JPS6015539Y2 - 高速回転と超音波振動とそれら併用による歯科用治療器具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は回転による歯牙切削作用と超音波振動による歯
石除去作用と更にこれら両件用併用による高能率の精密
研削を夫々可能ならしめた歯科用治療器具に関する。

歯牙の切削を回転によりなす器具、ならびに、歯牙面の
歯石除去を超音波振動によりなす器具はいずれも公知に
属し夫々単独器具として実用化されている。

しかし、両者併用を単−器で可能ならしめたものは末だ
その例をみない。

本考案はそのような歯科用治療器具を提供せんとするも
のである。

以下図示の実施例により説明する。

図面は本考案による治療器具を断面で示してあり、１は
その手持器具、２はそれに連結すべき原動機部、３及び
４は夫々に対する制御部を示す。

器具１において、５はその中心を前後軸方向にのびて設
置される中空円筒状の回転軸で、外筒６の内部にあって
前後両端近くを夫夫押ねじ７，８の各抑制下にある軸受
９，１０により回転自在に支持されている。

この回転軸５はその中空内部に〇−リングの如き弾性部
材１１．１２を介して棒状の磁歪振動子（以下振動子と
いう）１３を軸方向振動自在に保持し、また回転軸後端
には、原動機部２の駆動軸１４の軸端１５が着脱自在に
結合される受口１６が形成されである。

なお、回転軸５の前端近くには、前記振動子１３の末端
１７があり、それに歯治療用刃具１８（又は第２図の１
８′）を装着するためのねじ部材１９が固着されている
。

外筒６はその前端部に回転軸５の前部軸受９を封入抑止
する押ねじ７のねじこまれる雌ねじ２０を有し、キャッ
プ２１が螺装されている。

また、外筒後端部の方にも後部軸受１０の没入する深目
の孔２２が設けられている。

この孔２２は回転軸５の後端部を囲繞し、その受口１６
へ原動機部２の駆動軸軸端１５を結合させるべく挿込ん
だ時、同時に該原動機部の套管２３が孔２２へ嵌入され
て孔内面２２′に套管上の弾性環２４が圧接することに
より、外筒６への原動機部２の連結がなされる。

外筒６の外周には前記振動子１３に対する励磁コイル２
５の収納される凹所２６とリード線２７を引出すための
導溝２８とが形成され、かつそれらを包囲する筒状カバ
ー２９が嵌装されている。

図中、３０は電極、３１はそれに嵌合するコンネクタで
制御部４への接続に供される。

励磁コイル２５と振動子１３との間に位置する回転軸５
は非磁性体製とし、また、保安上から外筒６ならびにカ
バー２９は絶縁体で製作するとよい。

また、原動機部２は小型電動機の代りに加圧空気駆動の
エアモータとしてもよい。

本考案の治療器具は器具１と原動機部２とよりなるもの
で、両者併用で使用すること、ならびに、原動機部２を
除外して器具１の方だけを単独使用することも夫々可能
としている。

後者の場合、振動子１３の先端１９には刃具１８（第１
図）の代りに第２図に示すような刃具１８′をねじこみ
装着の上、励磁コイル２５へ制御部４を通じ高周波パル
スを入力して振動子１３に磁歪振動、すなわち超音波振
動を起こさせ、先端ねじ部材１９を介し刃具１８′の刃
先をして超高速の軸方向振動をなさしめ、それを歯牙面
に適用して歯石の除去に供する。

器具１に原動機部２を連結使用の場合は、先ず、原動機
部２の套管２３を外筒６の後端部孔２２へ嵌入するとと
もに原動機駆動軸１４の軸端１５を回転軸５の受口１６
へ結合させることにより原動機套管２３上の弾性環２４
が外筒６の後端孔２２の内面２２′に圧接して原動機部
２と外筒６との連結に加えて駆動軸１４と回転軸５との
結合が同時になされる。

次に、回転軸５の先端には第１図に示す如く、刃具１８
を装着、なお、電極３０よりコンネクタ３１を引きはず
した状態として原動機を起動、回転軸５を回転させれば
刃具１８の回転により歯牙の切削がなされる。

更に、電極３０にコンネクタ３１を嵌合し励磁コイル２
５に高周波パルスを入力すれば回転軸５内の振動子１３
に軸方向の高速振動が与えられるから刃具１８の刃先に
は回転と振動の両件用が同時に付与される。

本考案の治療器具は、以上の通り、単−器をもって高速
回転による歯牙の切削を、又、超音波振動による歯石の
除去を夫々単独になしうるほか両者併用すなわち高速回
転に超音波振動を加えた特異旋回を刃先に付与すること
もできるので歯の治療上極めて便利のものであり、特に
両者併用の場合、例えば直径５粍の刃先に毎分２万回の
回転を与えると刃先の周速は５・３米／秒、それに振巾
１０ミクロン、振動数４０キロヘルツの超音波振動を付
加するとそれは毎秒０．林の軸方向振動を同時付与する
こととなり刃先は特異な高速旋回作用をもって歯牙面の
精密研削仕上をなすことができる特長を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は器具とそれに連結する原動機部とよりなる本考
案の治療器具の構成を示し、器具の方は断面として示し
ている。 又、第２図には本考案器具に装着使用する歯石除去用刃
具の一例を示している。 図中、１・・・・・・手持器具、２・・・・・・原動機
部、５・・・・・・回転軸、６・・・・・・外筒、１１
，１２・・・・・・弾性部材、１３・・・・・・磁歪振
動子、１４・・・・・・原動機駆動軸、１５・・・・・
・駆動軸軸端、１６・・・・・・受口、１７・・・・・
・振動子末端、１８，１８’・・・・・・治療用刃具、
１９・・・・・・ねじ部材、２２・・・・・・外筒後端
孔、２３・・・・・・套管、２４・・・・・・弾性環、
２５・・・・・・励磁コイル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 歯治療用刃具の取付けられる手持器具とそれに着脱自在
   の原動機部とよりなり、前者における外筒の内部中心に
   回転自在に置かれた中空円筒状の回転軸及びこの中空軸
   内に弾性部材を介して軸方向振動自在に保持された棒状
   の磁歪振動子を有し、外筒の外周面には該振動子と磁気
   的に結合しそれを軸方向に超音波振動させるための励磁
   コイルが捲装され、更に外筒後端部には深目の孔を設け
   てあり、この孔に前記原動機部の駆動軸を囲む套管が嵌
   入して套管上の弾性環の圧接を受けると同時に駆動軸の
   軸端が前記回転軸後端の受口と結合して器具及び原動機
   部間の連結がなされる一方、回転軸の前端近くにおいて
   、前記振動子の末端に治療用刃具を互換的に装着するた
   めのねじ部材が固着されてあり、前記励磁コイルへの高
   周波パルス入力による振動子の超音波振動と前記回転軸
   の原動機部による高速回転とそれら併用による治療用刃
   具の特異旋回とを夫々可能ならしめた歯科用治療器具。