライザーを備えた洋弓の一例を示
す説明図、第２図は同じく第１図Ａ部における要部拡大
断面図、第３図はこの発明に係る洋弓のスタビライザー
の取付構造の一実施例を示す要部断面図である。 １０・・・・・・スタビライザー、１１・・・・・・質
量体、１２・・・・・・ロッド、１３・・・…弾性体、
１４・・・・・・弾性体ケース、１５・・…・洋弓本体
、１６・・・…ハンドル部。 第１図 第２図 第３図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 先端に質量体を固着したロツドと、このロツドを弾
   性体を介して支持する弾性体ケースからなるダンパーと
   を具備し、かつ上記弾性体ケースの一部又は全体を洋弓
   本体のハンドル部内に埋設させた洋弓。