JPS6013321B2 - 衛星追跡装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、衛星通信地上局（サテライト・ア−ス・ステ
ーション）、ことに静止衛星を追跡する方法および装置
に関する。

たとえば通信装置に使われる静止衛星は実際上地球上か
ら見て不動の地球静止軌道にある訳ではない。

固定の地上局から見るとこれ等の衛星は天空で動き回る
。従って衛星に追従するのにすなわち追跡として知られ
ている操作を行うのにアンテナビームの方向を変えるこ
とが必要である。普通の追跡法では、いつまたどの方向
に衛星がビームの中心から離れるかを検出し、これに従
ってビーム方向を調節する。この方法では複雑な電子装
置が必要である。ビーム方向を現在では普通の方法とし
てアンテナを物理的に動かすことにより動かそうとすれ
ば、アンテナに対しやつかいな可動の取付けを行わなけ
ればならない。小形の局ではとくに可搬式局では、普通
の追跡装置を使うと局が著しく複雑になりかさばりかつ
費用が高くなる。本発明の目的は、衛星通信小形地上局
、すなわち作用周波数において１′４０ またはそれ以
上のビーム幅を持つのに充分なだけ小さい直径を持つア
ンテナを備えた局に使うのに適当な静止衛星追跡用の比
較的簡単な追跡装置を提供しようとするにある。本発明
によれば、少くとも１／４ｏ のビーム幅を持つ指向性
アンテナを備えた衛星追跡装置において、｛ィ｝使用の
際に静止衛星の赤綾軸線に平行にすえ付けられる揺動軸
線のまわりに前記指向性アンテナが回転するように、ア
ンテナビームの方向の回転を制限するように、前記指向
性アンテナを支持する取付装置と、‘。

｝前記アンテナビームの方向を、前記揺動軸線のまわり
に「１恒星日の周期で正弦曲線状に揺動させる揺動装置
とを備えたことを特徴とする衛星追跡装置が得られる。
現在衛星追跡業界で使われている『赤緯 （ｄｅｃｌｉｎａｔｉｏｎ）』および『時角』という用
語は天文航法から借用したものでありたとえばジョージ
・フイリツプ・エンド・サン（ＧｏｒｇｅＰｈｉｌｉｐ
ａｎｄ３Ｓｏｎ）により１８９７年に刊行された『実際
的航法における助言』（第１０版）のェス・ティー１ェ
ス‘レツキイ（ＳＴＳじｃｋｙ）により使われている。

ホリーズ・エンド・カーター（Ｈｏｍｓ ａｎｄＣａｎ
ｅｒ）により１９６単王！こ刊行された『完全な航海３
天文学者』のチャールズ・エイチ１コツタ−（Ｃｈａｒ
ｌｅｓ 日 Ｃｏｔｔｅｒ）のような若干の著作者は時
角を『局部的時角』と称している。これ等は「地球に関
係的に固定され観察者に局部的な座標軸線に関係的な観
察質の照準付け線（ｓｉ亀ｔｌｉｎｅ）４の方向を表わ
す角度である。或る物体の赤緯軸線とは、赤縞が変化し
、時角が一定のままにとどまるときに、この物体への照
準付け線がそのまわりを回転する藤線である。天空内の
静止衛星の見掛けの運動は地球上の固定の観察者が見た
場合に複雑であり若干の要因にもとづく。

第１に軌道の赤縞の影響がある。静止衛星は、黄道に向
う漂遊を妨げるように赤道面に対し傾斜した軌道内に慎
重に位置させる。この場合衛星は天空内で幅の狭い８の
字を画く。しかしこの傾斜は一定ではなくて１年に約１
０だけ変り、従って８の字は寸法が徐徐に変化する。さ
らに正確には円形でない衛星軌道の偏○の影響がある。
また地球の重力の場の不規則性と衛星の高度の不正確ご
とにもとず〈赤道のまわりの漂遊がある。衛星の見掛け
の運動を測定する際の有力な要因は軌道の傾斜である。

