JPS6014775Y2 - 織機用緯糸把持式搬送具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、緯糸把持式搬送具が杼道の一端部から他端部
に発射され、次いで後者の他端部から回収される形式の
連続式緯糸供給織機の、該杼道を介して緯糸を把持し且
つ搬送する緯糸把持式搬送具に関するものである。

空力形状の細長い扁平形態の織機用緯糸把持式搬送具は
既に知られており、これはその端部において、ばねの作
用による通常の相互掛合によるビンサーアーム形態で、
即ち糸を挾むグリッパ−アーム−形態で糸を把持し、且
つ緯糸を供給し又は解放するためにかかる搬送具に開口
を生せしめるジヤツキ作用により掛合状態を解くことが
できる手段を備える。

尚、上記空力形状とは、走行中に空気抵抗が最小となる
ような形状をいい、またジヤツキ作用とは自由に動くこ
とのできるピンの作用によることをいう。

既知の上記搬送具（以下犬−形式という）に供給される
べき緯糸は、ビンサーアームが開いた正にその瞬間に該
ビンサーアーム間の位置に正確にもたらされ、再閉鎖の
際に該緯糸が把持されるようにしなければならない。

このことは著しく高精度の、従って高価で構造の複雑な
緯糸供給装置を必要とし、作動時にある不安をもたらす
ことになる。

この理由は、種々の機械部材の操作時における小さな差
異、又は供給した糸のわずかな変形により、緯糸が前記
部材に把持されないことにより生じる織機における打込
数の損失を発生させ易くするからである。

ここて打込数の損失とは織機作動中にもかかわらず緯糸
が緯入されないことである。

また、前方で２個のつめに分割された細長いピンサーグ
リップ形態の緯糸把持式搬送具（以下第二形式という）
もも既に知られており、かかる２個のつめは、緯糸がつ
めの間に挿入され次いで一方のつめに配置された弾性把
持手段と掛合するよう走行中緯糸を捉える。

この第二形式の把持式搬送具は、第一形式の把持式搬送
具の場合には搬送される糸の任意引張力により把持が妨
げられ、糸が該糸を把持するビンサーアームから逃げて
しまう可能性があるのに対し、第二形式の場合には糸が
引っ張られるほど糸は把持手段の中に割り込まれ、その
掛合は実際上自己締め付は形であるため、明らかに信頼
性が更に高められた。

従って、搬送具の走行中に常に生じ得る緯糸の張力の変
化は、第一形式の場合には危険因子となるが第二形式の
場合には完全に吸収されてしまうことになる。

更に第二形式の把持式搬送具は、かかる搬送具が、相対
的に接近するように搬送具の通路に配置される緯糸を均
一に捉え、次いで保持しく次いで搬送し）やすいという
理由で、第一形式のものよりずっと簡単な緯糸供給装置
ですむ。

しかし、これらの構造及びはるかに幅″のある横寸法の
ために、これら第二形式の把持式搬送具は、素早す連続
的に各杼道内に発射される複数個の把持部材を使用する
織機に利用するには適さない。

これら第二形式の把持式搬送具をかかる織機に適応する
ことは現在まで不可能であったので、第二形式の把持式
搬送具は、往復運動を与えるベルト又は棒により駆動さ
れる簡単な往復運動を行なわせる連続式緯糸供給装置織
機でのみ利用が見出されている。

本考案の目的は、前述の第一形式の形状及び寸法特性と
第二形式の糸掛合特性とを組み合わせたタイプの緯糸把
持式搬送具を提供することにあり、これによって緯入の
信頼性を高め且つ複数個の緯糸把持式搬送具を使用する
織機への提供を著しく簡単にする。

