JPS6013618Y2 - 加硫筒における冷却式線条案内装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は加硫筒内を走行する線条体の案内装置に関す
るものである。

導体上に押出被覆されたゴム、プラスチック等の絶縁物
を加硫（加橋）筒に導いて加圧加熱して加硫（加橋）を
推進する際に、前記加硫・（加橋、以下同じ）工程中の
高温下にある絶縁物が加硫筒内壁を摺接走行してその表
面に擦過傷や肌荒れ等が生じるのを防止するため、従来
第１図に示されるように加硫筒１の長手方向の適宜間隔
位置に線条案内装置が設けられている。

すなわち、この線条案内装置は加硫すべき絶縁物２１が
被覆された線条体２を受ける中空の線条受はコロ１０４
がこれと一体的にかつ連通状態に固着された中空回転軸
３を介して軸受６により回転自在に支持されているもの
であり、線条体２の押付力によって前記線条受はコロ１
０４を回転させて線条体の摺接走行に起因する絶縁物２
１の擦過傷を防止し、かつ前記絶縁物２１の表面が線条
受はコロ１０４に付着して肌荒れ等を生じるのを避ける
ために中空回転軸３の内部に冷媒導入管１０５を挿入し
、そしてこれにたとえば水などの適宜の冷媒を矢印に示
すように導入し、かつこの冷媒を線条受はコロ１０４の
内部に到達させた後、前記中空回転軸３と冷媒導入管５
との間に保持される冷媒導出用通路７を経て矢印に示す
ように外部に排出することにより、前記線条受はコロ１
０４を冷却した絶縁物２１に肌荒れが生じるのを防止す
るようにしているものである。

しかながらこの場合、応々にして中空回転軸３の軸受６
が加硫筒１の放射熱を受けて加熱変形する等してその回
転抵抗が大きくなる事態が発生し、しかも案内する線条
体２が細物である場合には、その線条体２の線条受はコ
ロ１０４に対する押圧力が小さいために前記線条受はコ
ロ１０４を回転させんとするトルクが前記軸受６の回転
抵抗力よりも小となり、結果として線条体２が線条受は
コロ１０４上を摺接走行移動した絶縁物２１が擦過損傷
する問題が生じるものであった。

この考案はこのような従来技術の欠点を排除するために
なされたもので、線条体を案内する線条受はコロにこれ
を積極的に回転駆動させるトルクを与えるようにしたも
のであり、以下図についてこの考案の一実施例を説明す
る。

第２図において加硫筒１の管壁を貫通して延びる中空回
転軸３の先端に中空の線条受はコロ４が中空回転軸３と
一体に、かつこれと連通状態に設けられ、中空回転軸３
の内部に冷媒導入管５が挿入される構成は、第１図につ
いて既に述べた従来技術とほぼ同様である。

しかしこの考案では冷媒導入管５の先端の、線条受はコ
ロ４の内部位置に、冷媒噴出室５１が設けられる点が特
徴的である。

すなわち冷媒導入管５の先端に冷媒噴出室５１がこの冷
媒導入管５と連通状態に一体的に設けられ、かつその外
周壁５２には半径方向外方に放射状に突出する冷媒噴出
ノズル５３が円周等分位置に複数個形成されている。

この冷媒噴出ノズル５３の正確な突出方向は、このノズ
ルから噴出される冷媒が線条受はコロ４の内周壁に衝突
味これに回転駆動を与えるような接線方向成分を持つ方
向であればよい。

また線条受はコロ４の内周壁には第３図に示されるよう
に前記の噴出冷媒を効率的に受けらための半径方向内方
に延びる適宜の突条４１が設けられている。

なお第４図に符号４２によって示されるものは噴出冷媒
をさらに効率的に受けるためのタービンブレード状突条
である。

第５図に示される実施例は中空回転軸３を加硫ｖ１の内
部に設けられた架台８に配置された軸受６Ａと、加硫管
１の外部に位置する軸受６とによって両持ちした点だけ
が第２図の実施例と異なり、特に重量の大きい大物線条
体をスムーズに案内走行させたい場合に好適である。

この考案の装置の作動は自明である。

すなわち冷媒、たとえば水を加圧して冷媒導入管５を経
由して冷媒噴出室５１に導入すればよい。

加圧された水は冷媒噴出ノズル５３から噴出して線条受
はコロ４の内周壁に衝突し、これを線条体２の走行する
方向に回転駆動するか、あるいは少なくともその方向の
トルクを与えると共に、線条受はコロ４から熱を奪って
冷媒導出用通路７から還流するをのである。

この考案は上述の構成を有するため、線条受はコロが冷
媒によって冷却されて絶縁物表面の肌荒れが防止される
ことは勿論のこと、冷媒噴出ノズルから噴出される冷媒
によって線条受はコロが積極的に回転駆動されるので、
もはや線条受はコロと線条体とがすべり摩擦接触を生じ
ることがなく、両者をコロガリ摩擦接触とさせることが
でき、そのため従来線条受はコロ上を摺接移動し易かっ
た細部線条体における絶縁物表面の擦過損傷をも確実に
防止することができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の冷却式線条案内装置を示す簡略側断面図
、第２図はこの考案の一実施例を示す簡略側断面図、第
３図は第２図の■−■線に沿う断面図、第４図は別の実
施例についての第３図と同様の断面図、第５図は中空回
転軸の両端支持の場合の例を示す簡略側面図である。 １・・・・・・加硫筒、２・・・線条体、２１・・・・
・・絶縁物、３・・・・・・中空回転軸、４・・・・・
・線条受はコロ、５・・・・・・冷媒導入管、５１・・
・・・・冷媒噴出室、５３・・・・・・冷媒噴出ノズル
、６・・・・・・軸受、７・・・・・・冷媒噴出用通路
。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 軸受６に支承されている中空回転軸３の先端が加硫筒１
   の管壁を貫通して前記加硫筒１内に挿入され、また前記
   中空回転軸３の先端に中空状の線条受はコロ４がそれぞ
   れの中空部が連通ずるように一体に設けられ、かつ前記
   中空回転軸３内に先端が前記線条受はコロ４の中空部に
   位置するように冷媒導入管５が挿入されていると共に、
   その冷媒導入管５および中空回転軸３の間に冷媒導出用
   通路７が保持されている加硫筒における冷却式線条案内
   装置において、前記冷媒導入管５の先端に冷媒噴出室５
   １が設けられ、かつその冷媒噴出室５１の外周壁５２に
   、前記線条受はコロ４の内周壁に向かって冷媒を噴出さ
   せて該線条受はコロ４を線条体２の走行方向に強制回転
   させるための複数個の冷媒噴出ノズル５３が設けられて
   いることを特徴とする。 加硫筒における冷却式線条案内装置。