本発明者は研究の結果、小形地上局では他の影響と傾斜
にもとず〈時角の変化とは無視して軌道の傾斜にもとず
く赤綾の変化だけを追従すれば充分であることを知った
。局の設定を周期的に調節し衛星の位置の長期の漂遊と
煩斜の変化とを補償する必要がある。しかし実際上この
ような調節は想像されるほどひんぱんには行わなくても
よい。本発明による追跡装置は極めて簡単である。

複雑な電子式追跡装置を必要としないばかりでなく、ま
たアンテナビーム方向の所要の運動が単一の鞠線のまわ
りぜけであるから、ビームを実際に動かす装置を簡単に
することができる。たとえばアンテナを物理的に動かそ
うとすれば単一の軸線のまわりに運動するように取付け
るだけでよい。また所要の運動は単純でほぼ正弦曲線状
であるから、この運動は１恒星日当たり１回転のクラン
ク駆動用の電気時計用電動機を備えたクランクおよび控
え棒のような簡単な装置により得られる。アンテナビー
ムの追跡運動はすべて単一軸線のまわりに生ずるが、こ
の軸線の位置を調節できるようにしなければならない。
たとえば本発明で３軸取付と称するアンテナ取付けの１
方法では使用中に竪方向に位置させる軸受軸部材と、こ
の軸受軸部材に対し直角を挟んで固定されこの軸受軸部
材のまわりに回転できる横レベル軸部材とこの横レベル
軸部材に対し直角を挟んで固定されこの横レベル軸部材
のまわりに回転できる揺動軸ピボットとを設ける。アン
テナは、軸受軸部材および機レベル軸部材のまわりの回
転により任意の方向に向きを定めその位置に鎖錠するこ
とのできる揺動熱線のまわり‘こ枢着する。この３軸取
付けには、衛星の長期の漂遊を補償しまたはアンテナの
向きを異る衛星に変えるように設定を変えようにすると
きはつねに完全に復帰させなければならないという欠点
がある。

本説明で赤道取付けと称する実施例による取付け法では
使用中に地軸に平行に整合する極軸部材と、この極軸部
村に対し直角を挟んで固定されこの極軸部材のまわりに
鎖錠できるように回転できる揺動軸ピボットとを設ける
。長期の標遊を補正し異る衛星を捕捉するのに極菱由部
材の再整合を行う必要がなくて、時角の変化に直接対応
して極鯛線のまわりに揺動軸ピボットを回転し平均赤緯
と揺動の振幅とを調節するだけでよい。この赤道取付け
には衛星の赤緯が広い範囲にわたって変らないから、こ
の取付けでは広い範囲にわたる揺動軸線のまわりのアン
テナの調節または運動ができるようにしなくてもよい。
この場合約ｌｏｏだけの範囲で適当であることが分る。
以下本発明による追跡装置の実施例を添付図面について
詳細に説明する。

第１図には赤道取付けを使う本発明追跡装置と共にアン
テナを示す。

このアンテナはさら形１と送りホーン２とを備えている
。さら形１は、つりあいおもり４を支えピボツト５に取
付けた腕部材３に取付けてある。

ピポット５の軸線は使用時に被追跡衛星の赤緯軸線に平
行になるように調節され揺動軸線を形成する。ピボット
５は端部部村７により榛部村６に取付けてある。端郡部
材７は、榛部村６の縦方向軸線のまわりに回転でき止め
ねじ部片８により定位層に鎖錠され、ピボット５の方向
を調節すると共にピポット５を極鞠部材を形成する榛部
材６の縦方向軸線に対し直角を挟む状態に保った部材を
形成する。榛部材６は、端部部材７から遠い方の端部に
おいて一部だけ図示した架台９に枢着してある。また榛
部材６は、一方の一部だけを示した１対の支柱１０，１
０１こより支えてある。榛部材６から遠い方の支柱１０
の端部は架台９に調節自在に取付けられ、榛部村６が架
台９に対し挟む角度を調節する調節部片を設けてある。
榛部材６には、１恒星日当たり１回転の割合で円板１２
を回転するように配置した電気時計用電動機１１を取付
けてある。