端部に糸把持用手段を備えた空力形状の細長い扁平本体
より成る織機用緯糸把持式搬送具であって、杼道内に複
数個の緯糸把持式搬送具が各開口毎に順次発射される形
式の連続式緯糸供給装置織機の、該杼道を介して緯糸を
把持し次いで搬送する本考案の緯糸把持式搬送具は、 （ａ）前記扁平本体が内側長手空所（細長い空所）と、
該本体の端部において後延長部と、該後延長部に近接す
る本体下部においてジヤツキ挿入用の孔と、上後部にお
いて凹所とを有し、（ｂ）前記把持用手段が弾性体のか
ぎ形羽根のかぎ形部を有し、 （Ｃ）前記かぎ形羽根がその長さの大部分を前記扁平本
体の長手空所内に収納され且つ止め具により本体の前端
部にて固定され、ジヤツキが未挿入の状態の下では前記
かぎ形部の部分が前記凹所と掛合して後延長部の輪郭内
に完全に納まることを特徴とする。

前記かぎ形羽根は、それの大部分の長さを前記本体の細
長い空所（以下長手空所）内に保持される細長い弾性羽
根であり、且つねじ等によりこの本体の前端部に固定さ
れ、孔にジヤツキが未挿入の状態では、該羽根の弾性力
は該本体の後延長部に対してそのかぎ形部を押圧するの
に役立つ。

また、搬送具が休止している際に前記ジヤツキ前記孔に
挿入し、前記かぎ形羽根を弾性的に押し上げて後延長部
での前記掛合を解除することにより、搬送すべき緯糸を
挿入し、又は搬送した緯糸を自由にすることができる。

次に本考案を図面により詳細に説明する。

図に見られる如く、本考案の緯糸把持式搬送具は内部長
手空所２及び後延長部３を備えた、強度に空力形状の細
長い扁平本俸１より成る。

本体１の空所２には弾性体のかぎ形羽根４の長さの体部
分が収納され、このかぎ形羽根４の外側部分に位置する
かぎ形部５は本体１の延長部３上で終わっている。

本体１の上後部６はかぎ形の形状になっており、一方の
側部にかぎ部端部８のための凹所７を、且つ他側部にか
ぎ形部５をかぎ形羽根４の本体に連結する部分１０のた
めの凹所９を有する。

かぎ形羽根４は孔１１′によりその平滑端部１１で、例
えば１個又はそれ以上のねじ又はリベットの如き任意適
当な止め具１３により本体１の前端部１２に個室されて
いる。

ジヤツキ１５が孔１４に挿入されていない状態では、か
ぎ形部５はかぎ形羽根４の弾性力により本体１の延長部
３に対して強制的に押圧され、第２図に示す如く配置さ
れている。

この状態で、かぎ部８，１０は後延長部３の輪郭内に完
全に納まり、凹所７及び９が特殊形状であることと共に
かかる理由により、その走行道路と交差し得る如何なる
糸ともかみ合うことがなく、従ってかかる糸を把持して
これを保持することがない。

また、緯糸が挿入されることもない。

本考案の搬送具は、これら条件下では完全に平滑な表面
であり、その使用に対し最も有利である。

休止時に搬送具に緯糸を挿入するために、該搬送具の下
部は、かぎ部８が本体１の輪郭から突出する第３図の位
置に配置されるように、かぎ形羽根４のかぎ形部５を弾
性力に対抗して押上げることができるジヤツキ１５を挿
入することができる孔１４を有する。

この方法で、緯糸ｆを極めて容易に挿入することができ
、またそれがかぎ形羽根４のかぎ形部５と本体１の後延
長部３との間に（ジヤツキ１５が下降した際に）緊締さ
れるや否や、確実に把持される。

緯糸は、織機の反対側に設置された、ジヤツキ１５と同
様なジヤツキにより把持式搬送具から解放することがで
きる。

本考案の緯糸搬送具を構成するために使用することがで
きる材料には厳格な制限はない。

しかし、使用する特殊構造と、該搬送具の種々の部分の
協働作用のために、本体１に対して綱、更に特にステン
レス鋼を、また該搬送具のかぎ形羽根４に対して普通又
は特殊鋼を使用するのが一般に好ましい。

