JPS6010881Y2 - タイヤバルブ着脱用工具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車のホイールに装備されているタイヤバ
ルブのバルブコアを着脱するに好適な工具に関するもの
である。

大・中型のトラック・バス等では、後輪にダブルタイヤ
を採用することがあり、内外のホイールにそれぞれタイ
ヤバルブを装着している。

ここに、外側ホイールのタイヤバルブのキャップ及びバ
ルブコアはいわゆる手作業によって比較的容易に着脱で
きるものの、内側ホイールのバルブのキャップ及びバル
ブコアを着脱するには、外側ホイールのディスクに設け
た抜き孔から手を差し込む必要がある。

ところが、中型のトラック・バス等に装備されているホ
イールは大型のトラック・バス等に装備されているもの
より小さく、そのディスクの抜き孔も小さい。

従って、中型トラック・バス等では、外側ディスクの抜
き孔から手を充分に差し込めないので、キャップ及びバ
ルブコアの着脱時に指先を自由に使い難く、バルブコア
の取り外し時にはバルブから吹き出すエアでバルブコア
が吹き飛ばされてしまうおそれがあった。

本考案は上記に鑑みてなされたものであって、スペース
の小さな奥まった部分にタイヤバルブが配設されていよ
うとも、そのキャップ及びバルブコアを容易かつ確実に
着脱できるようにした工具を提供するものである。

以下に本考案を図示された一実施例について説明する。

図において、基端に円筒状のグリップ１を固定したロッ
ド２の先端には、タイヤバルブＡのバルブコアＢと廻り
止め係合する係合軸３を突設している。

Ｃは係合軸３と係合するバルブコアＢの取付ねじ部、Ｄ
はバルブボディ、Ｅはキャップである。

前記ロッド２の先端には、保合軸３をとり囲むように３
個の挟持片４を固定している。

この挾持片４は、それぞれ外側に向って傾斜しており、
かつ、各挟持片４の内面を凹入彎曲させることにより、
３個の挾持片４の内側空間部を先端に至るほど拡径させ
ている。

尚、前記内側空間部の内奥端の径、つまり、係合軸３の
部分の径はバルブボディＤの外径より大きくてバルブキ
ャップＥの外径より小さく形成されており、前記内部空
間部の先端の径はバルブキャップＥの外径より大きく形
成されている。

更に、前記のように外側に傾斜した各挾持片４の内面に
は、ロッド２の長さ方向に沿うセレーション５を形成す
ることにより、このセレーション５を介して挟持片４が
バルブキャップＥに廻り止め係合するようになっている
。

上記のように構成した工具を用いてタイヤバルブＡのキ
ャップＥを取り外すには、第２図に示すように、ロッド
２の先端の挟持片４で形成された空間部内にキャップＥ
を挾み込むように工具を押し付ける。

すると、挟持片４の内面に形成したセレーション５がキ
ャップＥの肩部外周面に形成されているセレーションと
噛み合い係合してキャップＥと挟持片４とが廻り止め係
合されるので、工具を押し付けたままで回転させるとキ
ャップＥが回転してバルブボディＤから外れる。

尚、キャップＥがバルブボディＤから外れた後も、挟持
片４による挾持作用が行なわれるので、キャップＥが挟
持片４の内側空間部に安定よく保持された状態で取り出
される。

又、キャップＥを取り出した後は、隣接する挾持片４の
隙間からドライバー等を差し込んでキャップＥを挾持片
４の内側から抜き取る。

一方、バルブコアＢを取り外す時は、前記のようにして
キャップＥを取り外した後に、このキャップＥを反対に
向けて再び挟持片４の内側空間部に挾持させる。

そして、第３図に示すように、キャップＥの先端に突設
されている係合突部をノくルブボデイＤに挿入してこれ
をバルブコアＢの取り付けねじＣに係合させれば、キャ
ップＥを介してバルブコアＢのねじ部Ｃと工具とが廻り
止め係合される。

従って、この状態で工具を回転操作すればバルブコアＢ
を抜き取ることができる。

尚、係合突部のないプラスチック製のキャップ等がバル
ブボディＤに装着されている時は、前記同様にしてキャ
ップを取り外した後に工具をバルブボディＤに押し付け
てその係合軸３をバルブコアＢのねじ部Ｃに廻り止め係
合させ、工具を回転させれば良い。

又、バルブコア及びキャップをバルブボディに取り付け
る場合は前記とは逆の手順でバルブコア及びキャップを
それぞれバルブボディに取り付けることができる。

実施例では、係合軸３をとり囲むように３個の保合片４
を配設したものであるが、断面略半円状をなす２個の挟
持片を係合軸３を挾んで対向させてもよく、あるいは、
４個の挟持片を係合軸の外側に等配しても良く、要する
に、複数個の挟持片をそれぞれ外傾させることにより、
挟持片の内側の空間部分に径の異なるキャップをも安定
よく挟持できると共に、このキャップを挟持片間から差
し込んだドライバー等で容易に抜き取ることができるよ
うにしたものであれば挾持片の数は任意である。

又、挟持片を鋼材等で構成すれば、その弾性を利用して
挾持機能を向上できることはもちろんである。

以上説明したように本考案に係る工具によれば、ロッド
の先端に固定した挟持片がタイヤバルブのキャップを安
定よく挾持すると共に、バルブコアの吹き飛びを防止す
る。

従って、スペースの小さな奥まった部分にタイヤバルブ
が装着されていようとも、ロッド先端の挾持片と係合軸
との挾持係合作用でキャップ及びバルブコアを容易かつ
確実に着脱できる。

又、係合軸をとり囲む挟持片間には隙間が形成されてい
るので、この隙間を利用して挟持片内側のキャップを容
易に抜き取ることができると共に、係合軸の周辺を容易
に清掃できるのでバルブコア着脱時にバルブボディの先
端部を汚損することもない。

【図面の簡単な説明】

図は本考案に係る工具の一実施例を示すものであって、
第１図は工具全体の側面図、第２図はキャップ着脱時の
断面図、第３図はキャップを利用してバルブコアを着脱
する時の断面図、第４図は第１図のＩＶ−ＩＶ断面図で
ある。 １・・・・・・グリップ、２・・・・・・ロッド、３・
・・・・・係合軸、４・・・・・・挾持片、５・・・・
・・セレーション、Ａ・・・・・・タイヤバルブ、Ｂ・
・・・・・バルブコア、Ｃ・・・・・・取付ねじ部、Ｄ
・・・・・・バルブボディ、Ｅ・・・・・・キャップ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基端にグリップを固定したロッドの先端にバルブコアと
   廻り止め係合する係合軸と該係合軸をとり囲む複数個の
   挟持片とを固定し、前記挟持片を外側に傾斜させてその
   内面を凹入彎曲させると共に、ロッドの長さ方向に沿う
   セレーションを前記各挾持片の内面に形成したことを特
   徴とするタイヤバルブ着脱用工具。