電気時計用電動機１１および円板１２の組合わせは、手
動ねじ部片１８により緊密に保持した取付けにより樟部
材６に固定してある。端部部材７を回転するときは、手
動ねじ部片１８をゆるめ電気時計用電動機１１および円
板１２を端部部材７と共に回転させる。円板１２はピポ
ツト部片１４を保持する、直径に沿って延びるみぞ１３
を備えている。ピボツト部片１４は円板１２から直角を
挟んで外向きに延びる。またみぞ１３内のピボツト部片
１４はその位置を調節し次で締付けることにより固定す
ることができる。長さを調節し次で止めナット１６によ
り固定できる控え棒１５は一端をピボット部片１４に枢
着されまた他端部を弾性的にたわむことのできる取付部
片１７によりざら形１の周辺の位置に固定してある。控
え棒１５は帆船に使われるリギングスクリュ−の原理で
構成され実際上このリギングスクリユーでよい。アンテ
ナは、先ず支柱１川こよりまた架台９の向きを適当に定
めることにより榛部材６の方向を地軸に平行になるよう
に調節することによって位置決めする。

次で端部部村７を適当な位置に回転しこれを止めねじ部
片８を続付けることにより鎖錠することにより時角を定
める。次でピボット部片１４を円板１２の中心に位置さ
せ控え棒１５の長さを調節することにより平均赤綾を定
める。所要の揺動の振幅は次で、この目的のために目盛
を付けたみそ１１３内でピボツト部片１４を位置決めす
ることにより定める。次で円板１２を衛星がその上昇節
を最後に通過してから経過した時間に対応する位置に回
転する。このために円板１２の周辺に時間目盛を付けて
ある。次で電気時計用電動機１１を始動する。第２図は
３鞄取付けのアンテナを示す。

ざら形２１は横レベル軸榛部材２３に固定したピボット
２２に回転自在に取付けてある。ピボット２２および榛
部材２３の各軸線は互に直交している。横レベル軸榛部
材２３は、軸受２４内に保持され榛部材自体の軸線のま
わりに回転できるようにしてある。軸受２４は軸受軸榛
部村２５に固定してある。軸受２４および極部材２５の
各藤線は互に直交している。軸受軸捧部材２５は、軸受
２６内に保持され棒部村自体の軸線のまわりに回転でき
るようにしてある。各軸受２４，２６には止めねじ部片
（図示していない）を設けてある。図示していないが第
１図に示したのと同様な揺動装置を設けさら形２１をピ
ボット２２の軸線のまわりに振動させるようにしてある
。３車由線を持つアンテナ取付けは船舶の運動に対する
船舶上のアンテナの安定化に関してはよく知られている
から、この取付け構造の詳細については詳しく述べない
ことにする。

静止衛星の位置は赤道面のまわり‘こ揺動し従ってその
平均位置は赤道面上にあるが地上局から観察した平均赤
綾は必ずしも零でなく、また観察する時角はこの衛星の
直下の地球表面上の点の経度とこのステーションの経度
との間の単純な差でもない。

その理由は、衛星の軌道の半径と地球の半径との間の比
が固定の星の場合のように実際上の目的に対し無限大で
あると考えられるほど大きくはないからである。実際上
静止衛星軌道に対してはこれ等の半径の比は約６．６で
ある。経度の差を修正してない時角として考えまた修正
してない平均赤縞として零であれば、これ等の半径の比
が有限値であるので時角および赤綾に対し修正を行う。
これ等の修正は衛星の観察位置を天空中で修正してない
位置よりつねに低くするように作用する。たとえば地上
局が北半球にあって副衛星点の西にあれば、衛星の修正
してない位置は天空の南東部分にある。時角に対する修
正は、衛星の観察位置が修正してない位置のなお一層東
方であることを意味し、また赤絹に対する修正は、この
観察位置がなお一層南方であることを意味する。修正の
大きさは簡単に計算することができる。時角に対する修
正値必ま次の式により得られる。ｓｈＢｃｏｓＬ 損ｎ少＝ｒ−ｃｏｓＢｃｏｓＬ また平均赤縞に対する修正値ｆは次の式により得られる
。