同一タイプの従来の搬送具に関して、本考案の把持式搬
送具の利点は著しいものがある。

第一に、本考案の把持式搬送具は従来の搬送具の小型、
簡単且つ制御の容易さの特徴を維持し、且つこれら条件
下において、該搬送具を適当な外形を有する平滑表面状
態で杼道内に挿入することができる。

尚、かかる表面は、経糸に対して起こり得る如何なる妨
害をも防止し、且つ経糸上の任意応力を著しく小さくす
る。

加えて、本考案の把持式搬送具は、緯糸それ自体の特に
正確な位置決めを要することなく、供給の瞬間において
緯糸の信頼できる挿入を可能にし、且つかぎ形部（この
かぎ形部と把持式搬送具の本体との間で糸を保持する）
の確実な作用のために、搬送中の糸の完全且つ信頼でき
る把持を保証する。

この把持を、既に知られた把持式搬送具のピンサーブリ
ップ装置で使用されるものよりも著しく小さな弾性力で
得ることができるが、把持すべき糸と接触する部分のロ
ーレット切り又は歯付けを必要としない。

これらローレット切り又は歯付けの手段は、実際には操
作中における任意付加的な引張りにより把持が解除され
てしまう場合がある従来糸では適当なものであるが、か
かる手段は、かぎ形部分と該把持式搬送具の本体との間
の十分な連結力が存在する場合に糸の引張りの増加がか
ぎ形部による把持を増加するに過ぎない本考案の搬送具
の場合には意味がない。

更に、本考案の把持式搬送具は、任意変更又は調整を要
することなく細いか又は太い緯糸を使用する場合にも同
様に適している。

従って、本考案の把持式搬送具を１タイプ製造すること
によって、如何なる種類の緯糸をも使用することができ
、このことは明らかな利点である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の緯糸把持式搬送具、及びその操作のた
めのジヤツキを説明するための斜視図、第２図は第１図
の本考案の搬送具の平常の位置における縦断面図、第３
図は緯糸に対する掛合が解除された状態における本考案
の搬送具の第２図と同様な縦断面図である。 １・・・・・・細長い扁平本体、２・・・・・・内側長
手空所、３・・・・・・後延長部、４・・・・・・かぎ
形羽根、５・・・・・・かぎ形部、６・・・・・・上後
部、７・・・・・・凹所、８・・・・・・かぎ部（部分
）、９・・・・・・凹所、１０・・・・・・部分、１１
・・・・・・平滑端部、１１′・・・・・・孔、１２・
・・・・・前端部、１３・・・・・・止め具（ねじ又は
リベット）、１４・・・・・・孔、１５・・・・・・ジ
ヤツキ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 端部に糸把持用手段を備えた空力形状の細長い扁平本体
   １より成る織機用緯糸把持式搬送具であって、杼道内に
   複数個の緯糸把持式搬送具が各開口毎に順次発射される
   形式の連続式緯糸供給織機の、該杼道を介して緯糸を把
   持し次いで搬送する該緯糸把持式搬送具において、 （ａ）扁平本体１が内側長手空所（細長い空所）２と、
   該本体の端部において後延長部３と、該後延長部に近接
   する本体下部においてジヤツキ１５挿入用の孔１４と、
   上後部６において凹所７および９とを有し、 （ｂ）前記把持用手段が弾性体のかぎ形羽根４のかぎ形
   部５を有し、 （Ｃ１前記かぎ形羽根４がその長さの大部分を前記扁平
   本体１の長手空所２内に収納され且つ止め具１３により
   本体の前端部１２にて固定され、ジヤツキ１５が未挿入
   の状態の下では前記かぎ形部５の部分８，１０が前記凹
   所７および９と掛合して後延長部３の輪郭内に完全に納
   まっていることを特徴とする緯糸把持式搬送具。