ｓｉｎＬ ｓｉｎｆ＝Ｖ（〆−公ｃｏｓＢｃｏｓＬ＋１）これ等の
式でｒは各半径の比であり、Ｂは経度の差であり、Ｌは
地上局の緯度である。

しかし実用上地上局を設定するには第３図に例示したよ
うな線図を使うのが便利である。この綾図には一定緯度
の曲線と一定経度の曲線とを時角および赤綾に対する修
正値の直交線目盛に対して画いてある。この線図を使う
には適当な経度差および緯度に対応する点を見付けこの
直交目盛から対応する修正値を読出す。第３図の破線は
経度差が５５０であり緯度が６００である場合の修正値
を見付ける方法を示す。時角に対する修正値は約３ｏ４
０であり、平均赤緯に対する修正値は約７０５０である
。時角および平均赤綾に対する修正値と共に衛星の位置
の観察した揺動の振幅に対する修正値が得られる。

比ｒが無限大であれば、この説明で衛星の見掛けの運動
の各末端点の間の対応角を意味する振幅は、軌道の傾斜
角の単に２倍である。ｒの有限値は振幅を増す効果を持
つ。静止衛星に対して使う軌道の傾斜角の値（一般に約
３ｏより大きくない）に対しては振幅は実際上傾斜角に
比例するからｌｏの傾斜角に対する振幅の値を計算する
のが便宜である。第４図は緯度と経度差との与えられた
値に対応するこのような値を見付けるための線図を示す
。破線は経度差が５５ｏであり緯度が６０ｏである場合
に振幅を見付けるのにこの線図を使う方法を示す。ｌｏ
の傾斜角に対する振幅は約２．０８ｏであり、従って傾
斜角がたとえば２．５ｏ であれば振幅は２．５×２．
０８＝５．２０である。第５図は、第１のヒンジ部材２
７に固定したピボット６に取付けたアンテナのざら形１
の一部を示す。第１ヒンジ部材２７は第２ヒンジ部材２
８および榛部材６と共に榛部材６付きのヒンジを形成す
る。榛部材６は、第１ヒンジ部材２７に固定され第２ヒ
ンジ部材２８内に軸架されヒンジピンを形成する。ピボ
ット５の鞠線は、機部村６の軸線に対し直角を挟み揺動
軸線を形成する。第２ヒンジ部材２８は、榛部材６の軸
線に対し直角を挟む軸線を持つピボツト２９に、支持体
（図示してない）の一部を形成する支柱９の頭部のテー
フル３１‘こボルト締めした各トラニオン３０の間に取
付けてある。ピボット２９の軸線は使用中に水平の東西
方向に整合し第２ヒンジ部材２８および榛部材６を追跡
局の子午線面内で回転するように拘束する。榛部材６は
使用中に地軸に平行に整合する。このために第２ヒンジ
部村２８に角度目盛を設けてある。トラニオン３０を貫
いて止めボルト３２を設けてある。止めボルト３２は第
２ヒンジ部材２８の部分円形の穴３３と協働して第２ヒ
ンジ部材２８を定位層に鎖錠し従って榛部材６の軸線の
向きを固定するのに使うことができる。榛部材６は極鞄
部材・である。歯車３４は、渡部材６の一端部に同軸に
固定され非逆転ウオー，ム（図示していない）に協働し
ている。

このウオ・‐ムは第２のヒンジ部材２８に取付けられ、
取手３６を取付けた円板３５により手により回転するこ
とができる。椿部材６と共に第１ヒンジ部材２７、ピボ
ット５およびざら形１はこのようにして櫨部材６の鯛線
のまわりに回転しこのアンテナを設定する時角を定める
ことができる。榛部材６の他端部に向い、第１図につい
て述べた対応部品と同様に止めナット１６を持つ控え棒
１５によりざら形１の取付部片１７に連結した電気時計
用電動機１１、円板１２、みそ１１３およびピボット部
片１４の組合わせを設けてある。

この場合の違いは、取付部片１７をごら形１にその周辺
および中心の間の中間位置に取付け、従って円板１２が
一層小さくて、樺部材６が時角の変るのに伴いさら形１
と共に回転するから電気時計用電動機１１、円板１２、
みぞ１３およびピボット部片１４の組合わせを可動ねじ
部片１８（第１図）を必要としないで捧部材６に固定で
きることである。なお当業者には明らかなように別の変
型としてアンテナ全体を揺動させないでさら形を固定し
たままに保持し送りホーンを揺動させてもよい。

以上本発明をその実施例について詳細に説明したが本発
明はなおその精神を逸脱しないで種種の変化変型を行う
ことができるのはもちろんである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による追跡装置の赤道取付け式の実施例
の側面図、第２図は本発明追跡装置の３軸取付け式の実
施例の縦断面図である。 第３図および第４図は本追跡装置を組立てるのに有用な
線図、第５図は第１図の変型の部分側面図である。１…
…ざら形、２……送りホーン、５……ピボット、６・…
・・極部材、１１・・・・・・電気時計用電動機、１２
……円板、１３……みそ１、１４……ピボット部片「
１５・・・・・・控え棒。 ＦＩＧ２ ＦＩＧ３ ＦＩＧ「 ＦＩＧ４ Ｆ’Ｇ５

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 少くとも１／４°のビーム幅を持つ指向性アンテナ
   を備えた衛星追跡装置において、（イ）使用の際に静止
   衛星の赤緯軸線に平行にすえ付けられる揺動軸線のまわ
   りに前記指向性アンテナが回転するように、アンテナビ
   ームの方向の回転を制限するように、前記指向性アンテ
   ナを支持する取付装置と、（ロ）前記アンテナビームの
   方向を、前記揺動軸線のまわりに、１恒星日の周期で正
   弦曲線状に揺動させる揺動装置とを備えたことを特徴と
   する衛星追跡装置。 ２ 前記揺動装置を、クランクと、このクランクを１恒
   星日当たり１回転の割合で回転するのに適する電気時計
   用電動機と、アンテナビームに揺動運動を加えるように
   、前記クランクと前記指向性アンテナとを連結する控え
   捧とにより構成したことを特徴とする特許請求の範囲第
   １項記載の衛星追跡装置。 ３ 前記クランクの偏心距離を調節可能にし、前記控え
   棒の長さを調節可能にし、この控え棒により前記クラン
   クを、前記指向性アンテナ上の固定の位置に連結したこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第２項記載の衛星追跡装
   置。 ４ 前記取付装置を、使用の際に地軸に軸線を平行にし
   て位置させられるのに適する極軸部材と、この極軸部材
   の軸線に対し直角に固定され、この極軸部材の軸線のま
   わりに鎖錠可能に回転可能な揺動軸ピボツトとにより構
   成したことを特徴とする特許請求の範囲第１項ないし第
   ３項のいずれかに記載の衛星追跡装置。 ５ 前記揺動軸ピボツトを、第２のヒンジ部材と、ヒン
   ジピンとしての前記極軸部材と共にヒンジを形成する第
   １のヒンジ部材に取付け、前記第２のヒンジ部材を、垂
   直方向平面内で鎖錠可能に回転するように取付けたこと
   を特徴とする特許請求の範囲第４項記載の衛星追跡装置
   。 ６ 前期揺動装置を、前記極軸部材に固定したことを特
   徴とする特許請求の範囲第４項または第５項に記載の衛
   星追跡装置。